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王様の剣

原題:The Sword in the Stone
公開:1963年12月25日
時間:79分
監督:ウォルフガング・ライザーマン*
原作:T・H・ホワイト*

1990 2002



  • 目次

ストーリー

国王が天に召され、世継ぎをめぐって争いが始まった。そのため、国は乱れてしまうが、奇跡が起き、石の台に刺さった王様の剣が現れる。その台には「これなる剣を石の台より引き抜きし者があらば、その者こそ真のイギリスの王である。」と書かれていた。力自慢が集い、その剣を抜こうとするが、誰にも抜くことはできず、いつしか王様の剣は忘れ去られてしまう。

数年後、12歳の孤児ワート(本名:アーサー)は、乳兄弟ケイ*の狩猟に同行し、ケイの足手まといになってしまう。ワートは森の中へ屋を探しに行き、コテージに迷い込み、魔法使いの老人マーリンと気むずかし屋のフクロウ、アルキメデスに出会う。 未来を予知するマーリンは、彼がワートの家庭教師となることを告げ、ワートは里親のエクター卿の城へと走って帰る。エクターは魔法を信じず、マーリンの家庭教師を拒否する。しかし、マーリンが魔法で吹雪を起こし、身の危険を感じたエクターは城の塔を貸し出すことにする。

ある日、エクターの友人ペリノー卿*がやってくる。彼は、ロンドンで開催される馬上試合トーナメントで、次の王を決めるという知らせを持ってきて、ケイに出場するように勧める。

+ ...
マーリンとワートは魚に変身し、城の堀を探検する。ワートはカワマカスに追いかけられ、アルキメデスに救われる。しかし、ワートはこのマーリンのレッスンを信じないエクターに皿洗いの罰を課せられてしまう。次のレッスンを受けさせようとしてやって来たマーリンは、皿に自分自身を洗わせる魔法をかける。

次のレッスンで、マーリンとワートはリスに姿を変える。リスになったワートは雌の子リスに一目ぼれされ、愛の力が重力よりも強いことを習う。城に帰ると、エクターが、マーリンが皿に黒魔法をかけたと言い、ワートに罰を与える。

第3のレッスンで、ワートは小鳥に姿を変える。ワートは飛行中に鷹に襲われ、マダム・ミム*の住処へ撃墜される。ミムはマーリンとは違い、悪の魔法を使う、自称醜い魔女であった。ワートは猫に変身したミムにつけ狙われるが、アルキメデスとマーリンに救われる。マーリンはミムと決闘することになる。ミムはルールを破ってマーリンを倒そうとするが、マーリンの知恵の前に敗れ、寝込む。

クリスマス、騎士となったケイの従者がおたふく風邪にかかってしまい、エクターはワートをケイの従者として復帰させる。ワートは念願の地位に立てることを喜び、マーリンに報告するが、マーリンは戦争のメンバーになりたがっていたワートに失望し、いらだち姿を消してしまう。

エクター、ケイ、ペリノー卿、ワート(と同行したアルキメデス)は馬上試合トーナメントに参加するためロンドンを訪れる。ケイの試合直前、ケイの剣を宿屋に忘れてきたことに気付いたワートは宿屋に戻る。しかし、町中の人々はトーナメントを見に出かけたため、誰もいなかった。その時、ワートは広場の前の石の台に差し込まれた剣を見つける。「これを借りていこう!」

ワートが戻ると、ワートの抜いた剣が「王様の剣」だと判明する。トーナメントは中断され、広場に戻り、王様の剣を戻す。再び、力自慢たちが「坊主に抜けたのなら自分にも抜ける」と試みるが、やはり「抜けない。そこで、ペリノー卿に促され、ワートが力を入れると、王様の剣を抜けることを証明した。ワート(アーサー)は「アーサー王、万歳!」と讃えられる。エクターとケイもアーサーにひざまずいた。

玉座についてしまったアーサーは困り果てていた。そんなアーサーとアルキメデスのもとにマーリンが帰ってくる。彼は、20世紀のバーミューダーへ旅行へ行っているだけだった。マーリンは王となったワートを見て、この物語は将来映画になるぞ、と喜ぶ。ワートが「映画って何ですか?」と尋ねると、マーリンは答える。「テレビみたいなやつじゃよ。コマーシャルのないやつ。」

概要

ディズニーの長編アニメーション映画第18作。ウォルト・ディズニーの生前に公開されたこの類としては最後の作品となった。(実写+アニメも含めると、『メリー・ポピンズ』(1964年)がラスト。)

アーサー王伝説を題材にした作品だが、アーサー王をやせっぽちの少年にしたり、マーリンをひょうきんなじいさんにしたり、似つかわしくないジャズ・ナンバーを挿入したことで、イギリスからの評価は芳しいものではなかった。しかし、アメリカからは「ディズニーらしいアレンジ」としては見事に成功した一作であるとの評価が多い。実際、このBGMは作曲賞にノミネートされている。

初公開は1963年12月25日。それ以降、1972年12月22日に再公開されている。1983年3月25日の再公開では『プーさんとイーヨーのいち日』(1983年)が併映された。

経費削減のため、過去の作品のモデリングを再利用する手法(リサイクル・アニメーション)が用いられている。

例えば、ケイ*の狩猟のシーンは、バンビのお母さんのシーン(『バンビ』(1942年)より)。エクター卿がケイの頭を殴ってしまうシーンは、ホーレスジャスパーを殴ってしまうシーン(『101匹わんちゃん』(1961年)より)といった具合である。

また、この映画からリサイクルされたシーンもある。
城の2匹の犬(『ジャングル・ブック』(1967年))、リス(ワート)が木を飛びあがるシーン(『きつねと猟犬』(1981年))、矢を取りに森へ落ちるシーン(『コルドロン』(1985年))などがある。

歴史

1939年にウォルト・ディズニーT・H・ホワイト*の同名小説の映画化権を獲得し、1949年にストーリーボードを製作する。

1960年、『101匹わんちゃん』(1961年)の製作中に『Chanticleer*』と『王様の剣』の2つのプロジェクトが進行していた。ケン・アンダーソン*マーク・デイヴィス*ミルト・カール*ウォルフガング・ライザーマン*は『Chanticleer』のストーリーボードに数ヶ月を費やしたが、ビル・ピート*が「主人公のニワトリのキャラクターがちゃんと創れていない」と判断。ウォルトも同意し、『Chanticleer』を中止。ピートが担当していた『王様の剣』にゴーサインを出した。

ピートは脚本を書くに当たり、様々な神話や伝説が混ざる複雑さに苦戦した。ウォルトの添削を経て、劇的な側面を強調することで脚本を完成させた。

キャスティング

マーリンの声優として、監督のライザーマンは70人もの俳優をリストアップしていた。スタッフたちはマーリンの声にエキセントリックさを求めており、元々アルキメデス役を打診されていたカール・スウェンソンが適任として選ばれることとなった。

ワートを演じるリッキー・ソレンセンは収録中に変声期を迎えたため、監督の息子であるリチャード・ライザーマンロバート・ライザーマンが代役を務めた。


キャスト

初公開版 ソフト版
ワート(アーサー) リッキー・ソレンセン
リチャード・ライザーマン
ロバート・ライザーマン
土井美加
マーリン カール・スウェンソン トニー谷 内田稔
アルキメデス ジュニアス・マシューズ 江原正士
エクター卿 セバスチャン・キャボット 吉水慶
ケイ* ノーマン・アルデン 牛山茂
マダム・ミム* マーサ・ウェントワース 福田公子
ペリノー卿* アラン・ネイピア 関時男
ブラック・バート* サール・レイブンズクロフト* 石波義人
皿洗いのメイド* バーバラ・ジョー・アレン 磯辺万沙子
女の子リス ジニー・タイラー* - -
おばさんリス マーサ・ウェントワース - -
ナレーター セバスチャン・キャボット 金尾哲夫

  • 初公開版:1964年7月18日公開。
  • ソフト版:1984年ごろ制作。ビデオ用に新録。※DVD・VHS収録

楽曲

最終更新:2021年01月24日 20:49
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