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ピーター・パン


2003 2007(Pt) 2013(DC)



  • 目次

ストーリー

ロンドン、ブルームズバリ。

ウェンディ・ダーリングジョン・ダーリングマイケル・ダーリングピーター・パンの冒険物語に夢中な子供たち。彼らの両親ジョージ・ダーリングメアリー・ダーリングはパーティーに出席する準備をしていた。ピーター・パンごっこをしていたずらをしたジョンとマイケルに怒ったジョージは、ウェンディに「ピーター・パンの話をするな」と言い、ウェンディを子供部屋から独立させる、と言い出す。ジョージとメアリーは出かけて行き、子供部屋で過ごす最後の夜となったウェンディの前に、ピーター・パンとティンカー・ベルが現れた。

ピーター・パンに連れられて永遠に大人にならない国ネバーランドへやってきたウェンディたち。そこにはフック船長ミスター・スミーたち海賊がいた。ウェンディたちはピーター・パンの仲間の子供たちロスト・ボーイズ*の隠れ家にやってくるが、ピーター・パンと親しくなっていくウェンディに嫉妬したティンカー・ベルによって撃墜されてしまう。ピーター・パンはなんとかウェンディを救ったが、ティンカー・ベルを軽い気持ちで追放する。

ロスト・ボーイズ、ジョン、マイケルはインディアンとの戦い(ゲーム)に向かう。そこでインディアンたちのチームワークに完敗してしまう。解放を求めるロスト・ボーイズたちだが、インディアンの酋長*は娘のタイガー・リリー*が行方不明であり、彼女が戻らないと火あぶりにする、と告げる。

人魚の入り江に来ていたピーター・パンとウェンディは、フック船長とミスター・スミーが、タイガー・リリーからピーター・パンの隠れ家を教えるように迫っていた。リリーを救ったピーターはインディアンの英雄と讃えられる。

隠れ家に戻ってきたウェンディたちはロンドンに帰ろうと言い出したため、ピーター・パンはいじけてしまう。この機会を利用しようと、フック船長はウェンディからの贈り物と称した爆弾をピーター・パンに仕向ける。そして、ウェンディら子供たちを誘拐する。

これを知ったティンカー・ベルは命がけでピーター・パンを爆弾の爆発から守る。ピーター・パンとティンカー・ベルはフック船長の海賊船へ向かい、子供たちを救出。海賊船を占拠したピーター・パンは、海賊船に妖精の粉*をかけて空飛ぶ海賊船を作り、ウェンディ、ジョン、マイケルをロンドンへ送り届ける。

真夜中、家で目を覚ますとジョージとメアリーが帰宅していた。二人は窓際で寝ているウェンディに驚いていたが、ウェンディがネバーランドへ行ってきたと告げて窓を指すと、ジョージは目を丸くして外を見た。そして彼は、「子供の頃、一度だけあの海賊船を見たことがある」と口にするのであった。

概要

ディズニーの長編アニメーション映画第14作。

ナイン・オールド・メン*のメンバー全員が携わった最後の作品である。

1958年、1969年、1976年、1982年、1989年に再公開。

1990年(ビデオ)、1998年(マスターピース・コレクション)、1999年(DVD)、2002年(スペシャル・エディション)、2007年(プラチナ・エディション)が発売された。

2002年に『ピーター・パン2 ネバーランドの秘密』、2008年に『ティンカー・ベル*』シリーズ第1作が公開された。

歴史

1935年、ウォルト・ディズニーは『白雪姫』(1937年)に続く長編アニメーション映画第2作として、『ピーター・パン』を候補に挙げる。当時は原作者のバリから権利を寄贈されていたグレート・オーモンド・ストリート小児病院*がパラマウントに映画化権をレンタルしていたが、1939年1月にアニメ化の権利獲得に成功する。

同年5月までにストーリーが完成し、アニメーターとして海賊をウラジミール・タイトラ*ナナ*プルートの担当で知られるノーム・ファーガソン*ティンカー・ベルフレッド・ムーア*が担当することとなった。しかし、ウォルトが物語をより掘り下げたいと提案したことで、プロットの修正が決まった。1940年5月20日のストーリー会議でピーター・パンロスト・ボーイズ*の母親代わりにウェンディ・ダーリングを誘拐する案が立ち上がるが、最終的に現在のオープニングに落ち着くこととなった。

1941年に太平洋戦争*が開戦すると、資金不足やプロパガンダの納期が重なり、『ピーター・パン』の製作は遅れてしまう。終戦後、ディズニーはMGMへの移籍を検討していたジャック・キニー*を引き止めるために彼を監督に任命。

ファン・アンド・ファンシー・フリー』(1947年)の公開によって、ディズニーの負債が420万ドルから300万ドルに減少。戦時中は政府から依頼された教育用プロパガンダや南米を題材としたオムニバス映画で凌いでいたが、どれも大ヒットには繋がらず、いよいよ『バンビ』(1942年)以来となる長編映画の製作を決意する。『シンデレラ』『ふしぎの国のアリス』『ピーター・パン』の3作品のプロジェクトが同時進行した。ディズニーは『アリス』と『ピーター・パン』のキャラクターが練りきれていないと判断し、まず『シンデレラ』の製作にゴーサインを出す。『ピーター・パン』の開発が再開したのは1949年5月になってからだった。

冒頭の子供部屋のシーンだけでも様々なバージョンが作られ、「メアリー・ダーリングがピーターの影を見つけるもの」「ナナがネバーランドに同行するもの」「堅物のジョン・ダーリングがネバーランドに来ないもの」などがあった。脚本家ラルフ・ライト*の主張により、ジョンもネバーランドに行くこととなった。

ダークな雰囲気や要素はなるべく取り除きながら製作したため、フック船長がワニに食い殺されるシーンや、両親が子供たちを悼むシーン、ピーターと子供たちが罠を見つけてしまうシーンはカットされた。また、最終的には海賊や人魚のシーンが大幅にカットされている。

ピーター役にはメアリー・マーティン*ジーン・アーサー*が立候補していた。ウォルトはケーリー・グラント*にフック船長役をオファーしていた。

モデル


本作でも従来の作品同様、俳優の演技を撮影した映像を基にスケッチを行なった。マーガレット・ケリー*がティンカー・ベルと人魚役を担当した。人魚役には他にもコニー・ヒルトン*ジューン・フォーレイ*も参加していたという。スタジオがピーターのモデルを探していると知ったケリーは、彼女のダンスの先生であるローランド・デュプリー*を推薦した。ピーターの飛行シーンはデュプリー、顔のアップのシーンは声を担当したボビー・ドリスコールの映像が使用された。

ウェンディの声を演じたキャサリン・ボーモントは『ふしぎの国のアリス』から2作連続でヒロインの声と実写モデルを務めた。フック船長の声を演じたハンス・コンリードは映画の製作中、2年半にも渡ってモデルを担当し続けた。


キャスト

TBS版 旧録版 再公開版
ピーター・パン ボビー・ドリスコール 榊原郁恵 後藤真寿美 岩田光央
ウェンディ・ダーリング キャサリン・ボーモント 岡本茉利 土井美加 渕崎ゆり子(台詞)
鈴木佐江子(歌)
フック船長 ハンス・コンリード 大塚周夫 江原正士 大塚周夫
ミスター・スミー ビル・トンプソン 八奈見乗児 牛山茂 熊倉一雄
ジョン・ダーリング ポール・コリンズ 藤田淑子 下川久美子 池田真
マイケル・ダーリング トミー・ラスク 菅谷政子 清水由加里 鈴木一輝
ジョージ・ダーリング ハンス・コンリード 川久保潔 内田稔 阪脩
メアリー・ダーリング ヘザー・エンジェル 武藤礼子 小沢寿美恵 太田淑子
酋長* キャンディ・キャンディード 滝口順平 遠藤征慈 石田太郎
カビー* ロバート・エリス 逢坂秀実
ラクーン・トゥインズ* ジョニー・マクギャバン 安藤亮子
水上志乃
ニブス*(ラビット) ジェフリー・シルバー 佐直千恵子
スライトリー*(フォクシー) スタッフィー・シンガー 余貴美子
トゥートルズ*(スカンク) トニー・バタラ 石井ゆき
ティンカー・ベル - - - -
ナナ* - - - -
チクタクワニ*(クロコダイル) - - - -
タイガー・リリー* - 石井ゆき 勝田治美
ナレーター トム・コンウェイ 大木民夫 江原正士 池水通洋
海賊 ビル・トンプソン 石森達幸
上田敏也
村松康雄
石波義人
岡田吉弘
中村雄一
池田史比古
逢坂秀実
人魚 藤木聖子
三原世司奈
余貴美子
安藤亮子
水上志乃
その他 ドン・バークレー



  • 初公開版:1963年公開。キャスト不明。
  • TBS版:1983年1月4日放送。
    • 以降の放送(2002年12月6日)は新録版が使用されています。
  • 旧録版:発売日不明。※旧VHS収録(発売元:ポニー)
  • 再公開版:1984年公開。※Blu-ray・DVD・新VHS収録

楽曲


タグ:

長編映画
最終更新:2022年09月02日 23:31