&font(#6495ED){登録日}:2009/10/25 Sun 11:18:10 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 戦国時代。それは、平和と戦乱、日常と非日常が同居した時代。 一般に群雄が日本の統一を目指していた時代…と認識される事が多いが、そもそも日本史の年表区分には「戦国時代」は存在しない。 (cf.1336~1573:室町時代、1573~1603:安土桃山時代、1603~1867:江戸時代) 一般には1467年(応仁の乱)~1615年(大坂の陣)までとされるが、1493年の明応の政変や、1441年の嘉吉の変などを起点とする説や、1590年の小田原征伐または1591年の九戸政実の乱の鎮圧を終点とする説もある。 名前は中国の[[春秋戦国時代]]から。 戦国時代の大名の中で抜群の知名度を誇る[[織田信長>織田信長(戦国武将)]]が天下統一を目指したと言われているために、彼以外の大名も同じように天下統一や京都上洛を目指していたと勘違いされがちだが、 実際のところはそんなことを目標としていたのは信長を含めほぼおらず、多くの大名は領地を守ること、そして領地を増やすことに注力していた。 そもそも天下という言葉自体、この時はまだ天皇のお膝元=京都を中心とした近畿一帯ぐらいの意味であった。とどのつまり天下人とは畿内を統一したということでしかないのである。 毛利氏、後北条氏のように一つの地方の制圧を到達目標としたり、三好氏や細川氏のように足利将軍の補佐という立場で権力を握ったりと広い視点で行動していた大名もいた。 信長もそうであり上洛して畿内を統一し将軍の補佐という立場で軍権を握ったのだが、そこから最終的には足利義昭と対立することとなり追放、信長が天下を差配することとなった。 残念ながら信長は志半ばで「本能寺の変」によってこの世を去ったが、彼に代わって権力を握った[[豊臣秀吉>豊臣秀吉(戦国武将)]]は天下の領域を日本全域に広げる。即ち日本統一を達成したことにより、戦国時代は終焉を迎える。 そして、秀吉の死後に権力を握った[[徳川家康>徳川家康(戦国武将)]]が江戸幕府を興し、全国支配の基盤を整えたことによって、時代は江戸時代へと突入していくこととなる…。 よく誤解されているが、『武士>百姓(農民)』という構図もこの時代には存在しない。 大名や直臣などの上級武士はともかく、足軽などの下級武士は鎌倉時代から変わらず『半農半士』であり、戦争がない時は手に鍬や鋤を持って農業に勤しんでいた。 領主もそのことを理解しているため、春や秋といった農繁期には出兵を控え、農業に専念させようとしていた。 彼らにそっぽを向かれれば領国経営は立ちいかなくなるため、必然的に政治も百姓たちに配慮したものにならざるを得なかったという一面もある。 武士道も義理人情というより、遥かに現実的な「弱肉強食」思想だった。 また、この時代は農民に限らず武士以外の身分の人たちも相当逞しく生きており、合戦が起きると弁当持参で見物に赴き、 決着が付くとその辺の野原に晒されたままの死体から金目のものは釘一本残らないと評されたほど遠慮なく回収していたという。 特に当時流通し始めた「鉄砲」は金になるだけでなく簡単に扱えることから大人気だったとか。 敗残兵を狙った落ち武者狩りも頻発しており、身包み剥いだ上で首を取って兜を被せ、いかにも名がある武将の首といった風情に仕立てて勝者側に褒賞をもらいに行った例もあるとか。 このため首級の数を数えると共に首の身元を明らかにする首実検というものも行われている。 ちなみにこの時代、場合によっては大名よりも権力を持つ存在がいた。西山本願寺などの寺社勢力である。 特に一向宗の宗徒が行った「一向一揆」は国を問わず頻発し、信長や家康といった有名な大名たちもかなり悩まされていた。 まあ武士の側も寺社領を「横領」することが日常茶飯事だったので(明智光秀もこれをやって信長に咎められている)、どっちがどうという話ではないのだが。 信長の場合比叡山焼き討ちのように、一揆や寺社勢力には容赦しなかったといわれている……のだが、比叡山や大和の寺が焼けるのなんざそれ以前から何度もあった話であり、これまた本来信長にのみ特筆して語られるような話ではない。 信長は先述のように横領を咎める立場であり(むしろ足利義昭は自分の部下が横領をすることを認めていた)、あの時代にしては寺社に気を使っている方である。 そして何より、戦国時代最大の要素と言えば『下剋上』である。 実のところ、名のある大名たちも室町幕府から役目を与えられた正式な「大名(守護大名)」は上杉謙信などのごく一部だけで、 たいていの大名は元々の守護大名を実力で排除するなどして自ら権力を握った「戦国大名」であり、『下剋上』が当たり前に行われるのはある意味当然と言えば当然であった。 元々は別に武士の家の生まれというわけでもない、素性不明の身から戦国大名にのし上がった斎藤道三((最近の研究では、道三とその父親の二代でこの異例の大出世を実現させたのではと言われている。))や天下統一を果たした豊臣秀吉、 地方の小豪族から中国地方の覇者となった毛利氏やかつて家臣として仕えた主家を乗っ取った鍋島氏など、人生そのものが下手な小説よりよっぽど面白い『大逆転』を果たした人物や一族は多い。 守護大名という身分さえも、血縁のある同族で奪い合ったり身の保証と引き換えに譲ったりすることさえあった。上杉謙信も上杉の名跡を譲られて守護大名となっている。 そういう意味では、『下剋上』こそが戦国時代が後世の人々を引き付けてやまない要因の一つと言えるかもしれない。 その独特の時代背景から革命の幕末動乱期と同様、様々なメディアで取り上げられる事が多いが、少年誌ではコケやすいというジンクスがある。 歴史の予備知識がある程度ないと楽しめないからというのが主な原因かもしれない。 なお、戦国時代を舞台にした作品は数あれども、1467年の応仁の乱勃発から16世紀中ごろまでの戦国時代前半を舞台にした作品は極めて少なく、ほとんどが16世紀後半以降を扱っている。((大河ドラマでも戦国時代前半を扱っているのは「花の乱」と「毛利元就」くらいである)) まあ、戦国時代の前半は有名な人物も伊勢宗瑞=北条早雲、足利義政と日野富子、太田道灌、大内義隆、細川勝元・政元あたりに限られるし、有名な事件も応仁の乱・寧波の乱・山城国一揆・関東の合戦くらいではあるが、 有力大名同士が中国大陸で激突するわ、農民一揆が大名を自刃に追い込むわで、カオスさでは後半期以上だったりする。 ◆戦国時代を舞台とした小説の作家 池宮彰一郎 加藤廣 [[司馬遼太郎]] 城山三郎 高橋和島 童門冬二 永井路子 火坂雅志 隆慶一郎 ◆漫画 [[犬夜叉]] 桶狭間戦記 仮面の忍者赤影 黒田・三十六計 センゴク センゴク天正記 天正やおよろず [[殿といっしょ]] [[信長のシェフ]] [[信長の忍び]] 花の慶次~雲のかなたに~ [[へうげもの]] 夢幻の如く MISTERジパング ◆ゲーム 桜花センゴク [[鬼武者]] 戦国大戦 [[戦極姫]] [[戦国無双]] [[戦国BASARA]] [[戦国ランス]] 戦国✟恋姫 太閤立志伝 天下統一 仁王 信長の野望 ◆ソーシャルゲーム 戦国コレクション その自由度の高さから厨二的なキャラが活躍したり、史実と異なるif設定の架空戦記が書かれたり、武将がみんな女の子になったり 自衛隊や長嶋巨人軍や宇宙刑事シャリバンがタイムスリップして来たり更にはモビルスーツが出撃したりする事も有る。 なお、武士の間では衆道…つまりはアッー! が流行った時代((「男も女も囲える事が上に立つ者としての器量」という思想も背景としてある。特に武田信玄は機嫌を損ねた小性に手紙を送るほど入れ込んでいたのは有名な話。一方で農民出身の豊臣秀吉には馴染みのない習慣であり、主君の小姓に対する礼は尽くしていたものの、自らが小姓にそういったことを求めることはなかったという。))でもあり、その手の人々の人気も高い。 一方女性の立場はそれほど高くはないが、鉄砲で武装したり貞操を守るために脇差を仕込んでいたり、逞しさに関しては男性にも決して負けていなかった。 追記・修正お願い致します。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit()- 主家を乗っ取ったって言うのは鍋島さんに失礼だと思うの -- 名無しさん (2014-01-12 15:38:40) - ↑主家の方が勝手に崩壊したんだっけ -- 名無しさん (2014-01-12 15:49:17) - 面白い時代なのは確かだが、大河やらゲームやらサブカル方面でフィーチャーされ過ぎてもうお腹いっぱい -- 名無しさん (2014-02-02 11:11:30) - こつち -- 名無しさん (2014-02-02 13:19:56) - ↑ミス こっちの戦国時代は二百年以内に終わったけど…中国のは春秋と楚漢戦争含めると本当に長いよな…まあ、領土が違うのも理由だけど -- 名無しさん (2014-02-02 13:23:15) - BASARAやりまくってたらスタイリッシュ -- 名無しさん (2014-02-02 13:24:35) - 西暦1600年!! 関ヶ原は裏切りの炎に包まれた!! 世はまさに世紀末!! -- 名無しさん (2014-03-19 03:26:14) - いい意味でも悪い意味でも戦争と迫力と活気と野心の燃えていた時代だな -- 名無しさん (2014-05-04 01:49:40) - 江戸時代以降に誇張・歪曲・創作されたことが多すぎて好きになれない -- 名無しさん (2014-12-04 18:19:43) - 武者頑駄無「…」 -- 名無しさん (2015-07-17 07:23:38) - ↑4 世紀末覇者は秀吉? -- 名無しさん (2016-07-22 20:30:43) - ↑2 創作と史実を分けて楽しめばええがな、創作や歪んだ(歪ませられた)視点の入ってない歴史なんてまずないぞ -- 名無しさん (2016-10-13 16:29:19) - 少年誌でこけやすいのはむしろ人気過ぎて手垢がつきすぎてるからだと思ってたんだが(新撰組や坂本竜馬等の幕末同様) -- 名無しさん (2020-02-26 19:10:40) - 戦国に限らずそもそも少年誌で実在した人物をメインにした歴史創作をあまり見ない気が -- 名無しさん (2020-02-26 19:35:14) - あれ? 謙信も、もともとは守護代(つまり下剋上する側)じゃなかった? -- 名無しさん (2020-03-15 10:30:20) - 信長が生まれてから室町幕府が崩壊するまでが戦国時代という漠然なイメージ。特に安土桃山に至っては戦国と結びつきにくい -- 名無しさん (2020-03-31 11:08:33) - 戦国の始まりは細川政元とかいうやべーやつが始めたと思ってる -- 名無しさん (2022-09-23 14:48:21) #comment #areaedit(end) }