有料追加DLC「エキスパンションパス」について
エキスパンションパス商法
- 「エキスパンションパス」には第1弾「鎧の孤島」と第2弾「冠の雪原」を入手する権利が含まれており、後日それぞれが配信される予定。
- 第1弾は2020年6月17日に、第2弾は2020年10月23日に、それぞれリリースされた。
- 「エキスパンションパス」は2020年1月10日より発売開始で、『ソード』と『シールド』で別売。それぞれ税込価格2,980円となった。
- なお、エキスパンションパスの発売と同時に無料更新データ「Ver.1.1.0」もリリースされており、このデータを適用することでエキスパンションパスで新たに登場するポケモンを本作で使用可能となる。
- したがって、追加されるポケモンだけが欲しいのであれば無料更新データだけを適用し『Pokémon HOME』からの転送や別プレイヤーとの交換をすればよく、有料のエキスパンションパスを購入する必要はない。ただ、『Pokémon HOME』に過去作ポケモンを転送するには、『ポケモンバンク』の年間500円の約4倍の使用料を要する『Pokémon HOME』の有料「プレミアムプラン」に加入する必要がある。
追加コンテンツ内容
リストラ補完
- 第1弾で104種、第2弾で124種、合計で228種のポケモンが追加される。前述の通り、これらのポケモンは入手のみが目的であれば無料更新データ「Ver.1.1.0」を適用するだけでよい。実際にこのポケモンたちと遭遇して捕獲することが目的であれば、エキスパンションパスの購入が必要となる。
- この228種のうち、新たな「レジ」系ポケモンなどの新ポケモンが数種類、過去作の所謂「準伝説」「禁止伝説」「ウルトラビースト」ポケモン全58種が追加される。また、これらや従来の一部ポケモンに「キョダイマックス」が追加される。
- 本作発売前に「リストラの理由の一つは「バトルバランス」調整のため」としていたが、フライゴンの立場をほぼ奪うガブリアスの復帰やすべての準伝説ポケモンが追加されることで、バトルバランスは一気に崩壊するものと思われる。なお、リストラのもう一つの理由である「グラフィック向上」は、エキスパンションパスで改善されることはない。
- それ以前の問題として、リストラをしたにも関わらず、バトルバランスは改善していなかった上、技のリストラも合わせてより格差が広がっていた。これについてはリストラ関連 問題点及びバトル関連 問題点を参照。
- 過去作『Let'Go!ピカチュウ・イーブイ』までのポケモンは、「鎧の孤島」では102種、「冠の雪原」では119種で、計221種が追加されるが、『ソード・シールド』単体の過去作ポケモン319種と合計すると575種で、過去作ポケモンの70.1%、つまり7割程度にしかならない。
- 今回の更新を行ったとしても、残り3割(234種)のポケモンは出現しないため、過去作全てのポケモンは集結しない。さらに言えば、今回の更新で追加されなかったポケモンたちは実質的に「二度目のリストラ」を受けたことに等しい。
- また「グラフィック/3Dモデル関連 問題点」でも述べているが、ポケモンの3Dモデルは3DS以降や外部アーケードゲームなどですべて使い回しされていることが公言されており、一般人のROMハックでも短時間でモデルデータの移植を行えている。
- そもそも、本作発売から2か月しか経過していない時点での追加アップデート告知で約200体追加を宣言できるのであるから、前述の3Dモデル流用の件と併せ、本作の発売日を1年程度延期していれば、リストラをすることなく本作をリリースできていたはずである。
- また、今回の過去ポケモン復活アップデートを行った理由について、リストラが告知(海外のみ)されたのは6月中旬のことであり、その際のファンからの批判の声により急遽追加コンテンツとする路線になった可能性もある。他の要素での問題点と合わせ、開発の納期が間に合っていない理由ともなりえる。
- 総括すると、3Dモデル流用にもかかわらず全ポケモンが集結するわけでもなく、リストラの理由となったバトルバランスの改善やグラフィックの向上が行われるわけでもないことから、今回の無料更新データ「Ver.1.1.0」でのポケモン追加において、リストラの問題は何一つ解決していないどころか、発売前に増田氏や大森氏が述べたリストラの理由すべてに対し自ら墓穴を掘ったのである。
新たなポケモンの追加
- 追加分228種の中には、まったく新しい新ポケモンも存在する。
- 新たな「レジ」系ポケモン2種や、ガラル地方の新ポケモン7種。
- レジ系については、過去作の「レジロック」「レジアイス」「レジスチル」「レジギガス」の4種に加え、2種類の新ポケモンが追加される。
- 「スイクン」「ヒードラン」「クレセリア」「ランドロス」「カプ・テテフ」など過去作の全ての「準伝説」ポケモンが復活する中で、更なるパワーインフレを引き起こす。
- 結果、「剣盾環境初期からいる強ポケVS復活した強ポケ」という構図になり、多くの強ポケのリストラによってどうにか地位が上がってきたポケモンたちが叩き落とされ、採用数が激減してしまう可能性が高い。
- 新たな「レジ」系ポケモン2種や、ガラル地方の新ポケモン7種。
- 新たな「ガラルリージョン」ポケモンが追加される。
- 「ヤドン」「ヤドラン」「ヤドキング」「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」の6種。
- リージョンフォームについては賛否あり、社会問題となる害獣設定を受けた「アローラコラッタ」や、後付けで原種設定を受けホウエン種ジグザグマが後発扱いとなった「ガラルジグザグマ」、原種を設定上で殺害した「ガラルサニーゴ」など、昨今数多の問題を起こしたものが点在するため、このような設定を追加されてしまうポケモンが登場しうる可能性はある。
- 特に、ガラルのリージョンフォームの「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」は原種とは別種の存在である可能性の示唆、それぞれの「こおり」「でんき」「ほのお」タイプが別のものに差し替えられるなど、わざわざ従来の伝説ポケモンをダシにする必要性が見当たらない。
- エキスパンションパスで追加される「フシギバナ」「カメックス」にキョダイマックスが追加される。
- 「フシギバナ」「カメックス」の2匹はリザードンのみが優遇されていた分の補完、また廃止されたメガシンカの埋め合わせとも考えられる。
- 仕様上、『Pokémon HOME』からこれらのポケモンを連れてきても『ソード・シールド』産=キョダイマックス可の個体ではないため、最初からキョダイマックスできないことには注意しておきたい。キョダイマックス可能な個体にするには後述の新アイテム「ダイスープ」が必要。
ガラル地方に追加される新要素
- 第1弾「鎧の孤島」ではガラル地方に「ヨロイじま」が、第2弾「冠の雪原」では「カンムリせつげん」がそれぞれ追加され、そこで今回追加されたポケモンらとのマックスレイドバトルも可能となる。
- これらの新マップに追加された約200種のポケモンが出現するようになっており、ポケモン図鑑もこれらのポケモンを登録できるよう対応する。
- アップデートした図鑑は『X・Y』『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』のように「ヨロイじまずかん」「カンムリせつげんずかん」とエリア分けされる。
- これらの新マップに追加された約200種のポケモンが出現するようになっており、ポケモン図鑑もこれらのポケモンを登録できるよう対応する。
- 第1弾「鎧の孤島」及び第2弾「冠の雪原」では、主人公の服や髪型などの着せ替えアイテムが約100種類追加される。
- この追加要素はヨロイじま最初のイベント後に「おしゃれカード」を手に入れ、それをブティック・ヘアサロンの店員に見せれば追加衣装や追加髪型のコーディネートが可能になる。
- 人間キャラを追加したり着せ替え要素を増やす等の追加要素自体は良いが、本来の主題であるポケモンは未だリストラの被害を受けていたり、バグ等の問題も残っており、その優先順位に疑問が残る。
- 「けいけんおまもり」や「ぼんぐり」などをはじめとした新たな道具の追加も発表された。
- 「けいけんおまもり」は最初に道場を訪れた時に入手可能。「ぼんぐり」はヨロイじま各所に生えている木の実の木から入手できるが、後述する「ウッウロボ」での問題点がある。
- シリーズではマイナーチェンジ作に恒例として追加されていた「教え技」が導入される。
- 各新マップではイベントが設定されており、「鎧の孤島」のヨロイじまでは道場での修行、「冠の雪原」のカンムリせつげんではダンジョン探検が主となる。
- 「鎧の孤島」では、使用できるポケモンのタイプなどを制限し、与えられた条件下でバトルを行うポケモンバトル「しばり組手」が導入される。
- 「冠の雪原」では、通信によりポケモンの巣を複数プレイヤーで協力して探索する「ダイマックスアドベンチャー」が導入され、この中で伝説のポケモンと出会うことが可能となるが、その収集要素は前作『ウルトラサン・ムーン』の「ウルトラワープライド」を遥かに凌ぐ仕様の酷さとなっている。
- 出会える伝説のポケモンがウルトラワープライドのように完全ランダムであれば、収集要素としては通信を要求する仕様と相まって過去最悪の記録を塗り替えることとなるのではないだろうか。⇒(※「冠の雪原」リリース後)完全ランダムであった。
- 『ソード・シールド』におけるマックスレイドバトルも通信による仲間との協力を要求しており、バトル関連 問題点に書かれている問題が発生することも予想される。⇒(※「冠の雪原」リリース後)レイドバトル特有の問題は据え置きであった。
- 「冠の雪原」で通信環境が必須であれば一人で伝説のポケモンを回収できず、一人で挑めるにしても相当な難易度になるものを何体分も繰り返すことになると推測できる。出会えるポケモンがランダムであれば無論この限りではない。⇒(※「冠の雪原」リリース後)登場する伝説のポケモンは一部バージョン分けされた他、同じ仕様のランダムダンジョンを何度も挑むこととなった。
第1弾「鎧の孤島」全般
内容の薄さ
- 「鎧の孤島」全般ストーリーのクリアに要する時間は、2時間もかからない程度となっている。
- もっともヨロイじまは殿堂入り前からでも行ける場所なので、殿堂入り前のプレイヤーでもサクサク進めるように(もしくはダクマを早期入手できるように)考慮された可能性もある。とっくに本編クリア済みのプレイヤーに物足りなく感じるのは否めないが。
- 特に逃げ出した「アロータディグダ」150匹集めは苦行で、このイベントの最後の報酬が「6つの能力値が最大(いわゆる6V)の隠れ特性アローラディグダ」であるため、労力と報酬が全く見合わない。(*1)
- ただし特定の数までディグダを集めれば、別途報酬が貰える。特に目を引くのが100匹収集の報酬でアローラ御三家が1匹貰えるというもので隠れ特性・3V以上確定。(*2)アローラ御三家以外の報酬も全てアローラポケモンであり、これらも隠れ特性・3V確定となっているので『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』を遊んでいないプレイヤーであれば、
面倒極まりないもののやる価値はあるだろう。
ポケモン「連れ歩き」システムの「有料」導入
- 『ハートゴールド・ソウルシルバー』で実装されていた、フィールドマップ上での手持ちポケモンの連れ歩き機能が復活した。当時と同じく、色違いや姿(フォルム)違いなども反映され、連れ歩いているポケモンをバトルに出した際のセリフも変更される。
- 3Dモデルはバトル中のものと同様の使い回しとなっている。
- バトル中のモデルをフィールドマップ上に出現させ、主人公と共に行動するシステム自体は、3Dマップとなった『X・Y』から既に実装されており、『サン・ムーン』においてもライドポケモン等で似た処理が行われていた。
- 加えて、同じ「Nintendo Switch」作の『Let'Go! ピカチュウ・イーブイ』では既に連れ歩きが出来ていた。有料アップデート無しでできていたことが、本作で有料導入されたことについては疑問を覚える。
- 『ハートゴールド・ソウルシルバー』ではそのシリーズまでで登場していた全てのポケモンを、原則的に屋内以外の全てのマップで連れ歩くことができていた。しかし本作では、連れ歩き可能エリアは「ヨロイ島」のみとなっている上、所謂「リストラ」を受け続けているポケモンは当然のことながら本作に登場しないため、連れ歩きも不可能。
- ただ、本作においては「自転車」に乗った際にもポケモンはそのまま追いかけてくるようになっており、水上移動中においても水系ポケモンは泳ぎながら追ってくる。特に前者は、『ハートゴールド・ソウルシルバー』当時のドット描写では不自然なものとなるため実現できなかったものであろう。
- その一方、『ハートゴールド・ソウルシルバー』当時の、連れ歩きポケモンに話しかけた際の仕草メッセージや、「かがやくはっぱ」システムは廃止されている。ただ後ろについてくるだけ(簡単なアクションはする)なので、ポケモンの反応が見たかったプレイヤーには肩透かし感が否めない。
- 連れ歩き中に戦闘に入ると戦闘開始がいつもとは異なり、指示ポーズを出す主人公と相手を迎え撃つようにアクションする連れ歩きポケモンといった感じになる。ただし指示ポーズもポケモンのアクションも元から用意されているモーションの使い回しなので新鮮味はあまり無い。(*3)
- 3Dモデルはバトル中のものと同様の使い回しとなっている。
バトルフロンティア相当の「しばり組手」
- 鎧の孤島ストーリーをクリアすると解禁される、「バトルフロンティア」のような特別ルールでのバトル。
- 「使うポケモンのタイプを制限して勝ち抜く」方式で、縛りというコンセプトは『プラチナ』『ハートゴールド』のバトルフロンティアの手持ちポケモン1匹で勝ち抜く「バトルステージ」に似ている。
- 勝ち抜きを主体としたやり込み要素であること、報酬がBP(バトルポイント)であることから、従来の「バトルフロンティア」の1施設に相当するものだが、買い切りで「バトルフロンティア」が遊べていた過去作がある以上、やはり有料で導入するべきものであるのかについては疑問が生じる。
どうぐ生成の「ウッウロボ」
- 「ウッウロボ」と呼ばれるマシンに道具4つを入れることで、ボールや技マシン、道具などのアイテムをランダムで1つ生成できる。
- 特定の「技レコード」や、育成等で重宝する「ポイントアップ」「ふしぎなアメ」、過去作においてBP(バトルポイント)と交換することで入手できた「バトル専用道具」などをランダムで入手することが可能。
- 過去作のBP交換と異なり、入手できるアイテムが確定しているわけではない。加えて、ウッウロボを使用する度にどんな物が出来ようが逐一レポートが書かれてしまうため、一度ロボに投入した道具は二度と戻ってこない。「おうかん」など貴重なアイテムを誤って投入しないよう注意。
- 良点も書くとすれば本来は1プレイで1個しか手に入らないアイテムを作れたり(*6)、BP交換で入手するアイテムが割と簡単に作れたり(*7)する。ここまで出来るのに貴重なボールの作成率は低すぎるのが残念でならないが。
キョダイマックス可能な種族に対する「ダイスープ」
- キョダイマックスが実装されている種族のポケモンで、且つキョダイマックス不可能な個体に対し、「ダイスープ」を与えることでキョダイマックスな個体に変更することが可能に。これにより野生・孵化個体からでもキョダイマックス可能なポケモンができるようになり、キョダイマックス個体の厳選難易度が大きく下がった。
- スープを作るには、マックスレイドバトル後にヨロイ島の森や洞窟内で採取可能な「ダイキノコ」が3つ必要となる。ダイキノコはヨロイじまの特定箇所にしか生えておらず、一度採取すると同じ場所ではしばらく採取できない。(*8)
- このようなシステムを有料コンテンツで組むくらいであれば、過去作の「メガシンカ」と同様にキョダイマックスに対応している種族ポケモンが最初からキョダイマックスを行えるようにしていれば良いのでは?と思うかもしれないが、一部のキョダイマックスポケモンはキョダイマックス専用技が使い辛かったりもするので一概にはそうも言えない。
- そういった事情もあるからなのか、ダイスープをキョダイマックス可の個体に飲ませると、キョダイマックス不可な個体へ変化させる効果もある。この可⇔不可を行き来する仕様は「とくせいカプセル」を彷彿とさせる。
- バトルバランスに直結するアイテムのはずなのに、DLCなしではアップデートなどでヨロイじま以外の場所で手に入れる方法は全くない。実質課金限定アイテム、P2W(Pay to Win)の形になってしまうという問題を抱えている。
各種ピックアップポケモンやゼラオラがヨロイじまの巣穴を占拠しがち
- ヨロイじまが配信開始される少し前に「キョダイマックスポケモンのピックアップ」と「ゼラオラ出現」が配信されているが、これらのせいでヨロイ島の巣穴から出てくるのも、このポケモン達に偏ってしまっている。
- キョダイマックスポケモンのピックアップは、バージョンによって違いはあるが出現候補が多く、ピックアップポケモンの仕様上、倒しても確定捕獲にならない運ゲー要素付き。
- ゼラオラは倒しても捕獲不可であり、報酬もショボい。色違い個体は更に強いが、やはりこちらも捕獲不可であり、報酬もショボいまま…以前行われていたミュウツーレイド(捕獲不可)は強いが、倒す事が出来れば豪華報酬が貰えたので喜ばれていた。
- 太い光の柱(通称レア柱)ならピックアップおよびゼラオラは絶対に出て来ないので、配信終了前までに他のポケモンを探したい場合はレア柱を立てての捜索が推奨される。「ねがいのかたまり」の使用個数は嵩むだろうが…
- なお現在も特定タイプのピックアップが定期的に続いている。報酬がおいしいわけでもなく、通常の巣穴からは出ない珍しいポケモンが出てくるわけでもないので邪魔でしかない。
第2弾「冠の雪原」全般
内容の薄さ・杜撰さ
- おまもり系の道具は追加されておらず、雪原の図鑑をコンプリートしても報酬は「ふしぎなアメ」50個、「きんのおうかん」3個、帽子アクセサリー「レプリカクラウン」が貰える程度と、従来の「おまもり」系アイテムと比較すると見劣りする。
- 新たな着せ替えアイテムについてもブティックで売られるものは無く、シャクヤから不定期にランダムで1つ貰える。貰えるのはゲーチスがつけていたモノクルと、フラダリがつけていたサングラスの2種類だけ。どちらにもカラーバリエーションが複数あるものの何パターンあるのかは現状不明。
- タウンマップによる現在位置確認も大雑把で、方向すら分からない。
- 過去作の「化石」ポケモンが従来の設定を無視した上でマップ上でエンカウントする。
伝説ポケモンと出会う「ダイマックスアドベンチャー」の仕様
- 今作で伝説のポケモンを捕獲する場合、滑り出し雪原の「マックスダイ巣穴」にて、レンタルポケモンを用いた複数人プレイのレイドバトルをしなければならず、アドベンチャー内でランダムに割り振られた分岐ルートを選択してポケモンと遭遇しレイドバトルが始まる。したがって自分で戦いたい・捕まえたいポケモン1体と確実に遭遇することはできない。(*13)
- カンムリ雪原に訪れた後にアドベンチャーに挑むことができるものの、ウルトラビーストについては、「冠の雪原」ストーリーをクリアして「でんせつのメモ?」を入手することで出現するようになるという手間を強いられる。
- 1戦終了毎に回復処理が挟まれないので奥へ進めば進むほど難易度は上昇していく(*14)という嫌なオマケ付き。
- 特にPPはレンタル道具のヒメリのみ以外では回復できないので最初に選んだポケモンだけで進むのは難しい。(*15)また麻痺や火傷などの状態異常も「ラムのみ」や「アロマセラピー」以外ではまず回復できず、道中でこれらの状態異常にかかってしまった場合、極めて不利になる。
- まず、ダイマックスアドベンチャーで使用可能なこちら側のポケモンはレンタルポケモンであるため、自分で育成したポケモンは使用不可能。アドベンチャーマップで出会うポケモンを倒すことで手持ちポケモンと入れ替えることができる仕様となっており、これは過去作『エメラルド』『プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』のバトルファクトリーと同等のシステム。
- バトルファクトリーと同じく、レンタルポケモンが覚えている技は決まっており実用的なものから全く役に立たないものまで幅広い。(*16)そのため、レイドバトルとなった際に自分や相方が意味のない行動をせざるを得ない場合がある。
- レンタル縛りであるため、従来の所謂「厳選用編成」で挑むことができない。「つよさをみる」ではジャッジ機能が使えないので細かい能力判定が出来ない。本作から性格の補正を変更できる「ミント」アイテムや、前作からの「すごいとっくん」は登場しているが、厳選における自由度は大幅に失われ、ランダム要素が大幅に強まった。
- レンタルポケモンは道中で捕獲したポケモンや、同じく道中の研究員から渡されるレンタルポケモン(事前確認不可)と交換可能。1度に1回しか交換できないので自分でポケモン交換した場合は他のプレイヤーは交換できないが、自分が交換しなかった場合は他のプレイヤーが交換する事がある。これも問題点の一つであり他プレイヤーが交換をするかどうかは自分自身で決める事ができない。変えてほしくないのに交換したり、変えるべきなのに交換しなかったりと選考基準が意味不明な事も多々ある。
- これらのポケモン交換で味方NPCが後述する変化技主体のポケモンを掴んでしまった場合、終始足手まといになる可能性まである。これを防ぐには道中の研究員は可能な限りスルーするか、地雷レベルのポケモンが待ち構えてるであろうルートは極力通らないようにしなければならない。
- ちなみに道中で倒したポケモンは自分が捕まえずに戦闘終了しても、他のプレイヤーがそのポケモンと交換する事がある。道中に嫌な技構成のポケモンがいて、やむを得ずそのルートを進む場合は注意が必要。
- 伝説のポケモンの撃破難易度は様々だが全体攻撃を習得しているポケモンが非常に多い。「なみのり」(カイオーガ、パルキア、ラティアスなど)、「ねっぷう」(ファイヤー、ヒードランなど)、「じしん」(グラードン、ランドロスなど)、「ふぶき」(フリーザー、ミュウツーなど)、「ほうでん」(サンダー、カプ・コケコ)、「こごえるせかい」(キュレム)、「じならし」(ランドロス)、「こごえるかぜ」(クレセリア)、「スピードスター」(ユクシー、エムリット、アグノム)等々…
- レンタルポケモンも道中のポケモンも耐久に難のあるポケモンが多く、特にタイプ一致の全体攻撃を場が整ってない間に連発された時には壊滅待ったなしである。「ワイドガード」を覚えたポケモンなら全体攻撃を全て防げるが、これだけを当てにするわけにもいかず大抵は分が悪すぎる運ゲーに身を任せる事となる。
- ちなみに道中のポケモンおよび伝説のポケモンはバリアを張る事はないが、やはりと言うべきか「敵ポケモン全ての能力変化解除+そのターンのみ敵の特性無効化」は自身の行動前にランダムで行う。レンタルおよび道中で捕獲したポケモンしか使えないので能力変化は有用なのだが、頻繁に無力化されてしまうのでイマイチ頼れず運ゲー化を加速する要因となっている。
- さらに伝説のポケモンは自身の体力が半分より少し下回ると「攻撃激化(行動回数増加)」するため中途半端に追い詰めると、全体攻撃で壊滅の危険性がより一層高くなる。
- 複数人プレイを前提としているためか、一人プレイで挑むと怪しい行動をするNPCが相方となってしまう。一人プレイで複数人プレイができない環境でも厳しいが、複数人プレイでもポケモンを入れ替える等で悪意はないものの長い時間をかけて選択するプレイヤーや放置・放棄行為など通信プレイ上で悪質な行動をする者もいるためテンポよく快適にプレイできるとは限らず、一人でも複数人でも何かしらの問題が発生する。
- NPCがどのくらい怪しい行動をするかというと「つぼをつく」を覚えたポケモン(バチンウニ、ドラピオンなど)の場合は延々とそれを味方に使い続け、他の行動を滅多にしない。「なかまづくり」や「スキルスワップ」を覚えたポケモン(*17)は味方の特性を勝手に変更する。(*18)、「いばる」を覚えたポケモンは物理攻撃中心の敵に威張って却ってピンチを招く(*19)など今までのレイドバトル同様、変化技主体のポケモンは思考回路がおかしいまま。
- 相変わらず敵ポケモンの特性もロクに考慮できないようで敵ポケモンが特定のタイプの攻撃を無効化する特性や、能力低下を防ぐ特性を持っていても、NPCはそれらに該当する技を使う事もしばしばある。これらの行動が敗因に繋がったら、プレイしている側としては溜まったものではない。
- 今までのレイドバトル同様、こちらのポケモンが合計4回倒されてしまうと吹き飛ばされて終了→やり直しになる。これは道中のポケモンでも最奥で待ち構える伝説ポケモンでも同じ。
- この仕様に置ける最大の問題点は道中でも倒された回数がきちんとカウントされているという事。倒された回数は回復しないので、倒されれば倒されるほど奥へ進むのがより厳しくなる。
- 一度捕獲した伝説ポケモンは捕獲ができない形でその後もルート中に出現する。意図しない形での全滅も十分にあり得る。
- 出会える伝説のポケモンは、一人で最初に挑んだ場合に必ず出会う「スイクン」を除きほぼランダム。その上、個体値や色違いの有無を確認するためにはそのポケモンを一度捕獲し、連れて帰るポケモンをそれ以外にしてアドベンチャーから脱出し、伝説ポケモンであれば位置を記録した上で再度挑戦しなければならない。なお、ダイマックスアドベンチャーで出現するポケモンはボールを投げると必ず捕まえることが可能。
- 過去作においてはバトルに突入した時点で色違いか否かを目視で判別できていたため、本作で色違いポケモンを狙うプレイヤーにとっては苦行を強いられる。(*20)
- 加えて、色違いか否かを確認するためには捕獲というプロセスを踏まなければならず、後述の通りリセットをするとペナルティーが発生するため、捕獲率100%とはいえ入手手段の限られる稀少なボールで色違いを狙うのはかなり厳しく、菱形エフェクトを持つ色違いを狙う場合はこの限りではない。これは、「こうげき」「すばやさ」の個体値0の個体を狙う場合も同じことがいえる。
- アドベンチャー中にリセット(再起動)行為を行うとペナルティーが課せられる。ダイマックスアドベンチャーは開始前と終了後にそれぞれ必ずレポートを書かされるため回避する方法はない。
- 一人プレイ、複数人プレイ問わずペナルティが課せられる。
- リセット3回目以降はアドベンチャーを挑むにあたり「マックスこうせき」を一定個数要求される。この仕様も相まって、色違いポケモンの厳選入手は出現率はある程度上がっているとはいわれているものの、エンカウント時に色違いか否かを確認してノーリスクでリセットできた過去作と比較すると最高クラスで厳しいものとなっている。
- 伝説ポケモン戦のBGMは全員一律でレイドバトル戦のアレンジBGMにされており、過去作の同ポケモン戦のように専用のBGMは流れない。
- 前作『ウルトラサン・ムーン』では敵組織ボスのアレンジ曲のサビがなくなっているなど改悪を受け評判もよくなかったが、伝説ポケモン戦のBGMは過去作の曲を流用する形で使用されていた。流用すらされなくなったケースは非常に珍しい。
- ちなみにダイマックスアドベンチャーの報酬は「マックスこうせき」のみ。奥まで進めば貰える量は多くなるが、それ以外のものは貰えないのでモチベーションを保ちにくい。
- この「マックスこうせき」はカンムリ雪原のレイドバトルに勝利することでも手に入るが難易度が☆1でも☆5でも、たったの1個しか貰えずダイマックスアドベンチャーでないと多く稼げないようになっている。
- 以上の仕様から、これまでのシリーズ過去最悪の収集要素となっている。
- 前作『ウルトラサン・ムーン』は得手不得手がはっきり表れるシューティングゲームの要素が絡む「ウルトラワープライド」をこなさなければ伝説ポケモンのホールに突入することができなかった。そのホールも色である程度判断可能であるが目当てのポケモンに確実に遭遇することはできず、ホールそのものに当たり外れがあり、極めつけに障害物が配置されているという始末であった。
- しかし、ポケモンのシンボルの前でレポートをすることが可能であり、バトルに突入した時点で色違いも判別可能で、その上自分のポケモンを連れてゆけることで全滅などの事態はまず起きなかった。
- 過去最悪の収集要素と言われた前作のウルトラワープライドを遥かに超える仕様で記録をたった1作で塗り替えている。ちなみに最後に手間のかかる冒険や条件、要素なしでシンボルエンカウントができたのは『ブラック2・ホワイト2』。『オメガルビー・アルファサファイア』以降は、手持ちに特定のポケモンを入れる、特殊マップからの侵入など手間のかかる要素が追加され始めている。
- 一応良い点も書くとすれば、道中にはカントー・ホウエン御三家(*21)や、通常の巣穴からは出ないポリゴンや一部通信進化ポケモン(通常ヤドキング)、リージョンフォームポケモン(アローラダグトリオ・アローラライチュウなど)が混じる事があり、ポケモンによっては隠れ特性で出る事も。必ず出てくるわけではなく、一度の挑戦で捕獲したポケモンは1匹しか持ち帰れないので伝説のポケモンを倒せたら取捨選択しなければならなくなるが、これらのポケモンが手に入るのはダイマックスアドベンチャーの数少ない良点と言えるだろう。
- ちなみにダイマックスアドベンチャーは伝説のポケモンだけでなく、道中に出てくるポケモンにも色違いが出やすい(こちらも連れ帰るポケモンの選択画面まで確認不可)。しかし手強い伝説のポケモンを倒してゲットしたのに、選択画面にて道中で捕獲したポケモンが色違いだった事がわかると取捨選択が悩ましいものとなるので、この点はメリットにもデメリットにもなると言える。
- 前作『ウルトラサン・ムーン』は得手不得手がはっきり表れるシューティングゲームの要素が絡む「ウルトラワープライド」をこなさなければ伝説ポケモンのホールに突入することができなかった。そのホールも色である程度判断可能であるが目当てのポケモンに確実に遭遇することはできず、ホールそのものに当たり外れがあり、極めつけに障害物が配置されているという始末であった。
新伝説ポケモンの選択入手
- 新たに追加された「レジエレキ」「レジドラゴ」や「ブリザポス」「レイスポス」は、1つのセーブデータでどちらか1体しか入手できない。また、ダイマックスアドベンチャーで入手できる伝説ポケモンについても、『ソード』『シールド』共通で入手できるポケモンと、いずれかのバージョンでなければ入手できないポケモンが存在する。
- もう片方は別のプレイヤーから通信交換で貰うこととなるが、マイナーチェンジ版に相当する「冠の雪原」で、バージョン分け商法作品のオリジナル版と同じような交換必須の入手方法を設定するのは如何なものか。
ガラルスタートーナメント
- シュートスタジアムにて、本作に登場したNPCキャラとタッグを組んでトーナメントを勝ち抜く。
- 本戦は第1、第2試合と決勝戦の3試合のみとなっており、『ブラック2・ホワイト2』のPWT(ポケモンワールドトーナメント)と酷似している。NPCキャラとの会話ができるのも当時と同じ。
- 大きな違いは、敵のレベルが70~80であるのに対しこちらはレベル100で参加可能な点で、加えて所謂「禁止級」伝説ポケモンも使用可能となっている。この仕様は『ポケモンコロシアム』『ポケモンXD』の「バトル山」に酷似。
- 最大の問題は、「冠の雪原」伝説ストーリー全クリアに加え、『ソード・シールド』本編及び「鎧の孤島」のストーリーをクリアしなければ解禁されない。
- トーナメント目当てで「冠の雪原」のみをクリアしても解禁されない。
- 「冠の雪原」のみを見ても、伝説ストーリーではガラルリージョンフォームの「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」や、「レジ」系ポケモン5体、「ネクロズマ」を捕獲しなければならない。いずれも一度きりの出現のため、プレイヤーによっては厳選も要求され、トーナメント解禁までに長時間を要する場合もある。
バトルバランス
- 本DLCで過去作の「準伝説」「ウルトラビースト」が追加・解禁されたことで、本来リストラのための理由の一つとしていた「バトルバランスの調整」は完全に崩れ去った。
- 特に、追加された全ての伝説ポケモンが他のポケモンと同じように「ダイマックス」が可能であるという点がさらに拍車をかけている。
- グラフィックについても『ソード・シールド』発売当初から指摘されている通り、お世辞にもSwitchのレベルとはいえず、手を抜くための措置であったとしか言いようがなくなってしまっている。
とくせいパッチ
- カンムリ雪原で追加された新アイテムで、通常特性のポケモンに使う事で隠れ特性に変更出来る。これにより隠れ特性が未解禁だったポケモンや、配信でしか隠れ特性が入手出来なかったポケモン達も後から隠れ特性に変更し入手が可能となった。
- こちらもバトルバランスに直結するアイテム、やはりDLCなしではアップデートなどでカンムリせつげん以外の場所で手に入れる方法が全く存在しない。ダイスープ同様実質課金限定アイテム、P2W(Pay to Win)の形である。
追加コンテンツ全体を見ると
- 追加コンテンツという名目ではあるが、元々のリストラの数や本編及びグラフィックの作り込みの甘さなどを鑑みると、初めから追加されているべきである内容が目立つ。
- これにより、エキスパンションパス未適用の元々の『ソード・シールド』が「未完成商法」であると言われる始末となった。本作発売からおよそ2か月しか経過していない時点での発表がさらに拍車をかけている。
- 『サン・ムーン』も設定などに粗が目立ったため「ベータ版」などと呼ばれ、その後に発売されたマイナーチェンジ作『ウルトラサン・ムーン』も前作を僅かに補完した程度の内容であったため「500円パッチ」などと称されていた。
- これにより、エキスパンションパス未適用の元々の『ソード・シールド』が「未完成商法」であると言われる始末となった。本作発売からおよそ2か月しか経過していない時点での発表がさらに拍車をかけている。
- リリースが2020年秋にまで及ぶものであり、かつ新ポケモンも控えているとのこと、伝説のポケモンが全て回収可能であるので、実質的には「エキスパンションパス」が本作の「マイナーチェンジ」に相当する要素であることが窺える。
- なお、過去のマイナーチェンジ版と金額を比較すると、『サン・ムーン』+『ウルトラサン・ムーン』では税率8%で計10757円、登場ポケモン数807匹となり、『ソード・シールド』+DLCでは税率10%で計9958円、 登場ポケモン数(全890種中)663種となる。
- また、DLCという形であるため、例えば『ルビー・サファイア』を買わずに『エメラルド』を買う、『サン・ムーン』を買わずに『ウルトラサン・ムーン』を買うといった、追加要素のあるマイナーチェンジ版のみを買うという手段が取れず、必ず『ソード・シールド』+DLCを買わなければならない。
- とはいえ、『クリスタル』『エメラルド』『プラチナ』『ウルトラサン・ムーン』のようにマイナーチェンジ作をフルプライスで販売することで発生していた「似たストーリーのやり直し」や「オリジナル作とのストーリー矛盾の発生」の問題は、今回のエキスパンションパスでは解消している。その一方で、エキスパンションパスを適用しても元々の『ソード・シールド』が抱えていた問題の殆どは解決されない。
- ダイスープ・とくせいパッチはDLCを買わないと入手不可、バトルバランスに直結するはずなのにP2W(Pay to Win)というのは困りもの。
不具合問題について
- 頻発するエラー、ボックスポケモン消失をはじめとする数多のバグ、Nintendo Switch及びSDカード破損などの問題について今後取り扱われるものかどうかは現状不明。
- 少なくとも、エキスパンションパス発表時のポケモンダイレクトではこれらの問題について触れられることはなかった。
- 一部のバグはダイレクト終了後に配信された更新データ「Ver.1.1.0」において修正されているため、今後はエラー、バグ、各データ破損については告知しないままサイレント修正を行うものと予測される。
- 少なくとも、エキスパンションパス発表時のポケモンダイレクトではこれらの問題について触れられることはなかった。