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ゾンガルト・ヴィ・ルーゼリック

ゾンガルト・ヴィ・ルーゼリック

作:@Freeton2
生年月日 文明元暦4428年3月8日
年齢 65アストラ歳(星年齢).
共立公暦1000年時点.)
出生地 惑星ヴァラノルカ
現.ツォルマリア星域連合直轄領
民族 ツォルマリア人
所属 セトルラーム共立連邦
科学技術省
特異科学研究所
階級 上席主任センター長
渾名 ステラ・アルケミスト
アポリア・フォージャー


概要

 ゾンガルト・ヴィ・ルーゼリックは、共立世界の遠古代に生を受けた科学者である。
星間航行の技術と空間拡張を主な研究の領域とし、通常空間の外側へ広がる次元構造そのものを長年の課題としている。

自己紹介

 こんにちは、ゾンガルト・ヴィ・ルーゼリックです。国の研究機関でちょっと風変わりな主題を追いかけている、ただの科学者ですよ。生まれたのは寒い田舎の星でしてね、子供の頃は夜ごとに空を見上げて、この先には何があるんだろうと考えていました。科学って、解き甲斐のあるパズルだと思いませんか。私はパズルを解くのが大好きで、毎日ひとつ新しい欠片を拾うために研究室にこもっています。やっている仕事は、宇宙をほんの少し身近にすることです。船の中をうんと広く使えるようにしたり、遠い星まで一息で行ける道を引いたり。難しい理屈は抜きにして、要するに、みんながもっと気楽に宇宙を旅できるようにしたいんです。研究室では機械が低く唸って、時々おかしな音を立てるんですけど、それも私の日常のうちですね。部下には「ゾンガルトさん、また無茶な実験をしてる」と笑われますけど、失敗は成功へ至る最短の道ですから。趣味ですか。古いツォルマリアの数学パズルを解くのが好きで、休憩のたびに頭をひねっています。あとは研究室の隅で異次元植物を育てていましてね。これ、勝手に動くんですよ。なかなか可愛いでしょう。世間ではマッドサイエンティストなんて呼ばれているようですけど、私はただの好奇心の強い科学者です、本当に。私の望みは、まだ誰も踏んでいない次元をいくつも渡って、そこの景色をみなさんに見せて差し上げること。科学は可能性を広げるための道具ですからね。これからも新しい発見を追いかけて、みんなが驚くような技術を作っていきたいものです。もし研究室へ遊びに来られたら、量子バブルレーンの縞模様と、Dポータルスフィアの不思議な挙動をぜひ見ていってください。きっと、宇宙の面白さにのめり込みますよ。

来歴

 遠古代の末期、宇宙進出に先立つ時代の生家の星で、ゾンガルトは生を受けた。幼少期から科学へ関心を寄せた彼は地元の教育機関で物理学を修めており、ツォルマリア文明統一機構が形を成していく過程も同じ土地から見届けた。星火戦争の勃発に際しては最高評議会の研究部門に動員され、ソルキア製の兵器の解析にあたっている。戦闘艦のエネルギー管理系統の改良も彼の担当となり、戦時の資源配分は、その成果を前提として組み直された。戦後のツォルマリア文明が復興へ向かう一方、統一機構の系譜を引き継いだ星間文明統一機構は選別主義の統治へ傾き、彼は混乱のただ中で長い歳月を過ごしている。イドゥニアの春が訪れた時点で、彼はルドラス率いる移民船団の列に加わり、セトルラーム共立連邦の建国へ身を投じた。宇宙新暦1486年に初期の連邦へ籍を移して以降は公の科学技術部門に所属し、星間航行の課題に取り組む中で、異次元空間を活用した新技術の研究に従事した。新秩序世界大戦の最中に帝国遠征軍が襲来すると、彼は軍事研究へ招集され、キメラ技術を用いた兵器の開発を余儀なくされた。

 開発された兵器は敵軍へ大きな打撃を与えたものの、倫理の面から強い批判を浴びている。終戦を区切りとして彼は軍事研究の席を降り、以後は平和目的の課題へ没頭した。宇宙船の居住環境が今日の形へ近づいたのも、この時期の成果による。同4952年、量子バブルレーンへ直接到達する経路を開いた研究は、ルーゼリック・ワープ航法として結実した。共立時代に入ると彼は空間拡張の技術へ軸足を移し、世界規模の人口爆発の懸念に備える構想を練り上げる。共立公暦805年、彼の提案はヴァンス・フリートン大統領の許可を得て国家計画の向きを転換させ、同830年のAQ-TES完成へと繋がった。神々の防壁に関する拡張理論の発表も、汎銀河共立世界構想への参画も、同じ時期の仕事にあたる。ラムティス条約が成立して以降、彼の研究には多くの部門へ跨る形で規制の網がかかった。同1000年の現在、彼は勤め先の研究機関で事象転移実験を指揮しており、11次元空間の探査が当面の主題となっている。

人物

 柔和な物腰と、その内側に据わった冷たさが、ゾンガルトという人物の輪郭を同時に作っている。研究棟の廊下で行き合えば、彼は相手の地位を問わず丁寧に挨拶を返し、穏やかな声で話を最後まで聞く。実験に失敗した若手のもとには励ましの言葉が回り、同僚の机にはコーヒーが配られ、雑談の輪が自然に広がっていく。会議の席でも和やかに耳を傾けており、同じ部門の同僚たちの間では、親しみやすい天才という評判が定着した。デスクに並ぶのは生家の土地に伝わる装飾品で、来客へ故郷の話を語る彼の表情には懐かしさの色が差す。初対面の相手が彼を信頼に足る指導者と見なすまでの時間は短く、来訪者の多くは一度の面会で警戒を解いていく。

 しかし、その穏やかな外面の裏には、他者への関心を欠いたサイコパス的な一面が潜んでいる。他者の感情は彼にとって観察の対象にあたり、共感の仕草も、場面の要求に応じてその都度選び取られる。優しさは目的へ届くための計算された振る舞いであり、成果の懸かった場面では倫理の境界も軽々と越えられる。軍事研究の時代に被験者の苦痛を記録の欄外へ置いた判断も、彼の中では結果の精度を上げる手順の一つに収まっていた。軍務の時代を知る同僚の間では、笑顔の仮面を被った機械という言い回しが、今も陰で生きている。自分の内面については長く口を閉ざしたままで、社交的な態度が、その空白を外から覆い続けている。私生活の側は謎に包まれたままで、交友の範囲は研究棟の門の内側で概ね閉じている。休憩時間の彼は一人で紙の上へ次元の断面を描き続け、その裏側では理論の組み直しが同時に進んでいる。部下への指導は熱心であるものの、才能ある者を自分の研究へ引き込む手段としても働いてきた。同業の研究者たちは彼の優しさに助けられながらも、奥に据わった冷徹な本性を警戒し続けてきた。危険を計算へ入れたうえで押し通す姿勢は、規制を課す側との対立を年々深めており、政府の内部でも彼の評価は割れたままである。生ける事象災害という評判が研究所の外まで届いた今も、穏やかな態度は研究室の空気を緩めており、失敗した実験を最初に持ち込む相手は、たいてい彼である。

戦闘能力

 交戦の場に立ったゾンガルトが手にするのは、白衣の内側から引き出される実験装置である。彼の戦法は、相手を打ち倒す工程を、測定すべき現象へ置き換える手順で組み立てられている。携行型の接続端子を床へ据えると、起点となる区画の寸法から独立して広がるQIP制御区の性質が働き、足元の数歩分が数十歩分の距離へ伸びる。踏み込んだ相手は同じ歩幅で同じ床を蹴り続けるうちに、彼との距離だけが静かに遠ざかっていく。常用の手札にはもう一つ、小型化した転移門があり、開いた門の先には重力の桁が違う空間や、時間の流れが緩慢な空間が待ち受ける。飛来した砲弾を門へ通して無重力の次元へ捨て、追撃してきた相手を高重力の次元へ落とす運用は、彼にとって実験条件の切り替えと同義である。時間の遅い次元へ押し込んだ相手については、外側で計測を続けたまま数十日分の観測記録を取り、頃合いを見て引き上げる。押し込まれた側の体感としては数分の暗転で済み、戻された時点で装備の点検はすっかり終わっている。

 区画の維持に用いる虚空エネルギーの抽出系も、戦闘の場では別の顔を見せる装置に変わる。経路を相手の装備へ繋ぎ替えた彼は、機関の出力を自分の区画の維持へ回し、動力を失った装備が沈黙するまでの推移を手帳へ書き留めた。令咏術から派生した呪文機構のパネルを展開すれば、周囲の物理条件そのものが書き換わり、圧力と重力の値は彼の指先の操作で動く。軍事研究の時代に得たキメラ技術の設計知識は今も彼の手元に残っており、護衛として連れ歩く異次元植物の挙動には、同じ系譜が透けて見える。肉体の側は六千年を超える歳月を経た老人の域に収まり、走って逃げる算段は、もとより彼の勘定の外にある。装置の起点設備を叩かれた場合、拡張された区画は彼ごと崩壊へ向かい、呪文機構を限度の先まで働かせ続ければアポリアを招く。危険の所在を彼はよく承知しており、そのうえで、崩壊の過程もまた記録に値する現象だと考えている。実験の途中で撤退を促された彼は、記録装置の残り容量を確かめたうえで、返事の言葉を選び始める。

語録

「大丈夫、痛みは三十秒で引くよ。その三十秒のあいだ、指先の感覚がどう戻るかだけ教えてくれるかな。同じ事故は二度と起こせないからね」

「君たちは先に出ていなさい。私はもう少し、この崩れ方を見ていたいんだ。扉は閉めていってくれると助かるよ」

「引き止めはしないよ。ただ、辞めたくなった日の朝食と睡眠時間だけは書き置いていってくれ。次の子に同じ思いをさせる時期の目安になる」

「書類の三十七頁、危険度の欄が空白でしたか。埋めるには、まず一度起こしてみるしかないでしょう。手順書はこちらで用意しますよ」

「いい問いだね。今日の君は、昨日の君より三歩ぶん先にいる。その三歩を私に売ってくれないか。対価は私の答えで、どうだろう」

「触らないほうがいいよ。先月は職員を一人、鉢のほうへ引き込もうとしてね。可愛いだろう?」

「私の話は退屈だよ。長く生きた者の思い出より、君が昨夜見た夢のほうが、よほど新しい」

「私が倒れたら、遺体は解剖へ回してくれて構わないよ。この体がどれだけの時間を溜め込んだのか、私自身が一番知りたいんだ」

「止めるのは簡単だよ。ただ、止めてしまうと、この現象が何をしたかったのかが永遠に分からなくなる。あと四十秒だけ、君の判断で待ってくれないか」

「怖いのは正しい反応だね。恐怖は測定値の精度を上げるんだ。震える手で書いた数字ほど、後から読み返すと正確でね」

「あれは私の設計だよ。隠し立てはしないさ。ただ、あの頃の私と今の私で、手順書の書き方が少しも変わっていないのが、自分でも面白くてね」

エピソード

  • 実験棟で装置が倒れ、部下の一人が下敷きになった事故の際、彼が最初に口にしたのは、データが得られた、という一言だった。救助の指揮は隣室の主任が執り、彼は計測記録の回収を最後まで続けている。以後、彼の実験には別班の立会人が必ず付くようになった。
  • 異次元空間の実験で異常現象が生じた折、彼は現象の側へ機材を向けたまま、危険域に取り残された同僚の呼びかけを聞き流した。同僚は自力で退避して軽傷に収まり、その日の観測記録は所内で最も精度の高い一件となる。記録を提出した彼は、同僚の名を共同執筆者の欄へ書き添えている。
  • 研究室の隅で育てている異次元植物が夜のうちに鉢を離れ、警備区画の扉を内側から塞いだ騒ぎが起きた。警備員が三時間かけて鉢へ戻す間、彼は廊下の床へ座り込み、移動の軌跡を図へ起こしていた。翌週の警備計画には、植物の移動速度を記した欄が新たに加わっている。
  • ラムティス条約に基づく査察の当日、彼は査察官を実験区画の最奥まで案内し、封印済みの設備の封を自分の手で解いてみせた。査察官の記録した違反項目は白紙のまま終わり、代わりに設備の危険度評価が二段階引き上げられる。彼は評価書の写しを額へ入れ、執務室の壁へ掛けた。
  • 11次元空間の探査予算をめぐる審議で、彼は要求額の根拠として、失敗した場合に回収できる観測記録の量を数値で示した。計画の成否より記録の価値を先に置く筋立てへ委員会は困惑し、審議は翌期へ持ち越されている。持ち越しの間に彼は予備実験を済ませ、次の審議へ結果を提げて現れた。
  • 実験に三度続けて失敗した若手が辞意を口にした際、彼は三度分の記録を並べ直し、失敗の幅が回を追って狭まっている点を示した。若手は辞意を取り下げ、四度目の試行で目的の数値を得ている。彼は若手を自分の班へ引き抜き、以後の実験計画の主担当に据えた。
  • デスクに並ぶ装飾品を来客が褒めた折、彼は品の由来を語ったうえで、そのうちの一つを迷わず手渡した。来客が固辞すると、同じ品が故郷の市場へ大量に並んでいる事実を添えて押し切っている。後日、同じ形の品がデスクへ補充された。

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人物
最終更新:2026年09月20日 10:56