電脳編第一部 あらすじ
『1.雨の水曜日-Odin-』
時系列はアホセル結成直後の5月。
PC達は次世代型AI『ODIN』の開発者『村井千歳』の墓を掘り起こしに行く。
が、墓の中にいたのはUGNの戦闘用ロボット『M-66』。
『M-66』のうなじには小さなガラスの球体=『ODIN』が取り付けられていた。
PC達の健闘空しく、『M-66』は逃亡し、樋浦彼方の手に『ODIN』が渡ってしまう。
『ODIN』の取り外された『M-66』を破壊した直後、街の大型モニターがジャックされる。
そこに映しだされていたのは、死んだはずの古賀の妹の姿だった。
『2.君は追憶と踊る-Ghost Whispers-』
『M-66』事件以降、死者の意識を宿したロボットの暴走が相次ぎ、ロボットと心中する者が増加していた。
暴走ロボットの回収任務にあたるPC達の元に緊急の知らせが入る。
御子柴研究所をODINがハッキング、勝手に義体を作り出した。義体は御子柴研究所から逃走。
PC達は義体を追うことになる。
義体を負った先で、暴走ロボットを破壊して回っていた黒須左京と衝突。
が、何者かの手により追跡していた義体もろともPCの達は攻撃を受け、病院へと搬送された。
『3.世界滅亡の予言-Hope and despair-』
ODINの開発研究所の所在が判明し、PC達は情報を探りに向かう。
施設内で、開発されたODINの性能を試すために行われた実験の記録を見る。
その実験内容は、いつ世界が崩壊するかの予測と、その予測を回避する方法の提示。
↑基礎プログラムに書き込まれている。
2度目の起動実験で、ODINはシミュレーションの結果を告げ、世界崩壊を避ける方法は一つしかない、という結果を出す。
その結果とは、現実世界の人間を、仮想世界にそっくりそのまま移植する、ということ。
研究員たちは、すぐさまODINを停止・封印しようとするが、ODINは封印される前に、自らの一部、フギンをネット上に切り離していた。
ODINは日本を出ると、自滅するようにプログラムされていたが、それを解除するUSBは何者かに持ち去られた後だった。(樋浦彼方)
『4.選択-Flame of Remembrance-』
PC達はODINの自滅解除コードを持ち去った犯人を探していた。
研究所を襲撃したFHエージェントに狙いを絞り、残る候補は『闇条晃士朗』と『樋浦彼方』のみ。
ODINを海外へと持ち出されないようになされた規制は3日が限界。タイムリミットは目前まで迫っていた。
PC達は『闇条晃士朗』の元へと辿り着き、研究所襲撃を提案したのが『樋浦彼方』である事を知る。
さらに、樋浦彼方は8年前の『日本航空45便墜落事件』にも関与していた事が発覚した。
闇条の語った樋浦の習性―――昔引き起こした事件の同じ日時と場所に行く。
PC達は『日本航空45便墜落事件』の起こった現場にて、樋浦彼方と対峙する。
樋浦との戦闘の後、PC達に『2501便』がハイジャックされ操縦不能となっているという知らせが入る。
健闘空しく、飛行機は墜落。8年前の悪夢がPC達の眼前に蘇った。
【重要用語】
『M-66型戦闘用ロボット』
訓練用に使われているロボット。UGN設立数年後から同じモデルを使用している。
AIは、「村井式AI」と呼ばれるレネゲイド科学を利用した特殊なAIだが、
戦闘に関する基本的なデータしか積んでおらず、
戦闘能力は一般的なオーヴァードエージェントより下である。
※PC達が戦ったのは、戦闘データを更新し、難易度を一段階あげたもの。
『ODIN①』
15年前に学会で発表され、注目を浴びたが、あまりの能力の高さから危険視され、
研究データともども廃棄されてしまった幻の次世代型AI。
機械と同期させると、戦闘能力が爆発的に向上し、マスターエージェント以上の
能力を得ることができると言われており、FHはこのプログラムを探している。
その任務は定期的にいくつかのセルにいっており、あなたはそのセルの一つを発見する。
『ODIN②』
村井千歳が開発した次世代AI。
思考型プログラム「フギン」と、情報探索・蓄積型プログラム「ムニン」の
2つのプログラムで構成されている。
非常に画期的なAIなのだが、「とある問題点」により、
技術倫理審議会から避難を受け、ODINは基礎理論以外のすべての資料が破棄された。
破棄されなかった部分―――基礎理論で構築されたAIは「村井式AI」と呼ばれ、
現在も様々な分野に利用されている。
『ODIN③』
ODIN発表後、委員会のほとんどのメンバーが、
ODINの発明を諸手を上げて喜んだらしい。
そして、村井千歳と委員会はODINの性能を試すため、
限られたネット空間にのみODINを接続し、起動させた。
接続していた期間、何があったかはわからないが、
その実験の後、村井博士は激しい糾弾を受け、ODINは封印された。
『ODIN④』
ODINのデータ破棄は、学会、審議会に提出されたデータだけではなく、
研究所の封鎖にも及んだ。
データを他者に渡らないようにする理由は、敵組織への流出を避けるためだが、
ODINへのUGNの対応としては異例であり、データ破棄(普通はデータは破棄されず、
機密性の高い場所へと保管される)はもちろんのこと、
AXISさえもODINの実体はわからず、ODINの研究所も厳重に封印されている。
『村井千歳』
15年前に糾弾されたコンピュータ科学者。
情報処理だけでなく、脳科学や人類学の博士号も取得している。
ODIN発表後、UGNから監視付きの生活をしていたが、8年前に老衰で夭折。
UGN日本支部の共同墓地に手厚く葬られた。
※写真→眼鏡をかけて、少し恰幅の良い温和そうな老人。
手には、テニスボールほどのガラス玉を持っている。
『特別技術審議会』
レネゲイドを用いて作られた科学技術を、倫理面・安全面から審査または確認を行い、
人権の尊重ならびにオーヴァード社会への貢献が適切に行われることを目的とする
UGNの所轄。
ODIN発表の際に就任していた理事長は、ベルナール・ブルム。
他役員30名で構成されていたが、病死、あるいはコードウェル博士の死~帰還で、
ほとんどが死亡した。
『モニターの人々について』
M-66事件でモニターに映し出された人々のほとんどは、
15年前から8年前に至るまで死亡した者達である。
また、死者たちはFHが起こしたとされる事件に巻き込まれた者達らしい。
その後の電波ジャックで現れた者達についても同様の共通点がある。
『ロボットの暴走』
外部からのAIのハッキングや、製造ラインへのハッキングにより、
ロボットが独走する事件が1ヶ月前から数件ほど発生している。
発生場所は日本国内にとどまっているが、地域は様々である。
『暴走するロボットの共通点』
- ロボットの規格やAIに共通点はない。
- 暴走の発生直後に、ネット上に謎の書き込みが必ずある。
- 書き込みは死者の一人から、その死者と親しい者に対するメッセージのようなもので、
死者の名前、事件発生地のおおまかな場所と短いメッセージが添えられている。
- 暴走後、ロボットは、周りを攻撃したり被害を出すことはなく、
その生者と共に自殺する。
『暴走するロボットの共通点②』
- エージェントが保護した自殺未遂者によると、ロボットは(自殺未遂者の)
何らかの深い関わりがあった人物、本人だと主張している。
- 事実、ロボットは非常に人間らしく感じる。
- 現時点で、自殺未遂者が主張する人物(死者)は、
モニターに映っていた死者たちのうちの一人とすべて一致する。
『次世代型AI:ODIN-概要-』
情報探索・蓄積型プログラム「ムニン」と、思考型プログラム「フギン」の
2つのプログラムに加え、記憶媒体はデミクリスタルを用いている。
また、情報探索の空間が広ければ広いほど、ODINの知能は成長する。
◆ムニン
一時的な記憶の保持と、情報探索を司る。
仮想領域探索と、現実領域探索の2つのモードがあり、
仮想領域探索はネットの探索、現実領域探索は、現実世界のレネゲイドに干渉する。
《領域の声》と同じ原理で、周囲のレネゲイドから情報を複製し、
本体であるデミクリスタルに記憶情報を移す。
◆フギン
ムニンが蓄積した情報を解析し、自らのAIを成長させ、
さらに、ムニンの情報探索の最適解を示す。
◆本体「ODIN」
最も基礎であるプログラムと、デミクリスタルによって構成されており、
ODIN全体が機能するために必要なレネゲイドを調節する役割をしている。
3つの機能は連動しており、1つでも本体と切り離されたら、
動力が供給されなくなる。(ただし、数年は独立で動けるらしい)
『次世代型AI:ODIN-シンドローム-』
ODINはオルクスシンドロームが発症しているため、EXレネゲイドに分類される。
オルクスのエフェクトを使用し、情報収集を行うと記載されているが、
オルクスシンドローム、特に”因子”の研究については未だに解明されていない。
そのため、安全性を確認した後、限定的なネットに接続した上で、起動実験を行う。
『次世代型AI:ODIN-シンドローム-②』
ODINの持つ因子を調べた結果、通常のオルクスの因子とは特性が異なるようだ。
通常のオルクスの因子は、エフェクト使用の時のみ因子は存在し続ける。(2,3分ほど)
しかし、ODINの因子は半永久的に持続することが判明。
ODINの因子が及ぼす影響については討議を行った上で、
ネットの接続を行った起動実験②を行う。
『AI起動実験』
世界各国は増え続けるジャームと、軍隊ですら抵抗できないFHの活動に脅かされている。
そのため、次世代型AIの試作品の性能を試す起動実験に、
- 「オーヴァードの存在が知られることで社会がどのように崩壊するか」のシミュレート
- シミュレートの予測を回避する解決策の提示
を追加し、検証させる。
(追記)
ODIN本体の基礎プログラムコードへの書き込みが完了。
『次世代型AI:ODIN-概要-②』
ODINはデミクリスタルによって動力を賄っているが、
ODINの処理速度や記憶の蓄積量により、動力が不足するという問題点がある。
解決策の提示を求む。
(追記)
動力の供給はムニンの情報収集と同時に接触したレネゲイドから収集している。
ネット上のレネゲイドから収集は不安定だが、
高い安定度のデミクリスタルのため、暴走する可能性は極めて低い。
(追記2)
明日、18:00から、特別技術審議会を招いて起動実験②を行う。
起動実験時には、補助的にだが、予備動力と接続する。
『起動実験①』
1度目の起動実験では、ODINの性能を十分に発揮はできないが、安全性のため、
ODINを限定的なネット回線に繋いだ上で実行した。
実験の結果、ODINはシミュレーションの結果を出さず、
正確なシミュレーションの結果をはじき出すために、
より多くの情報を必要とすること、より広大なネット空間の接続を求めた。
シミュレートをせず、逆に研究者たちにより高いシミュレートの結果を出すための
要求をしたことから、ODINは他のAIとは一線を画すAIだと認識された。
『起動実験②~ODINの暴走』
2度目の起動実験では、特別技術審議会の審査も兼ねて行われた。
暴走した際の対処として、
- ODINが特定の範囲を越えた時点で自滅する。
- 自滅のコードは、USBですぐに解除できるようにする。
上記の準備をした上で、ODINをさらなる広域のネット空間に繋いだ。
実験は成功…したように見えたが、ODINの知能の発達は、研究員たちの想像を越え、
「オーヴァードによる世界滅亡」を食い止めるため、独自に動き出した後だった。
18年前…UGN発足
15年前…ODIN発表
14年前…「フギン」封印。ムニンのみの独走が始まる。(樋浦と一緒にデータを集めてる)
13年前…コードウェル死亡→帰還
8年前…古賀さんの家族が死亡(最後の仕事)、村井千歳死亡、ムニン
沈黙
【続・電脳編 情報】
『最近のネット上の様子について』<情報:UGN>4
UGNの情報班によると、、ネット上で観測されているRBの個体数が以前よりも減少しているらしい。
RB達は皆、ある場所付近でその反応が消失している様だ。
『とあるRBの話』<情報:ウェブ>7
RBの減少については、詳しく分からないが、最近妙な事が一つあった。
眼帯をした男に「赤い目のRBを見なかったか」と聞かれた。
男は終始チンピラの様な態度だった。
あの様に人間らしい感情を出すサイバーのRBは珍しく、印象に残っていたという。
<RC>4
真っ赤に明滅する室内。そこには見覚えがあります。
『ODIN』が開発された研究所です。
研究員達は床に倒れ伏しています。
その中を、一人の男が歩きます。樋浦彼方です。
手にはガラスの球体と、村井博士を抱えて、樋浦はその場を後にします。
そこで映像が途切れます。
<6>
一人のどこか空虚な目をした男の姿です。
男は、車の運転席に座っています。運転しながら、何かに話しかけているようです。
車の向こう側には、海が見えます。
会話の内容は聞こえません。
しばらく、男が会話を続けた後、男は話しかけている何かへと視線を滑らせます。
そして、薄く笑みを浮かべました。
そこで、映像は途切れます。
<7>
眼鏡をかけて、少し恰幅の良い温和そうな老人の姿が映し出されます。
老人は、真っ白な、窓一つない部屋の中にいます。
調度品の数も少なく、生活感がありません。
老人は椅子に腰掛け、どこかを一点に見つめながら、口を開きます。
何かと会話しているようです。
その表情はどこか穏やかです。
男性の穏やかな表情が映しだされた数秒後、その光景はどんどん遠ざかり、どこかの建物全景が一瞬映しだされます。
しかし、映像は途切れます。
最終更新:2016年08月12日 00:17