DLC 良点
過去ポケモンの追加
- 約500匹が内部データすら存在しないリストラという前代未聞の措置の下で本作『ソード・シールド』が発売されて2ヶ月後、約200匹ではあるが過去ポケモンのデータが追加されることとなった。
- 過去の公式発言や過去作のアップデートの内容から、本作における発売当時以上の過去ポケモンの復活は絶望的と思われていたため、過去ポケモンを追加する気はあったこと、実際に追加されはしたこと、今後も追加される可能性はあることにおいては良点とも言える。
- しかし追加される可能性が出てきても、「今後のポケットモンスターシリーズですべてのポケモンが集結することはない」という事実に変わりはないものと思われる。3Dモデルを流用しており発売から僅か2か月で約200体の追加措置が可能であるにもかかわらず、なぜ全てのポケモンを出現させることを躊躇するのだろうか、という疑問に結局辿り着く。
「どうぐ」の追加
- 「けいけんおまもり」や「ぼんぐり」などをはじめとした新たな道具の追加も発表されている。
- 特に「ぼんぐり」で「ガンテツボール」を作ることができれば、エキスパンションパス未適用の本作で入手しづらかったガンテツボールの問題はある程度緩和されることになる。
- しかし、『金銀・クリスタル』『ハートゴールド・ソウルシルバー』では元々ぼんぐりでガンテツボールを量産できており、『ウルトラサン・ムーン』ではウルトラボールが複数購入できていたため、今回の改善はマイナスになっていた仕様が元に戻っただけである。
- 特に「ぼんぐり」で「ガンテツボール」を作ることができれば、エキスパンションパス未適用の本作で入手しづらかったガンテツボールの問題はある程度緩和されることになる。
DLC方式
- 本来最初から入れておくべき内容を有料アップデートしている点では問題だが、リストラ問題を放置したまま次回作として完全版となるマイナーチェンジ版を出すのではなく、本作をアップデートするという形を取った点は良点とも言える。
- 事実、『ウルトラサン・ムーン』は『サン・ムーン』のアップデートパッチ程度のレベルであると言われていた。当時ハードの「ニンテンドー3DS」も更新データにより今回のエキスパンションパスのような追加更新が可能であったためである。
- 特に、これまでの「マイナーチェンジ作」である『クリスタル』『エメラルド』『プラチナ』『ウルトラサン・ムーン』は同じ舞台で似たようなシナリオや戦闘、アイテム回収を行わされており、オリジナル作を購入したユーザーにとっては二度三度とまるで周回をさせられるような感覚であったため、今回の「ダウンロードコンテンツ」という形のエキスパンションパスは、シリーズにおける悪しきマイナーチェンジの伝統を払拭できたものと窺える。
- ただし、「『ソード・シールド』は買わずに完全版が出たらそちらのみを買う」といったことができない点で一長一短とも言える。