私はいざというとき、アナタを殺します(後編)

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「誰か来るな」
「ふむ? 私にも確認させてくれ。佐倉くんかもしれないのでな」
 メロは素直に総一郎の言うとおりに従った。
 どうやらゆまの探していた佐倉杏子と、彼の同行者である佐倉は同一人物のようだ。
 ゆまや彼から聞きだした人物像と一致していたため、すぐにわかった。
 しかし、とメロは苦い思いを抱えた。目の前の人物は確かに夜神総一郎だ。
 メガネとヒゲを除いた顔の造形はもちろん、キラ事件に関わりを持っている過去。それは今までの会話で確認した。
 なのに、彼は自分を知らない。
 さらに、夜神総一郎はキラが誰かを知っていた。


 そんなに時間を遡ることはない。
 せいぜいメロが夜神総一郎かどうか尋ねた頃だ。
 正直言って、名前を呼んだのは失態だ。おのれの迂闊さを呪った。
 夜神総一郎にとって、自分は娘を誘拐し、命を奪ったも同然の男だ。
 敵対行動を起こされ、自身を危険に晒してもおかしくなかった。
「その通りだが、どこかで君と知り合ったことがあるのか?」
 だが、返ってきた反応に拍子抜けする。
 メロを騙すための演技にも見えない。彼の顔には純粋な疑問が浮かんでいた。警戒心などかけらもない。
 どういうことだ、と混乱したのはメロの方だ。
「…………俺の顔を覚えていないのか? 本名も?」
「すまないが、君と会ったことはない。忘れているかもしれないが、失礼だったら謝らせて欲しい」
 メロの表情が険しくなる。意識してではないだろうが、総一郎の言葉は皮肉に近い。
 よりにもよって、殺そうとした相手に失礼だから謝りたい、である。
 相手が悪いわけでもないのに、勝手に不快な気分を抱えてしまった。
「チッ、まあいい。あんたに忠告しておくことがある。キラ事件の真犯人だ」
 とりあえずこれだけは言っておかないと今後が危険だ。
 逆上されても逃げ出せる準備はしておく。
「そいつはこの儀式にも参戦している。そいつの名は……」
「夜神月……私の息子だ」
 またもメロの予想を上回る展開だった。
 夜神総一郎の悲痛な顔を見ながら、何が起きているのか必死に頭を働かせた。


 その後、メロは総一郎の『キラはオルフェノクになった可能性がある』という話を聞きながら、色々可能性を考えた。
 記憶操作が一番可能性の高いものだが、主催者がそんな行動を取る意味がわからない。
 もう一つ、何かが頭に引っかかっているが、それが何かわからない。
 ニアやLならば、とっくに検討ついただろうにとほぞを噛んだ。
 メロは行動を持って考察に必要な材料を集め、手段問わず様々な手を取るタイプだ。
 ゆえに直感力の高いニアに一歩譲ってしまった苦い記憶がある。
 L、月と並行世界を把握する中、彼が行き当たらないのはその性質によるものが強い。
 そのため、メロはさらなる情報収集を選択した。
 ちなみに総一郎にはキラ事件や彼自身に関することを適当にはぐらかした。
 藪をつついて蛇を出す必要もない。
 メロが思考を再認識していると、遠くで誰かが近づいていた。
 長髪の気の強そうな少女であるのを確認して、総一郎が声をかけた。
「佐倉くん、ここだ!」
 呼ばれた杏子は不機嫌な顔を向けて、「ん」とだけ返した。
 メロの顔も見たはずだが、存在していないかのように近づいてくる。
 いや、あれは無視されているのだろうか。
「それで、どうだったんだい?」
「……マミには会えた。乾巧を追っていったけどな」
「なんだと? それは危険ではないか?」
「いや、大丈夫だろう。草加が言うほど悪人じゃねえ。あいつに嫌われてもしかたないことは、やらかしたみたいだけど。
そこらへん複雑っぽいからおっさんに任せる」
 ああ、と総一郎が頷く。マミはゆまから聞いた彼女との共通の知り合い。
 そして乾巧とは総一郎から又聞きした要注意人物のはずだ。
 しかし、肝心の人間がまだ話題に出ていない。
「おい、ゆまはどうした?」
「死んだってさ。啓太郎って奴もな」
 人の死を悼む総一郎をよそに、チッとメロは舌打ちをしてしまう。幼き少女の死を悼むより、使えるカードがなくなったのが惜しい。
 不幸な少女だと同情はするが。
 しかし、疑問がある。
「なあ、それだけなのか? あいつはお前を慕っていたが……」
 杏子の態度はどうしても引っかかる。感情的な部分より、ゆまから得た情報とのちぐはぐさが気になった。
 だから、相手の反応を引き出そうとする。ゆまを捨て駒として利用していたのか、悲しみを必死に抑えているのか。
「こっちが聞きてえよ。マミといい、あんたといい、なんでゆまって奴をアタシが知っているみたいに言うんだ? だいたい、ゆまって誰だ?」
 またも不可解な反応。総一郎に続き、二回目の体験だ。
 メロは自分と彼女の情報の差を埋めようとしたとき、ひらめきが走る。
「まてよ? もしかして……」
 頭に浮かんだ仮説を、とっさに払う。まじめに扱うには馬鹿馬鹿しいのだ。
 なのに、どうしてもその仮説が離れない。
 だからメロは『行動』をする。
「おい、ちょっと俺とお前らの情報を交換してくれ。もしかしたら、とんでもない事態かもしれないからな」
 総一郎と杏子はそろって訝しげな表情を作った。
 構うものか。メロは足りない情報のピースを、この二人から集められると確信していた。


【D-2/南部/一日目 早朝】

【メロ@DEATH NOTE】
[状態]健康
[装備]ワルサーP38(8/8)@現実、原付自転車
[道具]基本支給品一式、呪術入りの宝石(死痛の隷属)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考]基本・元世界に戻り、ニアとの決着をつける。
1:違和感のある総一郎および杏子から情報を引き出し、仮説が正しいか確かめる。
2:死者(特に初代L)が蘇生している可能性も視野に入れる。
3:必要に応じて他の参加者と手を組むが、慣れ合うつもりはない。(特に夜神月を始めとした日本捜査本部の面々とは協力したくない)
4:可能ならばおりこに接触したい。
5:なぜキラがオルフェノクになった可能性があるのか、聞きたい。

[備考]
※参戦時期は12巻、高田清美を誘拐してから、ノートの切れ端に名前を書かれるまでの間です。
※協力するのにやぶさかでない度合いは、初代L(いれば)>>ニア>>日本捜査本部の面々>>>夜神月>弥海砂
※ゆまから『魔法少女』、『魔女』、『キュゥベぇ』についての情報を得ました。(魔法少女の存在に一定の懐疑を抱いています)


【夜神総一郎@DEATH NOTE(映画)】
[状態]:健康
[装備]:羊羹(2/3)羊羹切り
[道具]:天保十二年のシェイクスピア [DVD]@現実、不明支給品1(本人未確認)
[思考・状況]
基本:休んでいる暇はない。ビルの跡地へ向かう。
1:メロに自分たちの話をする。
2:警察官として民間人の保護。
3:真理を見つけ、保護する。
4:約束の時間に草加たちと合流する。
5:月が蘇ったのなら、犯罪者として対処する。
6:佐倉杏子から、事のなりゆきを聞きたい。
[備考]
※参戦時期は後編終了後です


【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(中)、(汚染率:小)、ストレス少々
[装備]:羊羹(1/2)印籠杉箱入 大棹羊羹 5本入@現実
[道具]:印籠杉箱入 大棹羊羹 5本入×4、不明支給品1(本人未確認)
[思考・状況]
基本:休ませろ。
1:さやかを見つけたらなんとかする
2:真理を見つけたら草加たちのことを一応伝える
3:いずれ巧への借りは返す
4:マミは早く合流しろ
5:夜神月が気に入らない
[備考]
※参戦時期は9話終了後です
※夜神月についての情報を得ました



 ようやくマミが泣き止んだのを確認して、巧は立ち上がった。
 バツが悪くて離れていなかったが、そろそろ一人になりたい。
「おい、もういいか?」
「……乾さん、一人にはしませんよ」
 先手をうたれた。巧は嫌な顔を隠さず、まぶたの腫れ上がったマミを睨む。
 マミはゆっくりと顔を上げ、穏やかな声で提案をしてきた。
「乾さん、アナタが誰かを殺そうとするのなら、私には止める義務があります」
「……ああ」
 なるほど。思わず納得する。
 監視ということか。彼女自身の力は先ほど確認した。
 きっと自分を殺すには充分だ。だったら、一緒に行って構わない。
「お願いします。私はいざというとき、アナタを殺します。だから……」
 スカートの付いた土埃を払いながら、マミは自分と目を合わせた。
 さきほどの弱々しい印象はない。どこか、覚悟を決めた目だった。

「私が誰かを見捨てたとき、アナタはその人を守ってください」

 目がさめるような提案だった。
 まだマミは自分に、誰かを守る機会を与えるつもりらしい。
 できるのか。できるのだろうか。
 だけど巧はその頼りない光に縋りたくなった。
「それ、よせ」
「え?」
「『さん』とか、『です』とかよせ。巧でいい」
 マミは困ったように微笑んだ。
 しばらくは自分を監視する奴がいても、いいかもしれない。
 それに木場だけは説得したかった。
 だから啓太郎。あとでそこに逝くから、しばらく生きてもいいだろうか。
 巧はもういない友にそう語りかけた。
「わかったわ。けど、男の人を呼び捨ては……ああ!」
 マミはポン、と手のひらを打つ。
 なんだかわからない。
「じゃあ私もたっくんと呼んでいいかしら?」
 巧はすぐ後悔した。置いていきたい。だけど了承したそばからやめるのは格好悪い。
 なにより、こいつは危なっかしい。真理のように危ない場所にフラフラと迷い込みそうだ。
「おい」
「なにかしら、たっくん」
「……すぐやめろ」
 やめてくれないだろう。そんな予感がすでにしていた。


【E-3/市街地/一日目 早朝】

【巴マミ@魔法少女おりこ☆マギカ】
[状態]:両足に軽いダメージ、右目視力低下(回復中)、消耗(大)、魔力消費(大)、ソウルジェム(汚染率:中)、絶対遵守のギアス発動中(命令:生きろ)
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、ランダム支給品0~3(本人確認済み)
[思考・状況]
基本:魔法少女として戦い、他人を守る
1:乾巧と行動する。
2:キリカ、織莉子を警戒。発見したら排除する。
3:ほむらと接触する。
4:できれば杏子たちと合流したい。
5:ゆまちゃん……
[備考]
※参加時期は第4話終了時


【乾巧@仮面ライダー555】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、肋骨骨折
[装備]:なし
[道具]:共通支給品、ファイズブラスター@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:木場を元の優しい奴に戻したい。
1:いつか自分を殺してくれるなら、マミと一緒に行動する。
2:草加達知り合いとの合流。
3:ほむらの言ったこととまどか、ナナリーのことは一応気にしておく
4:真理には会いたくない
5:啓太郎……
[備考]
※参戦時期は36話~38話の時期です



「さすがに傷は深い……か」
 ビルの屋上で地上を見下ろし、魔王ゼロはつぶやいた。
 光の刃がえぐった傷跡は血を流し、二つの光が焼いた肌は焦げていた。
 しばらくは休息に務めるべきか。だが、その前にすまさねばならないことがある。
 ジャッ、と床を踏む音が鳴る。振り返らずとも、あの光刃を放った男だとわかった。
「私を殺しに来たか?」
 相手は無言。話すつもりはないということか。
 だがこちらは、彼が話したすべてを聞くことに成功していた。
「すべての人間を殺す。それが貴様の目的だったな?」
「知っているなら話は早い」
 優男の印象がある青年は、鬼の形相で手持ちの携帯を取り出した。
 さきほどの黒い騎士に変わるツールか。
 皮肉だ。まるで魔王としての自分である。
「それならば同盟を結べると思うのだがな」
「なに?」
 相手の指が『0』の位置で止まる。
「停滞は罪だ。いずれ滅び行く未来を看過するわけにはいかない。他の次元であるこちらでも、私は自分の役目を果たす」
 ゼロは振り返り、000(ゼロ)の仮面を持つ男に手を差し出した。

「ゆえに問おう! 木場勇治、混沌をもたらすため、元の世界に戻るため! 貴様の力をしばしの間、この魔王に貸してはくれぬか?」

 まずは警戒心を揺り起こそう。ゼロは冷静に状況を把握する。
「どうかな? 今はお互いぶつからなくても、いずれ殺しあう。どのみち、君とは相容れない」
「だが途中までならお互いを利用しあえる。貴様もわかっているはずだ。
どれだけ力があろうとも、自分を邪魔する存在は多く、すべてを潰すには骨が折れる。中には薔薇の男のように、私に迫る存在もいる。
どんな手を使おうと、私は果てるわけにはいかない。貴様も志半ばというのなら、一刻だけでも手を組む価値は充分にある。
そうは思わないのか? ゼロの帝王よ」
 木場はしばしの間、迷うように動きを止めた。
 ゼロは無言。相手がどのような結論を下そうと、相応の動きを見せるだけ。
 ため息が聞こえ、憎しみに染まった瞳が向けられた。
「一つだけ条件がある。オルフェノクには手を出すな」
「約束はできないな。攻撃をされたなら、反撃せざるを得ない」
「安心するといい。君が反撃する必要はない」
 木場は腹に力を込め、怒りを秘めながら静かに告げた。

「人を守るオルフェノクは、誰であろうと俺が殺す」

 彼の頭によぎる思い出はなんだろうか。
 友との語らいか。夢の始まりか。それとも、裏切りか。
 どちらにしても、人の身を捨てたゼロには関係ないのだろう。

「よかろう。これより、我々は魔王同盟を結ぶ!」

 自らの役割を果たすため、もう一人の魔王と手を組んだ。ただそれだけだ。


【E-2/北西高層ビル屋上/一日目 早朝】

【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、全身に切り傷、回復中
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、ランダム支給品0~3(本人確認済み)
[思考・状況]
基本:参加者を全て殺害する(世界を混沌で活性化させる、魔王の役割を担う)
1:しばらく休憩する
2:木場と手を組むが、いずれ殺しあう
3:ナナリー……
[備考]
※参加時期はLAST CODE「ゼロの魔王」終了時


【木場勇治@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、全身に打撲、休憩中
[装備]:オーガドライバー一式@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~3(確認済み)、クラスカード(ランサー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金
[思考・状況]
基本:オルフェノクの保護、人間の抹殺、ゲームからの脱出
1:しばらく休憩する。
2:すべての人間を殺したあと、村上を殺す。
3:ベルトを手に入れた乾巧と決着をつけたい。
4:たとえ別世界の海堂や長田であっても、自分を止めるなら容赦はしない。
5:ゼロとは組むが、いずれ殺しあう。
[備考]
※コロシアムでの乾巧との決戦の途中からの参戦です


【D-3 / 市街地 / 一日目 早朝】

【村上峡児@仮面ライダー555】
[状態]:疲労(中)、人間態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本:オルフェノクという種の繁栄。その為にオルフェノクにする人間を選別する
 1:オーキド博士との合流。
 2:ミュウツーに興味。
 3:選別を終えたら、使徒再生を行いオルフェノクになる機会を与える
 4:出来れば元の世界にポケモンをいくらか持ち込み、研究させたい
 5:魔王ゼロはいずれ殺す。
[備考]
※参戦時期は巧がラッキークローバーに入った直後



052:思い思いの重い想い 投下順に読む 054:填まるピースと起爆剤
045:「ナナリー・ランぺルージって奴の仕業なんだ」 時系列順に読む 055:だが…信用できないのはルルーシュ・ランペルージだ…!(前編)
050:ロスト・ワールド ゼロ 059:ナイトメア ~騎士と悪夢と起動兵器~
木場勇治
巴マミ 055:だが…信用できないのはルルーシュ・ランペルージだ…!(前編)
乾巧
佐倉杏子 072:Signum malum
メロ
夜神総一郎
048:携帯獣の愛護と適切な管理 村上峡児 079:接触


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