『ペストマスク』
ペストマスクを付けた特殊な人形を操るオーヴァード。外見に関する報告例は少なく、外見が30代の男性であることしかわからない。
オーヴァード、非オーヴァードに関わらず、周囲の人間も無差別に殺害し、組織関係なしに、オーヴァードの誘拐を行っているため、UGN、FH内でも特に警戒されている。
攫うオーヴァードは決まってブラム=ストーカーシンドロームか、吸血衝動を持つオーヴァードであり、血の匂いに反応しているのではないかと推測されている。
『女性について』
宮下支部に勤め、様々なオーヴァード事件を解決してきたUGNエージェント。ブラム=ストーカーシンドロームであり、対抗種の持ち主であることがわかっている。
『バスター・キートン』
イギリス人男性で、20年前にイギリスから香港へ渡ってきた。
香港の市民病院の勤務医として働いていたが、数年前に辞職した。
◆バスターについて
- 大人しい雰囲気の男性。内向的な性格だった。
- 悪い噂はなく、勤務態度もごく普通だった。
- 彼には恋人がいるらしく、退職の理由もその恋人の介護のため。
- 時々家の話をする時、「フラスコ」という単語が混じっていた。
◆バスターの恋人について
- 名前は「イデア」というらしい。
- 外見は、姿はおろか、写真ですら見たことがなく、
名前と合わさってバスターの妄想の人物なのではないかと裏で揶揄されていた。
- バスターから聞いたイデアの特徴は、病弱で、日光の下には出れない体質らしい。
◆噂
- たびたび死体安置所から死体がなくなっていた。
- 死体はほとんどが若い女性のもので、警察に調べてもらい、犯人が捕まったところで、この事件はなくなった。
- 時々輸血パックがなくなることもあった。
『幽霊屋敷』
香港の高級住宅街にはひときわ大きい屋敷がある。この屋敷には女の幽霊が出るという噂があり、女の幽霊に魅入られた者は、ふらふらと屋敷に入っていき、二度と帰っては来れないだとか。
しかし、十数年前にとある青年がこの屋敷を買った後、幽霊の噂はまったくと言っていいほどない。この屋敷は空き家だが、現在でもその男性の持ち物となっている。
この屋敷は18世紀に建てられたかなり古い屋敷であり、有名な建築士によって作らせたものだそうだ。
この屋敷を建てた者について、とある噂では有名な錬金術師と言われていたらしい。
屋敷の寝室の写真
- 隣の女性はおそらくバスターの近しい人物だった。
- 女性は車椅子に乗っており、不健康そうなことから、病を患っていた。
- 写真立てが長らく伏せられていたことから、この女性とは突然の別れ(おそらく病死)をしたのでは。
書斎の本
- ペストマスクに似た人形に、血液を入れ、人のように動かす技術が書かれている。
- 医学書の写しや、人体図が描かれている。
『バスターの足取り』
- 退職してから、ギルドへの接触が多々見られるように
- ギルドと言っても、ギルド本部のエージェントとの接触はほぼなく、ほとんどがギルドに加入している犯罪組織である。
- 最も接触している組織が、香港の「三合会」である。
- バスターが接触した組織には、「幹部に赤の女王の信奉者がいる」という共通点がある。
- また、この事件の裏で、アークセルというFHのセル(クラン)が動いているようだ。
『空き家になった日』
- ある日、地面には大きなタイヤ痕が残されていた。その日から、この屋敷で人も幽霊も見なくなった。近隣住民は夜逃げをしたと噂したそうだ。
- その前の夜、何台ものクレーン車の音と、何かの作業音がした。しかし、このことを覚えている者はほとんどおらず、覚えている者は夢だと思っているようだ。
◆部屋の様子
- これらの実験器具は錬金術に使われている
- 錬金術に関する本がほとんどで、その中には研究ノートも含まれている
- ラテン語だということと、内容が難しすぎて理解できない。
..
『とある錬金術師の手記』
ホムンクルス生成のために、ある程度の敷地と土壌が必要だ。
世界各地の土や空気、材料の調達などを考慮した結果、
イギリスの貿易国、清に拠点を建てることとなった。
住居スペースは小さいが、研究所のスペースは十分にある。
イギリスから職人を呼び、早速ホムンクルスのための住居作りに取り掛かるとしよう。
地下1階から地上3階までの、クリスタルガラス製の巨大なフラスコが完成した。
大きさも厚さも質量も、注文通りの物に仕上がっている。
材料は揃ってはいるが、念のため追加で仕入れておこう。
※ホムンクルスの生成についての記述や過程が数十ページに渡り記されている。
ホムンクルスの製造に成功した。
このホムンクルスを「イデア」と命名する。
イデア。あれは完全なホムンクルスだ。
しかし、ホムンクルスである以上、このフラスコから出ることはできない。
フラスコもホムンクルスの一部、いわば内臓を守る皮膚なのだ。
また、フラスコ内を満たす成分もホムンクルスにとっては血液に等しい。
食事のために蓋を開けた際、外気に触れると、
イデアは気でも触れたかのように体中の激痛を訴え、体組織は著しく崩壊した。
イデアのこの問題を解決するのが、今後の課題の一つだ。
イデアの体は通常のホムンクルスより大きい、通常の女性の体躯と同等に成長するため、
フラスコの拡張は必ずしなければならない。
最も良い案は、フラスコを覆うようにさらに大きいフラスコを作り、
内側のフラスコを取り除くという手法だが、前述の通り、
フラスコ拡張の工事は食事の時より外気に触れることがやや多くなるため、
イデアにとっては耐えがたい苦痛となる。
最悪事故でも起きた場合、死に至るだろう。
フラスコにイデアの能力(レネゲイド)が及んでいるのか、
強度が以前よりも強固になっている。おそらく、イデアの防衛機制の一つだ。
フラスコの拡張を急がなければ。
イデアが外気に触れると体組織が崩壊することはわかったが、
外気のどの成分がイデアにとって猛毒になっているかは未だに不明だ。
しかし、イデアの成長を止めることはできない。
根本的な解決には至らないが、解決方法が見つかるまで、
鎮痛剤として特別製の芥子の花を、フラスコ内で栽培することとする。
赤い芥子の花は美しい。彼女の墓にも芥子の花が捧げられていたと聞いたが、
死者への手向けの花としては最適かもしれない。
※伝票が挟まれている。「絨毯(特注)」「壁紙(特注)」などなど。
職人を屋敷に呼び寄せ、住み込みで働かせていたことがわかる。
場所はインドネシア
イデアの能力についての記述。
阿片の陶酔効果で、学習能力が著しく損なわれ、感情も欠落している。
しかし、他には見られない特殊な能力を偶然にも発見することが出来た。
自らの感情の欠落を他者で補うためだろうか、
イデアは、愛情に飢えた者に力を与えることで、
心を惑わし、その者の心を見、操ることができる。
イデアに心を奪われた者は、身体のどこかに時計を模した刺青が浮かび、
その者にとって最も馴染み深いであろう、思い出の者が従者として発現する。
体の刺青が完全に消えた時、その人間はイデアの奴隷となり、
完全に理性を失ってしまう。この刺青は約24時間で消滅する。
これは、イデア本体だけの特性ではなく、イデア本体と従者が所持する能力であり、
この従者は独自の自我を持ち、本体とは違った能力を行使できると考えられる。
驚くべきことに、イデアのこの特異な従者は、この能力を無意識に使用しているのだ。
おそらく『A.Z.T.T』の本質の一つなどではないだろうか。
イデアの従者、イデア・アイディールについての記述。
イデア(本体)の従者の方には個別の自我があるようで、彼女に思考が酷似している。
また、従者は養分を吸収できないが、本体のブレイン的な役割を担っており、
本体の食事の選別、能力の使役と解除はすべて従者が行う。
私はこれらの結果から、本体を「イデア・ピューパ」(理想のさなぎ)、
従者を「イデア・アイディール」(理想の中の理想)と名付け、
「イデア・ピューパ」の全ての能力を「イデア・アイディール」へ引き継がせることで、
「アイディール」を「ピューパ」から独立、竜骸の完全体にする。
「ピューパ」から「アイディール」へ能力を引き継がせるには、
「アイディール」を一つの生命体として独立させなければならない。
そのためには、本体である「ピューパ」に力を与える必要がある。
「ピューパ」が求めているのは、人間の血液だ。
それも、ただの人間では到底「ピューパ」の力は満たされない。
「ピューパ」と同じ欲望、または能力(レネゲイド)を持つ者の血が必要だ。
幸いにも、私はその条件を満たしている。
私が再び長い眠りに着くまで、私の血をイデアに与え続けることにする。
(後のページが破り取られている)
記録者:ヘルメス
手記には赤い花が挟んであります。
◆芥子の花
- この芥子の花はレネゲイドによって品種改良されたもの
- 繊維まで真っ赤に染まっている
『フラスコ見取り図』
- フラスコ(完成系)の図が描かれている。
- フラスコというより、ガラスのボールで、出入り口がない。
- 出入りする方法は、
- イデア・アイディールの許可
- イデアの一時的な弱体化から、フラスコの強度は弱くなる
最上階には「イデア・アイディールの間」
地下には「イデア・ピューパの間」
『ヘルメス』
遥か昔から存在する古代種オーヴァードの一人。
医学、哲学の分野において膨大な知識量を持っており、都市計画についての知識も深い。
しかし、彼が最も得意とする分野は錬金術であり、その分野を誰よりも極めていることから、「ヘルメス」という名が付いた。
都築京香の証言によると、最古の賢者の石の適合者の一人であるとのこと。
『レネゲイド植物』
レネゲイドに感染した植物。主に東南アジアで栽培されている。
特に芥子畑の数は多く、UGNは芥子畑の撲滅に人員を割いているが、いまだに数多くの芥子畑が存在しているようだ。
中国のほかにもインドネシアで栽培されてる
(インドネシアにはセラム島(骨の棺があったところ)がある)
最終更新:2015年12月08日 01:50