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  • セブンスカラー 二十四話 うつろう愛

創作女児小学生ズ@wiki

セブンスカラー 二十四話 うつろう愛

最終更新:2022年06月26日 11:04

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だれでも歓迎! 編集

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更新日:2022/06/26 Sun 11:04:21

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はーい!今回あらすじを担当するプロキオンです!前回はアルレシャとトゥバンが、龍斗と龍賢の兄弟が戦って、決着が着いたんだったね!
アルレシャ、仇はきっと討つからね…!向こうで見守ってて…!
さて、くよくよしてられないよね!どうなる二十四話!




それはなんて事のないどこにでもある出来事。
道を歩いていたら、たまたま落とし物をした。彼がそれに気づかず歩いて去ろうとした時。
「あの」
後ろから女性の声で呼び止められる。呼ばれた彼は振り返る。
その瞬間──周りの音が消えたように感じた。そこにいた女性は少し、灰色の前髪に美しく長い黒髪を後ろで一つにまとめた綺麗な女性だった。
その女性は彼が落としたものを拾い上げ、彼に渡す。
「落としましたよ。」
女性はそう言って彼に落とし物を返す。
「あ、ありがとう……。」
「どういたしまして。」
彼が感謝の返事伝えると女性は少し笑ってその場を立ち去る。彼女の笑顔を見た時……不覚にも彼は自分が恋に落ちる音を聞いた。






日が差し込む病室の真っ白なシーツが引かれたベッドの上で龍賢は目を覚ました。
「ここは……」
「気がついたかい?」
目を覚ました龍賢が身体を起こすと、そこには林檎を綺麗に剥く月乃助の姿があった。
「結衣さん……」
「月乃助でいいよ。」
「……月乃助さん。その、龍斗は」
「彼なら生きてるよ。まだ目を覚さないけどね。安心したまえ。命に別状はないそうだ。」
月乃助がそう言うと、龍賢は安心したように目を細める。
「そうか……良かった。」
「ま、そう言うわけだから怪我人は寝ていたまえ。君とて彼ほどじゃないが怪我人なんだからね。」
「面目ない。」
そう言って龍賢が再び横になると、コンコンと病室の扉がノックされる。
「どうぞ。」
「失礼します。」
月乃助がそう言うと、龍香が扉を開けて病室に入ってくる。
「龍香。」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「見ての通り、俺は大丈夫だ龍香。心配するな。」
そう言ってあちこちに包帯を巻いた龍賢が腕を広げておどけて見せると、月乃助がため息をついて。
「どこに骨が14本も折れてる健康体がいるんだい。あとのことは私達に任せて寝とけばいいんだ。」
そう言われて龍賢が困ったように笑っていると、龍香がおずおずと言った様子で月乃助に話しかけてくる。
「そ、その。月乃助さんにちょっと相談したいことがあって。」
「ん?この天才に相談?」
「うん……あの、私を強くして欲しくて。」
「強く?」
龍香の相談に月乃助が聞き返すと。
「うん…今まで戦ってて思ったけど、今のままじゃこれから先戦えるか分からなくて。それで雪花ちゃん達みたいな装備って作って貰えないかなって。」
「成る程。外付けで強化したいから私に相談、か。」
「ダメ……ですかね。」
龍香が少し不安そうに尋ねると、月乃助はケロッとした顔で答える。
「いや全然。寧ろ君の強化プランはデータを見せて貰った時からいくつか考えていた。」
「え。」
「前に出して貰えなくて暇だったからな。後は君の詳細なデータを得るだけ……なんだが。」
月乃助はそこまで言うとふむ、と指を顎に当てしばらく思案した後。
「うん、じゃあ採寸するからここで服を脱ぎたまえ。」
「ひぇ?」
月乃助の突飛な発言に龍香は顔を赤くし、龍賢はむせる。
当然納得出来ない龍賢が食ってかかる。
「つ、月乃助さん!いくらなんでもここでそのような事を行うのは」
「ジョークだよ。流石にこんな計測器具もない所でやる訳ないだろう。」
「タチが悪い……。」
《俺が言えた義理じゃねぇがコイツもいい性格してやがるな。》
トゥバンの言葉に龍賢は珍しく同意していると月乃助がクスクスと笑いながら言う。
「君、憑き物が落ちたら随分と面白味のある男になったな。」
《そりゃあ大切な弟君を取り戻せたんだから、なぁ?》
トゥバンが龍賢にそう言うと、龍賢は一瞬キョトンとした顔をした後すぐに微笑む。
「……そうだな。今となってはアイツと龍香が俺の家族だ。……けど、両親がいない今、龍姫姉がいてくれたらどれほど心強かったか……。」
「龍姫?」
龍香が尋ねると、龍賢は一瞬驚いた顔をするがすぐに思い直したように言う。
「そうか。龍香は知らなかったな。龍斗には姉がいてな。その姉の名前が龍姫だ。」
「龍斗兄さんにお姉ちゃんがいたんだ。」
「あぁ。両足が不自由で苦労していたが……それを感じさせない強さと優しさを持った素晴らしい人だ。……12年前の事故で叔母と亡くなってしまったが。」
「そう……なんだ。」
《………》
その場の空気が少し重たくなるが、月乃助がそれをぶち破るようにパン!と手を叩く。
「はい!重たい話はそこまでにして、私のプランに付き合って貰うぞ龍香!」
「へ?」
「まずは詳細なデータ集めだ!天才は細部にまで拘るからな!今日はずっと私に付き合うと思ってくれたまえ。」
「は、はい!」
「うむ。良き返事だ。では、妹さんをお借りするよ。」
「お兄ちゃんしっかり休んでてね。」
「あぁ。あまり無茶はするなよ。」
そう言うと二人は病室を去ってしまう。去った後一人になった龍賢はボスっと頭を枕に沈めて窓から広がる青空を見て、目を閉じた。






「ムゥ〜ん、ムゥ〜ん、ムゥ〜〜〜ん」
「どうしたのベデルギウス。そんなに唸って。」
室内を唸りながら、所狭しとドタドタ歩き回る3、4メートルはあろうかという巨人ベデルギウスにソファに寝っ転がりながらプロキオンが尋ねる。
すると、ベデルギウスは歩き回りながら。
「いえ、少し悩み事がございまして……ただ、それはあまり他の者に相談しにくい事と申しますか……」
「えーっ?なら私誰にも言わないからさ。私に相談してよ。」
プロキオンが起き上がってベデルギウスにそう言うと、彼は立ち止まって後頭部をかきながら少し照れくさそうにプロキオンに言う。
「そ、その。シードゥスとして恥ずべき事だとは思うのですが……人間に恋をしまして。」
「え、また?」
ベデルギウスの告白にプロキオンはそう返した。





高校の教室でクラスメイト達がワイワイと話す中で、男子制服姿の黒鳥もそれに混じって話をしていた。
(正直男子の制服なんてもう着なくてもいいんだけど。)
そう、父の影響で男性として通ってはいるが父がいない今、別にやらなくてもよいのだが今更女でしたと言って無闇に混乱を招くのも如何なものか、と思った黒鳥は男子として未だに学校に通っている。それに、以前は男として振る舞うことに嫌悪感があったが、色々と吹っ切れた今はあまり気にならなくなっていたのだ。なので今日も男子達と昨日の番組何を見たか、ネットでどうの、そんな下らない話をしながら黒鳥はそんなことを思っていた。
すると、一人の男子が黒鳥に話しかけてくる。
「黒鳥ってさぁ。彼女いないの?」
「いないよ。残念だけど。」
「マジ?お前のことだから一人や二人いるかと思ったんだけど。」
「いや二人いたらマズイでしょ。」
なんてやり取りを友人としている時だった。ピロン♪と携帯に着信が入る。
「ん?誰からだ?」
黒鳥が携帯を開くとそこには赤羽からメッセージが届いており、見れば。
《放課後、公園。》
と短く書いてあった。
(?珍しいな。)
「誰から?」
「んー、友達から。」
なんてやり取りをしているとチャイムが鳴り、適当に授業を受け、放課後になると黒鳥は公園へと脚を運ぶ。
公園につくと、そこには赤羽がいて、三、四人程赤羽のクラスメイトとおぼしき少女がいた。黒鳥が近づくと何故か少女達は黒鳥を見てヒソヒソと話し込み始める。
「赤羽。言われてた通り来たが……」
少し不思議に思いながらも黒鳥が赤羽に声をかけると赤羽は無言でツカツカと歩いてくると、ギュッと黒鳥の右腕に腕を回してクラスメイト達に言う。
「コイツが、私の彼氏。ね、“飛鳥”。」
「は。」
赤羽の突拍子もない発言に黒鳥が困惑すると同時に、それを聞いたクラスメイト達が黄色い悲鳴をあげる。
「嵩原さんホントにカレシいたんだー!」
「びっくり!正直嘘だと思ってた!」
「お二人はいつから付き合ってるんですか?」
「お、おう……」
クラスメイト達を適当にあしらいながら黒鳥は焦って小声で赤羽に尋ねる。
(ちょ、ちょっと!これはどういうこと?)
(……揶揄われてつい。)
珍しくちょっと申し訳なさそうにする赤羽が言うには今日の昼頃にクラスメイト達と彼氏彼女の話をしていたそうだ。
いる、いないでキャイキャイしているとあまり喋らない赤羽に白羽の矢が飛んできたのだ。
「嵩原さんって彼氏いるの?」
赤羽はその下らない質問にいる訳ないでしょ、と答えようとした。だが赤羽答えるより先に別のクラスメイトが。
「えっー、でも赤羽さん寡黙だし彼氏いなさそう〜」
この言葉にカチンと来た負けず嫌いの赤羽はつい咄嗟に。
「いるわよ。彼氏ぐらい。」
嘘をついた。勿論彼氏を見せてみろという話になり、パッと彼氏として誤魔化せそうなのが黒鳥だったと言う訳だ。
(……赤羽って結構後先考えないタイプだよな。)
(……悪かったわよ。)
流石にこれは申し訳ないと思っているらしく珍しくシュンとしょげる赤羽。
黒鳥は少しため息をつくと。
「えぇ。赤羽がお世話になってます。赤羽の彼氏の黒鳥です。」
笑顔でそう答えた。より一層黄色い悲鳴が上がり、赤羽は驚いたように黒鳥を見る。そんな赤羽に黒鳥は人差し指を立ててジェスチャーをする。
(貸しイチだな。)
(……ありがと。)
少女達の質問責めに黒鳥が対処しようとしたその時。
「ちょぉーと待ったー!!」
突然の一声に全員が固まる。声がした方を見ればそこには赤黒い髪の少女と二メートルはあろうかという筋肉質な男性がいた。しかも何故かスーツで。
「な、何ですかって貴方達ってシオンちゃん?」
突然の乱入者に困惑する黒鳥だが、その中に見知った顔のシオンを見つけた黒鳥が話しかけるとシオンは手を振って。
「あ、確か龍香のお友達の。久しぶり。」
「え、うん。久しぶり。……って、いやどうしたの突然。」
「知り合い?」
「あぁ。前話した雪花と龍香と一緒にケーキ奢って貰ったおじさんの孫娘さん。」
「あー。」
「ほらほら。当たって砕けろ。」
「は、はい。あ、あの俺、ベデル•ギニアスって言います!」
なんてやり取りをしていると、シオンに急かされるようにカチコチと機械のような動きで黒栗色の髪を刈り上げた角刈りにし、彫りの深いラテン系な顔つきの屈強そうな大男、ベデルが前に出る。
そしてパッと片手を前に突き出す。……黒鳥に。
「貴方を一目見た時から好きです!俺と付き合って下さい!」
「ええええええええ!?」
全員が驚愕の声を上げる。突然の告白。そりゃ驚くなと言う方が無理だろうが。
しかし何より驚いているのは告白された当の本人の黒鳥だ。
「え、わ、わた……私!?一目って、私どこかで会いましたか!?」
「あ、あの。一昨日落とし物を拾って頂きまして」
「あ、あーあの時の!」
思い出した黒鳥が納得している中、ヒソヒソとクラスメイト達が話し始める。
(えっ……男同士、だよね?)
(でも黒鳥さん結構女顔だし見栄えは良いよね。)
(なんかちょっとワクワクしてきた。)
好き放題言うクラスメイト達。赤羽が慌てて彼らに詰め寄る。
「でも、男同士だけど、いいのアンタは!」
「愛に性別は関係ない!大切なのは気持ちだろう!」
「それは、そうだけど……って何顔紅くしてんのよ!」
大男の真っ直ぐな想いをぶつけられた黒鳥は困惑はしているものの悪い気はしないようで。
「い、いや。こんなストレートな告白受けたの初めてで…ちょっとドキドキしちゃって。」
「ドキドキしてるんじゃないわよ!」
なんてやり取りをしていると、返事が中々ない事に大男はかなり悩んでいるようでヒソヒソとシオンに耳打ちをする。
(中々返事が貰えません……これは脈なしでしょうか。)
(いや、今彼女は悩んでいるのよ。あともう一押し、プレゼントを渡せばいける!)
(成る程!流石プロキオン様!)
そう決断すると大男はバッ!と赤い薔薇の花が大量に包まれた花束を取り出す。
「その、本当はこんなもんじゃ足りないくらいなんですけど!これが俺の気持ちです!」
大男の熱烈なアピールを受けた黒鳥はとうとうちょっと目を逸らして。
「い、いきなり彼氏彼女は無理だけど……その。お、お友達から始めましょう。」
「い、良いんですか!?やった!やったぞー!」
「やったなー!」
黒鳥が了承したことで手を上げて喜びをあらわにする二人。突然の出来事に目を丸くする赤羽。そしてポンっと肩を叩かれる。振り返るとそこには何故か生暖かい目をしている同級生三人が。
「や、やめなさい。その目をやめて!何かまるで私がフラれたみたいで納得いかない!」
新たなカップル誕生の横で赤羽の叫びが木霊するのであった。





「〜〜♪」
「あら、なんだか嬉しそうね飛鳥。」
基地内食堂で山形がご機嫌で夕食を取る黒鳥に話しかける。山形に話しかけられた黒鳥は少し照れくさそうに。
「そ、そんなに嬉しそうですか?」
「ご機嫌に鼻歌まで歌っていりゃ分かるわよ。」
黒鳥に同じく食事をしていた雪花がそう返すと、黒鳥は恥ずかしそうに頬を染めて口を紡ぐ。
「で、何があったの?彼氏が出来たとか?」
「ハハ、そんなわけないじゃ」
「その、告白されて。明日デートに行くことになったんです。」
「え」
嬉しそうに答える黒鳥。固まる雪花。山形はおぉ、と感心したように話しかける。
「やるじゃない飛鳥。明日のデート、楽しんできなさい。」
「はい。」
嬉しそうに答える黒鳥を横目に雪花は固まったままコトンとスプーンを落としたのだった。




「あー、クソ。最近ケチがつきっぱなしね。」
とある一室で頬杖をついてアンタレスが明後日の方を向きながらぼやく。
「むぅ……我ながら不甲斐なさの極み……これは腹を切ってプロウフ様に詫びるべきでは…」
「わざわざ貴重な戦力をドブに捨てないでよ。そりゃアルレシャを失ったのは超痛手だけど。」
意気消沈といったレグルスにアンタレスがツッコミを入れる。ルクバトは黙って紅茶を啜っている。
先日の失態──ツォディアの一人、アルレシャを失ったのは大なり小なりこの場にいる幹部達に暗いものを落としていた。
「騒がしかったこの部屋も随分と静かになったな。」
ポツリ、とルクバトが漏らす。その通りで12人いたツォディアも今はたったの3人となってしまっていた。
「………そーね。」
アンタレスがそうボヤくと、ふと。アルレシャの言っていたことが頭に思い浮かぶ。
そう、“新月”とシードゥスの戦いをコントロールしている疑惑のある第三者がいるかも、という可能性だ。
「……この場面をコントロールしている第三者、か。」
そう呟くとアンタレスは席を立ち、部屋を出る。
「どこに行くんだ?」
「ちょっと野暮用よ。」
そう言って部屋を出たアンタレスが歩いていると、何故か屈んでいるプロウフを発見する。
「何してるの?」
「アンタレスですか。いえ、その。少し困ったことになりまして。」
珍しく困った様子のプロウフを見て、気になったアンタレスがプロウフの視線の先に目を落とすと、そこには何故か肩を震わせながら号泣しているプロキオンの姿が。
「うぅ〜〜ぐずっ、ひぐぅ〜〜!!」
「……何があったの?」
「いえ、その。私の不注意ですが、カストルとアルレシャが亡くなったことを聞かれてしまいまして。」
申し訳なさそうにそう言うプロウフを見て、アンタレスは呆れたように頭を抱える。
「はー……アンタ、もしかしてあの二人が死んだから泣いてんの?」
アンタレスが尋ねるとプロキオンは余程泣いたのか涙でぐずぐずになった顔で叫ぶ。
「だっでぇ!ぶだりどもながまだっだんだよ!?ながまがじんだらがなじいのはあたりまえでしょ!?」
プロキオンは泣きながら怒りを露わにする。
「許さない……カノープス!魔龍少女とかいうの!見つけたら私が倒してやる…!」
プロキオンの言葉にアンタレスは驚く。
シードゥスは基本同種に対して非常に無関心な種族だ。比較的横に関心がある上位種ツォディアでも少し悲しいとは思いつつも取り乱す程他人を思いやることはない。
しかしプロキオンは下位種でありながらカストルとアンタレスの死を悼み、悲しみ、怒っているのだ。
「プロキオン、アンタ。」
思わずアンタレスが声をかけようとした時、プロウフが先にプロキオンに言う。
「プロキオン。部屋に戻っていなさい。落ち着いたら、彼らのためにしてやれることを考えましょう。」
「……うん。」
プロウフにそう言われて、プロキオンは肩を落としながらその場を立ち去る。そんな彼女を見送っているとプロウフがアンタレスに言う。
「素晴らしいですね。彼女は。」
「は。」
「彼女は我らのシードゥスとは別の進化を見せてくれるかもしれませんよ。」
「………そうね。そうかも。」
そう言うとプロウフもその場を立ち去る。しかしアンタレスは見逃さなかった。
プロウフの目が他人を観察するかのように妖しく光っていたことに。





駅のホームでベデルが待っていると、白いカーディガンに藍色のワンピースといったカジュアルな服に髪を下ろしたの黒鳥が彼に声をかける。
「お待ちしました?」
「いえ!全然待っていません!…やはり、女性の方でしたんですね。」
「はい。あの時は色々ありまして……」
少し照れくさそうにする黒鳥の手を取り、ベデルは言う。
「では、いきましょうか。」
「はい。」
そして二人は談笑しながら街道を歩いていく。そして、そんな二人を後からつける三人の人影が。
「……行ったわね。」
「この時間にあの方向に行くってことはきっと何処かでランチにするつもりよ。」
何故かサングラスをかけた赤羽と雪花が二人を監視しながら言う。そしてその後ろには二人を引いたように見つめる龍香の姿が。
「ねぇ、私こういうのよくないと思うんだけど。」
《確かにそうだな。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてなんとやら、だ。》
龍香とカノープスが苦言を呈するが、二人は逆に龍香に詰め寄る。
「バカねアンタ!あんたはあの訳の分からない告白を見てないからそう言えるのよ!」
「まぁ告白は私も見てないから知らないけど、一目惚れなんて今どき中々ありえなくない?」
「それは……そうだけど。」
赤羽と雪花の言葉に龍香も渋々頷く。まぁ確かに黒鳥の交際相手が気にならないかと聞かれれば嘘になるが…。
「アイツはただでさえ恋愛面は少女漫画なんだから私達が見てあげないといけないのよ。」
「そーそー。これも黒鳥を思いやってのことなの。」
《いや、好き勝手言ってるがお前ら誰かと恋愛したことあるのか?》
「「………」」
カノープスの一言に二人が黙る。そした二人はビシッと龍香にチョップを決める。
「あいた!?何で私!?」
「あ、目標が動いたわよ。」
「着けるわよ。」
「ねぇちょっと聞いてる!?」
そんな龍香をさておいて、二人が先に尾行し始め、龍香も渋々ついていこうとした時だった。
「龍香?そこで何をしているの?」
「ひゃう!?」
突然後ろから声をかけられて、ビックリした龍香が振り返るとそこには赤黒髪の少女、シオンの姿が。
「し、シオンちゃん?急に声をかけられたからビックリしたよ。」
「いや、植木に隠れてコソコソしてたから何してるのか気になって。」
「うっ、いやまぁそれはその深い訳が…」
龍香がどう言い訳しようか悩んでいると、ふとシオンの顔を見て気づく。
目の周りが泣き腫らしたように真っ赤になっているのだ。
「シオンちゃんどうしたの?その、泣いてたの?」
気になった龍香が尋ねるとシオンは少し口籠る。だが、龍香を見て喋っても良いと思ったのか口を開く。
「えっ、あぁその、実は…」







「さぁて、今度はどう仕掛けるか…」
河原の土手で寝っ転がりながら薄紫色の髪の少女、白龍香が龍香にどう仕掛けるか思案していた。
(私が怒りそうなこと……)
白龍香がそんなことを考えながらふと、目を閉じると。
「あれ、龍香?」
「お前こんなとこで寝たら風邪引くぞ?」
声をかけられて、白龍香が目を開くとそこには白龍香を覗き込むかおりと藤正の姿があった。
「かおりと…藤正…くん。」
「そーよ。ねぼすけさんね。」
かおりが笑いながら手を差し出してくる。白龍香はふと、ある考えが浮かぶ。
(ここでコイツらを殺してその死体でも見せつければ…いや、コイツらを連れて目の前でやった方が…)
きっと私は怒るだろう。いや、もしかすると怒りすら超えて私を殺そうとするかもしれない。
(いいじゃない。そうと決まれば)
白龍香がニヤリと笑ってかおりの手を取って立ち上がる。するとジッと龍香を見ていた藤正が。
「龍香お前なんか目が赤いけどなんかあったのか?」
「えっ」
藤正の何気ない問いに一瞬白龍香は正体がバレたか、勘繰る。こうなっては連絡が行く前に口を封じるか、と思い変身しようとする。しかし藤正の覗き込む目から白龍香はどうしても目が反らせない。
(……!?)
しかも胸がドキドキと高鳴り始め、頬が紅くなる。身体が指一本動かない。
(コイツ、私に何を…!?)
白龍香が困惑したまま動かせないままでいると、かおりがははーんと何かに勘づいたように龍香に言う。
「さては龍香……イメチェンね?」
「え?」
「あー!成る程カラコンか!」
かおりの言葉に藤正が相槌を打つ。白龍香がポカンとしているとかおりは白龍香の肩を叩く。
「どんな龍香でも私は構わないけどさ。カラコンしたならしたって言ってよー。ビックリしちゃったじゃん。」
「お、俺もどんなお前でも、その……す、す……良いと思うぞ。」
「逃げたわね。」
「うるさいよ!」
二人がぎゃーぎゃーやってるのをポカンとした表情で見ていた白龍香だったが、ふと身体が動くことに気がつく。
(身体が動く!今なら)
白龍香が二人に攻撃を加えようと手を伸ばす。
「え?」
「り、龍香?」
「………は?」
白龍香はギュッと二人を抱きしめていた。
二人は突然のことに驚いたように声をあげ、白龍香も状況が飲み込めず間の抜けた声を出す。
近づいたことで感じる二人の鼓動と吐息を聞くとさらに頬が紅くなり、胸の高鳴りを抑えきれなくなった白龍香は二人から離れると誤魔化すように笑いながら。
「は、ハハハ。じ、ジョークよ。ジョークアハハッ」
そう言ってその場を急いで後にする。
そんな白龍香をかおりは見つめながら。
「照れるならやんなきゃ良いのに。ねぇ藤正…」
「……これ、夢?俺今龍香に……なぁ桃井!これってゆぶげらっ!?」
舞い上がる藤正のお腹に一発拳を入れたかおりは倒れる彼に吐き捨てるように言う。
「良かったわね。現実よ。」






「ベデルさんは外国の方なんですか?」
「えぇ。と言っても両親がそうであっただけで、私は日本育ちですが。」
「そうなんですね。」
「よく日本語上手ですね、と言われますが、逆に母国の言葉が全く喋れなくてよくガッカリされます。」
「ふふふ」
楽しそうにカフェでお茶をしながら笑う二人を黒鳥の後ろの席で聞き耳を立てながら雪花と赤羽は監視を続けていた。
「随分と楽しそうに話してるわね。」
「今のところ怪しい素振りはなし、か。」
黒鳥が楽しそうに笑う姿を見て、オレンジジュースを啜りながらふと雪花はボヤくように。
「……アイツ今幸せなのかな。」
「は?」
雪花の言葉に赤羽が何言ってるんだ、と言った顔をする。
「いや、私達今戦ってるけどそれが終わったら…あんな風に誰かと笑って、恋をして、子供を作るのかなぁってふと思ってさ。」
「知らないわよ。もしかしたら明日には私達死ぬかもしれないんだから。」
「まぁ、そうだけど。」
赤羽は複雑そうな顔をする雪花を見て、ふぅと溜息をつくと。
「……気になるなら生きなさい。生きて、確かめてみればいい。戦いが終わった後の自分を。」
「…それもそうね。」
赤羽の言葉に雪花は笑うとサングラスを再び掛け直して立ち上がる。
「目標が移動するわ。行くわよ。」
「分かったわ。それにしてもこんなに移動するならパン位持って来れば良かったかしら。」
「私は持ってるわよ。監視の定番アンパンと牛乳。」
「…何か微妙に違くない?」
「そう?」
二人はそんなことを言い合いながら黒鳥達の後をつけた。







「大丈夫?」
「うん。」
取り敢えず公園のベンチに二人は座り込む。龍香が何があったのかを尋ねると、シオンはポツポツと語り始めた。
「あの、そのね……つい最近だけど仲間が、死んだんだ。」
「えっ」
思ったよりも重い衝撃的な告白。シオンは顔を伏せつつも目だけ見上げながら龍香に言う。
「ちょっと乱暴だけど、いい奴で。意地悪だけど悪い奴でもなかったの…」
ションボリするシオンに何と声をかけるべきか、龍香が図りかねていると。
「…その、龍香も困るよな。こんな話をされちゃ。」
落ち込むシオンに龍香はふと二年前の自分を彼女に重ねる。父を。母を。兄を失い、失意のどん底に沈み、常に不安と寂しさに苛まれた日々。
大切なものがいなくなることは何よりも辛い。その苦しみが龍香には痛い程分かった。
「…龍香?」
気づけば、龍香はシオンをギュッと抱きしめていた。
「…シオンちゃん。気休めかもだけど今は私がいるから。」
「……うん。」
そう言うとシオンは龍香をギュッと抱きしめ返す。互いの鼓動と吐息が耳元で反響する。
抱きしめあってどれ程の時間が経過したのか。シオンが囁く。
「……龍香は、いなくならないよな。」
「うん。約束する。私は、シオンちゃんの前からいなくならないよ。」
龍香はシオンの目を見つめ返してそう言う。真っ直ぐ見つめ返されたシオンは微笑む。
「ありがと、龍香。元気出た。」
「良かった。」
そして見つめ合ったままシオンは龍香にキスをする。少しビックリするが、今までのことから慣れたものだ。
「やっぱり、龍香と会えたのは運命かもしれないな!」
シオンはそう言って立ち上がると、龍香に手を振って別れる。
そんなシオンを見送っているとカノープスが声をかけてくる。
《……俺は、良いと思うぞ。お前が誰を好きになっても。誰が何と言っても俺はお前の味方だからな。》
「いやだから違うんだって!シオンちゃんとはそんなんじゃないから!」
龍香はこの後30分程カノープスに弁明し続けるのであった。






「……日が、落ちてきましたね。」
「えぇ。名残り惜しいですが、そろそろお別れですね。」
夕焼けと共に太陽が水平線に沈み込み始め、辺りが暗くなっていく中、公園を黒鳥とベデルが歩く。
今日あった出来事を語りあい、取り止めのないことで笑う。だが、楽しい時間というのは終わるのは早く、気づけばもう日が暮れていた。
「今日は楽しかったです。」
「えぇ。ボクも楽しかったです。多分今まで貴方と一緒にいる時が一番楽しかった。だからこそ、名残惜しいんです。」
「そう言って頂けると嬉しいです。」
「えぇ。ホント。残念ですが、それと同時に嬉しくもあります。」
「?」
ベデルの言葉に黒鳥が小首を傾げると、ベデルは彼女にニヤリと笑い掛ける。
「過去最高のコレクションが出来そうですから!」
次の瞬間ベデルの巨大な身体がさらに膨れ上がり、そこには三、四メートルはあろうかという筋肉質の化け物がそこにいた。
「え」
「さようなら。君のことはずっと忘れないだろう。」
突然の出来事に判断が追いつかず、唖然とする黒鳥を吹き飛ばさんと薙ぐように怪物ベデルギウスが剛腕を振るう。
哀れ、黒鳥の華奢な身体が吹き飛ばされるかに見えた。
だが、次の瞬間横から飛んできた銃弾と針がベデルギウスに炸裂し、後退させる。
「ぐ?何者だ!」
「怪しい奴だとは思ってたけど、まさかシードゥスだったとはね!」
「黒鳥、大丈夫?」
横から変身した赤羽と雪花がベデルギウスを牽制しながら現れる。
「あ、貴方達……もしかして着けてたの?」
「ぎくっ」
「そ、そんなことはいいから今は戦うわよ!」
「……もう!」
黒鳥は鞄からマスクを取り出すと、それを装着し黒翼をはためかせる。
一方のベデルギウスは攻撃された腕を少し痛そうに振るいながら。
「まさか“新月”の女だったなんて。」
「貴方…私を騙していたの?」
黒鳥が問いを投げかける。だがその言葉をベデルギウスは真っ向から否定する。
「いや、君に一目惚れしたのはホントさ。それに今までお付き合いした女性の中で一番楽しかったのもホント。」
「なら、なんで」
切実な黒鳥の問いにベデルギウスは答えた。
「それは、君が健康的な身体をしていたからだ。」
「……は?」
衝撃的な回答に全員呆気に取られる。だが、お構いなしにベデルギウスは喋り始める。
「豊満な身体、健康的な肢体!かなりの運動をしていると見た!そう言った若く美しい女性の魚拓ならぬ人拓を集めるのがボクの趣味でね……君は今までのコレクションの中で最高の物になるとボクは確信している!」
そう言うとベデルギウスはどこからともなく巨大な半紙と墨汁が入った容器を取り出す。
「という訳で是非!君の人拓を取らせてほしい!」
あまりにもあんまりな要求に雪花と赤羽がドン引きする。
「さ、最低……」
「女の敵…」
衝撃的な告白を聞いた黒鳥はしばらく黙っていたが次の瞬間、爬虫類のような尻尾と蜘蛛の頭を模した手甲を生やし、怪物形態ミスキュリオへと変貌する。
「……初めてあんなに熱烈な告白をされたのに、一生懸命着ていく服とか、悩んだのに…!話をして、一緒にいたいな、とか思ったのに!」
ビキリ、とこめかみに青筋が浮かび、マスクと一体化し最早地獄の怪物もかくやたる恐ろしい顔つきになった黒鳥を見てさらに二人がギョッとする。
「私の恋心を弄んだ罪、償って貰うわ!行くわよ藍!赤羽!」
「「は、はい。」」
そう叫ぶと黒鳥は飛翔してベデルギウスに襲いかかる。黒鳥を見て二人はヒソヒソと。
(今まで一番やる気出てない?)
(お父さんと戦った時もそこまでじゃなかったと思うんだけど…)
なんて話しながら、彼女に続くのであった。






日が沈む中、シオンは鼻歌混じりに歩いていた。
(龍香と会えて良かった。プロウフが世界を壊しても、私は龍香と一緒。楽しみだな。)
余程上機嫌なのか、シオンはスキップまでし始める。夢心地で彼女が帰路につこうとした瞬間。
目の前を疾風が駆け抜ける。常人なら視認することすら困難な速度。
しかし、シードゥスたるシオンにはバッチリと見えてしまった。恐竜の頭骨を模した鎧を身につけて疾走する薄紫色髪の少女の姿を。
その姿をを見た瞬間、シオンの中にゾワゾワと黒い感情が噴き出す。
「魔龍少女…!」
シオンはその黒い衝動に突き動かされるようにその後を追った。





「はあああああああ!!」
黒鳥の体当たりがベデルギウスの体勢を崩す。そしてそれを見た雪花と赤羽がその隙を逃すまいと銃撃と針で追撃する。
「ぐおおおお」
さらに体勢を崩すベデルギウスに黒鳥は両腕から糸を射出し、巻き付ける。そして糸を通して電流を流し込む。
「おおおおお!?」
怯んだベデルギウスに黒鳥は上空から尻尾を叩きつけてベデルギウスを倒す。
「まだまだ!私の怒りはこんなもんじゃない!」
頭を振って気づけするベデルギウスに黒鳥が叫ぶ。
「くう、流石は私が見込んだ女性だ…!」
ベデルギウスはそう言って立ち上がるとどこからともなく巨大な棍棒を取り出す。
「どうしても君が欲しくなった!」
「勝手なことを言わないで!」
黒鳥が翼を広げて電流を纏った羽根を発射する。それをベデルギウスは棍棒を振って弾いて防ぐ。
「今!」
一瞬の隙をついて赤羽が刀を振るう。しかし振られた刃はベデルギウスの頑丈な皮膚にカァンと音を立てて弾かれる。
「硬い!」
「なら!」
ならばと雪花が銃を構えるが、それを見たオリオンは棍棒をフルスイングすることで地面を抉り飛ばし、土塊を雪花に向けて放つ。
「いっ!?」
豪速で迫る土塊から腕を交差して身を守るが、勢いは凄まじく、耐えきれなかった雪花が地面を転がる。
「藍!」
黒鳥が雪花を心配したその隙を狙い、ベデルギウスは縄を黒鳥に向かって投げつける。
「しまっ」
「ふぅん!」
ベデルギウスが投げつけたその縄はまるで生き物のように自在に動き、黒鳥を捕縛する。そして黒鳥がもがくより先にベデルギウスが縄を引っ張って空中から彼女を引き摺り下ろす。
「うあっ!」
「ふふ。せっかくの君を傷つける訳にはいかないからね。」
ベデルギウスがそう笑って倒れた黒鳥に手を伸ばしたその時。
「レイジング……レイドォォォォ!」
横から脚の鋭い爪を回転させながら水色の形態“ヴェロキカラー”の龍香がベデルギウスを蹴り飛ばす。
「ぬぅおっ!?」
蹴り飛ばされたベデルギウスを横目に、龍香は脚の爪で黒鳥の拘束を切り裂く。
「ありがとう龍香ちゃん。助かった。」
《おいおいどうなってんだこりゃ?》
「黒鳥さん、大丈夫ですか!?」
「色々あってね……。」
黒鳥は縄を外しながら答えながら立ち上がる。
「今はアイツを倒す。一気に決めましょう!」
「はい!」
黒鳥が構えると同時に龍香もカノープスに触れて、黄緑色の形態“アンキロカラー”に変身すると戦鎚“アンキロハンマー”を構える。
「むう、また新手か。」
ベデルギウスが棍棒を構える。そして二人は地面を蹴り、跳躍するとそれぞれ回転しながら黒鳥は電気を纏い、龍香は戦鎚を振り回してベデルギウスに向かっていく。
「“トロンバタリア•フルミーネ”!」
「“クラッシュ•クラスター”!」
「たァーッ!」
真っ直ぐ向かってくる二人にベデルギウスは棍棒を振るう。振るわれた棍棒と二人の必殺技がぶつかり合う。
2対1であるにも関わらず、ベデルギウスの棍棒がググッと二人を押し返していく。
「くっ!二人で押しているのに!」
「つ、強い…!」
「はははァッ!力押しならボクは負ける気はない」
ベデルギウスがそこまで言いかけた瞬間、その脇腹をエネルギーの奔流が抉る。
「なっ、」
信じられない、と言った顔のベデルギウスが飛んできた方を見ると、そこには銃口から電子をパチパチと鳴らす荷粒子砲“へオース”を構える雪花とそれを支える赤羽がいた。
「悪いわね。力押しだけじゃないのよ!」
ベデルギウスの力が弱まったその隙を逃さず、黒鳥と龍香が均衡を打ち破り、二人の一撃がベデルギウスを貫いた。
「ご、あっ……!?」
ベデルギウスは撃ち抜かれ、致命傷となった傷を見てフッと笑うと黒鳥の方を見て。
「君は……やっぱり……最高…」
「……最後まで、勝手な人。」
黒鳥がそう漏らすとベデルギウスは爆散する。爆炎の熱を背中に受けながら二人は着地する。
「やりましたね。黒鳥さん!」
「うん……。そうね。」
「?」
「……しばらく、この恋を思い出して泣いちゃうかも。」
どこか元気なさげな黒鳥を龍香が疑問に思い、尋ねようとしたその瞬間。
爆煙を切り裂き、赤紫色の犬のような風貌の怪物が龍香に襲いかかる。
「えっ」
「カストル、アルレシャの仇、見つけたぞ!」
怪物は両手に持つ逆L字の特殊な刃を持つ小刀が龍香に襲いかかる。
龍香は慌てて“アンキロハンマー”で防御するが、それを見越していたように受け止めた柄にその刃を引っ掛けて固定すると龍香にドロップキックをお見舞いし、“アンキロハンマー”を取り上げると同時に龍香を吹き飛ばす。
「きゃっ!?」
「コイツ!」
黒鳥が翼を刃のように振るうが怪物は身を低くして回避すると刃を振るう。
「ッ」
黒鳥はギリギリ身を捻って回避する。しかし続いて繰り出された膝蹴りが黒鳥を蹴り飛ばす。
「くあっ」
思わず仰反る黒鳥を足蹴にして怪物はあくまで龍香が狙いのようで倒れる龍香へと向かっていく。
《こっちが狙いかよ!?》
「くっ」
「させるかっ」
素早い動きをする彼女に対してフォームチェンジで対応しようとした瞬間、怪物は刃を投げつける。投げつけられた刃は龍香の足元に炸裂すると爆発し、龍香を吹き飛ばす。
「きゃあああ!」
不意の一撃に吹き飛ばされた龍香は変身が解除されて、地面に倒れる。
そして倒れた衝撃で呻く龍香の前に怪物が現れ、刃を振り上げる。
「二人とも仇を今、取るぞ!」
怪物がその刃のを振り下ろさんとし、龍香と怪物の目があった瞬間、怪物の目が大きく見開かれる。
「なっ。オマエは……ッ!?」
「?」
何故か龍香の顔を見た瞬間攻撃の手を止めた怪物を龍香が見つめ返していると。
「ッ!」
いつの間にか怪物の後ろに迫っていた赤羽がその首を刎ね飛ばさんと刀を振るう。
間一髪気づいた怪物はしゃがんで避けると、赤羽に蹴りをお見舞いする。
赤羽はそれを刀で受け止めるが、怪物はそれを足場にして強く蹴って跳躍することで赤羽の体勢を崩すと同時に何処かへと去っていく。
「何だったの…?」
身体を起こしながら突然の襲撃者に龍香は困惑の言葉を口にするのだった。






「はぁっ…はぁ……」
戦線を離脱した赤紫色の怪物の怪物が息を切らせながら、人気のない場所まで来ると、先ほどの出来事に混乱する頭とバクバクと跳ね上がる心臓を落ち着けさせるように深呼吸をしながら、一人の少女の姿に戻る。
そこにいたのは赤黒髪の少女……プロキオンだった。
プロキオンは荒い息を吐きながら先程襲い掛かった仇の正体に驚きを隠せないまま信じられない、と言った表情でその思いを吐き出す。
「龍香……なんで…?」
その悲痛な問いに答える者は、誰もいなかった。





To be continued…




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