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王様の剣

原題:The Sword in the Stone
公開:1963年12月25日
時間:79分
監督:ウォルフガング・ライザーマン
原作:T・H・ホワイト*

1990 2002



  • 目次

ストーリー

国王が天に召され、世継ぎをめぐって争いが始まった。国は乱れるが奇跡が起き、石の台に刺さった王様の剣が現れる。その台には「これなる剣を石の台より引き抜きし者があらば、その者こそ真のイギリスの王である。」と書かれていた。力自慢が集いその剣を抜こうとするが、誰にも抜くことはできず、いつしか王様の剣は忘れ去られてしまう。

数年後、12歳の孤児ワート(本名:アーサー)は、乳兄弟ケイの狩猟に同行するも足手まといになってしまう。ワートは森の中へ屋を探しに行き、コテージに迷い込み、魔法使いの老人マーリンと気むずかし屋のフクロウ、アルキメデスに出会う。 未来を予知するマーリンは、彼がワートの家庭教師となることを告げ、ワートは里親のエクター卿の城へと走って帰る。エクターは魔法をよく思っておらず、マーリンの家庭教師を拒否する。しかし、マーリンが魔法で吹雪を起こし、身の危険を感じたエクターは城の塔を貸し出すことにする。

ある日、エクターの友人ペリノー卿がやってくる。彼は、ロンドンで開催される馬上試合トーナメントで、次の王を決めるという知らせを持ってきて、ケイが出場に意欲を見せる。

その後、マーリンの魔法を用いたレッスンが始まり、ワートは思いがけない経験を経ることで知識を身に着けていく。

概要

ディズニーの長編アニメーション映画第18作。ウォルト・ディズニーの生前に公開されたこの類としては最後の作品となった。(実写+アニメも含めると、『メリー・ポピンズ』(1964年)がラスト。)

アーサー王伝説を題材にした作品だが、アーサー王をやせっぽちの少年にしたり、マーリンをひょうきんなじいさんにしたり、似つかわしくないジャズ・ナンバーを挿入したことで、イギリスからの評価は芳しいものではなかった。しかし、アメリカからは「ディズニーらしいアレンジ」としては見事に成功した一作であるとの評価が多い。実際、このBGMは作曲賞にノミネートされている。

経費削減のため、過去の作品のモデリングを再利用する手法(リサイクル・アニメーション)が用いられている。例えば、ケイの狩猟のシーンは、バンビのお母さんのシーン(『バンビ』(1942年)より)。エクター卿がケイの頭を殴ってしまうシーンは、ホーレスジャスパーを殴ってしまうシーン(『101匹わんちゃん』(1961年)より)といった具合である。

また、この映画からリサイクルされたシーンもある。城の2匹の犬(『ジャングル・ブック』(1967年))、リス(ワート)が木を飛びあがるシーン(『きつねと猟犬』(1981年))、矢を取りに森へ落ちるシーン(『コルドロン』(1985年))などが該当する。

初公開は1963年12月25日。それ以降、1972年12月22日に再公開されている。1983年3月25日の再公開では『プーさんとイーヨーのいち日』(1983年)が併映された。

2分の1の魔法』(2020年)のグレックリンの質屋の近くにある「The Sword in the Scone」は本作の原題『The Sword in the Stone』のパロディ。

歴史

1939年にウォルト・ディズニーT・H・ホワイト*の同名小説の映画化権を獲得し、1949年にストーリーボードを製作する。

1960年、『101匹わんちゃん』(1961年)の製作中に『Chanticleer*』と『王様の剣』の2つのプロジェクトが進行していた。ケン・アンダーソン*マーク・デイヴィスミルト・カールウォルフガング・ライザーマンは『Chanticleer』のストーリーボードに数ヶ月を費やしたが、ビル・ピートが「主人公のニワトリのキャラクターがちゃんと創れていない」と判断。ウォルトも同意し、『Chanticleer』を中止。ピートが担当していた『王様の剣』にゴーサインを出した。

ピートは脚本を書くに当たり、様々な神話や伝説が混ざる複雑さに苦戦した。ウォルトの添削を経て、劇的な側面を強調することで脚本を完成させた。

キャスティング

マーリンの声優として、監督のライザーマンは70人もの俳優をリストアップしていた。スタッフたちはマーリンの声にエキセントリックさを求めており、元々アルキメデス役を打診されていたカール・スウェンソンが適任として選ばれることとなった。

ワートを演じるリッキー・ソレンセンは収録中に変声期を迎えたため、監督の息子であるリチャード・ライザーマンロバート・ライザーマンが代役を務めた。

キャスト

初公開版 ソフト版
ワート(アーサー) リッキー・ソレンセン
リチャード・ライザーマン
ロバート・ライザーマン
土井美加
マーリン カール・スウェンソン トニー谷 内田稔
アルキメデス ジュニアス・マシューズ 江原正士
エクター卿 セバスチャン・キャボット 吉水慶
ケイ ノーマン・アルデン 牛山茂
マダム・ミム マーサ・ウェントワース 福田公子
ペリノー卿 アラン・ネイピア 関時男
ブラック・バート サール・レイブンズクロフト 石波義人
皿洗いのメイド バーバラ・ジョー・アレン 磯辺万沙子
タイガー - - -
タルボット - - -
女の子リス ジニー・タイラー* - -
おばさんリス マーサ・ウェントワース - -
ナレーター セバスチャン・キャボット 金尾哲夫

  • 初公開版:1964年7月18日公開。
  • ソフト版:1984年ごろ制作。ビデオ用に新録。※DVD・VHS収録

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長編映画
最終更新:2025年03月20日 00:52
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