SSログ-後日談-
あさみ卓
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~放課後、七森高校校門前~
真澄「昨日はあれほど大きな騒ぎとなっていたけれど……いつも通りそうね……」(下校中の生徒達を横目に見る)
廻「(昨日の出来事…なんか夢みたいだったなあ…
って、校門とこ、なんかざわついてんな)…って、真澄さん?!」(真澄さんの姿を見て驚く)
真澄「…!(やって来た廻くんに気づいて歩み寄る) 廻、ごきげんよう。突然来て申し訳ない。昨日はお世話になったな」
廻「ちょっ…!(汗 真澄さんっ、ちょいこっち!」(真澄さんに校門から離れるよう手招きする)
真澄「…?廻、どうしたんだ。そんなに慌てて……」(小首を傾げながらも手招きに従う)
~少し離れた路地
廻「ここくらいまでだったら大丈夫かな…(頭を掻く) どうしたんだって、真澄さん、校門のところに人だかりできてましたよ。(ちょっと俺殺気向けられてたし…汗)」
真澄「!そ、そう…来慣れない場所だったから気がつかなかった。ごめんなさい。大事になる前に誘導してくれたのだな。感謝する」
廻「い、いやあ…(照れて頬を掻く)
そういえば、七森学園に来たってことは、俺に用とか…」
真澄「用というほどのものではない。昨日のお礼が言いたいと思い、こちらへ赴いただけだ。昨日は廻のおかげで白狐を討伐することができた」
廻「!! やっぱ、俺、昨日でかい狐の妖怪を退治したんすよね!?」
真澄「そう。(頷く) …その様子だと昨日の出来事に対して実感がなかったようだな。人を勾引かしていた白狐を 倒したのはお前だ、廻。霊力の使い方がわからないと言っていたが…驚いた」
廻「いやー…霊力とか気の流れとか言われて内心焦ってたんですけど、あの化け物を目の前にしたら、怒りがふつふつと沸いてきて…。火事場の馬鹿力ってやつかな?」
真澄「私もあれほどまでの力を放出させるなんて、今まで見たことはない。友を守りたい気持ちに応えてくれたのかしら…。廻、代行から頂いた武装はまだ所持しているか?」
廻「あ、はい。これ…」(鞄から装備品を取り出す)
真澄「ふむ…。(廻くんの腕を掴み、取り出した装備品をまじまじと見る)……ありふれた装備品であれだけの力…。それに……すさまじい再生能力。覚醒したばかりなのに傷一つないなんて…」(手に触れて異常がないか確かめる)
廻「(腕を掴まれてドキドキする)あ、あ~~~~//// な、なんか変なところあったり…」アセアセ
真澄「それは本当か!?変なところとはどこだ?それに手汗が出て来ているようだが…体調が優れないのか…?」
廻「せ、正常な男の子の反応なんで大丈夫…!えっと、それより、これいつ返したら…」
真澄「それは所持しておきなさい。いつ何時、またアラミタマやモノノケの類がこの久代市を強襲してくるかわからない。私が駆けつけられない状況下では、己の身をそれで守ることになるだろう」(手の中に納めるように装備品を握らせる)
廻「は、はい…。
そーいえばこれ、普通の宝石や金属に見えるんだけど、何で出来てるんですか?」
真澄「断片と呼ばれる金属片で作られている。断片とは霊力の操作や吸収ができるものであるが、全てが解明されている訳ではなく、まだ謎は多い。それは霊力を備蓄させた魔法の宝石といったところね」
廻「なんか霊力って言われてもよくわかんなかったけど、魔法って言われるとなんとなーくわかるような…。(頭を掻く)
真澄さんが使ってた、あの白いきれーな薙刀もそれで作られてるんですか?」
真澄「そう。白蝶夢幻…(手から淡い揺らめきと共に白い薙刀が現れる)これも断片と愚者の黄金から作られた悪しき超常存在と戦う為の武器……人造神器と呼ばれる代物だ」
廻「(薙刀が出現する光景に見入る)…すごいきれいっすよね…。なんか、真澄さんのために作られたっていうか…。」
真澄「(目を見開いて意外そうな表情をする) ……そんなことを言われたのは初めてだ…。ただ、これは私の為に作られた薙刀ではない。弥代家で受け継がれてきた人造神器……だから私の為の武器ではない。武器の為に私の存在があるのだ」(薙刀を優しくひと撫でする)
廻「………。」(複雑そうな顔をする)
真澄「……………どうしたの?何か思い悩むことでもあるかしら」
廻「いや…。(頭を掻く)
そーいや、なんか、化け物倒したら退魔師協会?ってとこから、褒美がもらえたりとかするんですか?」
真澄「褒美?少しばかりはあるわね。気になるのなら、あなたに褒美をくださるよう、代行に申し伝えておくことにしよう」
廻「え!?いや、いいっすよ…。欲しいものがないわけじゃないけど、人からもらうのもなって感じだし…。真澄さんは何貰うんですか?」
真澄「私は家の名声と使命の為に動いているから特に褒美は……。強いてあげるなら、この白蝶夢幻に強化を施してくれるよう頼むぐらいかしら…。私も白蝶夢幻がありながら、昨日は深傷を負ってしまった。廻がいなければ危なかった…」
廻「いや、そんなこと、ないっすよ。真澄さんが無事でよかったです。(ふぅ、と息を漏らす)
…そうだ。褒美といっちゃなんですけど、前からお願いしたいことがあるんです。もしかしたら、真澄さん嫌がるかもしれないけど…聞いてもらってもいいっすか?」
真澄「何でも言いなさい。たった1つの事件とはいえ、協力をしてくれた同じカミガカリの願いだ」
廻「敬語なしにしたいんすけど…。」
真澄「敬語…?……そうね。あなたなら敬語でなくても私は構わない」(微笑む)
廻「あ~やっぱダメっすよね~、仮にも上級生だし………って、いいんすか?!」(目を丸くする)
真澄「敬語ではなくても礼儀や恭敬は表立って現れるもの。敬語にこだわる必要はないでしょう…?」
廻「いやあ、まあ、そうなんだけど。なんか昔から敬語って苦手で…。」(頭を掻きながら照れ笑いをする)
真澄「ふふっ………廻らしい。(くすりと笑う) また何かあったらすぐに駆けつける。あなたも不可解なことがあれば私に相談しにくるといい。今回のカミガカリや人造神器などのことに関しては呉々も他言無用で気をつけるように…」
廻「わかった。じゃあ、改めて。よろしくな!真澄さん。」(握手の手を出す)
真澄「ああ…、よろしく」(手を握り返す)
最終更新:2017年01月21日 10:10