リリーのアトリエ〜ザールブルグの錬金術士3〜

登録日:2025/07/31 Thu 18:47:30
更新日:2025/08/02 Sat 01:14:04NEW!
所要時間:約 8 分で読めます






一人の少女の手による錬金術アカデミー創始の物語-。



2001年6月21日発売。
マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜』『エリーのアトリエ〜ザールブルグの錬金術士2〜』の続編にあたる、『ザールブルグシリーズ』3作目。本作からプラットフォームがPSからPS2に変わっている。
過去2作品よりも数十年昔、まだザールブルグに錬金術が伝わっていなかった時代が舞台となっている。
翌年には通信対戦要素や追加イベントを収録した『リリーのアトリエプラス 〜ザールブルグの錬金術士3〜』が発売されている。

また本作の6ヶ月後の12月、本作のヘルミーナを主人公にした短編ADV(デジタルノベルぐらいの内容)である『ヘルミーナとクルス 〜リリーのアトリエ もう一つの物語~』が発売された。


あらすじ


ザールブルグに錬金術がまだ伝わってなかった時代。
海を隔てて遠く離れた地、ケントニスの錬金術アカデミーから4人の錬金術士がやって来る。
後のアカデミー校長であるドルニエ。幼いながらも錬金術を修め神童と呼ばれ、後にアカデミー教師となるイングリドとヘルミーナ。そして…


ゲームの流れ


過去2作品の目標がアカデミー卒業だったのに対し、本作の目的は錬金術アカデミーの建設であり、そのための建設資金を稼ぐのが最終的な目標となる。なお目標額を稼いだら即エンディングというわけではなく、お金が貯まってもそのままゲームを続けることも可能。
また上記の建設資金とは別に、追加でお金を出してアカデミーに装飾を追加して外見を変更することが可能となっている。

お金を稼ぐ方法は過去作品と同様に酒場の依頼をこなすのがメインだが、それ以外にも年1回ある展覧会や武闘大会の報酬、交易地でのアイテム取引、貴族(好事家)相手の商談などがある。何なら錬金術そっちのけで雑貨屋のアイテムを貴族相手に転売しまくってクリアすることも可能だったりする(それはそれで違った意味での錬金術ではあるのだが)。

ゲーム期間はデフォルトで9年と過去作品よりも長くなっている*1。そのため一部の登場人物は過去作品よりも登場が遅めに設定されていたりする。

前作同様に恋愛イベントがありエンディングにも若干影響がある…のだが、割と序盤の方にある日常会話で選択肢を間違えるとフラグが折れるので注意が必要。


前作からの主な変更点


  • ザールブルグの街のマップが追加され、自由に移動できるようになった。ファストトラベルも可能 。

  • 前作のオリジナル調合に変わって【ラフ調合】が追加された。既存のレシピの材料を変更して調合を行い、新しいアイテムを作成したり、既存のアイテムの性質や性能を変化させることができる。


主なイベント


  • 展覧会/特選会
展覧会は王国主催で、年に1回行われる。お題に該当するアイテムを提出し、アイテムの種類と品質、効果によって報酬が得られる。
一定以上の評価を出すとワンランク上の特選会へ参加できる。ただし特選会のお題は展覧会のものとは異なり、また提出までの期間が短いので注意が必要。

  • 武闘大会

過去作品にもあった年末恒例イベント。全5回戦を勝ち抜くと優勝。3回戦以降は味方キャラが敵として立ちふさがってくる。


登場人物


CV:那須めぐみ
本作の主人公。
錬金術に対する姿勢や意欲を買われて、ザールブルグへの派遣メンバーに選出された。
実は錬金術に関してはイングリド・ヘルミーナの方が上だったりするが、2人からは「リリー先生」と呼ばれ慕われている。
好物はケントニス名物のお菓子「ペンデル」。手間はかかるが調合が可能。
詳細に関しては個別項目参照。

  • イングリド
CV:白石妙子
過去2作品に登場したイングリド先生その人。本作品では10歳。時の流れは残酷だ。
アカデミーに8歳で入学してわずか2年で錬金術を修め、ヘルミーナと共に『神童』と呼ばれている。一方で年相応の振る舞いを見せることも多い。ヘルミーナとは仲よくしたり喧嘩もしたり…という仲で、喧嘩になると先に手が出る方。

  • ヘルミーナ
CV:釘宮理恵
前作に登場したヘルミーナ先生その人。性格はやや引っ込み思案のおとなしくて可愛らしい少女。どうしてああなった。
まあ作中でも黒魔術とかに興味を示したりとその片鱗を見せている。
イングリド同様に『神童』と呼ばれている。
喧嘩の際にはイングリドよりも口は達者。
『ヘルミーナとクルス』ではホムンクルスの創生を自ら手掛けるが…。

なお上記の2人に関しては、ドルニエと分担してどちらかの面倒をメインで見る形となり、選んだ方には妖精さん同様に調合を依頼することができる。両方面倒見させてください


  • ゲルハルト

豪放な性格の冒険者。武器に対するこだわりを持っており、将来は武器屋になるのが夢。
ちなみにゲルハルトという名前は偽名らしい。
ストーリーが進むと、引退を考えていた武器屋のレオから店を引き継ぎ、冒険者兼武器屋となる。
楽器の演奏は得意だが、歌はかなりの音痴。

…上記の特徴やCV等から察する方も多いと思われるが、前2作品に登場した「武器屋のハゲ頭のオヤジ」の若かりし頃の姿である。
本作の時点ではまだ名前は決まっていなかったが、後の作品で再登場した際に「ハゲル=ボールドネス」という名前が付けられた。


  • テオ・モーンマイヤー
CV:下野紘
冒険者の少年。リリーよりも1つ年下。元々は地方の農家の息子だったが、跡を継ぐのが嫌で街に出て来た。
冒険者としては駆け出しレベルで強さもそこそこだが、賃金もお手頃なので序盤のお金が無い状況だと非常に助かる存在。


  • ウルリッヒ・モルゲン
CV:速水奨
王国騎士団の副隊長。隊長になる実力は持っているものの、過去の出来事がきっかけで昇進を拒んでいる。
本作の「アインツェルカンプ」枠。


  • ヴェルナー・グレーテンタール
CV:神奈延年
雑貨屋を営む青年。性格はかなりの気分屋で、お店も突如休業日になったりする。


  • イルマ
CV:中原麻衣
ザールブルグにやって来たキャラバン隊所属の少女。リリーとは「よそから来た者同士」ということで意気投合する。
街中で出会った際には占いをしてもらうことが可能。


  • カリン・ファブリック
CV:村井かずさ
製鉄工房の主の娘で、自身も工房で働いている。鬱陶しいという理由で髪をバッサリ切って短髪にしているため、男と間違われることも。
今作では金属のインゴットを作れるので、武具は最終的に買うより彼女に依頼して作ってもらうのがメインになる。
特定のメンバーが仲間にいる際には、必殺技使用時に低確率で仲間をぶん投げて攻撃することがある。


  • シスカ・ヴィラ
CV:夏樹リオ
赤い鎧が特徴の女騎士。王国初の女性騎士を目指している。
一方で女性らしくオシャレに興味があり、彼女からアクセサリーや化粧関連の本を貰うイベントがある。


  • クルト=フローベル
CV:増岡太郎
教会の神父さん。前作に登場したミルカッセの父親。
錬金術に関しては『自然の摂理を歪めるもの』として否定的な考えを持つものの、教会を訪ねてくる人たちには身分や考え方など関係なく平等に接してくれる。リリーが頼めば素材採取にも付いてきてくれる良い人。
ただし基本戦闘能力は低め。一般人だから仕方がないね。


  • エルザ・ヘッセン
CV:笠原留美
リリーが街中で出会う少女。やや世間離れした部分がある。本人曰く「パン屋の娘」とのことだが… 。


  • ヘートヴィッヒ・マクスハイム
CV:岡村明美
貴族であるマクスハイム家の4女。不自由のない生活をしてはいるものの、退屈さも感じている。
登場人物のうちの何人かとは関わりがあり、ストーリー内で関わってくることも。
商談相手の1人。


  • カスパール・ザイン
CV:岡田貴之
農家から成りあがった富豪。珍しいものに興味を示す。
商談相手の1人。


  • ドルニエ
CV:菅原正志
後のアカデミー校長。リリーやイングリド、ヘルミーナと共にザールブルグにやってきて一つ屋根の下で生活している。
各方面との交渉を主に担当している…ということで冒険には連れては行けない。
アカデミー建設の資金管理も行っており、彼に建設資金を全て渡すとエンディングとなる。


  • ヴィント・シグザール
CV:品川徹
シグザール王国の国王様。国の有力な産業が無いのが悩みで、展覧会を実施しているのはその産業を見つける意味合いが強い。
後に悩みの種となる息子はまだ生まれたばかり。


  • ハインツ・マドック
CV:大塚明夫
酒場「金の麦亭」の主人。ゲームを普通にプレイしたら一番多く話しかけることになるであろう人。


  • ヨーゼフ・カロッサ
CV:大川透
雑貨屋の店主。愛妻家でノロケ話をしてくる。
ただし彼との会話で適当に答えると後で痛い目を見る…かもしれない。


  • アイオロス
CV:室園丈裕
過去作品で名前だけ出ていた有名な画家。本作ではまだ売れる前で苦しい生活を送っている。


  • レオ・ブランデン
CV:伊井篤史
武器屋の主人。高齢だが後継者がいないのが悩みだった。
ゲームを進めるとゲルハルトに店を譲って引退、故郷のグランビル村で第2の生活を送るようになる。


  • ゲマイナー
CV:竹村拓
ストーリー中盤で登場する胡散臭い男。自称『錬金術士』だが、錬金術は使えない。
仕事を勝手に引き受けてはリリーの前に現れ、その依頼を丸投げする。しかも持ってくる依頼はその段階ではレシピはおろか名前も知らないレベルの高位アイテムばかり…当然断らざるを得ないのだが、街の人たちの評価が下がってしまう。*2
この迷惑行為を止めさせるには、彼に関するイベントを最後まで終わらせる必要がある。


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最終更新:2025年08月02日 01:14

*1 一応エリーのアトリエでは最長9年プレイが可能だが、そのためには試験で落第する等の調整が必要、かつエンディングが固定されてしまう

*2 ウルリッヒもとあるイベントでとんでもない依頼をしてくるが街の危機がかかっているし断ってもやむを得ないということで評判は下がらない