Nintendo Switch本体及びSDカードに発生する不具合について
年末年始の修理対応について任天堂は以下の公式告知の通り、「12月18日以降に弊社に到着した修理品は、1月6日以降、順次返却」としているので、要注意。
https://www.nintendo.co.jp/support/repair/index.html
https://www.nintendo.co.jp/support/repair/index.html
概要
本作『ポケットモンスター ソード・シールド』(以下『ソード・シールド』)を「Nintendo Switch」に接続・インストール若しくはプレイすることで、Switch本体やSDカードに様々な悪影響を及ぼしていることが、国内外問わず数多の本作プレイヤーの報告から明らかとなっている。
- 発売直後から現在に至るまで報告は増え続けている。
- 「Switch」専用ソフトがこれまで幾つも発売されており、それら全ての合計プレイヤー数・合計プレイ時間と、本作『ソード・シールド』の発売から今日までのプレイヤー数・プレイ時間を比較すれば、本作の方が圧倒的に少ない。その一方で、エラーや本体・SDカードの破損報告数は本作の方が異常に多いことから、原因の一つは本作『ソード・シールド』であることは十分に考えられる。
- 任天堂はサポートデスク回答において「ゲームソフト毎にエラーなどの不具合の発生のしやすさは異なる」としている。
- 例えば、他作品において発売日以降エラーや破損の報告が特に多かった「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の2年半(約912日)における期間の中で総エラー数が148件、破損可能性が見込まれるものは101件であるのに対し、本作のある1日(24時間)における総エラー報告数が313件、破損可能性が見込まれるものが10件であった。
本作のエラーが多いことは明白であるが、破損可能性数についても2年半と1日の比較であるため、本作の2年半後の累計数を推測すれば本作の破損数が多くなることは自明である。
- 「消費者生活センター」では、本作における本問題について認知をしている模様。 (報告はコチラ)
原因
現在、原因は特定できていない。再現性がまったく取れず、「いつ」「どこで」「どのような」不具合が発生するかが不確定なためである。但し、不具合を起こしている要因は幾らか推測されている。
- オートセーブ機能
- オートセーブをオンにしている場合に起こるものと当初は情報が流れていたが、オフにしていても発生する。
- NAND領域書き換えによるもの
- 本作ROMにそのような権限が存在するのかは不明であるが、エミュレーターで本作をプレイするとNAND領域にアクセスしている形跡が見られたという報告がある。
- SDカードのフォーマット形式の影響
- 「Switch」はSDカードの容量に応じてフォーマット形式を変更するが、これが原因であるものではないかとされるもの。しかし、どの容量でもエラーは発生し、任天堂ライセンス商品を認可されたメーカーのカードでも発生しているため、この説は信憑性が薄くなった。
- 具体的には、64GB以上の容量のSDカードのフォーマット形式は「exFAT」であり、Switch本体の内蔵メモリの形式が「FAT32」である。このため、64GB以上のカードで不具合が起こっていると推察され、32GB未満カード及び本体の形式と同じ「FAT32」へ事前にPCを用いて変換することで解決するものと思われていたが、結果は前述の通りでどの容量・メーカー・規格のカードでもエラーは発生した。
- 「Nintendo Switch」本体の機種や製造日(ロット)との関連性
- Switch本体は発売当時の「初期型」やその後に製造過程が一部変更された「後期型」、そして据え置き機能が廃止された「Switch Lite」が存在する。これらにおいて発症ケースが異なる、または特定製造日のものにのみ発症するものと推察されたが、どの本体でも不具合は発生することが有志のアンケート結果により明らかとなっている。
- 「ポケットモンスター」シリーズ伝統の秘伝のタレ式コードが引き起こすデータの異常処理
- 『サン・ムーン』当時の公式スタッフインタビューにて、「ポケットモンスター」シリーズは古くからゲームのプログラムコードを書き足していく方針を取っており、今ではゲームフリークの古参社員でしか容易な解読はできないものとなっているとしている。プログラマーはこれを「秘伝のタレのような継ぎ足し」と呼称している。この秘伝のタレ継ぎ足し式の古いプログラムコードが、Switch本体に対し高負荷などの悪影響ないし脆弱性を衝くような問題を発生させていることは十分に推測可能。関連して発生したと思われる不具合内容は、異常発熱(オーバーヒート)とそれに伴う排熱ファンの異常駆動やSwitch本体内部の基盤破損など。
- これまで秘伝のタレ式コードで通用してきた「ゲームボーイ」や「ニンテンドーDS」などの携帯ハードとは異なり、「Nintendo Switch」はテレビ接続可能な据え置き機能も同時に併せ持つハードであることからもコードが原因であると考えることは可能。
- 一方、同じSwitch作の前作『Let's Go!ピカチュウ・イーブイ』は本作とは全く異なるプログラムコードで記述されていることから、改めて秘伝のタレ式コードに問題があるという信憑性は高いと思われる。
- また、「Nintendo Switch」のシステムそのものに根本的な問題があることは以前から示唆されていた。これまでのソフトはそのシステムの脆弱性を衝くケースは少ない、或いは極力触れないよう設計されていたのかもしれないが、本作は本体の脆弱性をピンポイントで衝くような問題を抱えたまま発売日に間に合わせるために、デバッグを碌にせずリリースに踏み切った可能性もある。
- 事実、フランスにおいてはNintendo Switchがフランス消費者団体にて「フランスで壊れやすい商品一位」と認定されており、この商品に関する裁判も起こっている。その一方、これまでのSwitch専用ソフトよりも本作『ソード・シールド』が不具合発生の報告数が特に多い。
- 以上より現状としては、Switch本体及び『ソード・シールド』の双方に原因があるというものが有力なのではないだろうか。
症状
「いつ」「どの場面で」「どのような」不具合が発症するかは定かとなっておらず、インストールしただけ、数時間プレイしただけ、プレイ開始数日後に突然など様々である。更に、データの保存先を「SDカードにしているか否か」で破損ケースが分かれる。
- 本作の保存先を「SDカード」にしている、つまりSDカードを使用してゲームをプレイしている場合、SDカードに関するエラーが発生する。主な例は、「SDカードのデータの消滅」「使用中のカードが使用不可となる」となるなど。
- SDカードの不具合ケースは「SDカード関連」を参照。
- 保存先が「Nintendo Switch」本体である場合には、Switch本体に影響した不具合が発生している。主な例は、「内部破損により本体が起動しない」「オレンジ、ブルーなどのスクリーンとなる」「充電不能」「スティックやボタンの動作異常」など。
- Switch本体の不具合ケースは「Switch本体関連」を参照。
- 本体に影響が出た場合、最悪の場合は修理において「基盤の取り換え」となり、本体に保存されたセーブデータなどが全て削除される。本作を含む「セーブデータお預かり非対応ゲーム」については特に注意が必要。
- セーブデータお預かり非対応ゲームは、
https://www.nintendo.co.jp/software/switch/index.html?sftab=all&sfsort=
にて検索したソフトの詳細ページにて確認が可能。
一部のゲームでは公式サイトが開くものもあるが、ダウンロード版を購入するリンクの先にソフトの詳細が載っている。
- セーブデータお預かり非対応ゲームは、
- いずれにしてもROMを介して外部機器を破損させていることから、本作が「ウイルスソフト」「マルウェア」と呼ばれている。海外サイトにおいても、本作ROMが「トロイの木馬」であると言われた。
- また、SDカードの有無にかかわらず、通常プレイ中にエラーが発生しゲームが強制終了するケースも多々報告されている。この時、エラー画面に表示されるエラーコードは多岐にわたる。
- エラーに関する事項は「エラー関連」を参照。
対策
- 公式側から対応がなされず、万が一Switch本体が本不具合が発生した場合には、任天堂の従来通りのサポートを受けることになることから、現状は本作『ソード・シールド』をプレイしないことが最も望ましい。どうしてもプレイをしたい場合、本作のデータの保存先をSDカードに指定しSDカードを使用することで、SDカードの破損は免れることができないが、とりあえずSwitch本体の破損は防ぐことができるものと思われる。
- 海外メディアも、本作をプレイせず公式側によるアップデート修正を待つことを推奨している。
- In precaution, assuming the bug is real, you should avoid playing Pokemon Sword and Shield and wait for future developments. (原文はコチラ)
- 海外メディアも、本作をプレイせず公式側によるアップデート修正を待つことを推奨している。
- また、現在の状況やユーザーのゲームデータを守るべく、Twitterにおいて有志により注意喚起ツイートが作成されている。こちらについては、更なる被害の拡大を防ぐために各々方が以下の2つの注意喚起ツイートを随時拡散していただければと思う。
loading tweet...— SwShvol (@SwshVol) December 4, 2019
「デマ」認識について
- 「これまでの流れ」も参照。
- 「デマ認識」は様々な状況報告や有志対応がなされる中で尚も続いており、特に「自分は問題が起きていないから大丈夫」「全プレイヤー数に比べると症例が少ないので騒ぐほどでもない」と主張するネットリテラシーが欠如した者の意見さえも見受けられる。
- 「自分は問題が起きていないから大丈夫(もしくはデマ)」とし本作をプレイしていたユーザーが同問題を発症し注意喚起する側に立つケースも少なくない。全く「大丈夫ではない」のである。
- 本問題の情報を得て本作の購入を躊躇しているユーザーに対し、「(不具合報告の)半数以上がデマであるから購入してよい」とする者がいるが、統計すら提示しておらず根拠のないその発言こそ「デマ」を流す悪質極まりないユーザーも幾らか存在しているようなので、要注意。本作はオンラインバックアップ不可能な「セーブデータお預かり非対応ソフト」であるのだが、この発言をしたユーザーは不具合が発生したプレイヤーに対し責任をどう取るつもりなのだろうか。
- 「全プレイヤー数に比べると報告数が少ないので騒ぐほどでもない」と豪語するプレイヤーについては、20年以上も前のポケモンアニメ第38話「でんのうせんしポリゴン」から起きた「ポケモンショック」にも同じことが言えるのだろうか。当時この話の4~12歳の視聴者数は推定345万人で、その内病院に搬送された患者数は651人。平均的には学校で一人も倒れていない程度の確率で本作問題同様に対象視聴者数に比べれば患者数は僅かであるが、ポケモンショックは実在し大騒動になったのである。
- 「自分は問題が起きていないから大丈夫(もしくはデマ)」とし本作をプレイしていたユーザーが同問題を発症し注意喚起する側に立つケースも少なくない。全く「大丈夫ではない」のである。
今後起こり得る事態
- 現状において、「ガラル図鑑」400匹分をコンプリートさせたセーブデータで不具合が発生し、本体の破損及び修理による基盤の取り換えでセーブデータが実質的に消滅するなどの「プレイヤーが長い時間をかけて達成したデータ」が消滅する報告も見られ始めた。
- 最大の問題となるのは、2020年初頭の『Pokémon HOME』解禁後に、本不具合問題が発生することである。
- 本作のガラル図鑑に存在するポケモンを『Pokémon HOME』を用いて過去作から転送してきた後に、本体破損にかかわる不具合が発生すると、最悪の場合は過去作から転送したそのポケモンごと消滅することになるのである。
- 特に、『ルビー・サファイア・エメラルド』の時代からコンテスト5種4ランクの全リボンは勿論、『ポケモンコロシアム』『ポケモンXD 闇の旋風ダークルギア』限定のリライブポケモンのみが持つ「ナショナルリボン」、バトル山100人抜き達成の「アースリボン」などは古参プレイヤーにしてみればとても思い入れのあるものであろう。
- また、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』のバトルタワーのWi-Fiバトルでランク5以上に到達すると入手できた「ワールドアビリティリボン」は、現在はニンテンドーDSのWi-Fiコネクションサービスが終了しているため入手不可能となっているとても貴重なリボンである。また、全国大会で地区優勝または日本一になったプレイヤーのポケモンに与えられた「カントリーリボン」「ワールドリボン」もとても貴重。
- これらの要素以外にも、過去作から転送するポケモンにはプレイヤーの様々な思いでが詰まっている。そのポケモンたちを本作へ転送したばかりに、本不具合問題の発症により本体及び基盤が破損し消滅してしまう可能性は、昨今の被害の報告から十分に考えられる。『Pokémon HOME』が解禁され、本作へ自分の好きな思い入れのあるポケモンを転送することができると安易に喜ぶのではなく、これらのリスクをしっかりと理解した上で最善の行動をとってもらいたい。
- 本体の不具合が発生しなくとも、本ページの枠組みからは外れるが、「ボックスのポケモンが突然消滅するバグ」も確認されている。消滅したポケモンは二度と復活しないので、『Pokémon HOME』解禁における過去作ポケモンの転送にあたっては、こちらの消失バグ問題も併せて考慮すること。
- 本作のガラル図鑑に存在するポケモンを『Pokémon HOME』を用いて過去作から転送してきた後に、本体破損にかかわる不具合が発生すると、最悪の場合は過去作から転送したそのポケモンごと消滅することになるのである。