「仮定、符号……。御滴ちゃんや純乃ちゃんの符号はすごく強力だなと思ってはいたけど……」
「そう言うこった。自分で言うこっちゃネェが、現実の世界にこんな符号が存在したら、世界のバランスを崩しかねないからナ」
「そう言うこった。自分で言うこっちゃネェが、現実の世界にこんな符号が存在したら、世界のバランスを崩しかねないからナ」
「……雑談はそこまでだ。機人が来ている。
えるは私が守るが、装置を破壊されては
マズイ。お前たち、ここの防衛を頼む」
プログラム書き換えには、まだ時間がかかりそうだ。
オレ達のやる事はとにかく機人を装置に近づけない。
それだけだ!
えるは私が守るが、装置を破壊されては
マズイ。お前たち、ここの防衛を頼む」
プログラム書き換えには、まだ時間がかかりそうだ。
オレ達のやる事はとにかく機人を装置に近づけない。
それだけだ!
「お前ら気合い入れろよ!行くぜ!!」
────────────
私には、何もない。
だから……何かひとつ、この世界に
『何か』を残したかったのかも知れない。
『何か』を残したかったのかも知れない。
私にとって大切な『何か』は、たった一つ。
幼い頃の、はもはもちゃんとの思い出だけ。
幼い頃の、はもはもちゃんとの思い出だけ。
それなら、その思い出を美しいまま、永遠に残したいと思うのは、ごく自然な考えのはずだ。
だけど、世界が。
子供たちが。
───はもはもちゃんが、それを否定する。
子供たちが。
───はもはもちゃんが、それを否定する。
どうして?
どうして、私の気持ちは、
誰にも理解してもらえないのだろう。
どうして、私の気持ちは、
誰にも理解してもらえないのだろう。
どうして。
どうして。
どうして。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
…………あぁ、そうか。
私が、それを望んだんだ。
私は、ずっと………………
誰にも理解されたくなんてない、と。
思いながら生きてきたじゃないか。
誰にも理解されたくなんてない、と。
思いながら生きてきたじゃないか。
だから、誰にも理解されないまま、
最期を迎えるんだ。
最期を迎えるんだ。
この世界は、願いが形になる。
そういう風にできている。
……だから、この状況は、
そういう風にできている。
……だから、この状況は、
きっと、私の望みなんだろう。
────────────
「……やった!切り替えができたよっ!
これで純乃さんの符号のサポートができるはず!」
「流石だ。ありがとう、える。
後はコイツを起動するだけだが……」
「……あぁ。肝心のヤツが残ってる。
Dr.マッドを放ったまま、オレ達が別世界に
逃げちまったら元の木阿弥だ。
ヤツの禁忌符号で、現実世界は滅んじまう」
これで純乃さんの符号のサポートができるはず!」
「流石だ。ありがとう、える。
後はコイツを起動するだけだが……」
「……あぁ。肝心のヤツが残ってる。
Dr.マッドを放ったまま、オレ達が別世界に
逃げちまったら元の木阿弥だ。
ヤツの禁忌符号で、現実世界は滅んじまう」
いよいよ、この時だ。
Dr.マッドと、最後の決着を付ける!
Dr.マッドと、最後の決着を付ける!
……………………
………………………………
…………………………………………
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
「はっ、はっ、はっ……どうしたのよ猫。
あんたが息を切らすなんて、雹でも降るん
じゃないの?」
「…………そうじゃの。我ながら、随分とまぁ弱くなったものよ。世界線を移動するのに力を使いすぎて、肝心なところでまともに動けんとはな」
「……やっぱり、飛ばされた先から戻ってくるのに相当の無茶をしたのね。平気な顔してたけど、今にも消えそうな状態なんじゃないの?」
「はっ、はっ、はっ……どうしたのよ猫。
あんたが息を切らすなんて、雹でも降るん
じゃないの?」
「…………そうじゃの。我ながら、随分とまぁ弱くなったものよ。世界線を移動するのに力を使いすぎて、肝心なところでまともに動けんとはな」
「……やっぱり、飛ばされた先から戻ってくるのに相当の無茶をしたのね。平気な顔してたけど、今にも消えそうな状態なんじゃないの?」
「#@@@@@人外のくせに、$大した事はないな°°°°世界を統べる力の前には:あらゆるものが無意味になる=>\>\>」
「……あらゆる物だと?
それなら、試してみようぜDr.。オレとお前、どっちの力が強いかをよ」
それなら、試してみようぜDr.。オレとお前、どっちの力が強いかをよ」
ザッ!!
地上では、のじゃ猫と神楽坂さんが満身創痍の様子で膝をついていた。
一方のDr.マッドは、相変わらず黒い霧に包まれたままだ。見たところ、ほとんどダメージを受けているようには見えない。
化け物クラスの力を持つあの2人を相手に、
1人でここまで圧倒するなんてな……!!
地上では、のじゃ猫と神楽坂さんが満身創痍の様子で膝をついていた。
一方のDr.マッドは、相変わらず黒い霧に包まれたままだ。見たところ、ほとんどダメージを受けているようには見えない。
化け物クラスの力を持つあの2人を相手に、
1人でここまで圧倒するなんてな……!!
「アナザーはもはもちゃん……!!
そっちの準備は、完了したのね!?」
「あぁ。あんた達が時間を稼いでくれた
おかげだ。
───後は、オレに任せな!!」
そっちの準備は、完了したのね!?」
「あぁ。あんた達が時間を稼いでくれた
おかげだ。
───後は、オレに任せな!!」
「|||||お前は、はもはもちゃんじゃない。
アナザー風情が、°°##=<はもはもちゃんの名を騙るな」
アナザー風情が、°°##=<はもはもちゃんの名を騙るな」
「……そうさ。オレはオレだ。
はもはもとは違う。
だが……今は、今だけは。アイツの力も、
オレの力に乗せて戦う!!!」
はもはもとは違う。
だが……今は、今だけは。アイツの力も、
オレの力に乗せて戦う!!!」
手を、身体の前に掲げる。
拳に力を込める。
そして、アイツがいつもやっていたように。
全力で、叫ぶんだ。
拳に力を込める。
そして、アイツがいつもやっていたように。
全力で、叫ぶんだ。
────────────
「……ねぇアもちゃん!アもちゃんってば!
わたしの話、ちゃんと聞いてる?」
わたしの話、ちゃんと聞いてる?」
「あー、聞いてる聞いてる。
……んで、何の話だったっけ」
……んで、何の話だったっけ」
「んもぉー!!聞いてないじゃない!!
だからね、『ヒーローとは一体どういう存在なのか』って話!」
だからね、『ヒーローとは一体どういう存在なのか』って話!」
「ヒーローなんざ興味ないって言っただろ。
他人なんかのために命を懸けて戦うなんて、
バカげてら」
他人なんかのために命を懸けて戦うなんて、
バカげてら」
「えー、違うよー!
ヒーローってのはね……」
ヒーローってのはね……」
「どんな時も絶対に諦めない、みんなに
勇気と希望を与える存在なんだよっ!!」
勇気と希望を与える存在なんだよっ!!」
────────────
そうだよな。
お前にとってのヒーローは、
そういう存在だ。
お前にとってのヒーローは、
そういう存在だ。
なら、オレが。
今こそ、なってやろうじゃねぇか。
今こそ、なってやろうじゃねぇか。
「変身!!!!!!」
ゴォッ!!!!
風が渦巻く。
力が、身体の底から溢れてくる。
まるで本当に、その言葉が
きっかけになったかのように。
勇気が溢れてくる。
希望が満ちていく。
風が渦巻く。
力が、身体の底から溢れてくる。
まるで本当に、その言葉が
きっかけになったかのように。
勇気が溢れてくる。
希望が満ちていく。
みんなに、勇気と希望を与える存在。
お前が、そうなれなかったと嘆くなら。
お前が、オレになってくれと願うなら。
今の、オレは!!
お前が、そうなれなかったと嘆くなら。
お前が、オレになってくれと願うなら。
今の、オレは!!
「あれ、は……アもちゃんの、あの姿は……」
「ひ、ひ、ひ…………」
「ひ、ひ、ひ…………」
「「「ヒーローだぁーっ!!!」」」
……後ろから、何人かの歓声が聞こえる。
普段なら、ふざけんなと
突っぱねていただろう。
でも今は、不思議と悪くない。
普段なら、ふざけんなと
突っぱねていただろう。
でも今は、不思議と悪くない。
今のオレは、強固なアーマーを
身に纏った姿になっていた。
身に纏った姿になっていた。
はもはもがよく使っていた加速符号の1つ、
『天に響け、我が鳴動』。
その能力で出現するスーツに、
よく似ている。
『天に響け、我が鳴動』。
その能力で出現するスーツに、
よく似ている。
……そりゃそうだ。
アイツとオレの力が合わさって
生まれた力なんだから。
アイツとオレの力が合わさって
生まれた力なんだから。
2人の力が1つになった、継承符号。
名前を付けるとしたら。
名前を付けるとしたら。
「『もう、二度と失わせない、全てを』
(ナッシング・バット・オール) 」
「ア、あ…………その、姿、は…………!」
Dr.マッドがオレの変身した姿を見て、明らかに動揺している。
「あんたは、この姿に見覚えあるよな。
はもはもが一番気に入ってた能力だ。
あいつはずっとヒーローになりたがってた。
みんなに、勇気と希望を与えるんだって」
はもはもが一番気に入ってた能力だ。
あいつはずっとヒーローになりたがってた。
みんなに、勇気と希望を与えるんだって」
「°#>>勇気と……希望+×^,||\……
はも、はも)'''"(()'ちゃん…………。
あ、アアア…………あああああぁっ!!!」
はも、はも)'''"(()'ちゃん…………。
あ、アアア…………あああああぁっ!!!」
バチッ!!バチバチバチッ!!
再び、黒い稲妻がDr.マッドを包む。
これで、全て終わらせる。
全てに、決着を付ける!!
再び、黒い稲妻がDr.マッドを包む。
これで、全て終わらせる。
全てに、決着を付ける!!
「私は…………+××私は…………%°°#!!!
アア"あ'|^,,-#アアああア"あ!!」
アア"あ'|^,,-#アアああア"あ!!」
Dr.を包んでいた黒いオーラが人の形になり、
こちらめがけて襲って来る。
「まずいぞアもちゃん!そいつに触れてはならん!!」
「オラァッ!!」
こちらめがけて襲って来る。
「まずいぞアもちゃん!そいつに触れてはならん!!」
「オラァッ!!」
ボゥッ!!!
手からエネルギーを放ち、オーラ人形を消し去る。
「こんなものが必殺技か?
傀儡に戦わせてないで、てめぇ自身で来やがれ!!
ケリを付けるぞ!!
Dr.マッドおおおおぉ!!!!」
手からエネルギーを放ち、オーラ人形を消し去る。
「こんなものが必殺技か?
傀儡に戦わせてないで、てめぇ自身で来やがれ!!
ケリを付けるぞ!!
Dr.マッドおおおおぉ!!!!」
「うぅぅ…………ああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ほぼ同時に、相手に向かって突撃する。
オレの持てる全ての力をこの瞬間に込める。
だからお前も、力を分けてくれ!!
有葉…………!!
オレの持てる全ての力をこの瞬間に込める。
だからお前も、力を分けてくれ!!
有葉…………!!
(ありがとう、アもちゃん)
声が、 聞こえた気がした
ドォッッッ!!!!!!
「ぬぅっ……ぐ……!!
なんという力と力のぶつかり合いじゃ……!
どうなっておるのか、全く見えん!!」
「……アナザーはもはもちゃん……ッ!!」
「アもちゃん!!」
「アもちゃ───ん!!!」
「………………Dr.…………!」
なんという力と力のぶつかり合いじゃ……!
どうなっておるのか、全く見えん!!」
「……アナザーはもはもちゃん……ッ!!」
「アもちゃん!!」
「アもちゃ───ん!!!」
「………………Dr.…………!」
何も、見えない。
何も、聞こえない。
何も、聞こえない。
まるで、無の世界に放り出されて
しまったような感覚。
しまったような感覚。
身体が常に浮いているような、
奇妙な浮遊感があった。
奇妙な浮遊感があった。
(…………オレは………………死んだのか……?)
(そう。死んだんだよ)
(そう。死んだんだよ)
ふと前を見ると、そこにいたのは───。
(はもはもっ!?お前、どうして……って、
…………そうか。やっぱここは、天国なのか)
(はもはもっ!?お前、どうして……って、
…………そうか。やっぱここは、天国なのか)
(ふふ。まさかこんなに早く再会できちゃうなんてね。
アもちゃんが戦ってるとこ、
見てたよ。わたしの分まで頑張ってくれて、
ありがとう)
アもちゃんが戦ってるとこ、
見てたよ。わたしの分まで頑張ってくれて、
ありがとう)
(……なんだよ、そんな事言われたら…………
せっかく、泣かねぇように我慢してたってのに…………
こらえきれなくなっちまうじゃねぇか…………!!)
せっかく、泣かねぇように我慢してたってのに…………
こらえきれなくなっちまうじゃねぇか…………!!)
ぼろぼろと、涙がとめどなく溢れて来る。
泣く事なんて、いつ以来だろうか。
泣く事なんて、いつ以来だろうか。
誰かに涙を見せるのは、弱みを見せる事だ。
そう信じて、ずっと虚勢を張ってきた。
でも。
今くらいは、泣いても良いんじゃないか。
そう思えた。
Dr.マッドは倒せなかったけど、
オレは精一杯やった。
そう信じて、ずっと虚勢を張ってきた。
でも。
今くらいは、泣いても良いんじゃないか。
そう思えた。
Dr.マッドは倒せなかったけど、
オレは精一杯やった。
それなら、少しくらい気が抜けたって、
良いじゃないか。
良いじゃないか。
(んー?アもちゃん、何か勘違いしてない?)
(…………あん?なんだよ)
(アもちゃんはね、
Dr.マッドに……勝ったんだよ!)
(は?でもさっきオレは死んだって……)
(うぅん。ホントは違うの。あくまで一時的に魂が身体から抜け出ただけ。仮死状態?ってやつ?
……だから、アもちゃんはみんなのところに早く戻らなきゃ。みんな待ってるよ!)
(…………あん?なんだよ)
(アもちゃんはね、
Dr.マッドに……勝ったんだよ!)
(は?でもさっきオレは死んだって……)
(うぅん。ホントは違うの。あくまで一時的に魂が身体から抜け出ただけ。仮死状態?ってやつ?
……だから、アもちゃんはみんなのところに早く戻らなきゃ。みんな待ってるよ!)
急に、身体が……いや、魂がぐいっと引き戻される感覚があった。これは……魂が、身体に戻ろうとしてるのか?
(待てよ!!オレはまだ、お前に言いたい事が山のようにあるんだよ……!はもはも!!)
(だいじょうぶ。きっとすぐにまた会えるよ。
……アもちゃん、頼みがあるの。
純乃ちゃんと御滴ちゃんに、お礼を言っておいて。
わたしの代わりに)
(え……何で、あの2人なんだ?
他にも言いたい奴はいるだろ?)
(うん、でもね……あの子達にだけは、
きっと直接お礼が言えないんだ。
だから、お願い)
(だいじょうぶ。きっとすぐにまた会えるよ。
……アもちゃん、頼みがあるの。
純乃ちゃんと御滴ちゃんに、お礼を言っておいて。
わたしの代わりに)
(え……何で、あの2人なんだ?
他にも言いたい奴はいるだろ?)
(うん、でもね……あの子達にだけは、
きっと直接お礼が言えないんだ。
だから、お願い)