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ツンからデレに変わる時

234 :ツンからデレに変わる時:2006/08/24(木) 22:35:15 ID:UsGChzQt
ログアウト出来なり、理由も分からないまま自分が直接世界の中にいても、
揺光は相変わらず、ダンジョンと闘技場を行き来していた。
闘技場のトップに返り咲くためにレベルを上げ、彼よりも強くなる。
その事に集中していた彼女は今も変わらずダンジョンの中に居た。
バグという一言では表せない現象にも勝る彼女の目標・・・彼を倒そうという執念。
それが彼女の運命を大きく変えることになる。

「何なんだコレ・・・」
ノイズとともに現れた黒点。それから生まれた触手の生えた何かには双剣も魔法も通用せず彼女は為す術もなく捕まった。
「やめろ!!離せっ・・・嫌だ!!止めっ」
触手は彼女の四肢を拘束し、宙に磔にする。なんとかしようと暴れ、抵抗する彼女を相手にせず
経験がなく、知識もそれ程ない彼女にも分かる、拘束された時に想像し、嫌悪、恐怖した行為に移った。

今いるここはゲームであり、現実ではない。
自分はキャラクターであり、人間ではない。

しかし、口内の触手は喉や歯を好き勝手に蹂躙し、動く度に彼女は圧迫感から来る痛みに呻いた。
胸を揉まれ、先端を撫でられ、吸われる度に、秘所を擦られ、遠慮もなく挿入される度に痛みを和らげる快感に喘いだ。

ゲームのキャラである自分が感じる痛みと、それを上回る快感は、紛れもなく現実の自分が感じていた。

そして数十分も経つ頃には

「あんっ!あんっ!ああっ!気持ち・・・いいっ!んっ!気持ちいいよおっ!」
全身を嬲る触手に身を委ね、彼女は喘ぎ始めていた。



235 :ツンからデレに変わる時:2006/08/24(木) 22:36:40 ID:UsGChzQt
あっ、だめっ、また、またイク。イッちゃう、うああああああああ!!!!!」
彼女とは何十度目かの絶頂を迎え、触手から出される濁液を浴びたが、
全身に浴びていた液体の中にそれはすぐに消えていった。
すでに恐怖と嫌悪、そして彼女の心の根底にあった彼への想いは快楽の中に消えており
もはや彼らしか居ない世界で彼女は為すがままに快楽を与え、自らも貪る雌と化していた。

「揺光!!!」

すでに壊れかけた彼女にふと声が聞こえた。今の彼女にその声が聞こえたのは
彼女が目標としていた彼、ハセヲの声だったからである。
その声に、彼女の意識はすぐに覚醒し、ノイズと黒点に溢れている空間から彼の姿を探した。
彼とそしてその取り巻きと思われる青髪の男と露出狂みたいな女は少し離れた場所で驚き、戸惑いを混ぜた表情で自分たちを凝視していた。
「見るな!!頼むから・・・見ないで」
今の自分をハセヲにだけは見られたくなかった。こちらを懸命に凝視してくる青髪の男なんか関係なかった。
「早く、逃げて・・。お前じゃこいつには・・」
悔しいことに自分がまったく敵わなかったこいつに、ハセヲが敵うとは思えなかった。
そしてこれから自分を助けようとするであろう彼までと同じようにさせたくなかった。
しかしそんな彼女の思いとは裏腹にハセヲは揺光をしっかりと見つめたまま
「待ってろ!今助けてやる!!」
と言った。
そしてハセヲは叫んだ

「スケエエエエエエエエエエエエエエイス!!!!」




236 :ツンからデレに変わる時:2006/08/24(木) 22:39:14 ID:UsGChzQt
彼は異形の姿に変わったかと思うと、こちらに超スピードで向かってきた。
これに対抗するため、黒点は自分を放り捨て、彼に向かっていった。
その様子を彼女はただ呆然と見ていた。 そんな彼女を青髪の男は怒りと悲しみと喜びに満ちた目で見ていた。

決着はあっさりとついた。
ハセヲに向かって振るわれた触手を球状のモノを放って砕き、手に持った鎌で黒点を数度斬り、最後にナニかを放ち、こいつを消滅させた。
一部始終を見ていた私はこれがイカサマの正体だったのかと思った。
いつの間にかクリアになった世界で気付いたらハセヲが私の前にいた。

「大丈夫・・・な訳ないよな。とりあえずその服と体を何とかするか。おい!!」
彼は取り巻きに話しかけると彼らはどこかへ去っていった。
私はその間にこの場から去ろうとした。今の汚れ、傷ついた無様な姿をこれ以上彼に見せたくなかった。しかし、
「ちょっと待ってろ。もうすぐPCデータ元に戻るから。」
と言い、彼は私の手を引き、抱き締めてきた。その事が恥ずかしく、
「バっ!やめろっ、離せよ!!」そう言って僅かに回復してきた力で彼を振り払うが
「暴れんな!お前が勝手にどっか行かないようにする為だ。大人しくしてろ。」
そう言って彼はさっきよりほんの少し力を込めて、しかし優しく抱き締めた。
その優しい声と抱擁に脅威が去ったことを、自分が助かったことが心に染み渡る。
自然に、彼を力一杯抱き締め返していた。
「大人しくしてられるはずないだろ。怖くて、辛いのにあんなになっちゃって、私、私は・・・」
先程の恐怖と、そして助かったことへの安堵から自然と涙が浮かんでくる。
彼に優しく抱かれて、その事が嬉しくて、私は泣き続けた。泣いたのは、現実でも久しく無かった事だった。



237 :ツンからデレに変わる時:2006/08/24(木) 22:41:39 ID:UsGChzQt
彼の言う通りデータが元に戻ったため、しばらくして私は落ち着きを取り戻してきた。だから
「それで、何なんだよあいつは」
と聞きたかったことを聞く。あの普通じゃない現象について。それに対してハセヲは
「・・・バグだろ。THEWORLDがこんな状況だし、あんなのだって出ることあるだろ。」
ともっともらしいことを言ったが、彼のあの姿を見た私はがそれで納得しない。
「じゃああいつを倒した時のアレは何だ?アレが私を倒したイカサマの正体だろ?」
その後も押し問答が続き、とうとう観念した彼が語る。
AIDAのこと、碑文や碑文使いのこと、意識不明者が出る原因がこれらであることまで包み隠さず答えた。志乃と言う人の事、三爪痕の事も。

「彼女を何としても助けたかった。だから何としても勝ち進みたくて、だから俺はお前に・・・」
あまりにも現実味のない話に心の中で様々な感情が渦巻く中、私はまず
一歩間違えれば私も意識不明者になっていたかもしれないという事に怒り、そして気付いた。
彼の想いを知り、既に彼の事を怒っても恨んでもいない事に。それ所か怒った後に残ったのは真実の断片への恐怖と、
そしてこの熱い想い。大切な人達を助けたいと言う彼の顔、声に含まれた真剣な想いを知ったことで生まれたこの想いはもしかして・・・。
そのことを自覚した時にはもう心は決まっていた。
全てを話し、思うことが有ってか黙り込んだ彼に向かって要求する。
パーティーメンバーに入れることと、今後この事件が発展したら包み隠さず答えること。
最初は嫌な顔をしたものの彼も拒否はしなかった。
用件も済み、帰ろうと言ってきた彼に、不意打ちの形で大切な一言を伝える。
少しの間呆然とし、すぐに真っ赤になった彼。本人にその気はなかったのは分かる。
それでいて、自分をこんなにまで好きにさせる罪作りな彼に対して最後に言う。

「私は一途でしつこいぞ」
最終更新:2007年11月25日 10:29