*The Elder Scrolls Ⅲ:Morrowind #CONTENTS **神の心臓 遥か昔、モロウウィンドには2つの種族が覇権を競っていた。一つはドゥーマー。深きエルフ、ドワーフと呼ばれ、機械文明を極めた者達。 そしてもう一つ。デイドラロードのアズラ、ボエシア、メファーラ三神の加護を得たチャイマー。二つのエルフ族は荒野の大地を血で染めて、争いを繰り返していた。 スカイリムにも進出していたドワーフは、チャイマーとノルドに挟まれ苦汁を舐めていた。勢力が拮抗したまま時が過ぎていく中、 ある日ドワーフがモロウウィンドにある世界一の火山、レッドマウンテンの鉱脈採掘中、地中から不思議な石を発見する。 ドワーフたちはそれを調べ、こう結論を出した。この石は、創世記に罰としてこの世界に投げ込まれた造物主ロルカーンの心臓であると。 彼らは驚愕し、そして狂喜した。この心臓の力は絶大であり、これを使用すれば、モロウウィンドのチャイマーもスカイリムのノルドも、 敵ですらなくなるだろうと。彼らは持てる全ての知識と技術を注いで、神の心臓からその力を抽出し、我が物とする三つの神器を造りだした。 『サンダー』は心臓を打つ戦槌。『キーニング』は力を収束させる剣。『レイスガード』はそれらを扱うための篭手であった。 そしてレッドマウンテンでの決戦の日。死闘に次ぐ死闘で英雄達が次々と斃れて行く中、ドワーフたちは遂に心臓の力を引き出す儀式を行った。 その結果、彼らがどうなったかは誰も知らない。その日を境に、ドワーフという種族全てが、タムリエルから消滅してしまったのだから。 結果的に勝利したチャイマーたちが見つけたのは、三つの神器と神の心臓、そして主の居ない遺跡と成り果てた、ドワーフの創造物だった。 **アズラの預言 チャイマーの戦士であるネレヴァルとダゴス・ウル。彼らは無二の親友同士であり、輝かしい功績を持つ英雄だった。 ドワーフとの決戦に勝利した彼らは、レッドマウンテンで『神の心臓』と三つの神器を発見する。 想像を絶する程の力をもつ心臓と神器の処遇を、彼らはチャイマーの三賢者『トリビュナル』に委ねると決めた。 ネレヴァルはダゴスに神器を託すと、トリビュナルと合流し、レッドマウンテンへと帰還する。 所が、彼らが辿り付いた時、ダゴスは神器の放つ異様な魔力に取り憑かれ狂喜に陥っていた。 ダゴスは、あろうことかネレヴァルに向かって、親友との誓いを守ると言い放ち、神器を渡さず襲い掛かったのだ。 4人はダゴスを打倒するものの、ネレヴァルとトリビュナルは神器と心臓を封印することに決めたのだった。 しかしネレヴァルの死後、彼らもまた神器と心臓の誘惑に負け、レッドマウンテンに赴き、神器を用いて自身を紙にする儀式を行ってしまう。 その直後、彼らの前にチャイマーの守護神であるデイドラロード・アズラが降臨し、怒りを微塵も隠さずに言い放った。 定命の者が、神になろうとするなど言語道断。ましてや死に旅立った友との誓いを裏切り、永遠を得るという卑劣を許さないと。 アズラは自らの加護を奪い去り、彼らの種族全てに呪いを掛けた。子々孫々に至るまで肌は蒼く死人のように、瞳は紅く邪悪になるように。 チャイマーではなくダンマー…ダークエルフとしての生を与え、彼らが自らの犯した罪を、永久に忘れ得ぬように。 そして彼女は預言を残した。何時かネレヴァルが転生し、モロウウィンドに顕れて、この過ちを正しに来るであろうと。
