101匹わんちゃん
ストーリー
ポンゴは作曲家の
ロジャー・ラドクリフに飼われている雄のダルメシアン。退屈な生活を送るポンゴは、自分とロジャーに奥さんを探そうと考える。アパートの窓から、雌のダルメシアンを散歩させる1人の女性を見つける。その雌ダルメシアンに一目ぼれしたポンゴは、公園の散歩で出会いを演出する。その甲斐あって、ポンゴと
パーディタ、ロジャーと
アニータの2組のカップルが誕生する。
その後、パーディタは15匹の子犬を出産する。そこへアニータの同級生で、毛皮マニアの
クルエラ・ド・ビルが現れて、毛皮のために子犬を飼いたい、と申し出るが、ロジャーによって追い返される。数週間後のある晩、ポンゴ、パーディタ、ロジャー、アニータが夜の散歩へ出かけると、家には家政婦の
ナニーと15匹の子犬だけが残された。そこへ、電気屋に扮した
ジャスパー・バダンと
ホーレス・バダンがやってきて、子犬を誘拐してしまう。
ポンゴとパーディタは人間の警察に任せておけない、と
夕暮れの遠吠えで、ロンドン中の犬に助けを求める。これを聞いたのは、馬の
大尉、年老いた牧羊犬の
大佐、ネコの
チブス軍曹であった。チブスと大佐は子犬たちが閉じ込められている
ド・ビル屋敷へ向かう。チブスは屋敷に侵入し、ジャスパーとホーレスがクルエラの手下であったことを知る。さらに、そこには毛皮のコートを作るために町中から盗まれてきた99匹のダルメシアンの子犬がいた。チブスと99匹の子犬は、ジャスパーとホーレスに追われながらも、屋敷に駆け付けたポンゴとパーディタに救われ、脱出する。
ポンゴとパーディタと99匹の子犬は、さまざまな動物に助けられながら、とりあえずロンドンへ向かうことにする。寒さの中、ラブラドールがトラックに乗り込む機会を作り出してくれたため、ロンドンまですぐ帰れることになる。そこへ、ジャスパー、ホーレスのオンボロの車と、クルエラの高速の車が追いかけてくる。しかし、雪山で滑ったジャスパーとホーレスの車がクルエラの車に突撃したため、間一髪逃げ切ることに成功する。
ロンドンでは、ロジャー、アニータ。ナニーが、クリスマスと「町のクルエラ」で大ヒットを記録したロジャーを祝っていた。そこへ、いなくなっていたポンゴとパーディタが99匹の子犬を連れて帰ってくれる。みんなは大喜びし、ロジャーは101匹のダルメシアンをすべて飼うために、田舎に土地を買うことを決意する。
概要
ディズニーの長編アニメーション映画第17作として公開された。
ウォルト・ディズニーの長年の友人
アブ・アイワークスがゼロックス・システムの技術を応用したことで、斑点を持つ大量のダルメシアンを描写することが可能となった。この方法はコストを大幅に削減した。本作は商業的にも大成功を収め、『
眠れる森の美女』(1959年)の赤字を改修することに成功している。
1996年、実写映画『
101』が製作された。2000年にはオリジナルストーリーによる続編『
102』が公開されている。
歴史
1956年、女流作家
ドディー・スミス*によって『ダルメシアン』が刊行された。翌年、これを読んだ
ウォルト・ディズニーは早速映画化の権利を獲得する。ウォルトはドディーから献本を送ってもらったり、アイデアなどのやりとりを数回行っている。
これまでディズニーの長編アニメーションの脚本は複数の人間が担当していたが、本作では初めて
ビル・ピートが一人で脚本を担当した。彼は初期段階から脚本を詳細に詰めるように要求されたため、タイプライターは使用しなかった。
二ヶ月で原稿を完成させたピートはウォルトを大いに喜ばせ、ストーリーボードの工程にも参加することとなった。ピートはさらに音声の収録も担当することとなった。ピートがドディーにキャラクターの絵を送った時、ドディーはイラストに触発されて物語を改善したという。
アニメーション
完璧なまでの芸術性を誇る『眠れる森の美女』の興行的失敗は、ディズニーのアニメ部門を閉鎖させるのではとまで噂された。当然ウォルトはその選択を望まなかった。
ミッキーマウスの生みの親の一人、
アブ・アイワークスはゼロックス技術(ゼログラフィー)の実験の末、1959年に画期的なゼロックス・プロセスを開発する。アニメーターの書いた絵を直接セルに転写することでインクの工程を節約することができた。しかし、従来の鉛筆の線よりは硬い輪郭となってしまうため、ウォルトはあまり好まなかったという。ディズニーはこのシステムを『眠れる森の美女』の森に使用した後、短編映画『
豆象の冒険*』で全面的に使用された。
チャック・ジョーンズ*は「この技術がなければ、101匹わんちゃんの制作費は2倍になっていただろう」と話している。この技術は同年公開の『
ドナルドダックの物理教室』『
ドナルドの不作法教室』にも活用されている。
美術監督の
ケン・アンダーソン*はダルメシアンや背景の描写にゼロックス・システムの利用を進言。しかしウォルトは、これまでの作品で目指してきた芸術性には遠く及ばないとしてケンと対立。1966年、ウォルトが亡くなる2週間ほど前にスタジオへ訪れた際に二人は言葉を交わしており、ケンは「あの時のウォルトは私に対して何も言わなかったが、あの瞳を見て許されたのだとわかった」と回想している。
キャラクター
クルエラの声の主である
ベティー・ルー・ガーソンも彼女の容姿に影響を与えており、マークはベティーを参考にクルエラに頬骨を書き足した。マークはベティーの演技を絶賛しており、彼女の髪の色をスタイリッシュな白黒にしたり、大きすぎる毛皮のコートを着るようなアレンジは彼女の声の演技からインスピレーションを得たものだという。
ベティー・ルー・ガーソンはクルエラ役のオーディションの際、担当アニメーターのマーク・デイヴィスと監督の
ウォルフガング・ライザーマンの前で演技した。彼女は14日間で音声の収録を終えたという。
アニータを演じた
リサ・デイビスは当初クルエラ役を打診されていたが、本人の主張により配役を変更することになった。
キャスト
- 再公開版:1981年7月18日公開。※Blu-ray・DVD・VHS収録
スタッフ
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最終更新:2025年01月19日 19:33