ポケモンに関する問題点
未だ続く「人間優遇とポケモン侮蔑」
人間キャラの設定やデザインに力が注がれ特定ユーザーのウケを狙う一方で、ポケモンに対しては本来の設定を破壊し徹底的に蔑ろに扱われる描写が本作でも見られる。
本作の化石ポケモン
後述の「合成化石ポケモン」を参照。
ウッウの丸呑み
- 「ウッウ」は情報公開当時からその名前に悪い意味で話題性を呼んだ。しかし発売前に情報が流出した際には、サシカマスだけではなくピカチュウさえも丸呑みにしかけ、攻撃の際に吐き出すことが明らかとなり、大バッシングを受ける形となった。
- ピカチュウは仮にもポケットモンスターのマスコットキャラである。尤も、サシカマスであってもこのように扱うこと自体が間違いであるが、まだ無表情のサシカマスに対してピカチュウは苦しみもがいている姿が反感を生んだ。
救われないタイプ:ヌル
- まるでアニメ映画版ミュウツーのような特殊な設定を持つポケモンであるが、今作では殿堂入り後のバトルタワーで、お祝い用プレゼントとして受け取り入手することになってしまっている。
- 『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』でUB(ウルトラビースト)対抗用にシンオウ神話のアルセウスをモチーフとしてエーテル財団が作りだした人工ポケモンだが、これらの作品でUBとまともに対決する描写が描かれることはなく、『ウルトラサンムーン』ではビッケからまるでプレゼントのようにタイプ:ヌルを受け取るイベントが配置されるなど、設定を活かす描写はほとんどされず良い扱いを受けていたわけではなく、寧ろそのトレーナーであるグラジオら人間キャラクターに焦点が何故か当てられていた。
ガラルサニーゴ&サニゴーン
- 賛否両論あるリージョンフォームの中でも、一際「悪趣味」と評されるのがガラルサニーゴとその進化系のサニゴーン。
- 元々生体として存在していた「サニーゴ」を、環境の違い(急な 環境の 変化で 死んだ 太古の サニーゴ ※『シールド』版図鑑)という理由で公式設定で殺害した。この、死んだサニーゴから「死ニーゴ」と呼ばれることがある。
- 「ゴーストタイプであるから死体は妥当」との意見が見受けられるが、ゴーストタイプは別のものの魂が別のものに宿るという「転生」に近い設定であり、決して死体ではない。
- 本作が発売される遥か以前に、海外掲示板でサニーゴのモデル違いとしてファンユーザーがガラルサニーゴに近い姿を製作しており、驚くべきことに特性も一致していた。
- 『サン・ムーン』初出の「ネッコアラ」についても同様の案件があり、盗作の疑惑もかけられている。
- 既存のポケモンに悪趣味な設定を加えるスタッフの所業は今作に限ったことではなく、『サン・ムーン』から図鑑説明においてポケモンを蔑ろにしたり、過去作との設定の矛盾が起こったりしている。トレーナーとポケモンの絆の象徴である「メガシンカ」でさえもポケモンを苦しめる旨の説明があり非難の声が目立ったが、今作では改善されることはなく、寧ろガラルサニーゴやカセキメラのようなポケモンさえも生み出すこととなってしまっている。
コイキングの骨・廃棄物化
- キョダイマックスをしたダストダスの胴体には多数のゴミが埋め込まれているが、その中に「コイキングの骨」が確認できる。
- ガラルサニーゴも同様だが、公式がポケモンを殺害することへの躊躇がなくなっていることが窺える。Twitterなどで所謂「バズる」など話題性を呼びたいがためにこのような設定を設けることは明らかに愚策である。
- 図鑑説明では「食べたゴミがオモチャの形に固まった」としてあるが、わざわざコイキングの骨などという悪趣味な形にする必要性はない。
- 『赤・緑』や『ブラック・ホワイト』では博物館にポケモンの骨が展示されており、道具にも「きちょうなホネ」が存在、更に「カラカラ」系は親ポケモンの骨を利用している。しかしこれらは既存のポケモンを侮蔑するために描写されたものではなく、ましてやゴミなどではないのである。
人間キャラの優遇
- 前述や『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』図鑑説明文やシナリオの通り、ポケモンが徹底的に蔑ろに扱われる一方で、人間キャラに対しては異様なほど優遇措置が取られている。詳細は登場人物関連 問題点を参照。
止まらないポケモンの人間化
- 「ヒバニー」最終進化形の「エースバーン」は発売前の流出情報の中では他の御三家よりも強く批判されており、炎のサッカー選手関係でイナズマイレブンシリーズの「豪炎寺修也」と呼ばれていた。だが、炎のサッカー選手なら、似ているのも致し方無いと思われる。また、「豪炎寺」という名称は、主にネタで使われる。
- 「メッソン」最終進化の「インテレオン」は異常な細さであったがスパイモチーフであるためで、エースバーンほどではなく、「サルノリ」最終進化の「ゴリランダー」が一番マシだと言われていた。
- 「ブリムオン」は同じく人に近いフォルムのサーナイトに近い人間的なデザインである。
止まらないポケモンのカートゥーン化
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- 発売前の流出情報では「コオリッポ」が頭一つぬけて悪い意味で目立っていた。
- 最大の問題はそのフォルムにあり、リアルワールドのペンギンに氷ブロックを被らせ、更に髪の毛1本を生やすという、小学生でも思いつくようなレベルの低いデザインと謳われた。
- 特に、アイスフェイス解除時のシュールな顔と髪の毛1本という見た目が悪い意味で強烈で、情報流出から僅か短時間で「波平ペンギン」というあだ名がつけられた。
- 因みに、波平ペンギンの情報が流出する直前までは後述の「カセキメラ」の生命倫理観の問題で満ちてヒートアップしており、その中で突如このポケモンのスクリーンショット画像が投稿されたことで書き込みの勢いは最高潮に達した。流出時は明らかにガセ情報であると思われていたがステータスや図鑑画面も投稿されたことで、やむ無く紛れもない本物の新ポケモンであるという認識に至った。
- そのデザインから、「このポケモンのためにポッチャマ系がリストラを受けたのだろうか」という悲痛な声も上がっていた。
- 最大の問題はそのフォルムにあり、リアルワールドのペンギンに氷ブロックを被らせ、更に髪の毛1本を生やすという、小学生でも思いつくようなレベルの低いデザインと謳われた。
- 公式前情報公開当時から海外センス全開のフォルムで話題になっていたのが「ベロバー」。当時は名前も公開されておらず、「インプくん」などと呼ばれていた。
- 進化を果たし「オーロンゲ」になることが明らかになると、やはりというべきかその何とも言葉にしづらいデザインから非難の声が出てきた。
- 「ワンパチ」の進化系「パルスワン」のフォルムが、「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」に出演してもおかしくないレベルでポケモンに相応しくないと話題になり、コラ画像も作られたほどである。
- また、実際のパルスワンは、進化前のワンパチがフィールド上でイヌヌヌワン!と発していたこととこれがパルスワンと似ていることから「イヌヌワン」と呼ばれることもある。
- 序盤に登場する虫タイプポケモン「サッチムシ」はSNSではほぼ満場一致で「気持ち悪い」という声に染まっていた。
- 「ヨクバリス」はその顔つきから特にネタ扱いされている。
合成化石ポケモン
通称「カセキメラ」。パッチラゴン、パッチルドン、ウオノラゴン、ウオチルドンの4体を指す。本作において完全新規ポケモンの中では良くも悪くも最も強い話題性を持つ。
+ | デザインしたのは、「ありがひとし(有賀ヒトシ)」。 |
- 上半身(カセキのトリ、サカナ)・下半身(カセキのリュウ、クビナガ)それぞれ2種類ずつ異なるポケモンの化石が存在しており、それをウカッツ博士が異なる化石同士を「そーれ がっちゃんこ!」という子供の遊びのような言葉に続いて合体・復元させることで、異世界ウルトラビーストも真っ青になるほどの合成生物(キメラ)のような生命体が誕生することになる。このことから、発売前の海外フラゲ情報から「化石」「キメラ」をもじって「カセキメラ」という言葉が使われ始めた。ウオノラゴンに至っては謎の愛着があり、海外名の「ドラゴヴィッシュ」くん、省略形の「vish」くんと呼ばれていた。
- リアル現代世界では化石の組み合わせが異なっていた事例は存在するものの、たとえゲームであったとしてもわざわざ命ある生命体として復元させる必要性はない。海外フラゲ情報が流出した当時から、まさに「生命への冒涜」であると話題になっていた。
- 『ルビー・サファイア』の時代ではドット絵を切り取り合成した「合成ポケモン」が多数作られ話題となっていた。尤も、これらは二次創作の枠組みの話であり公式側のものではなかった。
- 「プテラ」は「メガプテラ」時に本来のプテラに近くなった説明があったこと、頭部の化石からしか見つかっていないタテトプスなどから、過去作の化石ポケモンが必ずしもすべての化石から100%の本来の姿に復元されたわけではない模様。しかしいずれも別種の化石を強引に合体させてキメラを復元させたわけではなく、本作とこれらを同じように扱うのは間違いである。
- 「ポリゴン」「ミュウツー」「ゲノセクト」「タイプ:ヌル」など、過去作にも人の手が加わって人の欲望で生み出されたポケモンは存在しているが、これらも過去作化石ポケモンのように遊び心からキメラを生み出したわけではない。タイプ:ヌルはキメラのように見えるが、進化後のシルヴァディ含め犬モチーフを保って誕生しており、生きる上で問題も抱えていない。尤も、ポリゴン系は『ウルトラサン・ムーン』の図鑑にて、「時代遅れで劣化が目立つ」「おかしな挙動を始めた。追加したプログラムが危なかったのかもしれない」など公式側が蔑ろにしているが。
- 設定と描写の矛盾も見られ、例えば「ウオノラゴン」であれば図鑑説明によれば水中でしか呼吸ができないはずなのに、バトル中やキャンプでは陸上でも難なく活動している。「カセキのトリ」であれば飛行滑空可能なポケモンの化石なのだが、復元したポケモンはどれも飛行ができない。
- 一方でバトルスペックとしては優秀な部類で、生命の冒涜を冒してでもバトルに勝利できればそれでいいという、公式側の浅はかな考えも読み取れる。
- 過去作にも類似した例はあり、例えば『オメガルビー・アルファサファイア』ではバトルハウスで勝利するためにガブリアスを使わせる、ミツルがキャラ改変を受けてバトルハウスを極めるために廃人と化すなど、勝てれば何を汚しても構わないという考えを推していた。
- 元の正しい組み合わせを補完する化石が今後出てきたとしても、ウカッツ博士の遊び心で生まれたこのカセキメラ4体が救われることはない。
- 加えて、4体は伝説ポケモンやタイプ:ヌルなどと同様に「タマゴみはっけんグループ」でタマゴから生まれることはない。カセキさえあればウカッツ博士が何度でも遊び心で合体させてカセキメラを無限に生み出す。
リージョンフォーム
第七世代から追加された、その地方独自の変化を遂げたポケモンが第8世代(ガラル地方)にも登場。
- 前作にはない、リージョンフォーム限定の追加進化が加わった。だが、同種のポケモンである必要性の低いポケモンが乱造される結果となったという意見もある。
- 『ルビー・サファイア』登場の「ジグザグマ」もガラルリージョンの姿で登場したが、発売前情報で公式より「ガラルの姿のジグザグマが原種」である設定を公開されたことで、長年親しまれてきたホウエン種のジグザグマが亜種であること、ガラルマッスグマにのみ異端な進化形態「タチフサグマ」が追加されたことも含めて、騒動が起こった。
- アローラナッシーにも「現地ではアローラナッシーこそ原種と信じられている」という似たような記述があるが、風土的・環境的な裏付けや、神話の元ネタなどしっかりした土台があるためそこまで問題にならなかった。タチフサグマにはそういった要素がないため、具体性・必然性・妥当性などが疑問視されている。
- 追加DLC第2弾「冠の雪原」にて、ガラルのリージョンフォームである「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」が追加されている。しかし「見た目こそ従来のフリーザー・サンダー・ファイヤーに似ているが、最近では別種の可能性が示唆された」などの設定がつけられている。過去の伝説ポケモンに縋ってまでただのそっくりさんを新たに作るのであれば、ガラル地方の伝説に纏わる全く新しい準伝説ポケモンを導入し、ダイマックスやキョダイマックスなど従来のガラル地方の設定を掘り下げた方がよりガラルの魅力を深めることができるはずである。
- その上、これらのポケモンは負の感情を主に強調しており、「ひこう」タイプは保持しているがその他のタイプが変更されており、例えばフリーザー(ガラル)の場合では、「こおり」タイプを持っていないにもかかわらず名前は氷を象徴するフリーザーとなっている。
- リージョンフォームではないが、同アップデートで新たに追加された過去作「レジ」系ポケモンの亜種にも、その存在性については同じことがいえる。
キョダイマックス
全てのポケモンが可能なダイマックスと異なり、こちらは一部種類のポケモンのみが可能。
- メガシンカとZ技を併せ持ったような特徴のシステムだが、結果的には特にメガシンカを廃止してまで導入する意味があるとはいえないものとなってしまっている。バトル面における問題点は「バトル関連 問題点」を参照。
- デザインが世間一般のネットスラングやネタをオマージュしたものが目立つ。
- ピカチュウであれば初代公式イラストの丸い体型を意識した姿で、ニャースは猫の胴体が伸びるネタなど。二次創作の自由な妄想ならまだしも、一次創作である公式が乗って公の設定としてしまうのは如何なものか。
増えすぎる単格闘タイプ
- ガラル図鑑単体で最終進化形のみを見ても、単格闘タイプはカイリキー、ネギガナイト、サワムラー、エビワラー、カポエラー、ローブシン、ダゲキ、ナゲキ、ナゲツケサル、タイレーツ、オトスパス、ザマゼンタ(歴戦の勇者)の12種類。
さらに追加された「合体」ポケモン
- 「冠の雪原」にて、「キュレム」や「ネクロズマ」のような合体対応ポケモン「バドレックス」が追加された。
- 「レイスポス」「ブリザポス」という馬のフォルムをしたポケモンが「キズナのタヅナ」というアイテムにより「バドレックス」と合体し、「バドレックス(はくばじょう)」「バドレックス(こくばじょう)」のいずれかにフォルムチェンジするというものだが、実際にはバドレックスが2体のうちいずれかに騎乗しただけ。
- 「バドレックス」は「冠の雪原」シナリオで豊穣の王として登場する伝説のポケモン。騎乗後の姿は所謂「禁止級」ポケモン扱いとなる。
変わらず続く特定ポケモン贔屓
「ロトム」ツールの続投
- ポケモンパソコンや自転車、そしてマップや図鑑機能などを持つスマホにロトムが入り込んで、その機能と一体化している。
- 『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』でロトムがポケモン図鑑や下画面のマップ機能、バフシステムたる「ロトポン」、などのシステムに何度も利用されていたが、今作でも姿を変えて続投された。
- 『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』ではロトムがサポートしていながら、アローラ図鑑に存在しないという意味不明な状況になっていた。本作ではガラル図鑑に存在しているものの、ロトムを密接に描写する贔屓は依然として変わっていない。
「リザードン」優遇
- チャンピオンのダンデがガラル御三家を差し置いて、カントー御三家のうち1体「リザードン」を象徴としている。
- 『X・Y』ではメガシンカでメガリザードンXとYの2種類を特別に与えられており、『サン・ムーン』『ウルトラサン・ムーン』ではアーカラ島キャプテンのカキが所有している他「そらをとぶ」枠のライドポケモンとして何度も目にすることとなっていた。
- 加えて本作では「キョダイマックス」可能な1体となっている、カレーのランクの1つに「リザードン級」があるなど、明かな贔屓が見られる。
- 公式Twitterなどでリザードンが登場し活躍することが告知されると、リプライ欄にはリザードン贔屓をやめてほしい旨の意見が殺到。現実のポケモンセンター・メガトウキョーなどでもマスコットキャラに抜擢されたことも多々あるが、既に一般プレイヤーからも「しつこい」と飽きられていることが窺える。
声優ボイスを起用した一部ポケモン
- 『X・Y』以降は「ピカチュウ」、『Let'Go!ピカチュウ・イーブイ』以降は「イーブイ」、そして本作では「キョダイマックス・ニャース」に、各々の声優ボイスが当てられている。
- 元々これらのポケモンの鳴き声も他ポケモンと同じく電子音であったのだが、特定作以降は贔屓目に専用ボイスが導入された。
- 他のポケモンの鳴き声は依然として電子音である中で、これら3種のポケモンだけがリアルボイスであるため浮き気味。電子音に切り替える設定も用意されていない。
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