ゴア・スクリーミング・ショウ

 ホラーということで期待。euphoriaをプレイしてから、ダークなエロゲ探してたんだよねえ。
 絵は苦手なほう。少なくとも好きではない。スティーブン・キングの「IT」をオマージュしているという点も期待。ちなみにITは未読。



システム


 ちょっと凝ってるスプライト?(画像が左から右に流れたりするヤツ)とか、動画的な演出があって、見てておもしろい。ソフトハウスキャラのゲームを思い出す感じ。絵がアップになったりするのはイイんだけど、解像度がそれにアップに沿ってなくて、ドットでカクカクになってたのは苦笑もの。わりとパン(TVや映画の映像技術でいうところの。画像を動かしているという点では、スライドといったほうがわかりやすいか)を多用している印象も。
 背景がパンしながらも、文字をこちらの自由な速度で進められる演出とかもある。FFⅦでの、カメラは移動するけどクラウドをある程度は自由に動かせる状態、みたいな感じ。こういう演出はけっこう好き。

 選択肢で好感度が増減すると、選択後にハートマークが出て知らせてくれる。主旨はぜんぜん違うけど、やるドラシリーズを思い出した。
 攻略自体は簡単。上の好感度の増減を見ればイイわけだから、選択肢ごとにセーブ、選択肢まちがったらロードでOK。

 コンフィグは、あまり充実していない。キャラ個別で音声オン・オフを変えられるが、こんなのほとんど操作しない(オン・オフを切り替えたときに再生される音声は、それなりにネタが効いてておもしろいけど)し、文字のバックの透過度を変更することもできない。グロ表現的なものにフィルタをかける「規制」が、画像のみ、画像+文章に設定できるのがあるのは、グロが苦手な人に優しい……というより、そうでもしないとターゲットが狭まりすぎるんだろうな、といつもの邪推。


 文章は、主観ぎみの第三者視点。たぶん、主人公のしらない知識、言葉を使うためだと思う(ファサードとか)。ただ、モノローグと第三者視点が混じることもあるみたいだから、便宜的、というか都合よく変えてる感じだろうな。

ときおりあかねや由規に視点移動したりもする。
 そして読みにくい漢字にすらふりがなをつけていない。




 立ち絵や背景の雰囲気は、一昔前というか、あまり細かく描き込まれている雰囲気はない。全体的に、いかにも2000年代中盤って感じのにほひ。なんていうか、照りがない? というか目に☆入れたり凝ってるのに比べると、それはそれで無思慮に頷けるものではないけど。
 語りのシーンで挿入される、昔の巻物のような絵は趣がかなりあった。

 肝心なのは、「ゴア」なんだけど、女性たちを食い殺していくシーンはあっても、具体的に食い殺す描写が少なく、ミミズのような触手(そういうものをもってるという描写はあったが)が絵で示されることもないので、恐怖感があまり湧かなかった。ゴアをマスコット的な、ちょっと気味悪いベクトルに向けられただけの記号だと見えてしまえば、ホントに恐怖感が薄れてしまう。それを避けるためには、たぶん描写をドぎつくしてグロとかにもってくぐらいしかないんじゃないかな。
 由規の腕が料理されて出てきたシーンも、絵がなかったのはナンセンス。女性たちが殺されてきたシーンを除くと、一番最初のグロシーンなんだから。



概評


 オープニングはさほど長くなく、選択肢の登場も早い。そこは好印象。
 文章は、おもいのほか漢字を多用してある。なんていうか「薄暮」とか「怯懦」とか、二文字漢字っていうのかな、そういうのが多かった印象。

 長時間プレイしてると、表現しづらいんだけど、「古い箱のなかに入れられた感」を覚えた。絵の輝きのなさとか全体の雰囲気もあるのかもしれないけど、砂塵のような靄がかかってる感じ。疲れてるだけってこともなくはないだろうけど、こんな印象を受けたのは初めてだしなあ。

 キャラクターの相関は、主人公たちの「一般人」と、ユカとゴアの「異常人」と、由規の「第三者」に分けられる。異常人は、その名の通り、異常なヤツら。一般人は、異常人に襲われる側。第三者は、すでに襲われた者、異常人を追う者などで、一般人とは一線を画す者。
 ただここで問題なのは、登場人物が少なく、第三者は由規・真白・桃音だけ、異常人に至ってはユカとゴアだけになってしまっている。小野不由美の小説「屍鬼」であれば、異常人にあたる「屍鬼」は一般人が襲われれば屍鬼(ゾンビみたいなもの)になるから量的に勝手に増えていくし、「第三者」に当たる者はほとんど存在しなかった。それに屍鬼では、一般人も異常人も、自分たちの組織(コミュニティ)をもっていた。それに対して本作では、異常人が個人2人だけで、組織とは到底呼べない代物。これが、屍鬼では一般人コミュニティVS屍鬼コミュニティと大きく出られたのに対して、本作では主人公&ヒロインVSユカ&ゴアの2対2と、小さくまとまってしまっている。

 プレイしててなんか違う、と思ったのは、ワクワクする感じがどこにもないことかもしれない。うんざりすることが多く(誰もがそうじゃなく、俺だけかもしれないけど)、ドキドキすることもない。このゲームのタイトルを見た瞬間に、ゴア表現(FPSや洋ゲーで、体がちぎれたり飛び散って、肉片や断面が見える表現)のあるホラー・スプラッタのゲームだと期待したのが間違いだったのかもしれない。

 昔々のその昔、「氷の微笑」というエロティックサスペンスホラーな映画を見たときの、微妙な感じがあった。


ルート


 とりあえずルートをすべてクリアして初めて、物語の真相がわかるタイプのシナリオだと類推して、好みだけでルート選択してもあまり意味がないと尚早に判断して、最初のルートはヒロインのなかでももっともメインっぽい「あかね」ルートで。


あかねルート


 ルート構成は、大まかに3部。便宜的にいえば、「日常パート」と「館侵入パート」と「憑依パート」。日常部パートは、ユカとゴアに直接対決するまでの学校に通ったりしてるのほほんパート。館侵入パートは、ユカの住む二使守山の館にあかねと侵入するパート。憑依パートは、館脱出後からのあかねにユカが憑依するパート。このゲームの肝はゴアとユカの意味不明な恐怖だから、日常パートが序、館侵入パートが破、憑依パートが急になるかと思う。でも肝心の憑依パートが、精神世界に飛ンじゃってカオスになってたから、正直怖いとかっていうより「???」という印象だった。いわゆるセカイ系と呼ばれるのって、俺は好きじゃないからさ。エヴァの最終部も好きじゃないし、最終兵器彼女に至っては物語全体の不透明なのが大嫌い。だからこういうのって、好悪については言及できても、巧拙については言及できない(しにくい)んだよね。
 エロシーンは飛ばした。もとより好みの絵ではないし、興奮できるシーンでもなかったから(あかねが憑依されていたから)。
 ユカのいう「ユカが一番、恭司のことを好き」っていうのは、やっぱ違うんだよね。ユカがあかねに憑依したのは、そうすれば恭司が自分に目を向けてくれるからであって、見てもらえるユカが一番得をするって寸法なんだよね。
 ラストについては、好きじゃないけど、まあ両者が落ち着くトコに落ち着いてるから、まあイイんじゃないかなー、と思う。


希衣佳ルート


 予想通りというか、あかねルートはイミフだったし、ちょっとモチベーションが下がり気味なので、葵よりもまだ好みな希衣佳(どうあがいても変換できない)で。

 選択肢は至ってフツー。
 館でのバイブシーンは、あんまり要らなかった気がする。まあ、そっちの属性がある人にはいいのかもしれんけど。どーなんだろな、エロゲだからエロに傾倒するのは当然なんだけど、不必要なまでにあってもうんざりするし(抜きゲならまた別かもしんないけど)、逆にエロシーンがほとんどなかったらないでエロゲつくる気あんのか、とも思うし。コンセプトの違い、と一蹴してイイもんかなあ。そのキャラが単なるニンフォマニアならそれでもイイんだけどさ。しっかし、いくら大事な位置のヒロインとはいえ、敵たるゴアがしかけてくるのがバイブを持って催眠しに来るって……ショボくね?

 というか希衣佳が性欲に悩まされる間の、主人公と希衣佳の不安定なかけあいがムカつく。たぶんシナリオの上では、どこでどう希衣佳の悩みを落ち着かせて、2人の間柄を親密にするか、落とし所は決まってんだろうけど、それが見えてこないからイライラする。RPGでいえば、ボス戦は目の前なのに、どう考えてもレベルもパラメータも武具も技も適わない、でも実はボスと戦ってみたらイベントバトルで勝つ必要はありませんでした~♪ みたいな。いや、違うんだよ。物語はそれで続くかもしれないけど、それは「制作者という神が物語に私情を挟んだ」ってだけなんだよ、ってね。物語をトンネルだとしたら、どんどんトンネルがせばまっていくけど、一緒に進んでいく人たち誰もがなんの解決策ももたない、でもとうとう人っ子一人も通れないせまさになったとたん地震が起きてトンネルの一部だけが崩れて通れるようになりました、みたいな。現実に考えてみて、どんどん窮地に追いやられていくのに対策考えていかなかったら、ポシャって進めなくなって終わりなのよね。そうならないように対策を常から用意しておく――これが、トンネルの幅を狭めないこと、また幅をある程度、一定に保つことなんだよね。つまり、大した対策ももたずに辟易しながらも時間が経てば解決する、っていうのは、フィクションであることを強調すること以外のなんでもない。制作者からすれば、「作り物なのは始めっからわかってんだから、イイよね。ってか許しなよw 心狭いな」みたいな云い訳をしてるようなもんなんだよ。単純にね、希衣佳が自分の汚さに気づいて逃げたら、主人公はそれをちゃんと追いかけて汚くない、ってその都度云ってやればいいってだけなんだよ。なのに逃げる希衣佳を放置して悩む、ってのが、違うんじゃねーの? ってこと。もちろんホントは、由規も主人公に「希衣佳をユカに合わせるな」だけじゃなく、ある程度の事情(ユカがなぜ危険なのか)を説明して主人公を納得させること、それが希衣佳を危険から遠ざけるわかりやすい方法だと気づかないほどバカなのかって思わせること、そういうのに胃もたれしつつ、由規が説明しない理由も「希衣佳が自分の性欲の汚さに気づかないと、ストーリー上のおもしろみが減るから」って薄っぺらいものなんじゃないかって疑っちゃうんだよね。

 星を見に二使守山へ→天気が急に悪くなり豪雨→ユカ登場 この展開にはさすがにうんざり。これって逆にさ、二使守山に一歩たりとも近づかなければ、相当の被害は抑えられるってことじゃね? だからこそ制作サイドは、なんとかして二使守山に主人公とヒロインを近寄らせたい。なにせ、ユカとゴアをなんども山から下ろして街中に潜ませるのは、回数に限度もあるし、パターンが読まれてしまうおそれがあるし。

 あー、由規の車の背景が出てきて、わかった。このタイミングでユカに遊ばれるのは、どのヒロインのルートでも同じなのね。由規に助けられることも含めて。あーあ、物語読み進めていくたんびに、ホント恭司より由規が主人公だったほうがうんざりしないで済むのに、と思わされる。

 希衣佳のドッペルゲンガー発言に飛び出した主人公を助けに来る闇子。これって、ある種のデウス・エクス・マキナだよね。困ったら助けに来てくれる神様……もちろん闇子は神格なんてもってないタダの人間だけど、主人公が困ったら身分詐称をして”バレることなんてなく”助けてくれる人。なーんか、つまらなくなってきた。
 俺さ、こういうゲームのおもしろくないところって、「みんなで一致団結して苦境を乗り越える」っていうものっそい簡単におもしろくできる手法を無視して、「とりあえずヒロイン別にルートつくる」っていう安直な手法しかとらないとこだと思うんだよね。あかね、希衣佳、葵のヒロインたちと協力しながら助け合うって、単純にワクワクするじゃん? それを考えもしなかったのか、考えたけどルート別にしたほうが楽だからやめたのか、それで随分変わるもんでもあるんだけどね……

 にしても、由規のもってるペンダントはよほどのキーアイテムらしい。ユカの魔力から一時的にでも逃れるには、ペンダントがないと意味がない……マンガ「彼岸島」では、敵の雅を殺すにはワクチンを使うしかない、ということでそれを手に入れ雅に使うために、物語は進められていく(ちなみに「彼岸島 最後の47日間」へと物語は続くが、ついていくのが馬鹿らしくなったのでそっちは読んでない)。彼岸島のワクチンと違って、ペンダントはたぶん身を守るためにも役立つ。それを希衣佳のために躊躇うことなく渡せる由規は、やっぱり主人公に向いてると思う。
 あいかわらず、濡れ場はスキップ。このゲーム、Ctrlでスキップはできなくて、既読のみShiftでスキップできるみたいだから、Enterキーを押しっぱにしとけば、開始音が同じ喘ぎ声に苦笑しながらスキップできるよ。

 翌朝の、由規のエプロン姿。マジで制作はなに考えてんだかw あきらかにギャップで由規の好感度あげることになるじゃんw ホントさ、恭司のよさってなにで、由規が主人公じゃない理由がわからなくなる。

 そして云いつけを守れない主人公。辞書ぐらいで家に返しちゃう。もう、イベント起こすための理由に過ぎないってのはわかってんだけどね。それでもブッ飛ばしたくなってくる。
 事件の起き方ってさ、単純に2種類あってさ、悪いヤツが近づいてきて起こすパターンと、悪いヤツに勝手に近づいていって起きるパターンにわかれる。ホラーとかサスペンスってさ、基本的に前者の「悪いヤツが事件を起こす」パターンが多いんだけど、このゲームは後者の「ヒロインや主人公が危機感なくて、自分から事件に歩み寄る」ってパターンが多いのよ。それ見るとね、「こいつらアホちゃうか」って思うわけ。身近にこんな馬鹿なヤツいたら、由規みたく怒るのも当然なんだよね。しかもそれで主人公ヒロイン双方とも無傷で事件解決しそうだから、げんなりしちゃうんですよねえ。せめて今回の希衣佳がさらわれるのも、1日か2日ぐらい安寧になにも起きず、油断したところで……っていうのがパターンなんだけどね。さすがに早すぎ。
 ただ、希衣佳がさらわれた後、由規に「お前は、自分が愛した女がばらばらに引き裂かれても、正気を保っていられるか? 臓物と汚物にまみれ、腐臭を放っていても、まともでいられる自信はあるか」と訊かれて、主人公が返した言葉、「……そんなの、無理に決まってるじゃねえか。殺したヤツを、どこまでも追いかけてって、ぶっ殺すに決まってんじゃねえか! 狂ってるって言われるんなら、それでも構わねえよ。正気じゃなくても構わねえ。希衣佳が殺されたら、俺は喜んで狂ってやる!」、これにはさすがにニヤリとしちゃったね。

 そしてようやくバトル。あかねルートより戦闘って感じがしてイイ。由規の銃、なんなんだろうな。なんとなーくグロックっぽいけど、AVAとCoDぐらいしかFPSしない俺にはあまりよくわからん。
 うーん、戦闘シーンはよかったんだし、由規の死に様もよかったんだけど、全体的にボリュームが少ない感じがするな。応戦・交戦ってイメージがほとんどない。敵地に乗り込んでチョチョイ、で終わり。カタルシスは感じられない。
 あー、あかねルートと同じで、恭司がユカへの拒絶を示し切るまで続くのね。そういう意味では、由規の死は常に通過ラインに過ぎない、と。しかし希衣佳がゴアに食われるシーンで、ようやくグロと云える絵が出てきたな。あかねルートのスイマーの腸グチャグチャも、そんなにコなかったし。
 たぶんね、ホラーに高校生は合わない。誰かが襲われたりしたときの対処が、あまりに稚拙。「疲れてるから寝なさい」で寝るようじゃ、フツーは殺されてるわw あくまで殺されて物語の臨場感を上げるためのキャラならそれでいいかもしんないけど、助けるためのキャラとしてなら不適切。

 このゲームのシナリオ、ほとんどは大したことないけど、鬱屈したものを溜めて主人公がそれを吐き出して破る、というのは巧い。たとえばこの希衣佳ルートでの、主人公が目を覚まさない希衣佳に「甘えんなよ!」と叫ぶシーン。こういう主人公の叫びが、わりとスッキリさせてくれる。
 貞島の腐ってる立ち絵は、ちょびっとドキっとした。
 あと、前も思ったんだけどエンディング、ださい。

 攻略後の、ラスト直前の分岐を辿り直し。希衣佳を助けに行かずに、闇子さんについていく。やっと真白が登場。「石と意志」ねえ(苦笑) うーん、結局バッドエンドは変わらないのね。というかけっこう投げやりなエンディングw


葵ルート


 うーん、非常に込み入った話になるが、ある程度シナリオを進めていくと、こういう紙芝居ADVってのは、選択肢によるフラグon/offで微妙に文章が変わるところが出てくる。これってさ、「選択肢を自由意志と認めた場合」ってことなんだよね、たぶん。物語の冒頭に戻るたびに、主人公たちは時間を巻き戻されるワケじゃん? それで前に選んだのとは別の選択肢を選ぶってことは、「過去に戻ったら、別の選択ができる」という前提に基づいてるわけですよ。でもね、決定論・運命論的な考えからすると、「過去に戻ったとして、別の選択はできない」という前提も築けるのよ。つまり、「過去に戻ったとして、なぜ別の選択をできるようになるか?」、または「なぜ選択肢というものが現れるのか?」という、紙芝居ADVの根底を揺るがすような疑問が湧くわけ。こういう自由意志は今でも議論されてることだし、難しくてよくわかんないんだけどね。

 髪結んじゃった。立ち絵増えるし、そんなにカワイくないし。ストーリーになんか関連あるんかな。なかったらしないか。

 めんどくさいルート? あかねと葵との三角関係が続くの、これ?

 ライブのイベント。
 葵の私服はけっこうイイね。こう、ちょっちワイルドというかハードボイルドタッチで。
 でもどうしてもライブ本番になると、音楽のショボさが浮き彫りになるなあ。完全に打ち込みだし、重低音なんて皆無だしw バンドのボーカルもハーフだかなんだかよくわからんし、さほどカワイくないし。これが限界なんだろうね。同じレーベルが出してる「GUN-KATANA」ってFPSのエロゲが気になってんだけど、レーベルの限界みえてるわけだし、やめとこっかな……
 そして江梨衣の立ち絵はなしwww

 あー、屋敷に入らない選択肢にしても結局入っちゃうのね。こういうただ好感度をいじるだけの選択肢って好きじゃないんだよね。

 やっぱりあかねって好きになれないなあ。いかにも「自分より他人を優先する自己犠牲キャラ」って感じで。で、自分が予想している以上の災難がふりかかる結末になる。なんつーか、全体主義的な「みんなの不幸を減らす」という努力をせずに、「自分が不幸をこうむれば、他のみんなは幸福になる」とでも思ってるような感じが嫌。
 そして予想通りの結果。そっか、このレーベル、ヒロインルートで別のヒロインが犯されるようなストーリー構成するレーベルなのか。「euphoria」もそうだったけど、こういうの胸糞悪いんだよなあ。
 というか、警察に頼るという手法を思い浮かばない(思い浮かんで、貞島の親が権力でねじ伏せるから駄目……と考えるならまだしも)時点で、なんかやる気ねえなって感じ。ケータイにわざわざ動画残してるのに、それを奪って通報する、とか考えない辺りもね。

主人公「あかねが酷い目に会ったのは俺のせい」
葵「あかねちゃんが酷い目に会ったのは私のせい」
 いやいや、違いますよチミ。主人公のせいであり、葵のせいであり、貞島のせいであり、あかねのせいなんですよ。全員が悪いんですよね、これ。そしてその上で、こういう最悪の展開(まあ本当に最悪なのはレイプされて殺されるってことなんだけど)にしたライターと企画したレーベルなんだけどねえ。こういうの見ると、「制作者は作品に愛があるのか?」という根本的な疑問が浮かぶなあ。

 被害にあったあかねを「入院した」で舞台から引きずり下ろすってのもいけ好かないなあ。制作からすれば、「葵ルートでのあかねのイベント・役割は終わりました。さようなら( ´Д`)ノ~」って感じだろうからな。

 あ~あ、ゴアの人形劇がほんとうに三文芝居に見えてきた。こうなっちゃうと、物語の面白みもなにもないよなあ。主人公は葵を信じられなくなって、でもなんだかんだで信じるようになって、2人でゴアとユカを撃退する――もうストーリーはわかってるのに、それを追わないといけない虚しさ・面倒臭さ。

 へー、桃音はユカの妹だったのかー→からの爆破。こっちのルートでも由規は爆破するのか。
 あら、バッドエンドなっちゃった。好感度上げ忘れたかな? やり直します。

 おっと、どうやらあかねの好感度を下げすぎたらしい。3人のなかからヒロインを取捨する選択肢では葵を選びつつ、あかねの好感度のみが増減する選択肢については常に増えるほうを選ばないといけないみたいね。そうると、あかねがレイプされるシーンも回避できる……と。これは俺の認識が間違ってたな。完全に。

 葵が消えてから、学校で希衣佳が食われるシーン、グロい描写はいいんだけど、やっぱり立ち絵がふつうの笑ってる希衣佳だからしまらないな。
 いや、それにしても他の2ルートより、ずっと核心に迫ってるな。

 狂った街人に追われるシーンを見てて思ったんだけど、後半に進むにつれ、素材がなくなってきたのか背景だけで描写ってシーンが続くな。小説なら元より文字だけだからイイんだけど、サウンドノベルってなまじイラストが入るから、文字だけの描写になると物足りなさが勝ってしまう。それだけじゃなくて、インパクトも薄れがち。小説だと最初から映像を浮かべさせる手法だけど、サンノベだと絵が表示されてるから想像させる手順がある程度はぶかれちゃってんだよね。だからこういうときに、文字だけの小説的な想像力を求められても、とっさには反応できないことが多いように感じる。

 しかしこのルートはなかなか由規が死なないな。生きたままエンドかな。けっこう助けてくれるし。

 あっさりと由規が死んで、あっさりと葵が鏡から出てきて、そして立ち絵もないままに下着姿になって。

 一応クリアしたけど、なんか「俺クリアしたぜ!」っていう達成感のないエピローグ。


闇子ルート


 地味に長えな、このゲーム……闇子ルートがあるとは意外だった。しかも黒ハートで好感度が上下するとはねw まあCV.北都南だしなあ。サブに留めとくにゃもったいない。


キャラ


 けっこう苗字がオカシイのがいる。そしてキャラづけは、イマイチ。ニュートラルでナチュラルな感じ。


仁野恭司(主人公)

 公式の絵を見る限り、さほど顔はよくない。
 けっこうイイ性格をしている。とくに貞島とスイマーへの遠慮ない当て擦りを見ると、如実にそう感じる。キレるのは早いけど、デフォ時には勇気が出ないタイプ。

 ヘヴィメタルと怪獣が好きって設定らしいけど、公式のHPに書いてあるのを見れば明確なだけで、本編だけをプレイしてたら、フィギュア好き、激しい音楽好き、程度の認識に終わるかもしれない。それにメタル好きでギター(アコギだけど)持ってるから、それなりに巧いのかと思ったら、拙いってのも微妙。ほんとただ好きなだけで、ワナビですらないって感じ。
 着メロまで2バスのドコドコなのはちょっとおもしろかった。


一柳あかね(かずやぎあかね)

 幼馴染。
 トラウマシーンについては、さすが18禁、ド直球だった。たとえばこのゲームでは、主人公とあかねが周りに無理矢理ヤらされるということだったけど、レイプだったらもっとキツいし、世のなかには実父に襲われるっつうどギツい事件もあるくらいだから、そういう”キツさ”っていうパラメータで考えると、さほど重いものではない。むしろ最近はヒロインの処女性が求められることもあるわけだから、無理矢理でも主人公が相手というのが若干ながら残酷さにオブラートをかけてある。もちろんこういう性的な事件に、軽いってのはないもんなんだけどね。
 でも一般向けのドラマだったりすると、間違いなく迂遠な表現を用いなければならないけど、そこを直接的にインパクトをもって表現できるのは、エロゲの特質ではあるな。一応はAVも性的表現には寛容(というかそれが肝)だけど、AVは物語性なんて皆無だからね。そういう意味では、今のところエロゲにしかできない表現をした、と云える。


双木葵(なみきあおい)

 あかねの幼馴染。


深園希衣佳(みそのきいか)

 なんかハーフらしい。


さいたま闇子(さいたまやみこ)

 北都南。なんかそれだけで充分かもしれない。


ユカ


 どうやら人の心を読めるようだけど、それって特性であって、技能としてのアイデンティティには含まれないんだよね。だって苦労して手に入れたものでもないだろうし。だから、ヒロインたちの心を読んでは嘲笑うけど、それはユカが優秀だから見下せてるわけじゃなくて、ひね曲がってるから見下してるだけなんだよね。ユカの脅威は、心を読めるというサトリ的な能力であって、それにひねた性格が混ざってよりキツくはなってるけど、能力がなくて性格だけなら無視されるだけのヤツなんだよね。


ゴア

 本編の中核。ボイスエフェクトがすんばらしい。どうやらゴア・スクリーミング・ショウというのが名前らしい。なんでやねん。


牧真太(まきしんた)

 悪友。


八瀬由規(やつせよしき)

 ハードボイルド、すなわち固茹で卵。やっぱヨシキって名前は、X JAPANのYOSHIKIからとってんのかな。
 革のコートに打ちつける雨をまとう男――映画「ロード・トゥ・パーディション」にもそんなシーンあったよね。カッコイイんだけど、どう見ても主人公より能力高めだから、完全上位互換に見えて、「あれ、主人公いらなくね?」って思える。
 あかねルートでは、死ぬのが早かった。

 あと、第三者キャラでお助け要因としては、身内に関連者がいないほうがよかったね。闇子の幼馴染といえど、さすがに世界が狭くなってしまう。だって、ゴアの被害者って由規の奥さんと、数人の呉仁町の女性だけっしょ? だからゴアが全世界的な恐怖どころか、全日本的な恐怖ですらなく、田舎の町ひとつを震撼させる程度の恐怖ってことになっちゃうんだよね。


貞島富巳哉(さだしまふみや)

 モンペの息子。ただの噛ませ犬。


三人組

 登場初シーンのまりなの「みゅ」と真美のボーちゃん(クレヨンしんちゃんの)声が、インパクト大。一ノ瀬まりな・二階堂真美・三ツ橋舞と、漢数字が並んでるのに気づいたのは、あかね攻略後に公式を見たときであった。


スイマー

 教師。真太いわく「スイマーはゼンキョートーの時にノンポリだったから採用試験に受かっただけで、教員やりたかった訳じゃないんじゃないかって」。高校生のガキに罵られたり、ハラワタぐちゃぐちゃにされたり、ちょっぴりカワイソウなだけのモブ。


桃音

 もっとも、名前と立ち絵が合わないキャラ。



舞台


呉仁町(くれひとちょう)

 主人公の仁野と「仁」の字が被ってるのがマイナス要因。あと読みにくい。

二使守山(にしもりやま)

 読みにくい。ってか読めるか。



キーアイテム


ペンダント


 3×3EYESみたく、いろんな方法を駆使して戦う、という形式ではなく、たったひとつの望みをかけて、心許なく戦う、という感じ。





――"Everything in the world are hated." the girl laughs.
  Hatred, despair, envy, murderous intent, pessimism, compassion, persistence and anxiety.
  She was burdened with all negative feelings... and muttered to herself "I wanna be happy".

――――「世界が憎い」、と少女は笑う。
    嫌悪、絶望、嫉妬、殺意、悲観、同情、固執、そして不安。
    彼女はすべての負の感情に打ちのめされた……そして呟く、「幸せになりたい」と。





  • ご存知だと思いますが、、
    まだユカルートと真白ルートが
    ありますので是非攻略してみて下さい!

    コメントしては、いけない場所だったら
    無知ですみませんでした( ;´Д`)

    -- (ゆめりあ。) 2012-05-08 23:50:16
  • 感想としてレベルが低い -- (名無しさん) 2013-04-27 12:02:14
  • 読み込みが浅すぎる。
    この文章書いてる人が嫌悪感を持ってプレイしているのではないかとまで思う。、
    作品の魅力が何一つ伝わってこない。
    -- (名無しさん) 2019-12-29 22:39:36
  • つか、こいつ全部のルートやってなくね
    感想とかレビュー書く以前の問題だろ

    知能の低い脳みそで必死に自分を偉く見せようとしてるような文章だ
    批判するのは勝手だけど、せめてもっと隅々までプレイしてから世にレビュー出しやがれバカタレ -- (名無しさん) 2020-10-26 02:19:51
  • ゴミレビューやな -- (名無しさん) 2024-08-03 09:03:51
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最終更新:2011年12月11日 21:36
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