道なき道を作ろう>>ザグロス山脈工作戦
人の裏庭でガーデニング趣味に走る馬鹿をぶん殴ってこい。
そんな命令に従いえっちらおっちら『正統王国』産ジャガイモたちが行軍してきたのは雪山地帯。
どでかい謎の盆地が広がり、地図の殆どが使えない状態を4人のジャガイモが進む。
そんな命令に従いえっちらおっちら『正統王国』産ジャガイモたちが行軍してきたのは雪山地帯。
どでかい謎の盆地が広がり、地図の殆どが使えない状態を4人のジャガイモが進む。
「ミョンリ、道あってんのか?」
「GPS的にはあってますって」
「寒い。ねえ君寒くない?」
「このていどでねをあげるほどやわじゃない。はやくかせがなきゃ」
「GPS的にはあってますって」
「寒い。ねえ君寒くない?」
「このていどでねをあげるほどやわじゃない。はやくかせがなきゃ」
「さしおさえいって、リリアン(マウストラップ:トリモチオブジェクト)をげきはされたあげくほりょになる。最悪。わたしのきゅうりょうひょうかにかかわる。……いや、へたしたらわたしのほうにとりたてにんがくる……」
「だ、大丈夫ですって、そのうち捕虜交換協定で帰れますから」
「だから最悪なの!!!」
「だ、大丈夫ですって、そのうち捕虜交換協定で帰れますから」
「だから最悪なの!!!」
宇宙馬鹿の取り立て人として現れたトリモチオブジェクトことリリアン(マウストラップ)のエリートである。
「ほりょこうかんまでに、せめてなにかしらのせんかをたてなきゃ……。じょーしがとりたてにんをわたしあてにようだてる……むり。いそがないと」
「なんか……大変だな。亡命とかしないの?」
「ちすじばかのせいりょくとかむり。わたしのそふぼはおまえたちのどれいかいきゅうだ」
「なんか……大変だな。亡命とかしないの?」
「ちすじばかのせいりょくとかむり。わたしのそふぼはおまえたちのどれいかいきゅうだ」
それはまたご愁傷様でとしか思わないクウェンサーたちとしてもこの4人組の組み合わせは以外である。
『資本企業』の捕虜の女の子エリートにその監視なのか、付けられたミョンリと馬鹿2人。
『資本企業』と大なり小なり縁があるのは整備のばあさんだが、そっちでは無くこっちに付けられた。
(状況とか考えるに、万が一裏切っても上にとって痛くは無いし俺たちにどうにかしろってとこか)
クウェンサーはここはそういう場所じゃ無いんだけどなぁとか小さく口の中でぼやきつつ
でかい謎の盆地に吹き付ける冷たい風から身を守るべくいつの間にか脱げた防寒コートのフードをかぶる。
思い出すのはフローレイティアさんから聞いた話。
「何処の勢力なのかわかんないオブジェクトが全力で山岳地帯を整地して道を作ってるって何だろう?」
「ばしょてきとスペックてきにどーせ、しゅうきょうばかだろ。最悪のときは『じょーほーどうめい』のばかたち」
「どういう基準で最悪なのかさっぱりわかんねえ」
「とりあえず、整備基地の設営に使えそうな場所、早く見つけよう。それが俺たちの仕事だし」
でもって、立派に最悪はやってきた。
『資本企業』の捕虜の女の子エリートにその監視なのか、付けられたミョンリと馬鹿2人。
『資本企業』と大なり小なり縁があるのは整備のばあさんだが、そっちでは無くこっちに付けられた。
(状況とか考えるに、万が一裏切っても上にとって痛くは無いし俺たちにどうにかしろってとこか)
クウェンサーはここはそういう場所じゃ無いんだけどなぁとか小さく口の中でぼやきつつ
でかい謎の盆地に吹き付ける冷たい風から身を守るべくいつの間にか脱げた防寒コートのフードをかぶる。
思い出すのはフローレイティアさんから聞いた話。
「何処の勢力なのかわかんないオブジェクトが全力で山岳地帯を整地して道を作ってるって何だろう?」
「ばしょてきとスペックてきにどーせ、しゅうきょうばかだろ。最悪のときは『じょーほーどうめい』のばかたち」
「どういう基準で最悪なのかさっぱりわかんねえ」
「とりあえず、整備基地の設営に使えそうな場所、早く見つけよう。それが俺たちの仕事だし」
でもって、立派に最悪はやってきた。
「最悪! ぜったいあれは『じょーほーどうめい』のばかたち!」
道を整地してる馬鹿オブジェクトへの嫌がらせのつもりで折角きれいにした道をありったけ爆破したら
『おれが今までやってきた事を無駄にしやがって、ぶっ殺してやる』的な勢いでオブジェクトが戻ってきた。
道を整地してる馬鹿オブジェクトへの嫌がらせのつもりで折角きれいにした道をありったけ爆破したら
『おれが今までやってきた事を無駄にしやがって、ぶっ殺してやる』的な勢いでオブジェクトが戻ってきた。
『便宜上暫定的にアレをロードローラーと呼称する! おまえたちは速く逃げて、整備基地の設営作業!』
「無理無理無理!! いくらハンドアックスでもたかが人間が仕掛けた爆薬程度で戻ってくるのに無理!」
「はやくはしる! しんだら1セントもかせげない!」
『資本企業』流のジョークに返答も出来ず走るジャガイモたち。それに対してさすがはエリート。
「無理無理無理!! いくらハンドアックスでもたかが人間が仕掛けた爆薬程度で戻ってくるのに無理!」
「はやくはしる! しんだら1セントもかせげない!」
『資本企業』流のジョークに返答も出来ず走るジャガイモたち。それに対してさすがはエリート。
このくらいなら問題ないらしく何度か後ろを振り向き、ジャガイモたちに安全地帯へ誘導していく。
「『じょーほーどうめい』のひみつおぶじぇくとげきは……これならきゅうりょうさていにまいなすはつかないはず……あるいみ最高かも」
「メンタルくっそつえーなおまえ」
「メンタルくっそつえーなおまえ」
銀色の髪に対してアジア系の顔立ちをした少女は、小さな窪地に身を隠し、ジャガイモ3人衆もその後に続いて身を伏せた。
「あたりまえ。さしおさえにんがやられるってのはあっちゃいけないこと。びーあんどだぶりゅーろーんはそのへんきびしいんだから」
「それにしてもあのオブジェクト何しに整地してんだろ。あっ、折角爆破したとこまたまっすぐに整地始めた」
「ハッ、どうせまっすぐじゃ無いと転んで戦えないとか、そんなオチだろ」
「「…………」」
「おい、なんで黙るクウェンサー。まさかマジにしてんじゃいよな?」
とにかく現状は良いと言えない。仮称ロードローラーは国境地帯でオブジェクトの道を作っている。
割れたステンドグラスと言われてる世界では、今起きてる戦争の多くがオブジェクトを効率よく運ぶための道の奪い合いとも言われている。
そんな状態で道を作り出すこいつは、戦闘しか出来ないオブジェクトに対して戦略的な優位性を持っている。
「尤も道を作ってくれるって事はこっちも利用できるって事か……」
「それにしてもあのオブジェクト何しに整地してんだろ。あっ、折角爆破したとこまたまっすぐに整地始めた」
「ハッ、どうせまっすぐじゃ無いと転んで戦えないとか、そんなオチだろ」
「「…………」」
「おい、なんで黙るクウェンサー。まさかマジにしてんじゃいよな?」
とにかく現状は良いと言えない。仮称ロードローラーは国境地帯でオブジェクトの道を作っている。
割れたステンドグラスと言われてる世界では、今起きてる戦争の多くがオブジェクトを効率よく運ぶための道の奪い合いとも言われている。
そんな状態で道を作り出すこいつは、戦闘しか出来ないオブジェクトに対して戦略的な優位性を持っている。
「尤も道を作ってくれるって事はこっちも利用できるって事か……」
第37整備機動大隊のオブジェクト、つまりお姫様のベイビーマグナムがその道を突き進む形でこっちに合流する。
オブジェクトという怪物同士の戦いが始まった。
「……いや、ちょっとまて、これ最高に最悪じゃん。にげばないじゃん。どうにかしろッ!? ちすじばかども!!」
「「「えっ? あっ……いつものことだから反応遅れたわ」」」
クリエイト005(ロードローラー)のエリートは焦っていた。すでに決算期までの最低限ノルマは果たしてあるが、それだけだ。
とにかく今は撃破される訳にはいかない。ノルマに追われるなんて『資本企業』的だけど、この機体の建造には『資本企業』もかかわってる以上、連中のノルマ重視、利益率最重要視に多少なりとも引っ張られる。
とにかく今は撃破される訳にはいかない。ノルマに追われるなんて『資本企業』的だけど、この機体の建造には『資本企業』もかかわってる以上、連中のノルマ重視、利益率最重要視に多少なりとも引っ張られる。
(ウチのおえらいさんが、『資本企業』のれんちゅうからおかねなんてかりるからこんなことに……)
元をたどれば『正統王国』に潜入するために作ったダミーカンパニーがクリエイト005の建造元だ。
だというのに、いくらダミーとは言え、一切営業活動っぽい物をしないのは不自然と資源貿易関係のそれっぽい行動をしたら予想外の大ヒット。スパイたちは本業を忘れて営業マンのスーツを着けて賭けづり回る日々となってしまった。
だというのに、いくらダミーとは言え、一切営業活動っぽい物をしないのは不自然と資源貿易関係のそれっぽい行動をしたら予想外の大ヒット。スパイたちは本業を忘れて営業マンのスーツを着けて賭けづり回る日々となってしまった。
(……『資本企業』相手に情報で負けるとは……)
『資本企業』と『情報同盟』では表面上の資産で『情報同盟』は負けている。尤も『資本企業』は上に言えば行くほどその財産は有価証券やデリバリティブだのポートフォリオだのと色々な金融商品に化けてるため、時価総額ならまだしも即座に動かせる現金と言う意味では実のところ『情報同盟』の方が上回っている。
(わたしたちのれんたいちょう、どうにかくびをきれないかな……。げんじつとうひしてるばあいじゃない)
しかし、それは、『情報同盟』に金に困ってる個人がいないと言う都合の良い現実ににはならない訳で。『資本企業』の調査会社(スパイ組織)につけ込まれたのだという。
こうして、『情報同盟』の一大スパイ組織であった『その連隊』はいつの間にか『資本企業』の出先機関として『信心組織』や『正統王国』相手の工作をさせられている。非常に厄介な事は味方の『情報同盟』相手の活動は命じられていない。
離反させないための小細工だろうが、普通に効いてしまうから困る。
今では『情報同盟』の命令に従いつつ、『資本企業』の要望を最大限かなえる組織として動いている。
正直キャビネットにいつばれないか不安だ。
こうして、『情報同盟』の一大スパイ組織であった『その連隊』はいつの間にか『資本企業』の出先機関として『信心組織』や『正統王国』相手の工作をさせられている。非常に厄介な事は味方の『情報同盟』相手の活動は命じられていない。
離反させないための小細工だろうが、普通に効いてしまうから困る。
今では『情報同盟』の命令に従いつつ、『資本企業』の要望を最大限かなえる組織として動いている。
正直キャビネットにいつばれないか不安だ。
『いちおう、けいこくはしてあげる。そこのしょぞくふめいおぶじぇくとへ。いますぐひきなさい』
名誉と血統を重視する『正統王国』のエリートは『正統王国』らしく警告から入った。尤も相手の第1世代はこっちを撃つつもり満々で7門の主砲を容赦なくこっちに向けている。
が、クリエイト005のエリートからすれば、ありがたい時間でしか無い。目標は山、山、山!
轟!! と衝撃波が盆地を支配した。
目の前の山という山にありったけの副砲を次々とぶち込み、何かしら仕掛けが施されていたのか、雪崩を打つように崩れ、
が、クリエイト005のエリートからすれば、ありがたい時間でしか無い。目標は山、山、山!
轟!! と衝撃波が盆地を支配した。
目の前の山という山にありったけの副砲を次々とぶち込み、何かしら仕掛けが施されていたのか、雪崩を打つように崩れ、
ベイビーマグナムの足回りはもちろんの事、覆い尽くせるだけ土砂で覆い尽くす。
「「「うわぁああああああああああああああ」」」
当然馬鹿4人組からすればフ○ックユーと叫びたい所行だ。
「さしおさえだ! ぜったいしなせてやるぅぅううう!!」
「このエリートなんか出来ないの!? びっくりどっきりメカを操るんだから、こうすごい超能力とか!!」
「とりたてにんにちょうのうりょくなんかあるほうが最高におかしいだろ!!」
訳わからん口論をしながら埋もれた仲間たちを掘り起こすヘイヴィアとトリモチエリートの2人組に助けられながらもクウェンサーは見た。
ロードローラーが、主砲を思わしき射程がやけに短いプラズマ砲とドーザローラーを動かして再び地面をまっすぐに工作を始める姿を。
ロードローラーが、主砲を思わしき射程がやけに短いプラズマ砲とドーザローラーを動かして再び地面をまっすぐに工作を始める姿を。
『なにがしたいの???』
無線機から聞こえるお姫様の声。クウェンサー的にはもう確定だった。
「こいつは、まっすぐ平らな土地じゃ無いと満足に戦えないんだ。こいつの戦術は地形を自分に都合良く改造してキルゾーンを形成する事。
ある意味で戦闘には防衛任務や仲間のオブジェクトの整備基地の整備工事とかそういうことを受け持つそういう兵站戦のオブジェクトなんだ」
暫定呼称、ロードローラー(クリエイト005)は建造時、こう言われていた。
限りなく『第3世代』に近づいた機体。数多くの自称第3世代はあれど、戦略的な特別な意味を持つオブジェクトは未だ少ない。そういう意味で第3世代を名乗る機体の中でも特に近づいた機体の一つだと。
限りなく『第3世代』に近づいた機体。数多くの自称第3世代はあれど、戦略的な特別な意味を持つオブジェクトは未だ少ない。そういう意味で第3世代を名乗る機体の中でも特に近づいた機体の一つだと。
ベイビーマグナムの主砲のコイルガンがロードローラー(クリエイト005)を狙う。
しかし、身動きが殆どとれないベイビーマグナムの撃ち込んだそれは装甲にはじかれる。小破。
けれど、数を重ねればコイルガンの砲弾は整地したハズの大地に穴を開けたり、そのまま残骸が散らばって凹凸を作っていく。
しかし、身動きが殆どとれないベイビーマグナムの撃ち込んだそれは装甲にはじかれる。小破。
けれど、数を重ねればコイルガンの砲弾は整地したハズの大地に穴を開けたり、そのまま残骸が散らばって凹凸を作っていく。
「いいぞお姫様。お姫様の目的は真っ平らな空間を徹底的に荒らしてやるんだ! 相手の武装から考えて近づかせなければお姫様を撃破出来ない! 仮に出来たとしても時間と準備が必要なハズだ! 事前動作さえ見抜けばどうとでもなる!」
『わかった』
『わかった』
クウェンサーの指示に従い、その通りに行動するお姫様とお姫様の攻撃に反撃しながら、必死ででこぼこになったフィールドを
平らにしようとがんばるロードローラー。
平らにしようとがんばるロードローラー。
「つってもお姫様は現状動けねえんだ。これじゃ島国の言葉の千日手だぞ」
「だから、肝心な所は俺たちがやる」
「「は?」」
「だから、肝心な所は俺たちがやる」
「「は?」」
女性2人、エリートとミョンリがどん引きしながらこっちを見ている。
「あのドラゴンキラーのお2人頑張ってくださいね」 「最高にばか。こっちをまきこむな」
「何言ってんだ。2人にも手伝ってもらう」
「何言ってんだ。2人にも手伝ってもらう」
ミョンリの顔が引きつり、銀髪アジア系のエリートが天を仰ぐ。
「やることは単純だ。ロードローラーはドーザローラーとやけに射程の短い特殊な主砲で山を崩したりまっすぐ平らなでかい道を作っていく。
けれど、推進方法は多脚。たぶんふんばりを効かせるためだと思うけど、実際には何かがうまくいってないのか平らな空間じゃ無いとちゃんと戦えない。なら、小さくても突然現れた障害物に対応できるほど器用なオブジェクトじゃ無い」
「かんたんにいうな。しょうがいぶつってなんだよ」
けれど、推進方法は多脚。たぶんふんばりを効かせるためだと思うけど、実際には何かがうまくいってないのか平らな空間じゃ無いとちゃんと戦えない。なら、小さくても突然現れた障害物に対応できるほど器用なオブジェクトじゃ無い」
「かんたんにいうな。しょうがいぶつってなんだよ」
その言葉にクウェンサーは当然と言うように
「俺たちの本来の任務は何でしょう? 整備基地の設営場所探しです。それにあいつは俺たちが爆破したらすぐさまやってきた。
観測機材はもって来てるし、これだけ人数がいたら、いけるでしょ。計算して観測して色々な場所に爆薬を仕掛ける簡単なお仕事です」
観測機材はもって来てるし、これだけ人数がいたら、いけるでしょ。計算して観測して色々な場所に爆薬を仕掛ける簡単なお仕事です」
必死に場所を平らにしているオブジェクトの後方で突如爆発が発生。穴が開いた。
仕方ねえ、バックで……と動き出したところに右側面に爆発。これまた穴が開く。次は斜め左側面後方。次は次は次は……。
焦ったクリエイト005のエリートは急ぎ対応するべく動かして、足がもつれた。巨大なオブジェクトが転倒する。
仕方ねえ、バックで……と動き出したところに右側面に爆発。これまた穴が開く。次は斜め左側面後方。次は次は次は……。
焦ったクリエイト005のエリートは急ぎ対応するべく動かして、足がもつれた。巨大なオブジェクトが転倒する。
「「「うわぁあああああああああ!!」」」
巨大なオブジェクトが転倒する(すっころぶ)。
その衝撃の余波だけで馬鹿4人組はその場から吹っ飛ばされた。と言ってもせいぜい1メートルくらい。
その衝撃の余波だけで馬鹿4人組はその場から吹っ飛ばされた。と言ってもせいぜい1メートルくらい。
「さっさとどけぇえええ! 最悪! ぜったいさしおさえる。しなせてやるぅ!」
「うわぁ、暴れないで! そこの穴におちるぅう!」
「なんつーか、この状況で遠慮無くラッキースケベが出来るおまえには尊敬の念しかねーわ」
「どのへんが尊敬できるんですか! 『うわぁ……』しかないんですけど! これがヘイヴィアさんとのからみなら、まだマシなのに」
「うわぁ、暴れないで! そこの穴におちるぅう!」
「なんつーか、この状況で遠慮無くラッキースケベが出来るおまえには尊敬の念しかねーわ」
「どのへんが尊敬できるんですか! 『うわぁ……』しかないんですけど! これがヘイヴィアさんとのからみなら、まだマシなのに」
ミョンリの言葉に馬鹿2人が色々な意味で戦慄の表情をする中、『正統王国軍』の防寒コートの中に入り込んだ馬鹿の頭を蹴り飛ばして脱出を
図るトリモチエリートの少女。その勢いのままクウェンサーが落ちると言った深さ1メートルほどの穴の中へ。
図るトリモチエリートの少女。その勢いのままクウェンサーが落ちると言った深さ1メートルほどの穴の中へ。
「「うわぁ……」」
ヘイヴィアとミョンリの声が重なる。ラッキースケベは継続中。今度は尊敬の念も出てこなかったらしい。
「つか、ここまで来るとおまえなんか呪われてね? なんでそんなきれいに重なる事が出来るんだよ」
「と言うか、そろそろ可哀想ですから助けましょうよ」
「と言うか、そろそろ可哀想ですから助けましょうよ」
こうしてヘイヴィアとミョンリの2人組によって助け出されたクウェンサーとトリモチエリートの少女。
トリモチエリートの少女は、顔真っ赤にしてクウェンサーをにらみつけるが、クウェンサーの方は
転倒して、必死に立て直そうと悪戦苦闘するロードローラーに視線を向けている。
トリモチエリートの少女は、顔真っ赤にしてクウェンサーをにらみつけるが、クウェンサーの方は
転倒して、必死に立て直そうと悪戦苦闘するロードローラーに視線を向けている。
「いくら何でも戦いが苦手過ぎる……。こんな欠陥品、単機で動かして大丈夫なのか? 護衛があるように見えないし……
何か目的が……フローレイティアさん!」
何か目的が……フローレイティアさん!」
ようやく起き上がり、ロードローラーが再び整地作業に入りながら徐々にベイビーマグナムから遠ざかっていく。
それを見ながら、待っているとフローレイティアはクウェンサーからの疑問にようやく答える事が出来た。
それを見ながら、待っているとフローレイティアはクウェンサーからの疑問にようやく答える事が出来た。
『大量の爆薬がそこら中に仕掛けてあったわ。山の1つや2つ徹底的に吹っ飛ばす気ね。正直いつ爆発するかわからない』
「……急がないと……俺たちも姫様も危ない!!」
「……急がないと……俺たちも姫様も危ない!!」
ロードローラーとベイビーマグナムの距離はどんどん開いていく。
『正直、どれだけの爆薬が存在するかわからないわ。このままそこら中の爆薬が起爆したら、山岳地帯全体が
オブジェクトの道になったっておかしくない! 爆発を生き残っても追加のオブジェクトが来たらおしまいよ!』
「フローレイティアさん! その爆薬! 見つかった場所端末に送ってくれませんか!?」
オブジェクトの道になったっておかしくない! 爆発を生き残っても追加のオブジェクトが来たらおしまいよ!』
「フローレイティアさん! その爆薬! 見つかった場所端末に送ってくれませんか!?」
クリエイト005のエリートは一息付けそうでついつい安堵のため息が出てきた。
もうすぐ安全圏になるし、仕掛けた爆薬は遠慮無く山の1つ2つ吹き飛ばしてくれるだろう。その後を道路にすれば
新たなオブジェクトの輸送路の出現だし、さらなる『ノルマ』の達成にも役に立つ。
もうすぐ安全圏になるし、仕掛けた爆薬は遠慮無く山の1つ2つ吹き飛ばしてくれるだろう。その後を道路にすれば
新たなオブジェクトの輸送路の出現だし、さらなる『ノルマ』の達成にも役に立つ。
轟!! と、新たな衝撃波が大地を揺さぶる。
それも一つでは無い。複数の爆発物が想定外の爆発をする。それぞれの爆発の衝撃と爆風が綿密に計算されていたのか
クリエイト005に襲いかかる。脚部サスペンションに異常不可。緊急措置。多脚構造を生かして――
――失敗。転倒。
クリエイト005に襲いかかる。脚部サスペンションに異常不可。緊急措置。多脚構造を生かして――
――失敗。転倒。
「また転んだか。だよな。それがおまえの弱点だ。ふんばりを効かせるバズが、おまえは逆に踏ん張りがきかない。おまけに整地作業にこだわるから、本当はもっとスピードが出てもおかしくないのにおまえの進む速度は計算しやすい。おまえの仕掛けた大量の爆薬。全部は無理だけど利用させてもらったぜ」
「こっちもおわったよ。たく。これが終わったらオーバーホールだ」
「こっちもおわったよ。たく。これが終わったらオーバーホールだ」
整備の婆さんのかけ声。そして、馬鹿4人組含むジャガイモ立ちは全員耳を守り伏せる。
発破。ベイビーマグナム土砂崩れから脱出。山岳に仕掛けられた爆薬のうちのいくらかをベイビーマグナム脱出用に。
発破。ベイビーマグナム土砂崩れから脱出。山岳に仕掛けられた爆薬のうちのいくらかをベイビーマグナム脱出用に。
「もう終わりだ、ロードローラー。おまえは戦闘が下手すぎる。いっそ全部土木作業能力に振り切れば良かったのに」
ロードローラー、ベイビーマグナムの接近に気がつき、自分の主砲で足を1本切り落とす。
ロードローラー、ベイビーマグナムの接近に気がつき、自分の主砲で足を1本切り落とす。
「「「えっ?」」」
2本目を切り落とす。最後にはでかいドーザーローラーを。
ただでやられるつもりは無い。軽くなるためだろう。そして、ついに立ち上がる。8本足から6本足へ。
射程距離の短い主砲だが、副砲は至ってオーソドックス。下位安定式プラズマ砲が火を噴く――!
ただでやられるつもりは無い。軽くなるためだろう。そして、ついに立ち上がる。8本足から6本足へ。
射程距離の短い主砲だが、副砲は至ってオーソドックス。下位安定式プラズマ砲が火を噴く――!
――だが、お姫様が早かった!
お姫様の7門の主砲、そのすべてが一点に向かってレーザーとコイルガンを射撃した。
折角起き上がったロードローラーだが、脚部を狙われ、バランスを崩し副砲の狙いはずれる。
そして、ベイビーマグナムの下位安定式プラズマ砲がたたき込まれた。
折角起き上がったロードローラーだが、脚部を狙われ、バランスを崩し副砲の狙いはずれる。
そして、ベイビーマグナムの下位安定式プラズマ砲がたたき込まれた。
『ロードローラー撃破! みんなよくやった!』
フローレイティアさんの言葉にジャガイモたちが沸き上がる中、一人険しい顔をしている少年がいる。
フローレイティアさんの言葉にジャガイモたちが沸き上がる中、一人険しい顔をしている少年がいる。
「……これで終わりじゃ無い。調べよう」
「何言ってんだよ。クウェンサー?」
「いくら何でも戦闘が下手すぎる。あんなオブジェクトが単機で活動している方が不自然だ。きっと何かやっている。この地域を全部徹底的に捜索するべきだし、何よりもあのオブジェクトにだって、整備基地があったはずだ」
「何言ってんだよ。クウェンサー?」
「いくら何でも戦闘が下手すぎる。あんなオブジェクトが単機で活動している方が不自然だ。きっと何かやっている。この地域を全部徹底的に捜索するべきだし、何よりもあのオブジェクトにだって、整備基地があったはずだ」
『第3次経過報告書(暫定)』
Plan.WEフェーズ2において重要となる希少資源の開発に関して。
Project:Iのコアユニットの完成に必要なパーツは全部で7万点にもおよび、それには特殊なレアアースを豊富に使用します。
Project:Iの製造は機密事項であり、可能な限り洗浄を行い正規非正規問わず様々なルートを通じて調達を行っていますが
対象となっているレアアースは各勢力ごとに厳密な監視網を強いており、洗浄に多大なコストと時間を必要となります。
そこで、『情報同盟』の秘匿連隊の一つをかねてより制御下においており、その保有オブジェクトを使用する手はずを整えました。
かねてより、競合地帯(コンテスト・エリア)に囲まれた緩衝地帯(バッファー・ゾーン)として資源開発の手が止まっているザグロス山脈方面にて
採掘能力を有する工作オブジェクトを派遣し、鉱山開発を行いたいと思います。
Plan.WEフェーズ2において重要となる希少資源の開発に関して。
Project:Iのコアユニットの完成に必要なパーツは全部で7万点にもおよび、それには特殊なレアアースを豊富に使用します。
Project:Iの製造は機密事項であり、可能な限り洗浄を行い正規非正規問わず様々なルートを通じて調達を行っていますが
対象となっているレアアースは各勢力ごとに厳密な監視網を強いており、洗浄に多大なコストと時間を必要となります。
そこで、『情報同盟』の秘匿連隊の一つをかねてより制御下においており、その保有オブジェクトを使用する手はずを整えました。
かねてより、競合地帯(コンテスト・エリア)に囲まれた緩衝地帯(バッファー・ゾーン)として資源開発の手が止まっているザグロス山脈方面にて
採掘能力を有する工作オブジェクトを派遣し、鉱山開発を行いたいと思います。
「なんだこれ……」
「なんだこれじゃなくて手伝って欲しいだけど!? クウェンサー!」
「なんだこれじゃなくて手伝って欲しいだけど!? クウェンサー!」
銃撃戦の真っ最中に端末を見るクウェンサー。
撤収が遅れていたのか、撃破したロードローラーから離れること10キロの地点にあからさまにロードローラーが止まっていたと思わしき痕跡を
発見。何しろ周囲は立派に山だの瓦礫だのに囲まれているのにそこだけぽっかりと真っ平らなのだから妖しい雰囲気丸出しである。
取り残されていたのか、或いは純粋に殿だったのかは不明だが、残っていた兵隊たちが銃撃を仕掛け、
ヘイヴィアとミョンリがライフル片手に応戦しクウェンサーはハンドアックスで攻撃。謎の地下施設へと進入を果たしていた。
撤収が遅れていたのか、撃破したロードローラーから離れること10キロの地点にあからさまにロードローラーが止まっていたと思わしき痕跡を
発見。何しろ周囲は立派に山だの瓦礫だのに囲まれているのにそこだけぽっかりと真っ平らなのだから妖しい雰囲気丸出しである。
取り残されていたのか、或いは純粋に殿だったのかは不明だが、残っていた兵隊たちが銃撃を仕掛け、
ヘイヴィアとミョンリがライフル片手に応戦しクウェンサーはハンドアックスで攻撃。謎の地下施設へと進入を果たしていた。
「おまえたちは、やりかたがあらっぽすぎる。もっとすむーずにやるべき」
「そういうエリートさんもそのライフルは何のためにあるんですかねぇ!?」
コツンと、ヘイヴィアの目の前に手榴弾が落ちる。
次の瞬間、黄色い人影がライフルのストックをゴルフクラブよろしく振り回して敵陣へ手榴弾をホールインワン。
「そういうエリートさんもそのライフルは何のためにあるんですかねぇ!?」
コツンと、ヘイヴィアの目の前に手榴弾が落ちる。
次の瞬間、黄色い人影がライフルのストックをゴルフクラブよろしく振り回して敵陣へ手榴弾をホールインワン。
「ライフルはこうつかうもの」
「……絶対違うっ!?」
「……絶対違うっ!?」
手榴弾の爆発音が炸裂する中、トリモチエリートの少女とヘイヴィアがそんな会話を横目にクウェンサーは見つけた端末とメモリの束を次々と
操作していく。
希少資源の含有率、精製コストの計算式、オブジェクト、クリエイト005の精製設備を使用した場合の搬入速度。
けれど、妙な報告書に記載のあったPlan.WEだのProject:Iだのその辺に直接繋がりそうな情報は無い。その代わりに出てきたのが
操作していく。
希少資源の含有率、精製コストの計算式、オブジェクト、クリエイト005の精製設備を使用した場合の搬入速度。
けれど、妙な報告書に記載のあったPlan.WEだのProject:Iだのその辺に直接繋がりそうな情報は無い。その代わりに出てきたのが
「??? なんだこの数字。こっちは資本企業のニュース記事。特定のニュースばかり保存しているのか?」
「……はっ、てんけいてきなとうしさぎのにゅーすだ。……7thコアのほうむぶがうごいているのか。そのうちすぐにつかまるぞこいつら」
「なんだって?」
「こっちはぷらいべーとばんくどうしのそうきんきろく……。しょうちゅういれかえて……まねーろんだりんぐ?」
「ぷ……プライベートバンクってあのお金持ちがお金持ちする銀行のことですか?」
「……はっ、てんけいてきなとうしさぎのにゅーすだ。……7thコアのほうむぶがうごいているのか。そのうちすぐにつかまるぞこいつら」
「なんだって?」
「こっちはぷらいべーとばんくどうしのそうきんきろく……。しょうちゅういれかえて……まねーろんだりんぐ?」
「ぷ……プライベートバンクってあのお金持ちがお金持ちする銀行のことですか?」
「「これだから平民(貧乏人)は」」
「なんだろう、どっちもディスられてるのに、貧乏人の方がイラってくる」
「なんでだよ!! これだからちすじばかは最高にこまる!」
「なんだろう、どっちもディスられてるのに、貧乏人の方がイラってくる」
「なんでだよ!! これだからちすじばかは最高にこまる!」
ヘイヴィアが敵兵に銃弾を撃ち返してるなか、エリートの少女は得意げに説明を始める。
「プライベートバンクっつーのはどこぞの金持ち個人がやってる銀行だ。普通の銀行ってのはそういう会社のこと。
それに対して、プライベートバンクはどこぞの金持ちがオーナー社長って奴をしてる銀行だ。そいつ個人の
財布と信用がある意味すべての銀行だな。つまり金持ちによる金持ちのためのお友達銀行って奴だ」
「でもって、しょせんこじんがしょゆうするぎんこうとそういうかいしゃ、どっちがでかくてかくじつか……」
それに対して、プライベートバンクはどこぞの金持ちがオーナー社長って奴をしてる銀行だ。そいつ個人の
財布と信用がある意味すべての銀行だな。つまり金持ちによる金持ちのためのお友達銀行って奴だ」
「でもって、しょせんこじんがしょゆうするぎんこうとそういうかいしゃ、どっちがでかくてかくじつか……」
そういう意味では、二流による二流のための二流銀行。それがプライベートバンク。
どこぞの普通の銀行がたまにプライベートバンクサービスとやらをやるがそういうのはプライベートバンクに
妙な夢と希望を持つ三流以下を食い物にするためのサービスだとヘイヴィア達は言う。
どこぞの普通の銀行がたまにプライベートバンクサービスとやらをやるがそういうのはプライベートバンクに
妙な夢と希望を持つ三流以下を食い物にするためのサービスだとヘイヴィア達は言う。
「わかりやすくオブジェクトで例えるぞ。オブジェクトは1機だいたい50億ドルかかるわけだ。
個人がこの50億ドルを稼ごうと思ったらかなり頑張らないといけないし、運も必要だ。時間もいるかもしれない
或いは特殊な技術なんかも必要かもな。これが、どこぞの王侯貴族や会社ならどうだ? 端金と呼ぶには大きな額だかが
払えないわけじゃ無い。それも複数機体分な」
個人がこの50億ドルを稼ごうと思ったらかなり頑張らないといけないし、運も必要だ。時間もいるかもしれない
或いは特殊な技術なんかも必要かもな。これが、どこぞの王侯貴族や会社ならどうだ? 端金と呼ぶには大きな額だかが
払えないわけじゃ無い。それも複数機体分な」
つまりは、個人の出せるカネなんぞたかがしれている。金融市場とか言う世界で君臨しているのは無数の『組織』だ。
どんな金持ちであろうが、この当然の摂理を超えて暴れることは出来ない。仮に出来たとして数日が精々。
そんな個人の金持ちを相手にするプライベートバンクはそういう意味では二流による二流のための二流銀行。
どんな金持ちであろうが、この当然の摂理を超えて暴れることは出来ない。仮に出来たとして数日が精々。
そんな個人の金持ちを相手にするプライベートバンクはそういう意味では二流による二流のための二流銀行。
「それでもぷらいべーとばんくをりようするかねもちたちがいるのは、ぷらいべーとばんくがいっしゅのさろんになってるから。
あたらしいおかねもちのおともだちをつくるのにいいばしょになってる。あと、こじんがけいえいしてうんえいしているから
わがままをかんたんにきいてくれるの。それこそ、それとなく、まねーろんだりんぐをさせるのに最高のばしょね」
「うわぁ……って感想しか思い浮かばないですね」
あたらしいおかねもちのおともだちをつくるのにいいばしょになってる。あと、こじんがけいえいしてうんえいしているから
わがままをかんたんにきいてくれるの。それこそ、それとなく、まねーろんだりんぐをさせるのに最高のばしょね」
「うわぁ……って感想しか思い浮かばないですね」
ミョンリがそう言いつつ、マガジンを交換する。銃撃戦が始まってもうそろそろ10分近くたちそうだ。
つまり、この妙な数字やオブジェクトとは関係なさそうなデータの類いは不正な送金情報。マネーロンダリング的な奴の。
つまり、この妙な数字やオブジェクトとは関係なさそうなデータの類いは不正な送金情報。マネーロンダリング的な奴の。
「なぁ!? そろそろマジでおまえ等もなんかしろよ!! さすがに俺をミョンリの2人しかやってねえのはやべぇって!」
「……しかたない。じゅうせいからいってもんだいないかずしかのこってない。最高」
「……しかたない。じゅうせいからいってもんだいないかずしかのこってない。最高」
エリートの少女は『正統王国軍』の防寒コートとライフル以外は全部わざわざ『資本企業』の装備を身につけている。
捕虜だというのに偉そうに戦地に行くときにそれを要求したのだという。防寒コートとライフルだけは
妥協させられたようだが。そんな『資本企業』の装備品の一つ、スタングレネードを取り出して、ベースボールのバットのように
ライフルでスコーンとホームラン。
それも1発では無い。2発、3発、4発、5発、6発
捕虜だというのに偉そうに戦地に行くときにそれを要求したのだという。防寒コートとライフルだけは
妥協させられたようだが。そんな『資本企業』の装備品の一つ、スタングレネードを取り出して、ベースボールのバットのように
ライフルでスコーンとホームラン。
それも1発では無い。2発、3発、4発、5発、6発
「っていつまでやるんだよぉ!?」
ヘイヴィアの言葉に応えるよりも前に気がついたら、敵兵はすべて無力化されていた。
強い閃光と爆音で脳みそに衝撃を与えて軽く気絶させたり、数秒ほど動けなくさせるそれを6連発。
6連発スタングレネード爆撃のあと、ライフルのストックでぶん殴り衝撃で完全に昏倒させ、ついでにダクトテープでぐるぐる巻きにされている。
強い閃光と爆音で脳みそに衝撃を与えて軽く気絶させたり、数秒ほど動けなくさせるそれを6連発。
6連発スタングレネード爆撃のあと、ライフルのストックでぶん殴り衝撃で完全に昏倒させ、ついでにダクトテープでぐるぐる巻きにされている。
「……そういう技があんなら、もっと早くやってくれないかな?」
「はっ、このにんずうだからできただけだ」
「全員殺さずに仕留めてますよ、この子」
「わたしはとりたてにんであり、さしおさえにん。ころしたら、『したい』いじょうのかちはない」
「これ『資本企業』的発想なのか、この子特有の思考回路?」
「はっ、このにんずうだからできただけだ」
「全員殺さずに仕留めてますよ、この子」
「わたしはとりたてにんであり、さしおさえにん。ころしたら、『したい』いじょうのかちはない」
「これ『資本企業』的発想なのか、この子特有の思考回路?」
思わず馬鹿3人組がそんな感想を口にする。おかげで捕虜には困りそうに無い。
「とにかくわかったことは3つ。ロードローラーの正式名称は『クリエイト005』。名前から『情報同盟』確定。
そして、あいつはここで秘密の資源開発をしていたこと。そして……妙な詐欺グループと何かしらつながりがあるって事だ」
「なんだってそんな訳のわかんないはな……し……に?」
「どうした? ヘイヴィア?」
そして、あいつはここで秘密の資源開発をしていたこと。そして……妙な詐欺グループと何かしらつながりがあるって事だ」
「なんだってそんな訳のわかんないはな……し……に?」
「どうした? ヘイヴィア?」
ヘイヴィアの動きが固まっている。それは1枚の紙切れを踏んづけていることに気がついたから。そしてその紙切れには
例の『脳みそ』の写真と、死んだ王女様の写真が載せられていた……。
例の『脳みそ』の写真と、死んだ王女様の写真が載せられていた……。