『真・魔導物語』(しん・まどうものがたり)シリーズ(1998 - 2001)は織田健司による小説版の『魔導物語』のことで、元はセガサターン版の『魔導物語』のシナリオとして作られたものだった。それまでの魔導シリーズとは異なるシリアスな世界観と緻密な設定が特徴で、『極・魔導物語』もこれを参考に作られたと考えられる。
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概要
それまでの魔導シリーズに明確に存在しなかった設定を緻密に作り上げ、シリーズ全体の一本化を図ろうとした作品の一つ。この作品の設定(真魔導設定)により、『ぷよぷよ』シリーズの世界は『魔導物語』の世界が消滅してからサタンによって再創造されたものだということになった。ただし後付けの設定である上、これ以降に公開された作品にもこの設定を踏襲していない部分が見られるため、必ずとも正式な設定とは限らない。『ぷよぷよ』プレイヤーの間では裏設定として扱われることもある。
また、『真・魔導物語』の設定の全体を表現しているのは、あくまでも小説『真・魔導物語』の巻末に掲載された「魔導物語年表」だけである。物語の核心であり終局に至る創造主との戦いは、年表上では未発表の「カタストロファー編」にあたり、これについては創造主の存在が小説『真・魔導物語』冒頭で触れられるに留まっている。
そして、小説『真・魔導物語』の全8巻は、大部分が「魔導物語年表」上でのA.A.16~17(アルル15~16歳)(*1)、安定期の「DH細胞編」に属している。これはアルルが生まれる前のB.A.34(黎明期)にDH細胞によって怪物を作り上げ、サタンに封印された狂魔導科学者・ハルマゲと、アルルやルルー、シェゾたちとの戦い、そしてアルルが魔導学校に到着し入学するまでの冒険を描いたもの。つまり、ゲームでの『魔導物語2-3』に当たる。小説『真・魔導物語 II』のあとがきによると、仮に9巻以降が出ていたら、続く「腐導師再び編」を経て、10巻あたりでゲーム『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』のストーリーに繋がることになっていたという。
ちなみに、時系列上でこの『DH細胞編』≒『魔導物語2-3』(アルル15歳~16歳)の時期と、それより前の、ゲーム『魔導物語1』『魔導物語A・R・S』(アルルは4~6歳のあたり)にあたる時期の間では、アルルが12歳の頃に「アルルの魔導師としての能力・記憶がワケあって一度全て消去される」という出来事が起こっている。この理由も『はちゃめちゃ期末試験』のストーリーに繋がっており、同時に「因果律」の設定に密接に関わっているという。
『極・魔導物語』との関係
検索してはいけない言葉 Wikiの過去の版にも書かれていたように、『極・魔導物語』と『真・魔導物語』、真魔導設定との間には接点がない。しかし、『極・魔導物語』は魔導世界の存亡の危機を描いた点で真魔導設定の世界観と類似しており、この真魔導設定を参考にして作られた可能性が推測できる。ただし、大きな違いとして、『真・魔導物語』は現代をアルルたちの時代より15000年以上前に位置付けているのに対し、『極・魔導物語』は現代をアルルたちの時代より後に位置付けている。また、真魔導世界観において、崩壊した魔導世界のアルルたちはそのままの姿で現代に輪廻転生するが、『極・魔導物語』では全く異なる姿に、特にアルルはただの日焼けした不良少年(田中一郎)に転生してしまう。
ただし、検索してはいけない言葉 Wikiの過去の版には、同時に『極・魔導物語』が『真・魔導物語』の「無断続編行為」だと記されている。もし実際に続編だと解釈するのであれば、それすなわち、現代の4000年後に生まれた『真・魔導』の魔導世界が滅亡した後、サタンによって新生魔導世界に再び創られた『ぷよぷよ』のアルルたちがもう一度ヴゼルによって滅ぼされ、長年の時を経て現代に再び至り、そこでうんこ色のクソガキこと田中一郎に転生してしまったことになる。その根拠に『ぷよぷよ』のサタンは「10万と25歳」だが、『極・魔導』のサタンは「10億9千876歳」という設定なので、このような解釈もとりあえずは筋が通ってしまう。
世界観
『魔導物語』は現代の4000年後の世界におけるもの。このときに創造主が文明の飽和した世界を滅ぼそうとする戦いとしてラグナロクが勃発し、人類の文明は完全に崩壊する。そして天界のルシファーと人類のリリスが戦うが、リリスの命を代償に人類は滅亡を免れ、「魔導世界」が誕生。ルシファーは天界を追放されサタンとなり、リリスはカーバンクルを遺し、その11000年後にアルルが生まれる。そしてアルルは魔導幼稚園の卒園まで至るが、12歳のときに訳あってそれまでの記憶をすべて消去される。シェゾやサタンを倒し、カーバンクル、ルルー、ミノタウロスが仲間になるのはこの後の話。そして、真魔導設定が適用された作品として『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』(1996)『ルルーの鉄拳春休み』のシナリオがこの後に続く。
アルルが20歳になるとラストラグナロクが再び勃発し、因果律から逃れ創造主に対抗できる唯一の存在となったアルルは数百年の戦いを経て創造主を倒す。これにより創造主が作った魔導世界は滅亡。500年後にサタンはかつての魔導世界を基に「新生魔導世界」を創世し、これが『ぷよぷよ』シリーズの舞台となる。新生魔導世界のアルルは永遠の16歳で、『魔導物語 道草異聞』(1994)で禁断の魔法オワニモを解放したことにより、魔物「ぷよぷよ」を4体繋げることで時空の彼方へと飛ばすことができるようになり、この出来事が『ぷよぷよ』シリーズ(1991 - )へと繋がる。
外部リンク
- 真・魔導物語設定について (はてな堂 魔導データ館)
- 魔導物語年表Ver.2.0 (お気楽地帯 魔導物語(ぷよぷよ)シリーズを中心としたゲームファンサイト)
- 小説 - 倉山恭子のピストル with 田中一郎の黄金の球(ゴールデンボール) - エコロのブログ。各巻のあらすじと登場人物を紹介。ただし全8巻中4巻までの情報のみ。
- 真・魔導物語 (しんまどうものがたり)とは【ピクシブ百科事典】
- 魔導物語~はちゃめちゃ期末試験~ - コンパイル@DiscStation wiki - atwiki(アットウィキ)
- ぷよぷよの世界は一度滅亡した世界 サタンが前の世界そっくりに作り直した... - vfgbhbvj
- 「魔導黙示録 A.A. 0013」/「丁稚↑(でっちあげ)」のシリーズ [pixiv] - アルルが12歳で「魔導師としての記憶・能力がワケあって消去」されたときの出来事を描いた二次創作小説。