民事系


【その他参考書】

  • 森田修『債権回収法講義』有斐閣(2011年4月・第2版)……学部レベルの民事執行法、倒産法の講義を受けたことのある者を対象としている(「はしがき」より)。『民事法』では実体法分野と判決手続分野とで解説執筆者が分かれており、結局のところ、真の意味での融合は果たせなかったが、本書では著者が全編にわたり単独で、手続法分野にまで筆をすすめた――実体法上の権利義務の発生から、実際に債権者のもとにお金が辿り着くところまでの――解説をしている。司法試験対策のための本ではないが、倒産法選択者であれば一読の価値もあるだろう。A5判、408頁。.

  • 小林秀之『事例から学ぶ債権回収法』法学書院(2010年7月)……A5判、264頁。

  • 権田修一『債権回収基本のき』商事法務(2017年10月・第4版)……A5判、296頁。

  • 木庭顕『[笑うケースメソッド] 現代日本民法の基礎を問う』勁草書房(2015年1月)……民法の超有名判例を素材に、ローマ法の観点から日本民法を分析して「斬る」というスタイル。東大ローの「民事法の古典的基礎」を書籍化したものである。教授と学生の対話によるソクラティック・メソッドで叙述されており、ユーモアを過剰に含んだやりとりなのでローマ法の基礎知識なしに気軽に読めるが、その内容は極めて高度であり、教授と学生の当意即妙のやりとりについていける読者がどれだけいるのか疑問である。本書のような高度なゼミが運営されている東大ロー恐るべしというべきか。なお、正誤表あり。A5判、280頁。


【入門書】

  • 野村豊弘『民事法入門(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(☆2022年3月・第8版補訂版)……民法(財産法・家族法)を中心として、民事法の全体像を案内する入門書。1章の民事法(民事法の意義・構造/法源)から、16章の権利の実現(権利の実現/紛争の解決と裁判制度)までを扱う。第8版において、成年年齢変更や相続法、親子法関係の改正が織り込まれた。四六判、268頁。

  • 五十嵐清『私法入門』有斐閣(2007年11月・改訂3版)……著者は2015年に逝去。全12章。四六判、210頁。

  • 伊藤滋夫『民事法学入門──法学の基礎から民事実務までの道しるべ』有斐閣(2012年12月)……民事法全般にわたり、基礎法学も踏まえた法解釈学の基本から、要件事実・事実認定を含む民事実務の実践に至るまでを解説。序章+全6章+終章。A5判、300頁。

  • 佐藤鉄男・和田吉弘・日比野泰久・川嶋四郎・松村和徳『民事手続法入門(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(2018年4月・第5版)……民事訴訟法をはじめとして、民事執行法・民事保全法・破産法・民事再生法はもちろん、家事調停・家事審判・ADRなど、民事手続法分野のすべてを1冊でコンパクトにまとめた入門書。第5版において、2014年以降の改正動向、最新の判例を折り込み全面改訂。全4編、序章(民事手続法の世界)+全20章。四六判、346頁。

  • 川嶋四郎・笠井正俊編、上田竹志・濵﨑録・堀清史・浅野雄太『はじめての民事手続法』有斐閣(2020年4月)……6件の具体的な架空のケースをもとに解説。民事訴訟法を中心に、民事執行・保全法、家事事件手続法、破産法、民事再生法等の主要な民事手続法の全体をコンパクトにカバー。序(民事手続法の世界へ)+全3編、全20章。四六判、318頁。


【判例集・ケースブック】

  • 法曹会編『最高裁判所判例解説 民事篇』法曹会(1955年11月・昭和29年度版~2022年3月・平成31年・令和元年度版)……いわゆる「調査官解説」。A5判。
    最高裁判所判例解説の一覧

〔その他〕

  • 三宅弘人・大澤恒夫編、上田純子・仁木恒夫・猪股孝史・下村眞美著『民事法総合学修入門』日本評論社(2012年6月)……第1部:仮想授業――対話篇において、5件の事例を、第2部:チャレンジ問題編において、15問を扱う。A5判、260頁。

  • 升田純『民事判例の読み方・学び方・考え方』有斐閣(2013年3月)……民事法に関する最高裁判例のうち、特に重要なものとしてセレクトした判例(50件)を事例演習形式で学習する教材。A5判、250頁。


【演習書】

  • 鎌田薫ほか編著『民事法I・II・III』日本評論社(I 総則・物権: 2010年4月・第2版,II 担保物権・債権総論: 2010年5月・第2版,III 債権各論: 2010年6月・第2版)……民法と民訴法の融合問題集の元祖。問題数の割に高価だが、2007年度1位合格者愛用(法学セミナー2008年2月号)。問題文は全体的に短く、どちらかというと旧試っぽさを漂わせており、また、答案作成にあまり向かない問題も多い。問題作成者と解説者とが異なるため、本書に携わる学者・実務家の数は異例の多さ。編者いわく、問題作成者が「きわどいコースにボールを投げて」解説者が「フルスイングで打ち返す」という両者の「知的格闘」の結果が本書であるとのことである。第2版において、民訴手続の流れの体系一覧ほかを新収録。編者(鎌田薫・加藤新太郎・須藤典明・中田裕康・三木浩一・大村敦志)。A5判、392頁・460頁・432頁。.

  • 遠藤賢治ほか編『民事法I・II(ロースクール演習講座1・2)』民事法研究会(いずれも、2008年3月)……筆者によって事例の長さが極端に異なる。融合問題集の中では比較的平易なので、独習でも戦える。1は、民法と民事訴訟法の融合問題を、2は、会社法を含む商法と民法、商法と民事訴訟法の融合問題を扱う。編者(1 民法・民事訴訟法:遠藤賢治・塩崎勤・潮見佳男・田頭章一・升田純、2 商法・民法・民事訴訟法:飯村佳夫・家近正直・池田辰夫・窪田充見・潮見佳男・末永敏和)。

  • 瀬川信久ほか編著『事例研究 民事法Ⅰ・Ⅱ』日本評論社(いずれも、2013年4月・第2版)…実務家教員による定期試験問題などを集めて解説と参考答案を付した事例問題集。民法・民事訴訟法・商法の融合問題だが主に民法・要件事実の問題が多い。消費者契約法などの関連法分野にまで目配りしている。原資料の読み解きが必要とされるため、鎌田ほか『民事法』とは異なり、一種の“テクニック”が求められるといえる。解説にかなりのページが割かれ、多くの問題には模範回答までついているが、そもそも問題の難易度が高い。なお、事例研究シリーズにはよくあることだが、初刷から最新刷に至るまでの誤植・訂正の量が物凄いので、必ず最新刷を買うことを勧める。第2版において、1が主に民法、2が主に民事訴訟法、商法に分離され、民訴を中心に新規問題を大幅に追加、初版にあった問題もすべて改訂された。編者(瀬川信久・七戸克彦・山野目章夫・小林量・山本和彦・山田文・杉山悦子・永石一郎・亀井尚也)。A5判、520頁・408頁。.

  • 瀬木比呂志『ケース演習 民事訴訟実務と法的思考』日本評論社(2017年3月)……『ケースブック 民事訴訟活動・事実認定と判断』(判例タイムズ社、2010年刊)を改題改訂したもの(全面改訂版)。民法を始めとする実体法や民事訴訟法関連の設問を収録。A5判、556頁。.


→ このページのトップ:民事系に戻る。
→ リンク:民法(全般)商法(全般)民事訴訟法民事実務

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年03月23日 17:19
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。