ロビン・フッド
ストーリー
国民から慕われているイングランドの
リチャード王*が十字軍遠征の捕虜となっている間、弟の
プリンス・ジョンが国を治めることになった。わがままで傲慢なプリンス・ジョンは貧しい者から税金を搾取する生活をしていた。
義賊の
ロビン・フッドと相棒の
リトル・ジョンは、プリンス・ジョンの手下から金を盗み、貧しい群衆に分け与えていた。ある日、プリンス・ジョン主催の弓のコンテストが開かれることになる。優勝者にはリチャード王の姪
マリアン姫からのキスが贈られるという。弓の名人ロビンはマリアンの幼馴染で、互いを想い合っていた。
お尋ね者のロビンは、正体がばれないようにコウノトリに変装し、コンテストに挑む。ロビンの正体を見抜き、喜ぶマリアン。見事優勝の座を射止めるものの、プリンス・ジョンの側近
サー・ヒスがロビンの変装を見抜いてしまい、捕まってしまう。マリアンの世話役
レディ・クラックとリトル・ジョンの機転で脱出したロビンはマリアンと森へと逃げてゆく。
その夜、ロビンを慕う国民が集まり、森でダンスが行われた。翌日、この森のプリンス・ジョンをバカにする歌が流行り、プリンス・ジョンの手下・
ノッティンガムのシェリフの耳にも届く。シェリフとサー・ヒスもご機嫌に歌いだすが、プリンス・ジョンはもちろん激怒。国民を片っ端から捕まえて逮捕してしまう。さらに、税金の取り立ても厳しくしていく。
概要
ディズニーの長編アニメーション映画第21作。イギリスのロビン・フッドの伝説を擬人化した動物で表現した作品。
制作費を抑えるべく、過去の作品のモデリングを再利用する手法(リサイクル・アニメーション)が用いられている。『
白雪姫』(1937年)、『
ジャングル・ブック』(1967年)、『
おしゃれキャット』(1970年)を利用したおかげで、森のダンスシーンは非常に大きな削減を果たしている。デザイン面では『
ベッドかざりとほうき』(1971年)の
レオニダス王や『
ピーター・パン』(1953年)の
ピーター・パンのコスチューム(
ロビン・フッドに継承)なども大きな役割を果たしているように見える。他にも
サー・ヒスの催眠術は、『ジャングル・ブック』の
カーの催眠術と同じ動きをしていたりする点も見受けられる。また、音楽面においても、ラストシーンの結婚式の教会の鐘の効果音は『
シンデレラ』(1950年)のものを利用している。
カントリー・ポップの鬼才
ロジャー・ミラーが挿入歌全5曲を提供しており、自身も語りを担当するオンドリの吟遊詩人
アラナデール役として出演し、3曲を歌っている。
また、現在一般にDVDが出回っているディズニーの長編アニメーション映画の中で唯一、日本語版の声優が伏せられている作品である。
歴史
『
白雪姫』(1937年)を製作した頃から
ウォルト・ディズニーは12世紀の狐のレナードのアニメ映画化に関心を持っていたが、レナードは主人公にふさわしくないという懸念から実現しなかった。1938年2月12日の会議では「子供を怖がらせてしまうのではないか」といった議論をしている。ウォルトは『
宝島』(1950年)の中で、ジョン・シルバーがジム・ホーキンスに物語を聞かせるシーンに狐のレナードのアニメーションを挿入することも考えたが、スタジオ初の完全実写映画にするためこの案は棄却された。のち、『
Chanticleer*』というニワトリを主人公にした長編アニメーションにレナードを悪役として登場させようとしたが、製作自体が中止となりお蔵入りとなってしまった(代わりに製作されたのが『
王様の剣』(1963年))。
ライザーマンは悪役をオオカミにするなどステレオタイプに基づいた分かりやすいキャラクター設定を行った。アンダーソンは
ロビン・フッドの一党(メリーメン)を出したがっていたが、ライザーマンが『明日に向って撃て!』(1969年)のようなバディ・ムービーを希望したため、ロビンの相棒は
リトル・ジョン、友人に
タック神父、そして
アラナデールをナレーションに回すという対応がとられた。
製作は声優のオーディションなどによって遅れてしまったため、ライザーマンは過去作である『白雪姫』(1937年)、『
ジャングル・ブック』(1967年)、『
おしゃれキャット』(1970年)のダンスシーンをリサイクルしてコストや製作期間の削減を図った。
キャスティング
キャスト
- 初公開版:1975年7月19日公開。※VHS(BVHE)収録
- DVD版:2003年2月21日、初公開版に一部追録して発売。※DVD収録
- 旧録版:1984年ごろ製作。旧ビデオ用に新録→廃盤
スタッフ
情報集計中…
最終更新:2024年09月08日 19:43