「ごしゅじんさまー、なにみてるのー?」
柔らかい照明が照らす部屋の中に間延びした子供っぽい声が響いた。
読んでいた書類から目を上げ、住居として与えられた部屋を見回す。……あらかじめ用意されていた質素な家具以外は何も目に入らない。
「ごしゅじんさまってばー!」
「うわっ!?」
声の主を探そうとした瞬間、後ろから結構な質量の毛玉が勢いよく飛んできた。
これからの季節に重宝しそうな、暖かい毛皮に包まれた顔が肩の向こうから私の手元の書類を覗き込む。そちらを見なくても、その顔が不機嫌そうに歪むのがわかった。
「えー…また調教なのー?」
肩の上の毛玉はぷーっと小さな子供のように頬を膨らませ、不満そうに苦情をぶつけてきた。
「しかたないだろ、仕事なんだから……ブースター」
毛玉の名前を呼びつつ、資料を見やすいように膝の上においてやる。
「そんなこといって…えっちしたり、虐めたり、好き勝手やって楽しんでるくせにー」
「それが仕事なんだよ」
……そう、それが私の仕事だ。ポケモンを『作品』として仕立て上げ、好事家に売りつける。『作品』を買った彼らは私たちがより作業をしやすいように出資し、その資金を元にさらなる『作品』を作る。
普通の芸術家と変わりないそのサイクル。しかし、唯一つだけ違うのはその『作品』が決して日の目を見ることはないということだ。
ごく一部の特殊な嗜好を満たすための玩具。快楽と恥辱で塗り固められた歪なオブジェ。
私たちが取り扱うのは、日陰に隠された禁忌の芸術だった。
「むぅ……さいきんはそればっかり。ねぇ、調教するなら久しぶりにボクを調教してよー?」
膝の上のブースターがごろんと仰向きになり、お尻をふりふりとかわいらしく振ってアピールしてくる。ぷりぷりと誘うようにゆれる幼茎の下で、濃い雌の匂いを漂わせる割れ目が涎をたらしていた。
彼もまた私の、それも一番最初の『作品』であった。調教師になる以前からパートナーだったこともあり、売らずに助手として調教を手伝ってもらっている。長いこと一緒にいたおかげで、わざわざ細かいことを口にせずとも私の意志を察してくれる有能な助手、なのだが……少々欲望に素直すぎることが玉に瑕だ。昔からおつむの緩い所はあったのだが、調教を施してからさらに拍車がかかってしまった。過去に戻れるのなら、もう少し我慢というものを覚えさせてやりたい。
「お前を調教しても一銭の得にもならんだろ。
……まぁ、この調教が上手くいったら久々に長い休みでも取ってやるから、な?」
「ほんと?やったぁ!」
誘いを一蹴され、むくれるブースターに休暇という餌をつるしてやる。それだけでブースターはやる気になり、真剣な表情で資料に目を落とした。
こういうところは楽でいいんだが、と心の中で苦笑しつつ、私も再び資料に目を通し始める。
フリーザー。
三鳥と呼ばれる三種の貴重な鳥ポケモンのうち、氷の力を司るポケモンだ。
その羽ばたき一つで吹雪を起こし、長い尾を引いて飛翔する姿は他のどんな空の生き物よりも美しいという。
資料に含まれた写真はあいにく地上に繋いだ後のものだったが、それでもその美しさは十分に伝わってきた。
繊細な羽毛は霜よりも細かく、大きく広げた羽の色は空よりも青い。顔つきは若鳥のようだが、肉付きのよいその体は成熟した雌の色香を感じさせる。恐らくは、同族の中でもかなりの上玉だろう。
地上の客相手ならそのままでも十分高く売れそうだ。しかし、私達が相手にする地下の客は違う。彼らは、その太陽の下に晒せない捻じ曲がった欲望をぶつける相手を探しているのだ。ただ美しいだけでなく、彼らの欲情をそそり、淫欲を満たすように仕立て上げなければならない。それは例えば体を作り変えることだったり、心を堕とすことだったりと様々な方法があるが……
……さて、まずはこいつをどうするか。
ブースターの柔らかい毛を撫でながら最初の一手を考える。まず目に留まったのは、その翼。
「飛行タイプか…厄介だな…」
彼女達はその翼で空を飛ぶことが出来る。調教を行う際は安全のため特殊な電磁波で調教対象の技を封じているが、生物として元々もった力、例えば走ったり水中で息をしたりといった能力までは制限は出来ない。もちろん、調教室は密室だし、警備班の者が万全の体制で監視しているはずだ。だが、万が一でも手が届かなくなる可能性を考えると、どうにかして地上に縛り付けておきたかった。
「ぶちってやっちゃえば?おいしそうだし、手羽先」
ブースターが涎をたらしながら前足で何かをもぎ取るようなジェスチャを見せる。
たしかにそれも一つの手だ。もぎ取るまでしなくとも、翼を動かす筋肉を切ってしまえばもう飛ぶことは出来ない。
しかし、それはなんだかつまらない気がした。希望は最初から完全に断ってしまうより、少しだけ残しておいて最後の最後で奪い去る方が面白い。
そう考えると、翼以外の部分に手を加えるべきなのだが……
そこまで考えてふと妙案を思いついた。上司にあらかじめとある『処置』をフリーザーに施すように申請する。滞りなく通った申し出に上機嫌になっていると、申請内容を聞いていたブースターが肩をすくめながら私を見上げていた。
「オトコノコってのは、すきだねぇ」
言いたいことは色々あったが、とりあえずお前も元々雄だろと突っ込みを入れておくのだった。
「あいかわらず、いい部屋つかってるねぇ」
調教室への扉が並ぶ廊下をブースターと一緒に歩く。どの扉にも上等な飾りがつけられており、中の設備も中堅調教師である私達の部屋よりよっぽど立派だ。商品に対する敬意の表れか、それとも売られ行く彼女達への手向けか。どちらにせよ、羨ましいことこの上ない。
「ごしゅじんさまがもっとがんばってくれれば、ボクもこんな部屋にすめるのになー」
「そうか、じゃあ今度から休日返上でがんばってやるよ。次の休暇も楽しみにしてたんだがなぁ」
「う、うそうそ、ボク今の部屋だーいすき!」
皮肉をあっさりと返され、餌をとりあげられそうになったブースターがあわてて取り繕う。
「いやいや、可愛いお前に我慢をさせるなんてご主人様失格だからな。そうだ、知り合いの調教師に調教してもらえるよう頼んでやろう。
立派な部屋に住めるぞ、しばらくの間だけだが。」
「もう、ごしゅじんさまの意地悪!」
ぷくぷくと頬を膨らませたブースターをからかいながら廊下を歩いていると、すぐに目的の部屋までたどり着く。扉の飾りは、水晶をあしらえた鳥の模様だった。
真剣な面持ちで扉に手をかける。ブースターも一瞬前までのふざけた調子から助手の顔になっていた。
扉は音もなく開き、広々とした部屋に私達を通す。薄青の壁で包まれたその部屋は落ち着いた雰囲気で、家具も上品なイメージで統一されていた。
そして真ん中の丸いベッドの上には、この部屋の中で最も高級な調度品が写真と寸分たがわぬ美しさで佇んでいる。
「……あんたたちがあたしを捕まえたの……?」
しかし、こちらを見据えるその瞳は写真ではわからなかった意志の強さ――それも、やや狂気じみた――を伺わせた。
「ここから出しなさいっ!こんなことしている間に、あいつは……!」
「あいつ?」
ヒステリックに叫ぶ彼女の言葉にブースターが敏感に反応する。
「そうよ!あいつがどんなことされているかもわからないのに、こんなところでじっとしてるわけにはいかないっ!」
「……なんだ?誰か探してんのか?」
冷静に彼女に問いかける。激情と焦りに任せてまくし立てるフリーザーの話をまとめると、一緒に住んでいたポケモンが少年に誘拐されたのだそうだ。自身もこれから何をされるかわからないというのに盲目的に彼を心配しているところを見ると、かなり大切なポケモンのようだ。話しぶりから察するに、恐らく恋人か夫だろう。素性の知れない私にも警戒せずにぺらぺらと事情を喋るところから、精神的にかなり追い詰められていることがわかる。
……いい餌を手に入れた。内心ほくそ笑む私を尻目に、フリーザーは今だ彼がどんなひどい目にあっているのかを語り続けた。この餌を目の前につるしてやればどんなことでも言うことを聞くに違いない。彼女自身が、今語っているような目にあうことになろうとも。
「それなら、私が見つけてやろう」
「えっ……!? で、出来るのっ!?」
案の定、フリーザーはその話に食いついた。
「あぁ、人間のことは人間が一番知っている。お前がただ闇雲に探すよりよっぽど早く見つかるさ」
彼女の口ぶりだと誘拐された、とのことだったが、私達調教師の世界にはそんな子供はいない。おそらく、トレーナーと戦って捕まってしまったのだ。フリーザーの生息域まで到達できるところをみると、年齢の割にかなりの腕前であることは間違いない。もしかしたら、ジムやリーグにも挑戦しているかもしれない。組織の情報網を持ってすれば、見つけることもそれほど難しくないだろう。
苛烈な瞳を和らげ、ほっとするフリーザーの前で、冷たく言い放つ。
「ただし、お前が私の言うことに逆らわなければ……だがな」
彼女が私の前でびくりと震えるのを、ブースターと共に頬を吊り上げながら見ていた。
「一体……何を……」
ブースターが押してきたやや大掛かりな機械に、フリーザーが怯えた視線で問いかける。
「蒔いておいた種に水をやるのさ」
「種……?」
注射器のような細い針がついた装置の先端を引っ張り、彼女に向ける。
「捕まえてからここにくるまで何もされてないとでも思ってたのか?」
「なっ……!? やめて……やめなさいっ!」
自身の知らぬうちに何か得体の知れぬことをされていたと知り、フリーザーは恐怖で叫びながら後ずさる。が、彼女の後ろにはいつの間にかブースターが回りこんでいた。にこにこと可愛らしい笑顔を浮かべながら、しかしその顔に似合わぬ凶悪な力で彼女をベッドに引き倒す。
「おっと……さっき言ったことを忘れたのか? 探して欲しければいい子にしてるんだな」
さらに私が追い討ちをかけると、彼女はぐっと悔しそうに押し黙った。
「じゃあ……最初の調教を始めるとするか」
仰向けに倒されたフリーザーの胸元をゆっくりと触る。触れられるのも嫌なのか、彼女は嘴がぎりぎりとこすれる音が鳴るほど口を硬く閉じている。しかし、彼女の胸のとある一点に触れると突然その唇が大きく開かれた。
「っ………!?」
本来そこから感じるはずのない感覚に、彼女はわけもわからないといった表情をこちらに向ける。私は無言で笑みを浮かべると、彼女の体に埋められた快感の種に向かって装置の針の先端をゆっくりと近づけていった。
「ちょ、ちょっとっ!せ、せめて説明しなさいよっ!」
「ひゃくぶんはいっけんにしかず。見る方が早いよー?」
彼女を押さえつけるブースターがくすくす笑いながら囁く。がっちりと押さえつけられ身動きも取れない彼女はただ自身に針が刺さる瞬間を見ているしかなかった。
「ひっ……!? あ、あぁぁあぁぁっ!?」
ひんやりと冷たい針の感覚のあとに、焼け付くような快感が種に流し込まれていく。すると、針が刺さった場所はぷくりと膨らみ始め、段々と彼女の胸を圧迫し始めた。
「やっ……いやぁぁぁぁぁっ!? なにっ、なにこれっ!?」
自身の体が作り変えられていく。それなのに、苦痛どころか激しい快感がその身を貫く。その恐怖はいかばかりか、彼女は体を何度も跳ねさせながら悲痛な嬌声を部屋に響かせた。暴れて針が変なところに刺さらないよう私も彼女を押さえつけ、しばらく抽入を続ける。すると種はどんどん成長し、やがてたわわな実を実らせた。フリーザーの胸に生まれた豊かな膨らみから針を抜くと、その部分がまるで乳首のような小さい突起になる。
鳥類には存在し得ない、明らかに不自然なその乳房を、フリーザーは呆気にとられたように眺めている。
「な……何者なの、あなたたち……」
「ただの、調教師だ」
声を震わせながら呟くフリーザーを見下ろし、別の種に針を刺す。
「きゃぁぁぁっ!? やめ、やめてぇぇえぇぇぇぇっ!」
再び始まった膨張に悲鳴が上がる。それでも抽入は止まることはない。止まるはずがない。二つ、三つと乳房が生まれていき、ようやく声が収まる頃には三対の大きな乳が哀れな雌鳥の胸で揺れていた。
「ひっ……何を……なんてことしてくれたのよっ!」
フリーザーは変貌してしまった自分の体に激昂し、涙を浮かべながらこちらに飛びかかろうとする。しかし、立ち上がった瞬間に重過ぎる乳房にバランスを崩し、勢いよく前に転んでしまった。皮肉にも膨らんだ胸がクッションになり、彼女がダメージを受けた様子はない。まともに立てないくらいだ、翼が健在でもしばらくは飛べないだろう。
「こ、の……ころしてやる……ころしてやる……!」
「やれるもんならやってみろ。仮に出来たとしても、お前はその姿のままずっとここに閉じ込められて、件のポケモンには永遠に会えないだろうがな」
思うように動かない体で何とかこちらを睨みつけむき出しの狂気をぶつけてくる彼女に、余裕を見せつけながら言い放つ。弱みを握られたことにようやく気づいた彼女は、反論の言葉もないまま私達をただ睨んでいた。
このまま希望と絶望を何度もちらつかせれば、彼女は自ずから深みへと墜ちていくだろう。
予定以上の成果に満足し、私達は調教室をあとにした。
「あいつはまだ見つからないの?」
調教室に入るなりフリーザーが声をかけてくる。私が首を横に振ると、そう、とだけ呟いてもう興味をなくしたようにこちらから視線を逸らす。
そのあとは無言。まるで私達がこの部屋にいないかのように無視を決め込んでいる。ブースターが沈黙に耐えかねて声をあげた。
「ねぇ、もっとお話しようよ、せっかく友達になったんだからさー」
「友達? 白々しいわね。あたしのことなんかオモチャぐらいにしか思ってない癖に。
それともそれも命令かしら? それならあなた達が気の済むまで話すけれど。あいつのためだもの」
光の灯らない瞳で冷たくあしらわれ、ブースターはぐっと押し黙る。
最初の調教から数日たったが、ずっとこの調子だった。こちらとしてはもっと怯えてくれることを期待していたのだが、どうやら思った以上に意志が強いようだ。いや、意志が強いというより一途というべきだろうか。彼女の心を支えているのは件のポケモンへの想いだろう。彼を誘拐犯から助け出すため、彼に再び会うため。その名目を掲げる限り、彼女はどんな調教でも受け、耐えぬくだろう。
調教途中で心が壊れ、ポケモンが自ら命を絶ってしまう例は珍しくない。その点、彼女はどれだけ壊れても彼という支えがある限り最後の一点で留まり続ける。調教対象としてこれほど優秀なポケモンはいなかった。商品とするには悪すぎる態度も、これからどうにでもなる。要は、手段と目的を入れ替えてやればいいのだ。
「いや、今日の命令は別だ。」
むくれるブースターを押しのけ、冷ややかな瞳で睨みつけるフリーザーに注射器を向ける。前回の調教のことを思い出したのか、一瞬その凍った瞳が揺らいだ。
「……なに? またあたしの体をどうにかしようっていうの?」
「あぁ。 ……もちろん、逆らわないよな?」
私が念を押すと、彼女は悔しげに首を縦に振った。殊勝なその態度に、思わず口の端が自然と吊り上がる。
重そうな乳房をベッドに押し付け、うつぶせに横たわるフリーザーの首筋を押さえて、注射針をゆっくりと挿していく。
……今度の薬は劇薬だ。用量を間違えないように慎重に慎重に薬品を投与していく。
やがて彼女の体に変化があらわれた。呼吸が段々浅く短くなり、頬が傍目にもわかるくらい紅潮していく。
そろそろか。少しだけ多めに薬品を流し込み、注射針を抜く。フリーザーが体を起こし、憎憎しげにこちらを睨んできた。
「なにを……したのっ……!」
「言わなくてももうわかってるんじゃないのか?」
後ろから手を回し、豊満な胸の先に飛び出た乳首を指先で摘む。
「ひっ……! ……っ……!」
彼女はこちらにぶつかるんじゃないかと思うほど大きく背を逸らし、声にならない声で叫んだ。
先ほど彼女に投与したのは、全身の感覚を鋭敏にする薬だ。軽く乳首を指先で押しつぶしただけで彼女はすぐに達し、秘裂から透明な粘液を垂らして布団を湿らせていく。しかし、薬の効果はそれだけではない。
「どうだ?気持ちいいか?」
「っ!?」
耳元で囁くと、彼女が困惑した様子でまたびくりと震える。耳に届いたその声の響きにすら感じているのだ。鋭敏になりすぎた感覚は、普段は刺激ともとれない些細な事柄でも快感として彼女の体に届かせる。
「聞こえないのか? 正直に答えろ、これは命令だ」
「っ……きもち、いい、ですっ……!」
自身の喉の震えすら快感となるのか、途切れ途切れに答えながら恨めしげな視線をぶつける私にフリーザー。だが、快感を口に出して認めさせたことでその心は確実に蝕まれていた。
「おー、こんな簡単に認めちゃうなんて、すごい淫乱だねー」
「あぁ……でもしかたないよなぁ? お前の大切なポケモンのためなのだから」
くすくす笑いながらフリーザーの揺れる心にさらに追い討ちをかけるブースターの陰で、わかりやすい逃げ道を与えてやる。そう、これは彼のため。どれだけ感じ、乱れても、それは愛するあの人のため。
快感と堕落を許容する大義名分。これを与えてやるだけで大抵のポケモンは甘美な誘惑に抗えなくなる。次第に目的は快楽を得るための手段となり、やがて快楽だけを求めるようになる。
今はまだ反抗的な意志を宿すこの瞳も、そう時間も立たないうちに快感を受け入れるようになるだろう。その証拠に、先ほどまで冷たいだけだった彼女の瞳には、快楽を求める火が小さく灯り始めていた。
「ブースター、行け」
短く相棒に命令を放つと、ブースターは楽しそうに彼女に飛びついた。
「ひっ、あぁぁぁあぁあぁぁぁっ!」
彼がフリーザーの柔らかい乳房に飛びつくと、赤子のようにその乳首に吸い付いた。フリーザーは堪らず嬌声を上げ、なんとか振り払おうと体を捩じらせる。しかし、その分ブースターは強く胸元にしがみつき、柔らかな彼の体毛が敏感な残りの乳肉をくすぐっていく。結果として、フリーザーは倍増した快感をその身に受け、何度も絶頂を迎える羽目になった。
一度頂点まで達しても、快感は収まることなくさらなる高みに無理矢理登らされていく。幾重にも絶頂を積み重ね、フリーザーはその鮮やかな羽と乳をベッドの上で踊らせる。
「ゆるっ、ゆるしっ……!?」
ビクンと体が震えてその舞と叫びが一瞬とまり、代わりに小さな滝がベッドを打つ音が部屋に響いた。
「あー、おもらしだー」
蔑むように嘲笑うブースターの言葉を合図に、さらに激しさを増した彼女の踊りが再開する。
尿道を駆け巡る液体の流れ、激しい水流が布を打つ音、飛び散った迸りの不快な温かさ、そして独特の臭い。
自身の粗相を彼女に伝える感覚の全てが、同時に鋭い快感も届ける。恥辱と倒錯にまみれた快感を心に刻みつけながら、フリーザーの舞は彼女が気を失うまで続いたのだった。
前回の調教から一週間。経過は良好だった。四六時中与えられ続ける快感に慣れ、その感覚を日常のものとして認識しつつある。自らねだったりしてくることはまだ無いものの、調教の際の抵抗が減ってきた。快感への耐性も上がり、絶頂に達してもあまり体力を消耗しないようになってきている。
常に欲情を滾らせ続けるその体は、もはや快感なしには生きていけないのだろう。監視カメラの映像を見れば、調教がなかった日は頻繁に自慰を行っていた。達しても決して収まることは無いと知りながら、愛しい人の名をうわ言のように呟き、見られているとも知らず淫らに狂い続けている。
……そろそろ次の段階へ進んでもいいだろう。そう考えた私は、ブースターにある施設の鍵を渡す。そこは、調教のサポート用として様々なポケモンが保管されている場所だ。私のように助手となるポケモンを連れている調教師は多いが、あらゆる手を以って相手を落とさなければならないここでは、手持ちのポケモンだけでは対応しきれない状況も多い。かといって、助手を新たに調教するにも手間がかかる。ゆえに、ある程度調教したポケモンを調教師全員で共有し、そこからレンタルすることで様々な調教を行うのだ。
ブースターにポケモンの選別をしてくるように伝えると、彼はお菓子をねだる子供のように物欲しげに
「ねぇ、ついでに味見してきてもいい?」
とおねだりしてくる。
今のフリーザーの半分でいいから我慢ができればなぁ……とは言っても無駄なことはわかっているので、食べ過ぎるなよ、とだけ念を押してブースターを送り出した。
モンスターボールを新たに2つベルトにつけ、フリーザーの部屋に入る。淫らな表情で息を荒げ、頬を紅潮させたフリーザーが出迎えてくれた。
「あら……もうそんな時間だったかしら?」
平静を装ってこちらに話しかけてくる彼女。しかし、その手羽の先はうっすらと濡れ、重い乳を盾に股間を画しているところを見ると、直前まで快感を貪っていたのだろう。
「今日もまた撫でられ続けるのかしら?」
その口ぶりこそ辟易したといわんばかりのとがった口調だが、その瞳には期待の色が見え隠れしている。中途半端な自慰で昂ぶってしまった心を何とか解き放とうと、無意識に体を小さく揺らしている。
「いや、今日はお前に客がいる」
「まさか……見つかったのっ!?」
胸の重さが無ければ飛びつかれていた。そう感じるほどの勢いで彼女が私のほうに顔を寄せる。しかし、私が首を横に振ると彼女はその美しい顔を失意で歪めてうなだれさせた。
「残念ながらそれはまだだ。
……だが、手がかりは集まってきている。もうしばらくしたらもしかしたら……」
すっかり沈み込んでしまった彼女に、調査はきちんと進んでいることを伝えてやる。調教の進行に合わせて少しずつ情報を与えてやることで、もっと頑張ればさらに手がかりは集まるかもしれないと思わせる。もちろん、調教の進行と彼が見つかるかどうかは関係ないのだが、必死とも言えるほどに彼にすがり付いているフリーザーには効果は抜群だった。
「そう……じゃあ今日は何をすればいいの?」
現に、顔を上げた彼女が次に発した言葉は調教を促すものだ。従順なその頭を撫でてやると、彼女は敏感な体を震わせうっとりと目を細めた。
「客がいる、といっただろう?」
少し離れてモンスターボールを投げる。赤い光がボールから放たれ、彼女の両脇に2つの大きな影が現れた。ウインディとバンギラス、どちらもフリーザーより大柄なポケモンだ。いや、大きいのは姿だけではない。どちらのポケモンも、一目見て異常とわかるほど生殖器が肥大化していた。赤黒いペニスは人間の腕よりも太く、根本まで突き込んだとしたら同種でも腹が裂けそうなほど長い。スイカ大の睾丸は心臓のように脈打ち、さかんに雄の精を作り続けているのが見て取れた。二つのペニスは異臭ともいえるほど雄臭く、わざわざ離れて出したというのにここまで臭ってくる。思わずハンカチを取り出し、鼻と口を塞いだ。
「あっ……あ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!?」
異臭の元に両脇を挟まれ、鼻の捩れそうなその臭いをろくに心の準備もしないままに嗅ぐことになったフリーザーが悲痛な悲鳴を上げながらのた打ち回る。今や彼女の鼻はその生殖孔と同等の感度を持つ性器であり、むせ返すような強い雄の香はちょうどその巨根で秘穴を貫かれるのと同じくらいの刺激だろう。しかもそれが二本もあるのだからたまったものではない。
「あ゙ひぃっ! 鼻がっ! 鼻がァァァァァっ!?」
喉が潰れてしまったかのような悲鳴をあげ、ベッドの上で暴れ続ける。その割れ目からは飛沫が絶え間なく飛び散り、二匹の巨根にかかっていく。その激しすぎる雌の舞に欲情し、先端からこぷりと先走りが流れ落ちる。さらに強い雄の臭気が辺りに漂った。それでも二匹の雄はその切ない疼きを透明な液として零すだけで、フリーザーには手を出そうとしない。画だけ見るとシュールな光景だった。
「ほらほら、だめじゃないおねえさん。
せっかくお客さんが来たんだからさ?」
見かねたブースターがゆっくりと近づき、ひぃひぃと荒く息を吐くフリーザーを諭すように語り掛ける。
「ほら、お客さんも我慢できないみたいだよ……?」
その言葉を合図とするように、巨根がフリーザーの体に擦り付けられ始める。より間近から漂ってくるその臭いに、肉汁を滴らせ震えるその熱さに、再び彼女の体が大きくのけぞる。心も熔かされるようなその快楽に、彼女の瞳が朦朧とし始める。
「今までおねえさんもたくさん触ってもらったでしょ?
だからほら、今度はお姉さんの番だよ……?」
天使のようなあどけない声で、悪魔のような甘い言葉を囁く。彼が大好物の飴を舐めるようにうっとりした表情で逞しいウインディの分身のわき腹を舐めると、その巨体を震わせてあっけなく白濁を漏らした。巨大な睾丸の生殖機能はそうとう発達しているようで、出し続けなければ収まらないのだろう、ウインディの逸物は射精し続けながらさらに硬さを増していっている。バンギラスの方も早くも達しそうだ。
「ね? 気持ちよさそうでしょ?
挿入は絶対しないように言ってあるから、怖がらないで、ね……?」
精液のかかった部分からも快感を感じているのだろう、その付近をビクビクと痙攣させている。快感に思考力を奪われつつある彼女は、段々と蕩けた表情で頬を緩ませ始めた。
「いきなり大きいのは怖いかな? だったらボクのはどう?
おねえさんのお口でやってほしいな……?」
甘えた口調でごろんと寝転がり、子供のおちんちんといっても言いサイズのそれをフリーザーに見せ付ける。二つの巨根と一つの幼根、選べと言われたらどちらを選ぶか決まっているだろう。どちらも選ばないという選択肢は、今の彼女には無い。引っ張られるようにゆっくりと、ブースターの雌と雄が混在する股の間に嘴を近づけていく。
「あっ、ひゃっ、くすぐったいよ……
……ほら、おにいさんたちも待ってるよ? 羽でしてあげて……?」
幼茎をついばまれ、小さなそれを自己主張させながら的確な指示を送る。操られるようにフリーザーが手羽で二つの巨根を包み、刺激し始める。すでに絶頂間際だったバンギラスがすぐに射精し、ウインディも再び体を震わせた。その美しい羽毛が汚されるたびに彼女の表情は乱れ、奉仕にも熱が入っていく。
「っ……ふ、ぁ……んっ……!?」
やがて、小さな飴を舐めていたフリーザーが異変に気づく。ブースターのペニスが大きくなっている。いや、大きくなること自体は普通なのだが、その膨張率が尋常ではない。小さい子供のようだったそれが、大人のそれまで成長している。それに、玉袋まで大きく膨らんできている。
「えへへ……びっくりした?
おねえさんのおっぱいと一緒でね、ボクのおちんちんも色々いじってもらってるんだよ……?」
もっと大きくなるよ、と息むとさらにそれは膨らんでやがてウインディたちのものと肩を並べるほどになった。いまや、ブースターにペニスがついているというより巨根にブースターがついているといった方が正しい気すらする。それでも先端が皮を被っているのはご愛嬌だが。彼の体よりも大きくなった逸物に呆気にとられているフリーザーに向かってブースターが抑えきれない様子でペニスを擦り寄らせる。
「ねぇ、もっときもちよくなろうよ……?
ほら、おっぱいとお口で……」
三対の胸の谷間に大樹をねじ込み、内側からゆっくり突き上げながらブースターがおねだりする。柔らかく敏感な乳房を一度に刺激され、また一つフリーザーの理性の螺子がはじけとんだ。胸を自ら揺すりながら、一番上の谷間から顔を出した巨木のてっぺん、締められた皮袋の頭に嘴を突っ込んで内側の敏感な粘膜を刺激する。
ブースター自身の剛直の熱さ、そして皮の中にびっしりと詰まった恥垢の臭いと味。奉仕しながら幾度も絶頂を迎え、溶けてしまいそうなその快感に彼女の頬は緩んでいた。
ウインディやバンギラスも負けてはいない。
ウインディは羽による愛撫を振り払い、何を思ったかフリーザーの背中に跨ってペニスをそのむっちりとした太ももの間に突き入れた。挿入の恐怖に怯えた表情を浮かべるも、一向に割れ目が突き破られる気配はない。その代わりに焼けた鉄の棒のようなペニスが割れ目にそって太ももの間を何度も往復する。赤鉄を冷まそうとするかのように秘裂からシャワーが降り注ぎ、その滑りをよくしていった。肉付きのよいその太もも、そしてその先に積まれた乳肉の最下段に先端がぶち当たり、その刺激で絶え間なく放出される白いマグマがフリーザーの下腹を汚していく。
対照的に、バンギラスは細かな羽の刺激が気に入ったのか、常にその岩のような硬さの生殖器を彼女の手羽に握らせていた。亀頭を重点的に攻めさせたかと思えば、肥大したボールを優しくなでさせる。彼女に手淫の悦びを教えつつ、その全ての刺激で彼の活火山は噴火し、その場の全員に粘つく雨をふりかけていった。
狂乱の宴。三本の柱が白濁を撒き散らし、その中心で美しく淫らに彼女は舞う。幸せそうに頬を緩めながら、その熱を、匂いを、快楽を貪り続ける。美しい声で快楽の歌を歌いながら、同じ喉で欲望の塊を飲み下す。
いつ終わるとも知れぬその交わりを傍目で見ながら、私は喜びに打ち震えていた。
今日、私は彼女に一つも命令していない。ただ客人をこの場に連れてきただけだ。だというのに、彼女は助手の誘いに抗いきれず、目の前の快楽に身を任せた。
恐らく彼女はその事実に気づいていないだろう。もしかしたら、ブースターの誘いが命令かと思ったと否定するかもしれない。それでも、快楽に溺れた経験は彼女の身を疼かせ、近く自分から求めるようになる。
完全屈服の時は近い。墜ちた彼女を想像し、唇を震わせながら4匹の踊りを眺め続けた。
最終更新:2010年10月24日 00:43