343 :ハセヲ×揺光 リアル:2006/09/04(月) 00:08:53 ID:ZH9G63j0
ネットゲームで仲良くなった(惚れた)人がたまたまリアルでの年齢が近く、進学校に通っていたため、勉強を教えてくれと頼んだのだ。
テストが近い事と、リアルの彼を見たかった、彼と仲良くなりたかったという理由で。
そして了承してくれた・・・のは嬉しかったのだが、いきなりこれは無いだろう。
図書館とかで教えてくれるかと思いきや、彼は家に誘ってきたのだ。
あまりに動揺してしまった為、二つ返事でOKしてしまった。
この展開は・・・いきなりそこまで?・・・と期待と不安を胸にその後日程や家の場所などを確認しつつ、
彼女は期待していた。若い男女が部屋で二人きり。このシチュエーションはきっと・・・
そして当日、彼女はハセヲの家に来ていた。もちろん精一杯お洒落して。
インターフォンを鳴らすと、彼が出てきた。以外に格好よかった。それを口にすると、彼は照れて、そっぽを向いた。
正直進学校に通っているというからもっと大人しい感じの人かと思っていた。(しかもガンプラが趣味の人らしいからなおさらだった)
しかしまあゲームであれだけ叫んでおきながらそれは無いか、と妙に納得出来たのも事実。オタクに対する認識を彼女は改めた。
彼の事で頭が一杯の彼女は、自分のことをスルーされたことに気付く事は無かった。
彼の部屋のドアを開けると別世界が待っていた。
ガンダム?と思われるもののプラモデルが棚に所狭しと並べられていた。100を超えるであろうMSに圧倒されつつ、
「ね、ねぇ、何であんなに同じ物を並べてるの?」
とポーズ以外ほとんど見分けがつかない彼女は聞く。が、
「何言ってんだ?ぜんぜん違うガンプラだぞ?ほら、あれは~」
と当然のように言い、聞いてもいないのに種類まで言ってくる。まるで見分けがつくのが当然のように。
さらに敬礼する蛙?(漫画のキャラっぽいがよく分からなかった)のヌイグルミ(何故かぼろぼろ)も一つだけあったのが頭を混乱させる。
「あ、あれは?」
「ん?ああ!あれは敵だ。俺の希望を打ち砕いた敵」
よく分からない。彼の部屋は綺麗で、特に机には進学校生らしく学校の教材を丁寧に並べてある。一部分だけオタクっぽいのが彼女の頭をさらに混乱させる要因だった。
やっぱりオタクってこうなのかと、彼女は認識を改め直した。
344 :ハセヲ×揺光 リアル:2006/09/04(月) 00:10:04 ID:ZH9G63j0
楽しい時間というのは早く過ぎてしまうもので、勉強して、ゲームの話をして、お互いの学校生活を話して、あっという間に帰る時間になった。
もちろん彼女が期待していた展開に突入する事も無く、何も無い、穏やかな時間を過ごしていた。しかし、それでも良かったのだと彼女は思う。
別の世界での彼は、取り戻す為、守るために必死に戦っている。彼女はそんな彼が好きだった。
しかし、同時に心配もしていた。リアルの彼を。ゲーム中で命を懸けて戦う彼は、リアルでどう生活しているのだろう・・・と。
でも、その心配は無用だった。勉強を教えている彼の横顔は、ゲームの中の彼のことは想像できないくらい穏やかだった。見ているこちらが安らぐくらいの、優しい表情。
それは嬉しい事なのだが、女の子と二人きりでいるのにそんなに落ち着かれてもまるで異性として意識されていないようである意味困る。(というか悔しい)
「じゃ、今度はThe worldでな」
彼に駅まで送ってもらって、そこで別れる。
「うん、また。」
期待していた事とは違ったけど、彼のリアルを見ることが出来た彼女は満足していた。
後は、ネットでもその顔を浮かべる事が出来るよう頑張るだけだ。
いつか必ず来るその時を楽しみに思いながら、駅の中に入ろうとすると
「言い忘れてたけど・・・お前、凄い可愛いのな。」そう言い残し、彼は帰っていった。
そのセリフが頭に浸透する頃には彼女は既に駅の中に居た。
そして、周りの不審そうな目も気にせず、一人顔を真っ赤にして立ち尽くした。
最終更新:2007年11月25日 10:51