夢を買うお話(昔話)

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&font(#6495ED){登録日}:2018/9/27 (木曜日) 12:35:28 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約5分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 『夢を買うお話』とは、イラン、[[日本>日本国]]に古くから伝わる昔話である。 *◇はじめに 我々人類は、寝ている時に[[夢]]を見る。 良い夢、悪い夢等様々である。 その中でもし、以下の二話の様な出来事が起こったら、まさに奇跡と言えるであろう。 *◇夢を買った羊飼い(イラン) 昔々、イランのとある村に貧乏な羊飼いが住んでいました。 名前はモンボ。 ある朝、羊の群れと散歩していると、同じく羊飼いをやっているキピルに会いました。 モンボは羊の乳を搾り、器の中に入れるとクリームを作る粉を入れ、更にその上に何故か[[ナイフ>ナイフ(武器)]]を置きました。 モンボ「さて、一仕事終えたし、休むとするか……んっ!?」 モンボは横になろうとした時、先に横になって寝ているキピルを見て驚きました。 キピルの鼻の中から一匹の蝿が飛び出て来たからです。 キピルの鼻から出て来た蝿は、モンボが羊の乳を入れた器の上に置いてあるナイフを歩いて渡り、更にその先にある大きな岩に止まりました。 モンボ「おい、キピル、キピル!」 モンボはキピルを起こしました。 すると、岩に止まっていた蝿はキピルの鼻の中に戻りました。 蝿がキピルの鼻の中に戻るのと同時にキピルは起きました。 キピル「なんだ、モンボ…今良い夢を見ていたのに…。」 モンボ「悪い悪い。どんな夢を見ていたんだ?」 キピルはモンボに、さっき見ていた夢の出来事を話しました。 キピル「俺はさっき、白い池にかかっている銀色の橋を渡ったんだ。 その先には大きな岩があって、その大きな岩の中には金銀財宝がいくつもあるんだ。 掘り起こそうとしたら、君に起こされちゃった。」 それを聞いたモンボは確信しました。 モンボ「(さっきの蝿は、キピルの魂だったんだな。)」 その時、モンボはキピルの夢を買うことにしました。 モンボ「キピル、良かったらその夢を売ってくれないか?今日の給金、全部君にあげるよ。」 キピル「ホント!?よし、売ったァ!」 その日、モンボは今日の分のお給金を、全部キピルにあげました。 そしてキピルの鼻から出て来た蝿が止まっていた岩を掘り起こしました。 するとどうでしょう、キピルが夢で見ていた通り、金銀財宝がありました。 夢を買ったモンボは、大富豪になりましたとさ。 めでたし、めでたし。 【登場キャラクター】 ・モンボ 貧乏な羊飼いの青年。 キピルから夢を買い、金銀財宝を入手して大富豪になった。 ・キピル モンボと同じく羊飼いの青年。 鼻から自身の魂の化身である鼻を出し、モンボに金銀財宝のありかを教えた。 モンボを大富豪に導いた功労者と言える。 *◇夢買い長者(日本) 昔々、ある村に二人のお百姓さんが朝から畑仕事をしていました。 一人は若く、もう一人は年老いていました。 お昼に差し掛かると、年老いた方のお百姓さんは先に寝てしまいました。 その時、一匹の虻が飛んできて、寝ているお百姓さんの鼻の中に入りました。 若いお百姓さん「た、大変だ!」 しかし、虻は反対側の鼻の穴から出て来てそのまま飛んでいきました。 その時、年老いたお百姓さんが起きました。 年老いたお百姓さん「なんだ、夢だったのか。」 若いお百姓さん「え、夢!?」 年老いたお百姓さん「実はな、さっきこんな夢を見たんじゃ。 一匹の虻が飛んできてな、『ここを掘れ』というから掘ってみたら、小判の入ったボロい壺が出て来たんじゃ。」 それを聞いた若いお百姓さんは確信しました。 若いお百姓さん「(さっきの虻が、夢のお告げをしていたんだな。)」 その時、若いお百姓さんは年老いたお百姓さんから夢を買うことにしました。 若いお百姓さん「爺さん、その壺、どっから出て来たんだい!?」 年老いたお百姓さん「えっ!?そうじゃなあ…佐渡の古寺で、そこの庭にある白椿の下じゃった様な…。」 若いお百姓さん「爺さん、ありがとよ。これは御礼だ、取っといてくれ。」 若いお百姓さんは年老いたお百姓さんに銭を幾らか渡すと、早速舟に乗って佐渡に渡りました。 古寺はすぐに見つかりました。 若いお百姓さん「和尚さん、是非私を雇ってください!お願いします!」 和尚さん「ちょうど良かった。今、若い働き手を探しておったんじゃ。」 和尚さんに雇われた若いお百姓さんは、せっせと働きました。 一年後、庭にある椿の木に花が咲きました。 それはそれは見事な白色の花でした。 若いお百姓さん「この下だな。」 若いお百姓さんはその白椿の下を掘りました。 するとどうでしょう、中から沢山の小判が入ったボロい壺が出て来ました。 若いお百姓「よっしゃああああ!」 それから若いお百姓さんは大金持ちになりましたとさ。 めでたし、めでたし。 【登場キャラクター】 ・若いお百姓さん 年老いたお百姓さんから夢を買い、古寺で沢山の小判が入ったボロい壺を発掘し、金持ちになる。 ・年老いたお百姓さん 若いお百姓さんに夢の中の出来事を話し、更に若いお百姓さんから銭を幾らか受け取る。 ・虻 若いお百姓さんを大金持ちに導いた虻。 ・和尚さん 古寺の住職。 若いお百姓さんが小判を発見した時は、さぞや腰を抜かしたに違いないだろう。 追記・修正は、夢を買ってからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 花さか爺の隣の爺さんとどこで差がついたのか…強欲・発想の違い -- 名無しさん (2018-09-27 12:39:34) - まんが日本昔話だと一ひねり入れて毎年咲くのは赤い椿で結局夢かと思ったらその赤椿の奥に小さい木に白椿が咲いていた -- 名無しさん (2018-09-27 13:20:36) - イランにも類型があるんだな、知らなかった -- 名無しさん (2018-09-27 15:16:20) - 北条政子も、妹が見た夢を買ったなんて話があるな。 -- 名無しさん (2018-09-27 15:43:06) - ↑4 花咲か爺さんの意地悪老夫婦は無理やり臼やら犬やら奪った こっちはちゃんと金払っているしちゃんと目的達成のために働いている。 そういう違いかね -- 名無しさん (2018-09-27 19:07:41) - なんだろう、誰も傷つかないで割とみんな幸せな昔話って珍しく感じる -- 名無しさん (2018-09-27 19:23:34) - 鼻から出てきたハエが本当にキピルの魂だったなら、もしうっかりハエを潰してたらキピルは死んでたんだろうか…? -- 名無しさん (2018-09-27 19:28:32) - 山口あたりの民話に似たような話があったな。トンボが百姓の寝てる口にしっぽ突っ込んで、どっかいってはまた突っ込んで。そしてそのトンボが往復してた場所を見れば酒がわく泉があった。とかそういう話。 -- 名無しさん (2018-09-28 02:15:50) - 夢で近所の田んぼから温泉が湧く夢を見た人がそこを掘ったら最終的に温泉がわいた話とかあったな -- 名無しさん (2018-09-28 06:18:41) - フランケンシュタインの作者も下は夢で見た話を小説にしたものだし夢って才能開花のきっかけか金がほしいときに発動する感知センサーなのかも知れない。 -- 名無しさん (2018-10-09 09:54:30) #comment #areaedit(end) }
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