「…………もちゃ………………
……アもちゃん………………
アもちゃん!!」
……アもちゃん………………
アもちゃん!!」
「っはぁっ!!!……はぁっ……はぁっ……」
「やった……!起きた!!良かった……!!
アもちゃん!もう起きないかと思ったよ!」
アもちゃん!もう起きないかと思ったよ!」
目を覚ますと、そこにはみんながいた。
よく見ると皆目が潤んでいる。
オレを心配して、泣いてくれてたのか。
よく見ると皆目が潤んでいる。
オレを心配して、泣いてくれてたのか。
「あー、心配かけて、その、悪かった。
みんな、ありがとな」
みんな、ありがとな」
途端に、みんなが驚いた顔でこっちを見る。
……オレ、なんか変な事言ったか?
……オレ、なんか変な事言ったか?
「アもちゃんが、素直にお礼を言うなんて…
これはお赤飯ものじゃないっ!?」
「だいじょうぶっ!?アもちゃん、
やっぱりどこか頭でも打ったんじゃ……!」
「てめぇら……人を何だと思ってんだ!!」
これはお赤飯ものじゃないっ!?」
「だいじょうぶっ!?アもちゃん、
やっぱりどこか頭でも打ったんじゃ……!」
「てめぇら……人を何だと思ってんだ!!」
……………………
………………………………
…………………………………………
「……なぁ。Dr.マッドは……あの後、
どうなったんだ?」
「………………うん。アもちゃんとDr.が正面から
ぶつかり合った時……すごいパワーが溢れ出して、
みんなも吹き飛ばされそうになったの。
それが収まった後慌てて見に行ったら、
アもちゃんもDr.も倒れてて…………。
Dr.は、その…………もう、ダメだった」
「………………そうか」
どうなったんだ?」
「………………うん。アもちゃんとDr.が正面から
ぶつかり合った時……すごいパワーが溢れ出して、
みんなも吹き飛ばされそうになったの。
それが収まった後慌てて見に行ったら、
アもちゃんもDr.も倒れてて…………。
Dr.は、その…………もう、ダメだった」
「………………そうか」
Dr.マッドを、倒す。
そのつもりでずっと戦って来たのに、
本当に死んでしまったと知るのは、
あまり気持ちの良いものではなかった。
そのつもりでずっと戦って来たのに、
本当に死んでしまったと知るのは、
あまり気持ちの良いものではなかった。
無我夢中だったが、
オレ達は目的を果たした。
後は、純乃の符号の力を借りて別世界へと
移動するだけだ。
オレ達は目的を果たした。
後は、純乃の符号の力を借りて別世界へと
移動するだけだ。
Dr.マッドがいなくなった今、
世界の消滅は秒読みのはずだ。
今のところ大きな崩壊は起きていないが、
ずっと続いている世界の揺れは、
少しずつ強くなっている気がする。
世界の消滅は秒読みのはずだ。
今のところ大きな崩壊は起きていないが、
ずっと続いている世界の揺れは、
少しずつ強くなっている気がする。
「なぁライジング。
移動の準備はもうできてるのか?」
「うん。純乃ちゃんが、装置のところで待ってるよ。
もう、大丈夫そう?」
「あぁ、もう普通に歩ける。
行こう、もたもたしてると逃げ遅れちまう」
移動の準備はもうできてるのか?」
「うん。純乃ちゃんが、装置のところで待ってるよ。
もう、大丈夫そう?」
「あぁ、もう普通に歩ける。
行こう、もたもたしてると逃げ遅れちまう」
……………………
………………………………
…………………………………………
「では、行くぞ。
全員、しっかり手を繋いだか?」
純乃の符号は本来、相手をランダムに別次元に飛ばすだけの能力だ。飛ばす先の指定はできず、また1人を飛ばすだけで凄まじいエネルギーを使う。
だからこそ、Dr.の時空転移装置が重要なキーになる。これを使って移動先の時空を指定し、なおかつ必要なエネルギーを肩代わりしてもらうのだそうだ。
全員、しっかり手を繋いだか?」
純乃の符号は本来、相手をランダムに別次元に飛ばすだけの能力だ。飛ばす先の指定はできず、また1人を飛ばすだけで凄まじいエネルギーを使う。
だからこそ、Dr.の時空転移装置が重要なキーになる。これを使って移動先の時空を指定し、なおかつ必要なエネルギーを肩代わりしてもらうのだそうだ。
「飛ばす先の世界は、現実の世界に限りなく近い別時空だ。現実の世界にはもう1人のお前たちがいるからな、そこに飛ばしてしまっては同じ人間が2人いる事になり、大問題に
なってしまう。だからこそ……」
「能書きはいいからよ、さっさと飛ばしてくれよな。
世界が崩壊しかかってるんだぜ」
「ちょ、ちょっとアもちゃん!
純乃ちゃんは私達を助けようとしてくれてるのに……!」
「…………いや、彼女の言う通りだ。
事は一刻を争う。……では、飛ばすぞ。
忘れ物はないか?」
「あっ、そういえば……」
なってしまう。だからこそ……」
「能書きはいいからよ、さっさと飛ばしてくれよな。
世界が崩壊しかかってるんだぜ」
「ちょ、ちょっとアもちゃん!
純乃ちゃんは私達を助けようとしてくれてるのに……!」
「…………いや、彼女の言う通りだ。
事は一刻を争う。……では、飛ばすぞ。
忘れ物はないか?」
「あっ、そういえば……」
はもはもに、天国みたいな場所で言われた事を思い出した。
「はもはもに、礼を頼まれたんだった。
……ありがとうな、純乃。
オレ達を助けてくれて。お前がいなかったら、
オレ達は世界と一緒に消える運命を
受け入れるしかなかった」
「……ッ!!…………あぁ、気にするな。
礼には及ばない。
さぁ、今度こそ忘れ物はないか!?
装置を起動させるぞ!」
……ありがとうな、純乃。
オレ達を助けてくれて。お前がいなかったら、
オレ達は世界と一緒に消える運命を
受け入れるしかなかった」
「……ッ!!…………あぁ、気にするな。
礼には及ばない。
さぁ、今度こそ忘れ物はないか!?
装置を起動させるぞ!」
皆が頷く。
…………ん、待てよ。
この方法だと、純乃はどうやって別世界へ移動するつもりなんだ?
この方法だと、純乃はどうやって別世界へ移動するつもりなんだ?
「なぁ、純乃。お前はこの後
どうやって…………」
どうやって…………」
「さよならだ、みんな。
君たちの歩む未来に、栄光の光が輝く事を祈っている」
君たちの歩む未来に、栄光の光が輝く事を祈っている」
おい!!
まさか、アイツ……!!!
まさか、アイツ……!!!
「純乃ちゃん!!まさか、最初からここに残るつもりで…………!!」
装置が起動し、オレ達は光に包まれる。
ライジングや他の女児が慌てて外に出ようとするが、光の帯のようなものに阻まれ、
出る事ができない!!
ライジングや他の女児が慌てて外に出ようとするが、光の帯のようなものに阻まれ、
出る事ができない!!
「意味もなくここに残るわけじゃないさ。
……いくら装置の後押しがあっても、
私の符号で全員を別世界に移動させるのは
不可能だ。……私の命を、燃やし尽くさない限りは、な。
なに、元々私は現実には存在しない人間だ。
気に病む事はない。
……いくら装置の後押しがあっても、
私の符号で全員を別世界に移動させるのは
不可能だ。……私の命を、燃やし尽くさない限りは、な。
なに、元々私は現実には存在しない人間だ。
気に病む事はない。
君たちは、十分私の心を救ってくれた。
これ以上を望むのは、贅沢というものさ」
これ以上を望むのは、贅沢というものさ」
グォン、グォン、
グォングォングォン……!
グォングォングォン……!
時空転移装置の駆動音が鳴り響き、
オレ達の身体がふわりと浮き上がる。
まばゆい光が周りを包み、もう外の光景は見えなくなる。
オレ達の身体がふわりと浮き上がる。
まばゆい光が周りを包み、もう外の光景は見えなくなる。
「純乃ちゃんっ……!!」
光の隙間から、一瞬……
純乃の晴れやかな笑顔が見えた気がした。
純乃の晴れやかな笑顔が見えた気がした。
バシュウウゥン!!!!
……………………
………………………………
…………………………………………
カチ、コチ、カチ、コチ。
カチッ。
「………………はっ!!」
目を、開ける。
身体を起こすと……そこは、オレ達が見慣れた場所だった。
目を、開ける。
身体を起こすと……そこは、オレ達が見慣れた場所だった。
「ここ……青空学園、だよね……?」
「わたし達、助かったんだね。
…………だけど、純乃ちゃんが…………」
ライジングの言葉に、皆が押し黙る。
アイツは、最初っから自分が助かるつもりはなかったのか。
オレ達を助けるためだけに、命を捨ててまで符号を発動してくれたのか……。
…………だけど、純乃ちゃんが…………」
ライジングの言葉に、皆が押し黙る。
アイツは、最初っから自分が助かるつもりはなかったのか。
オレ達を助けるためだけに、命を捨ててまで符号を発動してくれたのか……。
「………………………………」
しんみりとした沈黙が流れる。
気にしても仕方ないのは分かっている。
だけど、アイツや、はもはもの犠牲のおかげで
自分たちは助かったと喜ぶ気分には、
今はとてもじゃないがなれなかった。
しんみりとした沈黙が流れる。
気にしても仕方ないのは分かっている。
だけど、アイツや、はもはもの犠牲のおかげで
自分たちは助かったと喜ぶ気分には、
今はとてもじゃないがなれなかった。
…………ぃ…………
「……ん?何か、聞こえないか?」
「え?なんだろ、この世界の人が
こっちに気付いて来たのかな」
「え?なんだろ、この世界の人が
こっちに気付いて来たのかな」
……ぉーぃ…………
……おーい!みんな───!…………
……おーい!みんな───!…………
「え……あれ、って…………」
「何で……!どういう事だ……!?」
「何で……!どういう事だ……!?」
「みんな───!!
良かった、やっと会えたよー!!」
良かった、やっと会えたよー!!」
「は……はもはもちゃん!?」