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  • セブンスカラー cross over Beyond the Time 前編

創作女児小学生ズ@wiki

セブンスカラー cross over Beyond the Time 前編

最終更新:2022年01月05日 01:10

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だれでも歓迎! 編集

ここに作品タイトル等を記入

更新日:2022/01/05 Wed 01:10:47

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セブンスカラー 紫水龍香 魔龍少女



「はぁ…はぁっ…!」
暗い路地裏を一人の少女が息を切らせながら走っていた。走って走って、息も絶え絶えになりながらも彼女は走り続ける。しかしそれも少女の体力では長く持つハズもなく、徐々に減速していく。
そしてとうとう足をもつれさせて彼女は転んでしまう。
「うあっ…!」
思わず小さく悲鳴をあげる。そして転びながらも何とかして立ちあがろうとして気づく。すぐ目の前まで彼女を追いかけてきた邪悪な者達が来ていたことに。
「手こずらせてくれたな。嬢ちゃん。」
「楽しい鬼ごっこはもう終わりニャーン。」
「う、うぅ。」
「つ、つかまえる…。」
躙り寄る彼らに少女が倒れながらも後退りをしたその時。
「そこまでだ!」
何処からか叫び声が聞こえると同時に上空から凄い勢いで少女が降ってくる。
棚びく金髪。緑のスターマークが輝くヘルメット…そして翼を拡げた姿はまさしく神話の戦乙女が如く。
「ヒーローの心得……弱きを助け!悪を挫く!である!」
戦乙女は倒れている少女と邪悪な者達の間に降り立つ。
「貴様!何者だっ!?」
突然の乱入者に驚く彼等にビッと指を彼らに突きつける。
「これ以上の悪事は私、ウルトラガールミカエルが許さないぜ!」
そう叫ぶと少女……ミカエルは彼らに立ち向かう。
「どきな!こういう生意気な女は……丸焼きにしてやる!」
彼等の内、肩と頭から炎を噴き上げている怪人が一歩前に出ると、両手を前に翳し、掌からミカエルに炎を噴きかける。
「おっと!」
ミカエルは飛び上がってその攻撃をかわすと、そのまま蹴りを怪人に入れる。
「け、蹴られてる…。」
「なーにやってんのニャー」
それを見て、後ろに控えていた毛だるまの幽霊のような怪物と猫のような怪物も動く。
「三対一!」
ミカエルが襲いかかる二体に対して身構えた瞬間、今度はミカエルの後ろから二つの影が飛び出し、一人は剣を。もう一人は拳を叩き込む。
「どわぁっ!?」
「ぬおぅ」
そして倒れる二体。二体に一太刀浴びせた二人はミカエルの横に並び立つ。
「先走り過ぎ。もっと私達に合わせて。」
「そうですわ。もっとチームワークと言うのを…」
「ごめんごめん。今度から気をつけるって。」
新たに現れた紫の戦乙女、ウリエル。橙色の戦乙女ラファエルがミカエルにそう言いながらも構える。
「クッソ!また小娘共か!邪魔をしやがって!燃え上がるぜ!」
「あっつあつつ!加減しろバカ!」
「も、燃える燃える…。」
ピィッーという音と共に炎を撒き散らす怪人とそれに振り回される二体。
そんな二体を見て三人は眉を顰める。
「……ねぇ、なんか今日の魔獣……違うくない?」
「そうですわね……?どうとは言えないけどいつも出てくるのとは大分…。」
「……関係ない。私達のやることはただ一つ。」
チャキッとウリエルは刃を構える。
「コイツらを倒す!!」
「ま、そうだな!」
「倒せば分かりますわね!」
向かってくる三人に対して怪物達も応戦の構えを見せる。
「うおおおおお!せっかく蘇ったのにまたこんな小娘共にやられてたまるかぁ〜!!」
「それには同意ニャッ!」
「う、うむ…。」
怪人は炎を、素早く動き爪を、全身の毛を振り翳し彼女達を迎え撃つ。
迫り来る炎を前にミカエルは腕をクロスしてエネルギーをスパークさせることで必殺技を撃つ体勢になる。
「正面突破!スペシウム光線!!」
放たれたエネルギーの奔流が炎とぶつかり合う。一瞬の拮抗──そして次の瞬間炎の渦を突き破った必殺技が怪人を捉える。
「遅い!!」
「うニャー!!」
ウリエルと猫のような怪物がすれ違うと同時にお互いの武器を振るう。そして、着地。
「くっ、なによこれ!気色の悪い…!けど!」
髪の毛に絡みつかれながらも、ラファエルは強引に怪物に向かって突進する。
「ゲ、ば、バカ力…。」
「だぁれがバカですってぇ!!」
あまりの猪突猛進ぶりに驚いて一歩引いた怪人にラファエルの拳が炸裂する。
「うぐォォッ!!?ま、また小娘共に負けるのカァッ!?」
エネルギーの奔流に身体を貫かれた怪人はそう叫んで倒れると大爆発を起こす。
「グッ…!ま、負けた…復活したのに儚い命…」
すれ違い様にウリエルに切られていた怪人も傷口をスパークさせながら爆発。
「お、おんなのこ……こわ」
ラファエルの渾身の一撃で顔をひしゃげさせた怪人も倒れて爆発する。
「やりましまわね。」
「あぁ…。」
「けど、気になる事を言ってたなコイツら。」
ミカエルの言葉に二人も頷く。
「えぇ。蘇った、だの。また小娘に、だの。」
「ボク達はコイツらと初対面なんだが。」
「うーん、あ、それよりも追いかけられてたあの子は。」
ミカエルが振り向いて少女がいた方に視線をやる。しかし、そこには少女の姿はなかった。
「あ、あれぇ!?あの子は!?」
慌てて辺りを探すミカエルを背後に、少女はまたもや走ってその場を後にしていた。
「に、逃げなきゃ。じゃないと。じゃないと。」
少女は目に涙蓄え、泣きそうになりながら呟いた。
「“世界が滅んじゃう”……!!」








「おっはよー。」
「あ、愛夢ちゃん。」
青い髪のポニーテールが特徴的の子、愛夢が紫の長い髪に数字の9があしらわれた帽子を被った少女、慶光院九こときゅーばんちゃんに話かける。
「奇遇だね。きゅーばんちゃんも散歩?」
「いや、今からね!公園でこの子達を使ってコマ撮りしようと思うの!」
そう言うときゅーばんちゃんは鞄から大切に梱包されたフィギュアを取り出して愛夢に見せる。
「そうなんだ。どうやるの?」
「うーん、説明するより見てもらう方が早いかなぁ。コマ撮りは奥が深いからね。」
「へぇー。」
そう言いながら二人は公園に入り、良さげな撮影場所がないか探す。
「ポイントは色々あるんだけど、今回は森をテーマに撮りたいから、林の方に行くよ。」
「うん。……あれ?」
そう言いながら二人が林の中に入り、辺りを見回した時、ふと一人の少女が木に寄りかかるように倒れているのを見つける。
「あ、あそこに倒れている人が!」
「え!?」
二人が慌ててその少女に駆け寄る。薄い青色のショートボブ、首に青いペンダントを巻いた少女は目立った外傷こそ無いが、服は汚れあちこちに擦り傷が目立つ。
慌てて愛歩がその子の肩を掴む。
「ッ?」
その時、愛歩が少し顔を顰める。だが、気にせず軽く揺さぶって、呼びかけてみる。しかしかなり弱っているのか呼び掛けても目も開けず、苦しそうに呻くだけだ。
「だ、大丈夫?」
「う、うぅ…。」
「待ってて!今救急車を…!」
二人が話し掛けると、少女はボソリ、呟く。
「に……げ」
「ど、どうしたの?」
少女が掠れた声で何かを言っているが、よく聞き取れなかった二人が少女に耳を近づける。
「に、げ…て」
「え?」
二人が少女の言葉に疑問符を浮かべた瞬間。後ろに気配を感じる。そして振り返るとそこには蝉のような顔、甲殻類のようなハサミを持った怪物がいた。
「うわっうわわっ!!」
怪物は雰囲気からしてどう見積もっても仲良く出来そうな感じはしない程敵意を滲ませてこちらに近付いてくる。
「に、逃げなきゃっ!」
「で、でもこの子が」
きゅーばんちゃんの言葉に愛歩も少女を抱えて逃げようとするが、人一人抱えて逃げれる力は二人にはない。
愛歩を庇うようにきゅーばんちゃんが前に出た次の瞬間。
「ってぇーい!!」
横からあちこちに恐竜の骨のような装甲があしらわれた紫色のドレスを着た桃色の髪の少女がその怪物にドロップキックをかます。
「フォ」
「大丈夫?怪我はない?」
「えっ、う、うん。」
「龍香ちゃん!」
桃色の髪の少女、龍香は愛歩達に任せて、とサムズアップのジェスチャーをすると戦斧“タイラントアックス”を構えて蝉の怪物へと向かっていく。
「フォフォフォフォ」
怪物は不気味な声を漏らしながらその一撃を鋏で受け止める。
「カノープス!この相手は知り合い!?」
《いや、知らない顔だ。と言うか、コイツはシードゥスじゃない!》
「じゃあ何!?」
《俺には分からん!だが。》
「取り敢えず、野放しには出来ないよね!」
攻撃を受け止められたと同時に龍香は蹴りを繰り出す。蹴られた蝉の怪物がよろめく。
「うおおおお!」
さらに龍香が追撃を加えようとした瞬間。スッと。その攻撃が怪物の身体をすり抜ける。
「へ?」
「フォフォフォフォー」
次の瞬間怪物が幾数にもその身体を分身させる。
「えええええ!!?」
《分身した!?》
龍香が慌てると同時に背中に衝撃が走る。
「うあっ」
「フォフォフォフォ」
怪物に殴られたのだと気づいた龍香が背後に武器を振るうが手応えはない。
「あ、当たらない!」
《くっ。どうするか……!?》
分身に翻弄されながらも龍香が身構えた瞬間。どこからともなく飛んできた弾丸が怪物の分身の一体に直撃する。
「フォッ」
「えっ」
「なーにちんたらやってんのよ。」
どうやら当たったのは本体らしく、分身が次々に消える中、龍香が弾丸が飛んできた方を見ると、そこには機械の仮面とスーツを装着し、金髪を青いリボンでツインテールに纏めた少女の姿があった。
「なーに手こずってんのよ。龍香。」
「雪花ちゃん!」
雪花は恐らく赤羽の装備から拝借したであろう長距離狙撃ライフル“漁火”を肩に担ぎながら龍香と合流する。
「よく本体が分かったね!」
「赤羽の“眼”程じゃないけど“デイブレイク”だって赤外線とか色んなセンサーあるから、ああいうのを捉えるの位訳ないのよ。」
フフンと自慢げに胸を張る雪花。一方の撃墜された怪物は呻きながらもきゅーばんと愛歩の後ろにいる少女へと向かおうとする。
「ッ!」
「させない!雪花ちゃん!」
「分かってるわよ!」
カノープスに触れて緑のドレス姿、アンキロカラーになった龍香の掛け声に雪花が合わせて“漁火”を構える。
雪花が引き金を引き、放たれた弾丸が正確に怪物を狙い撃つ。そして怪物が怯んで止まった瞬間。
「行くよカノープス!!クラッシュ・クラスター!!」
戦鎚を振り回しながら駒のように回転する龍香が怪物を思い切り打ち据える。
爆弾の如き一撃に怪物は吹き飛ばされて、空中で爆発する。
「や、やった!!」
愛歩達が喜ぶ中、龍香と合流した雪花は変身を解除する。
「ありがとう雪花ちゃん。助かったよ。」
「ふふんっ。もっと感謝してもいいわよ。」
《しかし結局アイツはなんだったんだろうな?》
なんて二人は会話していると、ふと愛歩達の後ろに倒れている少女を見つける。
「愛歩ちゃん、その子は?」
「あ、その。この子、ここで倒れてたの。」
「そして私達が彼女をどうにかしようと思ったらさっきの化け物が来て。」
二人から先程の経緯を説明され、ふむと考え込む二人。
「……って、考えるのは後にして取り敢えずこの娘運ぶんよ。流石に野ざらしは可哀想でしょ。」
「あ、うんそうだね。」
雪花の発言に龍香が同意し、取り敢えず運ぼうとした瞬間。
「君達何してるの?」
四人が声がした方を向くとそこには青い制服を着た青年──いわゆる警察官がそこにはいた。




「む。」
玉虫色の不気味な光が漂う空間の中で一人、歪な玉座に佇む、全身に時計を埋め込んだような怪人が何かを感じたのか、額を抑える。
「どうかしたかい?」
龍を模した仮面、先端が燃えるポニーテールという摩訶不思議な少女の姿をした怪物がその怪人に尋ねる。
「どうやら、差し向けた刺客は全員やられたようだ。」
怪人がそう答えると、奥からくくくと薄気味悪く笑いながら、四つのギョロギョロ動く目を持つ女が影から現れる。
「全員やられたザマスか。まぁなんとも滑稽な結末ザマス。」
「返す言葉もない。」
怪人はそう返すと、額から手を離して顔を上げる。
「やはり、横着をせず私手ずから迎えに行くべきだった。」
怪人が立ち上がると同時に腕を翳し、少し力を込めると青紫の煙、悪臭と共に名状し難い四足歩行の怪物が現れる。
「グルルルル……」
「おや、ソイツも使うのか?」
「あぁ。この計画、失敗は許されない。使える手は全て使うさ。」
そう言って、怪人がさらに手を翳すと空間にドス黒い瘴気を放つ不気味な門が口を開ける。
「では、行きましょうか。」
その門は怪人達を飲み込むと、すぐに消える。怪人達が消えた空間で恐ろしく、不快感と嫌悪感を放つ咆哮が轟いた。






風が吹くビルの屋上で一人の白髪をポニーテールに纏めた少女が目を瞑り、佇んでいた。
その少女はそのまま風を肌で感じながら、瞑想していたが、何かを感じ取ると目を開く。
「……良くないものが来る。」
少女はそう言うと立ち上がり、跳躍する。空は太陽は沈みかけ、闇が辺りを包もうとしていた。





「もーっ!何で私までここにいなきゃいけないのよっ!」
「ご、ごめんね。」
文句をぶー垂れる雪花に愛歩が謝る。
あの後警察官に促されるままに倒れた少女を連れて、病院にまで来た四人は彼女の容体が回復するまで第一発見者ということで質問責めにあっていたのだ。
勿論近くから聞こえて来た爆発音についても聞かれたが、話したところで信じて貰えないことが分かりきっていた龍香と雪花は冷や汗を流しながらその質問をはぐらかしていた。
「ごめんねぇ。これも仕事だから。」
警察官の青年は困ったように笑いながら質問した内容を調書へと書き記していく。
「あの、さっきの子はどうなったの?」
きゅーばんちゃんが尋ねると警察官が答える。
「安心して。少し疲労が祟って気を失っただけっぽいから。キチンと休めば明日にでも元気になるよ。」
警察官の言葉にきゅーばんちゃんはホッと安心する。
「まぁこれ以上は良いかな。君達もう帰っていいよ。ご協力感謝します。」
ある程度調書を終えたのか警察官はそう言うとその場を後にする。
「あっー!ようやく解放されたわ。」
「き、緊張しちゃった。」
《お疲れだ二人とも。まぁ後は山形が上手く誤魔化してくれるだろ。》
警察官がいなくなったのを確認すると雪花は思い切り背筋を伸ばし、龍香は胸を撫で下ろす。
「ありがとね。二人とも。助かっちゃった。」
「うん。あのままだと多分まずいことになってたし。」
そんな二人に愛歩ときゅーばんちゃんがお礼を言う。
「いや、いいよ。それが私達の役目だし。」
「ま、気持ちは受け取っとくわ。んじゃ私達は帰るけどあんた達どうすんの?」
雪花が尋ねると、二人は顔を見合わせて。
「うーん、せっかくだし。あの子の意識が戻るまでちょっとここで待ってみる。気になる事があって。」
「気になる事?」
龍香が尋ねると愛歩は少し言いづらそうに答える。
「うん……なんて言うか、気のせいかもしれないけど。あの子を抱えた時、違和感があって。」
「違和感?」
「うん。それを確かめてみたいの。」
「夕方まで目が覚めなかったら私達も帰るよ。お母さんに怒られちゃうし。」
「そっか。」
それを聞いて龍香と雪花が病院を出ようとすると角から出てきた少女とぶつかる。
「きゃっ」
「あっ、わ、悪い!ちょっとよそ見してた!」
「……注意散漫。」
「お怪我はありませんか?」
ぶつかった金髪をツインテールにした少女を銀髪のクールな雰囲気の少女がたしなめ、茶髪のふんわりとウェーブのかかった少女がよろめいた龍香に声をかける。
「う、うん。こっちこそごめんなさい。」
龍香が謝ると、その少女はお互い気をつけましょうね。と言って頭を下げるとその場を去る。しかし、ふと彼女達の話が耳に入ってくる。
「けどホントにしらみつぶしに探すんですの?」
「おう、あの子怪我とかしてたし、病院を回って行ったら見つかりそうな気がすんだよ!」
「……脳筋。」
「誰が脳味噌筋肉だ!」
「病院ではお静かに、ですよ。」
三人の言葉に一瞬龍香は彼女達はあの怪物の仲間かと勘繰る。しかしもしかしたら勘違いかもしれない。別の患者のことを言っているのかもしれない。
だが、確かめずにはいられなかった。
だから龍香は三人に声をかける。
「あ、あの!」
「?何?」
龍斗の声に振り返った三人に話しかけようとした、その瞬間。
ぎゃあ、と誰かの悲鳴と何かが壊れる音が聞こえて来た。
「ッ!?」
「な、何?」
「行ってみましょう!」
三人はそう言うと音がした方に急いで駆け出す。
「雪花ちゃん!」
「私達も行くわよ!」
二人も三人に続いて音がした方へと駆け出そうとして、おろおろしている愛歩ときゅーばんちゃんに気づく。
「あっ、龍香ちゃん!」
「愛歩ちゃん!どうしたの?」
「い、いや。さっきの音。あの子部屋の方から聞こえたような。」
「何ですって!急ぐわよ!」
「あっ、ちょっと!」
その事を聞いた二人がその場へ向かって行くのを見て、愛歩がどうしようかと迷っていると。
「私達も行こう!何か出来るかも!」
「う、うん!そうだねきゅーばんちゃん!」
そして二人も現場に向けて駆け出した。





節電のため、照明を消している薄暗い廊下を先程調書を終えた警官が肝心の昏睡している少女の元へと向かっている時だった。
「、なんだ?」
一瞬異様な気配を感じる。身の毛もよだつような、肌が泡立つような不快な感覚も覚える。それは丁度彼が向かっている病室の方から漂って来た。
「……おい、安田。返事をしろ。おい安田!」
通信機を口元にあて、病室で待機しているバディに連絡を取ろうとするが、その通信から返事が返ってくることはなかった。
「クソッ、一体なんだってんだ!」
警官は腰の警棒に手を伸ばし、その病室へと駆け出す。
そして徐々に強くなる不快感と、早鐘のように脈打つ心臓。それらを何とか気合いで抑えながらも走る。
「おいっ、どうした!」
警察官が叫びながら、少女とバディがいる病室の取っ手に手をかけようとした瞬間。
「駄目ザマスよ。病室では静かにしなくちゃ……」
後ろから女性の声がした。しかし、彼は振り返ることは出来なかった。
背後から漂う心臓を直接掴まれたかのような嫌悪感と氷の如き冷たい恐怖が青白い蜘蛛の脚と共に彼にいつの間にか忍び寄り、包み込もうとしていたからだ。
「う、お、おぉ」
「ふふっ、安心するザマスよ。殺しはしない。ちょっと眠って貰うだけザマス。」
嘲笑う女性の声と共に蜘蛛の脚が彼を完全に捉えようとした瞬間。
「う、あ、わあああああ!!」
恐怖のあまり、警察官が無茶苦茶に振り回した警棒が窓ガラスを叩き割り、大きな音を響かせる。
「ッ!」
ガラスが割れる音に一瞬蜘蛛の脚の動きが止まる。しかしそれはほんの一瞬で、逆に脚は憤怒の色を顕にし、警察官をその脚で思い切り殴りつけて跳ね飛ばす。
「ぐぅえっ」
警察官は吹き飛んで壁に叩きつけられると苦悶の声を上げてその意識を失う。
「……チッ。人間風情が。」
背後に立っていた毒々しいカラフルな髪の色と四つの青い目を持つ女性の形をした怪物、ザマスロリ女郎蜘蛛が気を失って倒れている警察官を見下すと、そのまま病室に入る。
その病室には先ほどの男性のように倒れている警察官と、未だに眠り続ける少女がいた。
「全く、困るザマスよ。勝手にいなかなられちゃ。計画が台無しになるところだったザマス。」
女郎蜘蛛がそう言って彼女を背中から伸びている二対の蜘蛛の脚を伸ばして器用にその少女を抱き上げる。
「さて、そろそろ帰るザマスか。」
女郎蜘蛛が彼女を抱えてその場を去ろうると、病室のドアにドタドタと三人が走ってくる。
「あっー!!お前!その子をどうするつもりだ!?」
金髪の少女が少女を抱き抱える女郎蜘蛛に向かって言う。
めんどくさいのがまた来た、と女郎蜘蛛がため息をついて同じように排除しようとした瞬間。
「ッ!」
銀髪の少女がそう叫んで光に包まれたと同時に変身したウリエルが剣を振り、女郎蜘蛛に斬りかかる。
「なっ」
その攻撃を咄嗟に脚の一本で受け止めて防ぐ。しかし今度は光と共に変身した少女、ミカエルが女郎蜘蛛に蹴りを繰り出す。
だがそれも空いていたもう一本の足で防ぐ。
「ククッ、その程度で止められると」
「でぇりぁあああ!」
今度はいつの間にか変身していたラファエルが一気に距離を縮めると、渾身の拳を女郎蜘蛛に繰り出した。
既に背中にある4本の脚の内、二本を少女を抱き抱えるために使っており、残る脚はウリエルとミカエルの攻撃を受け止めているため、動かせない。
「くっ」
咄嗟に腕を交差してその一撃を女郎蜘蛛は防ぐ。しかしあまりにも鋭く重いその一撃はガードごと女郎蜘蛛を後退させる。
「お、おお!?なんて馬鹿力ッ……!?」
「今よ!」
「おう!」
体勢を崩した女郎蜘蛛にウリエルとミカエルが同時に女郎蜘蛛を蹴り飛ばす。
「うおお!」
蹴り飛ばされた女郎蜘蛛は窓を突き破って下へと落ちる。その拍子に抱えられていた少女は離されて宙を舞う。
「危ないっ!」
少女が床に落ちるより先にミカエルが彼女を受け止めて抱き抱える。
「危ない危ない……。」
「大丈夫!?」
「うん!ギリギリセーフ!」
ラファエルが駆け寄る。ミカエルはそう答えるとその少女をそっと床に下ろして、ウリエルと共に下に落ちた女郎蜘蛛の追撃のために窓から飛び降りる。
「す、すごい音がしたけどどうなってるの!?」
その直後に龍香達がその現場に駆けつける。そこには破壊された後があちこちにあり、倒れている警察官が二人、横たわる少女がいた。
「あ!あの娘が!」
愛歩ときゅーばんがその少女に駆け寄る。それに龍香が続こうとした瞬間、雪花が龍香に声をかける。
「ねぇ、龍香。」
「どうしたの雪花ちゃん?」
「妙だと思わない?」
「へ?」
雪花の言葉に龍香は疑問符を浮かべる。しかし、どうやらカノープスは雪花の言葉にハッと気づく。
《……確かに、静か過ぎる。》
「へ?」
「だって私達がこうして来ているのよ。普通大きな音がなったら、ここにいる看護師なり医者なりが来るはずでしょ?」
「え……あっ」
そう言われて龍香が辺りに耳を澄ましてみるが、確かに誰も来る気配がない。それどころか付近に人の気配を全く感じられない。
「龍香ちゃん!とりあえずここから離れよう!この娘を運ぶのを手伝って!」
この異様な空気に飲まれかけていたが、少女を抱えたきゅーばんちゃんの言葉に龍香はハッとなる。
「そ、そうだね。分かった!」
龍香が三人に駆け寄ろうとした瞬間だった。
「そうされては困るな。」
廊下の奥から低い男の声がする。龍香達がその声がした奥の方に目を向けると、そこには全身に時計を散りばめた金色の怪人と、首と右腕がなく、その断面図から炎を噴き出す甲冑姿の怪物がいた。
時計の怪人がコツコツと足音を鳴らしながら龍香達に近づく。
「誰よ、アンタ達。」
「自己紹介が遅れたな。我が名は時空超克魔人イース。さぁ、その子を返して貰おうか。」
「ハッ、時空だか特急だかなんだか知らないけど、アンタ達みたいな怪しい奴に渡す訳ないでしょ。」
雪花が挑発しながら愛歩達の前に立つ。それに合わせて龍香も続く。
それを見たイースはフン、と鼻を鳴らすと後ろに控えている首無し甲冑に指示を出す。
「小娘の戯言に付き合っている暇などない。やれ。」
「!」
指示を受けた首無しは燃え盛る右腕を前に翳すと巨大な火の拳を龍香達に向けて放つ。
「させない!カノープス!」
《ダイノフォーゼ!!》
次の瞬間紫のエネルギー体の恐竜が炎の拳から全員の盾になり、防ぐと同時に砕けて龍香は変身完了する。
「行くわよ!」
同じく“デイブレイク”を装備した雪花がチェンソー型の剣“マタンII”を構え、二体の怪物に向けて走り出す。
「行くよ!」
《おう!》
龍香も戦斧“タイラントアックス”を構えると怪物に向かっていく。
「来るか。」
「!」
首無しがイースの前に出ると雪花達に炎の腕を振るって迎撃する。
その隙にイースが円盤のような形をしたエネルギー弾を愛歩達に向けて放つ。
「危ない!」
龍香が叫ぶ。しかし愛歩はきゅーばんちゃんに目配せをすると。
「きゅーばんちゃん!」
「うん!」
それぞれが各々の女児符号……つまりは時止めの能力“リモコン”とコマ送り“静動”を使用し、イースの攻撃を回避する。
「ほう。貴様らも時間に干渉出来る能力か。」
「このっ!」
龍香が感心するイースに“タイラントアックス”を振るう。しかしイースはそれを腕で受け止め、軽く流す。
「だが、コイツはどうかな!」
イースがそい言った次の瞬間、何もない角から青い煙と不快な腐敗臭が漂い始める。
「く、くっさ!」
「な、何?」
二人が突然のことに困惑していると、その角からいきなり細い糸のような鋭い尖端を持つ何かが飛び出す。
「うわっ!」
二人がまたまや能力を使い、攻撃を回避しようとする。愛歩が時を止め、きゅーばんちゃんがコマ送りで見極めようとする。
しかし、その一撃は二人の干渉を一切受け付けずそのまま真っ直ぐ二人へと伸びる。
「こ、れは?」
すぐに気づいて回避しようとするが、愛歩の頬をその一撃が掠める。
「うっ」
「愛歩ちゃん!!」
愛歩が切られた箇所を押さえていると、角から現れた煙が徐々に形作り、一匹の嫌悪感と恐怖を駆り立てるグロテスクな猟犬になる。
「何コイツ……!?」
猟犬はフシュルルと握手漂う涎を垂らしながら先程愛歩達を攻撃した細い糸のようなもの──自分の舌を巻き取り、またま愛歩達に照準を向ける。
「ッ!」
「ヤバいッ!」
「愛歩ちゃん!」
怪人二体と交戦している二人が救援に戻ろうとするが、すぐに怪人達の妨害が入る。
「オマエッ」
「そうはさせんよ。」
猟犬の口から放たれる一撃が愛歩達に向けられる、その瞬間。
どこからともなく現れた黒い影が猟犬に痛烈な一撃を加える。
吹き飛ばされた猟犬は角に吸い込まれるように消える。
「チッ。愛歩。また厄介な奴に絡まれとるのう。」
「のじゃちゃん!」
そこには黒い巻き髪に赤いマフラーをたなびかせ、頭のネコ耳をピコピコさせる少女……のじゃロリ猫がそこにはいた。
「むっ。新手か。」
増援を確認したイース達は一旦龍香達から距離を取る。
「のじゃさん!」
「あの時の猫娘?」
「おう龍香。久しいの。後そこのツインテ、その呼び方やめようか。色々怒られちゃうから。」
愛歩達を庇うように三人が並び立つ。イースの横に首無しと、角から現れた猟犬が並び立つ。
「これで三対一、じゃの。」
のじゃロリ猫がそう言うと、イースはふむ、と顎に手を添えて少し考える素振りを見せた後。
「ではこちらも用意しようか。」
「へ?」
イースがパチンと指を鳴らすとズシン!という音と共に病院が揺れる。
「な、何をした!」
「窓を見てみると良い。中々に面白いものが見れるぞ。」
イースがそう言われ、窓を見た三人が絶句する。
「な、に?あれ?」




窓から叩き出された女郎蜘蛛は地面にぶつかる寸前、背中から生えた蜘蛛の脚を器用に動かして地面への衝突を受け流すように回転しながら設置することで衝撃を回避する。
「うげっ、何かカサカサしてちょっと気持ち悪いですわ。」
「ちょっ、想像しちゃったじゃん!」
なんてミカエルとラファエルの二人が言っていると、ゆらりと女郎蜘蛛が立ち上がる。
「……三対一、だ。降参するなら今の内だぞ。」
ウリエルが剣の切先を女郎蜘蛛に突きつけ、そう言う。突きつけられた女郎蜘蛛はしばらく俯き、無言だったが、いきなり顔を上げると奇声を発する。
「キェエエェぇぇエエェえぇぇええええ!!!!」
「な、何?」
「どっかぶつけておかしくなりましたか!?」
三人が身構えていると、女郎蜘蛛の背中の脚の爪が一斉にとてつもない殺気と共に三人に向けられる。
「人間風情ガァああ!!ナメてんじゃねぇエぞォォッ!」
怒り心頭と言った具合の女郎蜘蛛が攻撃を加えようとして、三人に襲いかかろうとした瞬間、別方向から放たれた火焔が三人に襲いかかる。
「ッ!」
「危ない!」
三人はその火炎を三方に跳んで回避する。
「あらあら。随分とお怒りじゃないのぉ?」
呑気な声がし、女郎蜘蛛の横に一人の少女……龍の仮面を被りポニーテールの先端はメラメラと焔が燃える、四肢が爬虫類のように強靭な鱗に包まれた怪物が並び立つ。
「何しに来たァッ!ブレス!」
「援護だよ。え、ん、ご。」
ブレスはそう言うと仮面から焔を放つ。その攻撃を三人はまたもや回避する。
「余計な真似を!」
「いいじゃないの。それに、アイツも呼ばれたっぽいし。」
ブレスが顎で方向を指し示すと、空間を侵食するように闇が広がりその中から轟音と多数の触手と共に全長50mはあろうかと言う海産物のキメラのような怪物が現れ、地上に降り立つ。
怪物は降り立つと、見るものの恐怖を掻き立てるような金属の擦れた咆哮を放つ。
「で、でかい!!」
「ま、まさしく大怪獣ですわー!!?」
「ッ!デカいだけの的が!」
ウリエルが斬撃を放つ。放たれた斬撃がニ、三本の触手を切断する。切断された触手が地面に落ちて畝るだけでも地響きが辺りに轟く。
しかし、次の瞬間切断された触手の断面図が盛り上がったかと思うと粘液と共に再生を果たす。
「な、再生した!?」
しかも切断した触手がボコボコと泡立ったかと思うと分裂し、魚のような怪物となって悍ましい産声を上げる。
「分裂したーっ!?ちょ、ちょウリエル何してんの!?」
「し、知らないわよ!!」
襲い来る魚人達を迎え撃つ三人。幸いそこまで強くないようだが何分数が多く、迎撃するだけであっという間に手一杯になってしまう。
「うしっ、今の内にあの子回収しに行くわよ。」
「な、待つザマス!私はまだ」
「ダメダメ。目標はあの子。あいつらとはまた遊べばいいじゃない。」
「……チッ。しょうがないザマスねぇ。」
そう言って二人が病院の方へと跳躍した瞬間。空から現れた一筋の白い光がブレスに痛烈な蹴りを喰らわせる。
「グェぇっ!?」
「何?」
ブレスは地面に叩きつけられて土埃を巻き上げる。白い光……白髪の髪をポニーテールにした少女、エフィは氷の剣を女郎蜘蛛に向けて振るう。しかし女郎蜘蛛は背中の脚でその一撃を受け止めて、弾かれながらも病院の壁にスタッと着地する。
「何者ザマス?」
「今から消えゆく者に名乗るつもりはないわ。」
「私好みの答えザマスねぇ。」
浮かぶエフィに女郎蜘蛛が攻撃を仕掛けようとした瞬間、地面から火炎放射がユフィに向けて放たれる。
「ッ」
その焔をユフィは横へと避けて回避する。焔が止み、土埃が晴れるとそこにはポンポンと服についた泥を落としながら立ち上がるブレスがいた。
「ア〜……ッてぇなおい。どこのドイツだイタリアか?不意打ちとかマジねーわ。クソがよ……」
ブツブツと文句を言いながらブレスはエフィを見上げる。
「オイ蜘蛛ォ。アタシ、アイツブッ殺してからそっち行くわ。」
「はいはい。ったく人の事言えてないザマス……。」
蜘蛛はそう言うと病院の窓ガラスを叩き割って病院へと侵入する。
「させないっ!」
エフィが逃げる女郎蜘蛛を追撃しようとした瞬間、下から凄じい速度でブレスが飛んでくる。
ブレスは両手の鋭く尖った爪を前へと突き出し、エフィを切り裂こうとする。しかしエフィもすぐに剣でその一撃を受け止める。
「チッ。邪魔を!」
「ハハァッ!綺麗な顔してんな!その首捩じ切ってサッカーボールにして遊んでやるヨォ!!」
「誰が!」
空中で激闘が繰り広げられる中、ウリエルとラファエルが魚人達を抑えながら、今も魚人を蹴り倒すミカエルに言う。
「ミカエル!ここは私達に任せて行って!」
「え!?で、でも!」
「早く!あの子回収して、一旦トンズラですわ!」
「あ、あぁ!頼んだぞ!」
ミカエルはそう言うと女郎蜘蛛を追って病院へと飛び込む。
「行きましたわね。」
「さて、と。」
ミカエルを見送った二人が不気味な声を上げる魚人達に拳を、剣を構える。
「「倒されたい奴からかかってきなさい!!」」





「な、何アレ!?」
「“外なる神の落とし子”とは。大層なモンを持ってきたのう。」
「私の手札も中々良いものが揃っているだろう?」
外で繰り広げられているあまりにも凄じい光景に驚く龍香達にイースは自慢げに語る。
「くっ……!また厄介なモンを!」
「子供の遊びは終わりだ。さぁ、大人しくその子を返してもらおう。」
龍香達にイースが躙り寄る、その時。
「もうやめて!!」
少女の悲痛な叫びが響く。全員の視線がその声の主……先程まで眠っていた少女に向けられる。
「あ、あなた目が。」
「どうして、どうしてこんなことをするの!?」
その少女の涙ながらの問いにイースは。
「これもオマエのためだ。シズク。」
そう言うとイースは隣の空間に玉虫色をしている空間の穴を作り出す。
「さぁ。戻ろうシズク。」
「ッ嫌だッ!私が戻ったら、世界が壊れちゃう!」
平行線を辿る二人の問答を聞いて、雪花が“マタンII”を握りなおす。
「なんだか知らないけど、穏やかじゃないわね。」
「うん。どうにもあの子を渡しちゃまずそうだね…。」
二人が小声でどうするか相談していると、メコッと病院の廊下の床が盛り上がったかと思うと床を破壊して二人の少女が現れる。
「な、何!?」
「よっと!」
羽の生えた天使のような少女、ミカエルが龍香達に、蜘蛛の脚を背から生やした四つ目の少女がイース側に降り立つ。
「やるザマスね!」
「いきなり4体4…ってとこからしら。」
「これ以上、ワガママは通らないよ。シズク。」
そう言うとイースは今までとは比べものにならないほどの殺気を放つ。
「はっ、こっから本気って訳?」
雪花が軽口を叩くが、それとは裏腹にかなり本気に身構える。まさしく一触即発。互いの獲物が光り、全員がいつ仕掛けるか見極めていた、その時だった。
「もう、やめて!イース!!」
瞬間、シズクが手に持っていたペンダントが淡く青く輝き出す。
「な、」
「へ?」
「何の光!?」
次の瞬間青い光がシズク、龍香、ミカエル、きゅーばんちゃんを包み込む。そして次の瞬間、包み込んだ青い光がより一層蒼く輝いたかと思うと包み込まれた四人の姿が一瞬で消える。
「なっ」
「なんじゃとて!?」
残された者達が困惑する中、イースは先程まで少女がいた箇所を忌々しそうに見つめて憤る。
「……シズク…!何故…!?」





「うっ……」
龍香が目を覚ますと視界一面に白い天井が広がっていた。見たこともない、しかしどこか懐かしさと既知感を覚える不思議な内装に龍香は困惑する。
「ここは……」
ベッドで寝ていたようで、シーツを捲って身体を起こした、その時だった。
「あら、目が覚めたのね。」
「良かったぁ〜。いきなり家の前で女の子が四人も倒れていたから何事かと思ってなぁ。」
龍香に桃色の長い髪をポニーテールにまとめた柔和そうな女性と赤茶の短髪でガタイのいい気の良さそうな男性が龍香に話しかける。
「あ、あの。よくわからないけど、助けてくれてありがとうございます。その……貴方達は?」
龍香が尋ねると、男性が女性の肩に手を回して答える。
「おう!俺が紫水昇鯉(しすい しょうり)。そしてこっちが嫁さんの紫水龍那(しすい りゅうな)だ!」
「お見知り置きを、ね。」
二人が微笑むが、龍香はその苗字を聞いて固まる。
「えっ、し、しすい?」
慌てて龍香が辺りを見回していと、ふカレンダーが目に入る。そこには……今から十八年前の日付が記載してあった。そのことに、龍香は顔が青くなる。
「も、もしかして私……」
(過去に来ちゃった!…そして、もしかして今目の前にいるのが私のお父さんとお母さんなの!?)
摩訶不思議な現象の連発に龍香は心の中で絶叫した。





To be continued……

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