ある日男がネットサーフィンをしていると、とあるアングラサイトに辿り着いた。
そこは『安価でポケモン調教』というサイト。男はタイトルに惹かれて早速サイト内を見てみる。そこは掲示板だった。
そのサイトでは数々の「調教師」達が、レスアンカーで指示された通りに各々のポケモンを”調教”して、その様子を掲示板にアップしていた。
調教師にも色々いて、仕事として調教をしている者、屈服させるのをただ楽しんでいる者、調教の範疇を越えて虐殺を楽しむ者……。最後のは男にはショッキング過ぎたが。
いつしか男はその世界に惹かれ、傍観者では飽き足らず、自分も調教師になりたいと思うようになっていた。
それからしばらく経ち、まとまった時間が取れた男はいよいよ自分もその掲示板に”調教師”として書き込もうと決意した。
なにせ今までこのような事はしたことが無い故、男の顔は緊張に満ち満ちていた。彼はおぼつかない手でゆっくりとキーボードを叩く。
『初めまして。僕もこれからポケモンを調教させて頂きます。スカ、微グロOK。グロは無しでお願いします。
調教するポケモンの種類、性別は>>142。性格は>>143にします。』
肩に力が入りすぎていて、こんな短文を書くだけでも異常に疲れてしまった。彼はとりあえず今日のところは、レスがつくのを待ちながら寝ることにした。
>>142 リザードン♀
>>142 スイクンのオス
いつもより早く起床した男は何をするよりも早くモニタの前に座り、パソコンの電源を入れて例の掲示板へと飛んだ。
「やはり」というか「さすが」というべきか、もう安価先にレスがついていた。レスがついていなかったらどうしようとばかり思っていたから、そのことに少々安心を覚えた。
そして安価先を確認した男は早速にんまりと笑った。どこか陰っている、邪な笑いで。
「リザードン、雌。こりゃいいや」誰に言うわけでも無く、一人ごちてみる。
初めての俺でもリザードン程度の大きさのポケモンなら調教はそれなりに可能だろう。難易度はそれほど高いほうではないはずだ。
男は嬉々として、すぐにとあるポケモンブリーダー――決して表の世界には出てこないブリーダーだ――にリザードンの注文を入れた。いや、入れようとした。
「あれま、よく見たら性格決める安価がミスってるや」
重要なことに気付いた男は注文のメールを打ち込むのを一旦やめ、再び掲示板へと戻った。
『リザードンの性格再安価>>153でお願いします』
とここまで書いて、そういえば重要なことを安価していなかったことにも気付いた。
この掲示板ではよく見る安価だが、する方となると些か緊張してまた肩が固まる。
『最初にリザードンにする調教内容は>>154』
書き込みが終わった男は一安心して大きな溜息をつき、安価が埋まる前に使う道具の準備でもしようと席を立った。
>>153 いじっぱり
>>154 手枷・足枷で立ったまま大の字四肢拘束
注文から幾日も経たないうちにブリーダーからリザードンが送られてきた。
こんなに早く届くとは思っていなかった男は、まず調教部屋となる自宅の地下室の片付けをして、
それから調教に使う道具を運び入れるなどしているうちに、外はもうすっかり夜になっていることに気付いた。
綺麗になった部屋を見回して一人頷いた男は、待ちきれない様子で先ほど届いたダンボールをカッターで引き裂いた。
中に入っていたのは、新品のハイパーボールと数枚の紙。紙にはリザードンについての詳細が記されていたが、長かったので読むのを止めてボールへと手をかけた……。
「ん……ここは……?」
リザードンがうっすらと目を明けると、白い光が飛び込んできた。
視界に映ったのは白を基調とした広さ十数畳程度の部屋。いくつか棚なども置かれていて、人間が居た形跡があった。
十分に広く、そこらに積み重なっているダンボールが壁の白と不釣合いなのを除けばとても綺麗な部屋で申し分ない。
だがこの部屋はコンクリート造りで温かみが全く感じられないのが、リザードンをなんだか孤独な気分にさせた。
そしてなにより、何故自分がそんな場所にいるのか、リザードンには皆目検討がつかなかった。
「何ここ、気味が悪い……出よう」
幸い部屋の端には階上へと続く階段が見えた。誰もいないのでとりあえずそこから脱出を図ろうとした、のだけれども
「えっ、ちょっと、なによこれ!?」
体が動かない。一瞬リザードンは訳が分からなくなった。力が入らないのではなく、何かに動くのを抑制させられている感覚を感じた。
首から上だけは動いたので不思議がって体を見ると、案の定両腕と両足、それに尻尾にがっちりと枷が嵌められていて、四肢は壁に、尻尾は床にしっかりと固定されていた。
リザードンは今、体を大の字に広げ背中を壁にくっつけている状態にある。枷は異常なほどに堅く、いくら力を加えてもびくともしないので身動きが取れない。
怒りに震えているリザードンは、眼光を鋭くし何も無い空間を睨み付けて、「ちょっと、誰かいるんでしょ! 早くコレを外しなさい!」と部屋が震えるような大声でどなった。
声は部屋中にいくらか反響してすぐに消えた。だがそれからすぐに、リザードンの耳に階段を下りてくる足音が聞こえ始めた。
「やあリザードン、目覚めていたのか」
階段から下りてきた男はすぐにリザードンの方へ歩み寄って、笑顔で馴れ馴れしく語りかけた。それを侮蔑するような目で見ながらリザードンは言う。
「私を拘束してるのはアンタなの? 早くコレ、外しなさいよ」
「駄目だよ、これから君を調教するんだから」
余りにも即答だったのと、男の言った言葉の内容に唖然としてしまい、リザードンは二の句を継ぐことが出来なかった。
男の手のひらがリザードンのクリーム色の腹部をやんわりと撫でた。それに少し体を震わせたリザードンは、怒りを表情に出して反発の言葉を男に投げつける。
「アンタ正気? 調教って。ちょっと悪い冗談はやめて、早く外してよこの変態!」
その侮辱の言葉に、男の笑顔が曇った。
全く生意気なリザードンだ。どうやって自分の立場というものを分からせよう?>>157
>>157何も言わずに尻尾の炎を股の前で固定。その後失禁直前まで追い込んだところで
あまりにも無様な事になりたくなければ、主人であることを認めるように迫る
「アンタ、殺されたいの……?」唸るような低い声でリザードンが男に言った。
男が顔を上げてリザードンを見ると、目が怒りで爛々としているのがすぐに分かった。リザードンが十分に殺意を持っていることも。
「殺されたくはないね」
「じゃあ今すぐこの枷を外して。本当に[ピーー]わよ」
「それは無理」
ごめんね、と男はけらけら笑いながら言った。何故男が笑うのか分からないリザードンは、馬鹿にされているようなそのもどかしさに段々と怒りのボルテージが上がっていくのが分かった。
「素直に調教されてくれれば傷つけたりはしないって、たぶん。それに僕が死んだら君は誰にその枷を外してもらうんだい?」
「それは……ッ」
リザードンが言葉に詰まった。リザードンにとっては悔しい事だが、男の言っていることは本当のことだった。
男のゴツゴツとした手の平がリザードンの腹から離れて、男はリザードンに背中を向けた。
彼の後姿を見ているとリザードンは自分がとても情けなく感じて、その感情は怒りへと変わった。リザードンは自分の中で何かが弾けるのが確かに分かった。
「じゃあ足だけでも炭にしてやるわよ!」
そう叫ぶと同時に大きく息を吸い込んだ。体内に取り入れた空気を全て炎に変えて放出する技、火炎放射だった。狙いは男の足へと定めた。
その声に驚いた男が振り向いたときには、既に空気は取り込み終わっていて、あとは力の限り吐き出すのみだった。
もう避けようがない。リザードンは絶対的な勝利を確信しながら、大きく口を開けた。
「…………、え?」
リザードンはぽかんとして目の前を見つめる。
吐き出されたのは、ただの生暖かい呼気だった。放射されるはずだった灼熱の炎は、火の粉すら見えない。
火炎ポケモンと呼ばれているリザードンが炎を吐けないなんてことがあるはずもなかったので、リザードンの頭はただ混乱するばかりだった。
ハァハァと喘ぐように息を吐いてみるも、やはり炎は出ない。こうなると考えられることは一つしか無い。リザードンは呆然として言った。
「アンタ、私に何かしたの……?」
「別に薬品を打ったりはしてないよ。ああ、だけど君が余りに美味しそうに食べるもんだから、
君が寝ている間にたくさんのオッカの実を食べさせてあげちゃったなぁ」
男は軽快に笑いながら胸のポケットから橙色の小さな木の実―オッカの実―をこれ見よがしに取り出して齧って見せた。
オッカの実と呼ばれる小さくて硬い木の実は炎の力を弱める成分を大量に含有している。それは一個食べただけで吐き出す炎の威力が半減されるほどだ。
それを大量に食わされたのだとしたら。リザードンは額を顰めて歯軋りをした。
そして同時に、何も抵抗する術が無いということに脱力してしまった。もっとも脱力したところで四肢はぴくりとも動かなかったが。
男ははっと思いついたようにリザードンの方へと歩み寄り、枷の鍵をポケットから取り出した。
「私をどうするつもり……? それとも、やっと開放してくれるのかしら?」
疲れきったような声でリザードンが問う。その声は無気力そうに聞き取れるが、確かに期待が混じっていた。枷が外れ自由になれるとでも思っているのだろうか。
男はリザードンの問いには全く答えないまま、床に固定されている尻尾の枷の鍵穴に手に持っている鍵を差し込んだ。
手を軽く捻るとカチャンと軽い音がして枷が開き、尻尾が自由になった。
不思議な事に枷を外してもリザードンは全く尻尾を動かそうとはしなかった。それは多分オッカの実のせいだろう。
寝ている時には燃え盛っていた尻尾の炎も今は大分弱弱しくなっていて、まるで蝋燭の炎のようだった。きっと炎の力を奪われて体を動かす気力も失せているのだろう。
しかし勿論自由のままになどするはずはない。
尻尾の先端の赤い炎で、仄かに赤く染まっている雌の秘所が完全に隠れるように尻尾を曲げて、その位置で尻尾が動かないよう枷に鉄の棒をくくりつけて地面と固定した。
秘所の辺りに手を近づけた時、リザードンが小言をぶつくさと言ったが、やはり男はそれを無視して淡々と作業をした。
再び枷を取り付けたとき、リザードンの表情に落胆の色が見えたが、気持ちは分からないでもない。
「尻尾の位置を変えて何するつもりなの?」
「………」男は答えない。
「もう一度訊くけどアンタは何が目的なの? 目的があるならさっさと終わらせて私をここから出してよ」
「目的は……。とりあえず今は夜だ。今日のところはもう寝よう」
「ねえ、私の質問に……」
「おやすみー」
リザードンに再び背を向けた彼は、やはり質問に答えないまま階段を上っていってしまう。
しかし十段ほど上ったところで、再び階段の下へと引き返してきた。
「そういえば忘れてたけど、俺に用事がある時は大声で『ご主人様』って呼べば来てやるからな。様をつけるんだぞ~」
「誰が呼ぶか、変態!」
その怒号を聞いて男はまた笑い、地下室の電気を消してから階段を上っていった。真っ暗な地下室の中、リザードンの腹の下に位置する尻尾の矮小な炎だけが辺りを照らしている。
夜だといわれても、外の景色が見えず、光も入ってこないこの地下室には朝も夜も関係が無いような気がする。
先ほどまで散々眠っていたリザードンが今更眠れるわけも無く、ただ怠惰な時を壁とにらめっこしながら過ごすこととなった。
電気が消されてからどれくらいの時間が経った頃か、ふとリザードンは股の辺りに感じるものがあった。
なんだか、下腹部がむずむずするような嫌な感覚。これは……尿意だ。
最初は寝ればそんなもの忘れるだろうと思っていた。だがいくら目を閉じても頭には常に尿意がよぎってしまう。目を開けても何もすることが無いから、頭に浮かぶのは尿意のことばかり。
一度認識してからは尿意が頭から離れない。こればかりは生理現象なので、いくらリザードンが止めようと思っても止められるものではなかった。
我慢しよう。そう思って目を閉じた瞬間、急激に膀胱が膨張したような気がした。
きっと大量に食したオッカの実が原因なのだろうと思う。オッカの実から出た大量の水分が丁度今膀胱に溜まる頃なのだ。
リザードンは歯を食いしばってひたすら我慢に徹している。「ご主人様」と呼んでアイツをここに来させればトイレに連れて行ってくれるかもしれない。
だがあんな奴に屈することはリザードンのプライドが決して許すさない。アイツに従うぐらいなら死んだほうがマシとさえ思う。
アイツに従うぐらいなら……この場でしたほうがマシだ。そんな考えがリザードンに浮かんだ。
もう一度考え直す。部屋の中で放尿など、雌としてそんなはしたないことは許されない。だけど、アイツに屈服するぐらいなら……。やはりここでしたほうが良い。
「ハァ……ふ、ぅ……」
我慢する余りリザードンの口から声が漏れ出てきた。オッカの実から供給される水分は留まるところを知らない。
もう膀胱はいっぱいで、下腹部の力を抜いたら今にでも漏れ出てきてしまうのが分かる。
「もう無理……げんか、いッ……」
してしまおう。諦めたリザードンは軽く息を吐いて下腹部の筋肉を弛緩させた。
その瞬間予想通り尿がちょろちょろと漏れ出てきて……体に電撃が走った。
「んッッ!!?」
体が大きく震えて排尿が一瞬にして止まった。心臓が潰れるかのような衝撃を受けたリザードンは慌てて下を向く。
完全に忘れていた。尻尾の先端が尿で濡れていた。尻尾の先には勿論、弱弱しく燃えている炎があった。
リザードンの尻尾の炎は自分の命と直結している。こんなに弱弱しい炎だから、より一層衝撃が大きく感じられたのだろう。
「アイツ、まさかこれを狙って……ッ」
あの変態のことだ。何の理由も無く尻尾の位置を変更する訳が無いのだ。奴は最初から「ご主人様」と呼ばせる気しかなかったということがやっと分かった。
不幸にもここで出すわけにはいかなくなってしまった、となると……
「……無理、絶対無理!」
しかしリザードンも、口ではそう言うが心の中では分かっていた。自分がする事は一つしかないのだと。尿意はやっぱり収まらない。このままでは勝手に漏れてしまうだけだ。
こんな弱弱しい炎だ。これ以上液体がかかったらどうなるか……考えるだけでも恐ろしい。
先程『ご主人様』と呼ぶくらいなら死んだほうがマシといったが、やはり死ぬほうが嫌である。だが『ご主人様』と呼べるかというと、それは。
「…ッッ!」
再び恥部を圧迫されるような感覚がリザードンを襲う。あれを言ってしまえば自分の矜持が瓦解してしまうのが分かる。でも……。
「っ、あぁっ!」
もう一度襲ってきた衝撃。リザードンはこれ以上は無理だと体が言っているのが分かった。これ以上は……。
「ねえ! アンタちょっと、早くきてよ! 早く!!」
リザードンは力いっぱい叫んだ。『ご主人様』という単語は省いて。これだけはどうしても言いたく無かった。
階上から足音が聞こえ始めたのはそれからすぐのことだった。小走り気味に走ってくる足音が近づいてくるのが分かる。リザードンはひとまず安心した。
が、その足音は、階段の中腹辺りで止まってしまった。
「ねえお願いふざけないで! 早くしてよぉ! もう漏れっ…」
リザードンがいくら懇願しても、男の足は微動だにしない。男がやはり笑いながら言った。
「ふざけてないよ。俺を呼ぶときは、何だっけ?」
階段から聞こえてくる声。リザードンにはそれが死刑宣告のように聞こえた。やはり言わなければならないのかと、絶望の念が心に広がる。
しかし、このままではプライドも何も無くなってしまう。リザードンは心の内で何度も『これは私の本音じゃない』と唱え、きつく目を閉じながら言った。
「はうぁ…、そ、その。私の尻尾の枷を解いて、よ。……ご、主人………様」
「どうして?」
「どうしてって、……アンタがやったんだから言わなくても分かるでしょ!?」
「あーあ、口答えしたね。最初から言い直し。あと敬語でね」
リザードンの舌打ちが暗い部屋に響いた。しかしリザードンには従う以外の道は無い。
少し唇を噛んでから、もう一度小声で「これは私の本音じゃない」と呟いた。
「おしっ……こをしたいので、尻尾の枷を、解いて、下さい。……ご主人様」
「あははは、よく言えました」
途端に部屋の電気が一斉に点いた。眩しさと羞恥心のせいでリザードンは顔を赤くしたまますっかり下を向いてしまっている。
男はリザードンに近づくと、先ほどと同じように枷に鍵を差込んで、ロックを解除した。リザードンの尻尾が自由になって床に落ちる。
しかし外されたのは尻尾の枷だけだった。手足の枷を解いてくれる様子は、全く無い。
「ねえ、トイレは……ないの?」
リザードンが恐る恐る尋ねる。
「トイレって? ここが君のトイレだけど、したいなら早くしなよ」
微かに予想はしていたが、さも当然のように言い返されてしまったリザードンは、すっかり体の力が抜けてしまった。
枷のせいで手足を大きく広げたまま、隠すものが無い薄紅色の割れ目から黄色く濁った水が放物線を描き、ボチョボチョと汚い音をたてて床に大きな水溜りを作っていく。
男はその様子を写真に収めているが、もうリザードンは何も言う気になれなかった。
これからどうなるのだろうと悲嘆するだけで精一杯だった。
一通りのことが終わって、男はパソコンを開いた。目的は勿論、例の掲示板に書き込むために。
『緊張しましたが初日は無事終わりました。プライドはそこそこ折れた気がしますが、たぶん彼女には嫌われましたwwwwww
あとで写真もアップする予定です。
では2日目にする調教の安価お願いします>>163』