育成関連 問題点
技レコード
「わざレコード」は、第四世代までの技マシン同様に使い捨てで技を習得させる道具。
- 従来型の「わざマシン」と併用する形で存在しており、持ち運びのできる「教えわざ」という捉え方もできる。
- ここまでの流れを見ると、特段改悪には見えないかもしれないが、威力80以上の必須級の汎用攻撃技の殆どが技レコード送りにされている。「10まんボルト」「かえんほうしゃ」「なみのり」「れいとうビーム」「じしん」といった従来型の「わざマシン」で無制限に使用出来ていた事を考えると改悪といえる。
- 「W(ワット)」と交換したり、ダイマックスレイドで勝利すれば入手できるが、「W(ワット)」と交換してくれるNPCは商品がランダムな上に優秀な技ほど高価。ダイマックスレイドによる入手もレイドで倒したポケモンと同じタイプのレコードが手に入る仕様だがランダム性が高い。
- 「ワットを短時間で大量に集めることができるバグ」が存在するが、当然のことながらこれは公式の意図しない通常プレイを超えた範疇の手段であり、到底評価されるものではない。これは『サン・ムーン』で抱えた「ポケリゾートバグ」や「フェスサークルバグ」と同様である。
- 作中では、技レコードを「懐かしくて良い」とするNPCもおり、第四世代以前の「わざマシン」を意識しているのは間違いない。端から見ると嫌がらせにしか思えないが。
- 一応、肯定的な面で言えば、入手する順番が設定されていないので「W(ワット)」さえあれば、序盤から強力な技を使用できる。特に自力で様々なタイプの技を覚えにくい水ポケモンや格闘ポケモン等がメインなら攻略が捗る要素になりうる。
キョダイマックスの入手・厳選難易度
ダイマックス時に姿を変える現象。「ダイマックスわざ」も一部専用のものに置き換わる。
- 「メガシンカ」や専用の「Zわざ」同様に特定のポケモンだけが利点を得られ、不公平という意見がある。
- 「メガシンカ」及び「Zわざ」廃止と引き換えに「ダイマックス」の追加を肯定する意見の大半が「全てのポケモンに平等である」であった事から大きな波紋を呼んだ。
- 通常の個体は「キョダイマックス」できない。
- メガシンカの時と異なり、キョダイマックスできるポケモンは配信等を除くと新ポケモンが多く、ストーリー攻略中に相棒となった新ポケモンで、「キョダイマックスわざ」が優秀なポケモンだとどうしても見劣りしてしまう。
- せっかくのハーブやタマゴ技の共有というストーリー攻略中に入手したポケモンを活躍させるアイテムが登場したにも関わらず逆行している。
- メガシンカの時と異なり、キョダイマックスできるポケモンは配信等を除くと新ポケモンが多く、ストーリー攻略中に相棒となった新ポケモンで、「キョダイマックスわざ」が優秀なポケモンだとどうしても見劣りしてしまう。
- 「キョダイマックス」できる才能は遺伝しない。
- タマゴからの孵化厳選が行えない為、通常の方法だとマックスレイドバトルで遭遇・捕獲して厳選するしかないが「とくせいカプセル」でも変更できない隠れ特性との両立を目指す場合、困難を極める。
- キョダイマックスポケモンの大半は難易度★5での出現に限定されており、終盤になるまでは見つける事すら出来ない。今作のジムリーダーや一部主要キャラが使うキョダイマックスポケモンはこれに該当するポケモンが多く、彼らと同じキョダイマックスポケモンはストーリー攻略中に捕まえて活用する事すら極めて難しい有様。
- 『DLC鎧の孤島』でキョダイマックスの可⇔不可を行き来できる「ダイスープ」という要素が加わり、これによりレイドバトルで手に入れたキョダイマックス個体でなくても使えるようにはなったが、ヨロイじまでしか手に入らない「ダイキノコ」を用いてヨロイじま内にて作る物なのでエキスパンションパスを購入したプレイヤーでないと利用できないのが大きな欠点。
取得技削除
「おんがえし」や「めざめるパワー」「どくどく」などが、今作のわざマシン及びわざレコードに収録されておらず習得不能になるなど、過去作までの独自の戦略を失われたポケモンも多い。
更に今作では特定のタマゴ技が習得出来ないようになったポケモンまで存在しており、死活問題になりかねないほどの弊害が発生してしまった。
更に今作では特定のタマゴ技が習得出来ないようになったポケモンまで存在しており、死活問題になりかねないほどの弊害が発生してしまった。
- 剣盾で使用不可能になった技だけならまだしも、問題無く使用できるのにタマゴ技から消されていたり、遺伝経路があるのに遺伝不可になっていたりと、多くのポケモンで習得技の没収がとにかく目立つ。これによって習得技のバランス調整がなされているのかといえばそうでもなく、単に製作上の都合で消されたようにしか見えない。
- 「レベル技での習得に変更された」、または「わざレコードで習得可能になった」事でタマゴ技を消されているポケモンもいる。前者の場合は意外なポケモンが覚える事で他のポケモンにも技遺伝を行える(*1)といった傾向もあり、ポケモンの数が大幅に減少した弊害で遺伝経路が狭まっており、一見すると分かり辛くなっている事も。
- DLCで使えるポケモンが増え、遺伝経路も広がったが今までの世代で習得できていたタマゴ技が復活・習得可能になったりなどはしていない模様。(*2)
- ペロリーム
- 「はらだいこ」と特性「かるわざ」を両立できる唯一のポケモン。
- 技範囲や火力の関係から他の同技使いの中でも強すぎるということもなく、中堅の座を維持していたが、本作にて「はらだいこ」を没収された。
- 新ポケモンにも続投ポケモンにも「はらだいこ」持ちがいる中、ピンポイントでペロリームだけが没収を受けている。
- 「ねばねばネット」「あくび」による起点作り型は健在なので使えないわけではないが、独自の個性戦略を理不尽に奪われた悲劇性では随一。
- ブースター
- 長きにわたり、そもそものアンバランスすぎる種族値とイーブイ系特有の技範囲の狭さの問題で不遇が続いてきたのだが、『X・Y』にて念願の「フレアドライブ」を習得。「ニトロチャージ」で鈍足を補うことにより、戦略次第では十分に戦えるレベルとなっていた。
- しかし、本作における「ニトロチャージ」の大量没収に巻き込まれ、「どくどく」も奪われた。「どくどく」による耐久戦術を失った面では「ブラッキー」も同様である。
- その一方で、同じイーブイ系で所謂環境上位の「ニンフィア」は新たに「マジカルフレイム」を習得し、これまでの「めざめるパワー(ほのお、威力60)」以上の火力と確定追加効果(ダメージ時相手のとくこう1段階ダウン)を得てしまっている。
- クチート
- 『ルビー・サファイア』登場時から愛らしい見た目から多くのファンを獲得し、『X・Y』から導入されたメガシンカにより実践的な超火力を得ていた。
- しかし、本作におけるメガシンカの廃止によりアタッカーとしての地位を完全に失った他、『ブラック2・ホワイト2』までの環境で一部トレーナーが使用していた「メタルバースト」も剥奪された。
- 「はがね」「フェアリー」という複合タイプによる優秀な耐性と「メタルバースト」で読み合いを仕掛け、豊富なサブウェポンで逆転を狙うといった従来の使い方すら不可能になり、一気に所謂「マイナー」へと降格してしまった。
- 似たようなポケモンには、本作にはリストラにより存在しないものの「ディアンシー」が挙げられる。こちらは「XYシリーズ」劇場版第1作「破壊の繭とディアンシー」ではメガシンカ後の「メガディアンシー」が大々的に取り上げられ、ゲームにおけるディアンシーのスペックそのものもメガシンカを前提としているためである。その他、メガピジョットやメガスピアー、メガタブンネなど、本作には登場しないものの今後再登場する場合の措置は如何に。
- ビークイン
- ある程度優秀な耐久種族値と多彩な補助技により、「むし」「ひこう」という耐性面では扱いの難しいタイプ構成ながらも相手のパーティに負担をかける器用な戦術を得意としていた。
- そんなビークインの立ち回りの要であったのが「かいふくしれい」「はねやすめ」などの居座り回復技、「がむしゃら」「どくどく」などの負担をかける技、「おいかぜ」「まとわりつく」「みちづれ」による起点作りであった。
- 本作でビークインが失った技は、なんと上記技から「みちづれ」を除く全てであり、特に専用技「かいふくしれい」の没収は衝撃を与えた。「すばやさ」を操作する手段を失ったために、「みちづれ」もビークイン自身が使うものとしては実質的な弱体化となった。
- 「タマゴバグ」により性別オスのミツハニーでもビークインになれる希望が出てきたが、そんなことは些末な問題と言わんレベルの徹底的な弱体化を余儀なくされた。もっともそもそもバグでもあるが。
- ドータクン
- 「はがね」「エスパー」に加えて「たいねつ」あるいは「ふゆう」により弱点の一つを克服している高耐久ポケモン。主にその能力を生かしたサポート型が使われている。特にトリックルームで素早さを逆転させ、鈍足を弱点としているポケモンを活躍させる所謂トリパの一員として知られている。
- しかし、自主退場技としてよく使われていた「だいばくはつ」が削除。これにより、サポートを終えた自身を、控えにいる活躍させたいエースポケモンを傷つけずに相手に負担をかけつつ退場することが不可能になった。元々トリックルームは延長手段のない5ターン制限や、鈍足をメインとするパーティ構築段階でのハンデがあり、その少ないターン制限をできるだけ鈍足エースに与えたいパーティである。特にドータクンは鈍足と相性の良いジャイロボールなどは覚えるものの、元々のこうげきはあまり高くはなく、それで場を制圧することはほぼ期待できず致命的だと言える。「だいばくはつ」も技の威力こそ高いが過去に仕様変更で大幅に弱体化しており、また主戦場となるダブルバトルでは全体攻撃の仕様上更に威力が落ちるため、わざわざ削除して運用困難にする必要はなかったであろう。
- 一応、攻撃する度に自分の現在HPの半分が減るはがねタイプ新技「てっていこうせん」を新規習得しているため、この技を使用してHPを消耗しているところを相手に倒してもらって退場することも可能。「トリックルーム」発動下であれば、「てっていこうせん」を先手で連発しつつ退場も狙えるが、後続の本丸たる高火力アタッカーに繋ぐには、ある程度のターンを要する(=サポート技の残りターンを消費する)場合がある。従来の「だいばくはつ」のように、サポート技の次のターンで命中率100%でダメージを与えつつ確定で自滅することができなくなった点では、サポート面において「てっていこうせん」込でも弱体化を受けているといえる。
- キリキザン
- 「あく」「はがね」という独自のタイプにより、役割を持てる相手の多いポケモン。主に大きく優位に立てるエスパーや技の一貫性の高いゴーストタイプのポケモンを対象としている。
- しかし、その役割対象を逃さず倒す「おいうち」と、高耐久、特に持ち物で更に耐久力を上げているポケモンに効果の高い「はたきおとす」が没収された。エスパーやゴーストタイプには高火力高速アタッカーや高耐久のポケモンが多く、本来優位であったそれらのポケモンに対して役割を持ちにくくなってしまった。
- マニューラ
- 同様に、マニューラも「はたきおとす」を没収されている。マニューラは「あく」「こおり」タイプの高速アタッカーであり、その素早さを生かしてドラゴン、エスパー、ゴーストタイプのポケモンを主に役割対象としている。マニューラは素早さこそ高いものの全体的に技の威力が不足しており、ある程度の威力でかつ弱点を突かなければ火力が足りないジレンマを持つ。「はたきおとす」は相手が持ち物を持っている場合自身の持つ技の中で最高火力であり、先手で倒せなければ倒されうる低耐久と相まって従来より立ち回りが大きく制限されてしまった。
- 一方で、環境の一角であるナットレイの「はたきおとす」は削除されておらずそのままである。
- 同様に、マニューラも「はたきおとす」を没収されている。マニューラは「あく」「こおり」タイプの高速アタッカーであり、その素早さを生かしてドラゴン、エスパー、ゴーストタイプのポケモンを主に役割対象としている。マニューラは素早さこそ高いものの全体的に技の威力が不足しており、ある程度の威力でかつ弱点を突かなければ火力が足りないジレンマを持つ。「はたきおとす」は相手が持ち物を持っている場合自身の持つ技の中で最高火力であり、先手で倒せなければ倒されうる低耐久と相まって従来より立ち回りが大きく制限されてしまった。
- これら非環境クラスの様々なポケモンが理不尽な弱体化を受けている中で、弱体化を防ぐ措置が取られているポケモンも存在する。
- ジャラランガ
- 相手に命中させることができれば自身の「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」を1段階ずつ上昇させる専用Z技「ブレイジングソウルビート」がZ技共々廃止となったが、本作で自身のHPを最大HPの1/3だけ減らして自身の「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」を1段階ずつ上げる新変化技「ソウルビート」を習得している。
- Z技が失敗の許されない1回限りの技であったのに対し、新技「ソウルビート」は通常変化技でHPが許せば2回以上使用できるという性能となっている。
- このような継続強化を行うよりも、前述のポケモンを筆頭とした数多のポケモンに対する措置を取るべきであったはずである。
- ジャラランガ