無双竜機ボルバルザーク

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無双竜機ボルバルザーク - (2019/12/30 (月) 10:16:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/04(木) 07:06:18
更新日:2024/02/06 Tue 10:49:55
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トレーディングカードゲームであるデュエル・マスターズのDM-10 「聖拳編(エターナル・アームズ) 第1弾」に収録されたカードのひとつ。


無双竜機ボルバルザーク
VR 自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン 6000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、他のパワー6000のクリーチャーをすべて破壊する。その後、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。そのターンの終わりに、自分はゲームに負ける。
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー

7マナでパワー6000のW・ブレイカー。
火のクリーチャーらしくスピードアタッカーを持っている。
そしてバトルゾーンに出した時に自身を除くパワー6000丁度のクリーチャーをすべて破壊する。

……ここまでなら標準的なスペックである。

だが、問題はこれ。

そのターンの後にもう1度自分のターンを行い、追加ターン終了時に持ち主はゲームに敗北する

デュエマをやったことがない人でも何かおかしいと思うだろう。



TCGでは自分と相手の手番を繰り返しながらゲームを進めていくのが常識。

あるプレイヤーの攻勢に対し、もう1人のプレイヤーにも反撃の機会を与えられているからこそ、
互いの戦力が拮抗しやすくなり、スリリングなゲーム性が生まれるのである。

その基本原則をボルバルはいとも簡単に捻じ曲げる。



たしかに、追加ターンで勝ち切れなければ自滅というデメリットは無視できない。
準備ができていないときにマナゾーンから「母なる大地」で引っ張り出されれば敗北の可能性はある。

だが、ターンがもう1度くれば、大方勝ってしまえるのである。

なぜならば……

  • スピードアタッカーなので召喚したターンに攻撃可能。

  • 自分のターンが2ターン連続になれば、攻撃回数が2倍となる。こいつ自身も2回攻撃できるので、なんと1体でシールドを4枚もブレイクできるのだ。せめてスピードアタッカーがなかったらこんなことには…

  • 相手にターンが渡らないため、相手はブロッカーのアンタップもできず、除去や殴り返しで頭数を減らすこともできない。

  • 連続して行う2ターン目にマナがアンタップされ、カードを1枚引けるため、スピードアタッカーを出せばさらに追撃できる。

等の影響をもたらすのだ。弱いはずがない。



単純に攻撃回数が2倍になるので、相手の計算を大きく狂わせることができる。

その上、自分だけアンタップを挟むので、最初のターンに「ホーリー・スパーク」を喰らってももう1度総攻撃できる。
あとから「呪紋の化身(カース・トーテム)」でも出されたらもう目も当てられない。

相手の場に『ブロッカー』を持つクリーチャーが存在せず、自分の場に攻撃可能なクリーチャーが他に一体でも居る状態だと、こいつを出せば(少し運が絡むが)勝てるというレベル。
勝てなければ上記の効果により自身が負けるので文字通り出せば終わりのカード。

当然ながら大会ではこのカードを使用したデッキが上位を独占。

ボルバルが入っていないデッキのはボルバルが入っているデッキの劣化とまで言われたこともあった。



そして2005年の夏に殿堂入りを果たす。

…だが、結局のところ1枚制限なのでボルバルがデッキに組み込まれるのには変わらなかった。

それどころかボルバルを使用したデッキタイプも様々な形で増えていった。

主なデッキタイプは



  • ボルバルステロイド
初期型の火+自然を使用したビートダウン。ボルバルデッキの基本形。
ボルバルの強さを世に広めた元祖。


  • ボルバルブルー
ステロイド型に水文明のドローを加えたタイプ。
手札補充を組み込むことで息切れの激しかったボルバルステロイドの欠点を補っている。
メジャーになったボルバルと言えばこの形。


  • リーフボルバル
アストラル・リーフ》と混ぜた非殿堂タイプ。
レギュレーションの問題により一時期のみ存在したタイプ。


  • ボルバルホワイト
ステロイド型に光を混ぜたタイプ。
従来のボルバルデッキへのメタデッキなのだが、
結局のところこれにもボルバルが採用されていた。


  • ボルバルブラック
ボルバルブルーに闇を混ぜたタイプ。
ボルバルが1枚挿しでも機能するように除去コントロールに近くなっている。


  • 除去ボルバル
ボルバルブラックに除去カードを多めに入れたタイプ。コントロール型。


  • カウンターボルバル
除去ボルバルに対抗するために質のいいアタッカーを多く積んだボルバルブルーの亜種。


  • バジュラズブルー
ボルバルブルーに《バジュラズ・ソウル》を入れたタイプ。


  • 除去バジュラズ
除去ボルバルにバジュラズソウルを入れたタイプ。ボルバルデッキの完成系。



……といった感じ。多くの型が考案されていた。
流石ボルバル、格が違う。

そして2006年3月15日にデュエル・マスターズ初のプレミアム殿堂に格上げされた。

使用禁止に至るまで2年間。

長かった…



このカードが現役だった時期はボルバル・マスターズと呼ばれる暗黒期であり、デュエル・マスターズで最もユーザーが少なかった(減った)時代とも言われている。

また、このカードを出されたら、出した人の負けという形であっても絶対に勝負が決まってしまう点にも批判が当然集まった。

というかこのカードが一番嫌われた点は恐らくこの点である。
解りやすく言えば、「ソリティア決めたけど勝てなかったから降参します」と言えば大体理解できるのではないだろうか。



環境が1枚のパワーカードに支配されてしまうことは珍しくないが、

この時期のデュエマは、ボルバルによって勝敗が握られているゲームだったのである。

『ボルバルザークを禁止に!』という運動が起こったほど、このカードの与えた影響は非常に大きかった。

ただ、このカードが生み出された当時、パックの種類の増加に伴い、初心者と古参のカード資産差は絶望的なレベルで開いてしまっていた。

そのため新規に始めようとするには敷居が高く、またせっかく始めても古参にボコされるので嫌になって辞めてしまう……というプレイ人口の縮小化へといたるスパイラルに、デュエル・マスターズもまた差し掛かろうとしていたのである。

このような時代背景を考えると、ボルバルザークは手持ちのカードが少ない初心者でも古参と対等に戦えるように……という初心者救済的な意味合いを持たされて生まれてきたカードだったと考えることもできる。

そう思えば、このカードの存在も許せるようになる……

……ワケないだろう!

本来そういった問題は、『使えるカードの再販』『扱いやすい構築済みデッキの発売』など、販売レベルで克服すべき問題である。

断じて
「初心者でもカンタンに勝てるカード作ったよー^ ^」
などというトンデモ行為に及んでいい訳ではない。

しかしこの時期は近年のような強力カードの再録や過剰なルール整備は『古参プレイヤーを減らす』と言われていたので、その歪んだ意識から生まれたカードとも言える。

また、これほどまでにヤバいと言われているボルバルだが、出た当初は『ゲームに負けるとかwwwヨワスwwwwww』とあまりに強烈なデメリット故にハズレカードとされていた。
……実を言うとパワー6000以下ではなくジャスト6000を破壊する効果は《呪紋の化身》と並べられないようにする事で逆転要素を否定しないための調整を行った結果であり、開発陣はあくまでハイリスク・ハイリターンなカードとして認識しておりそこまで壊れカードだと思っていなかった。
相手の場の6000ジャストも吹っ飛ばすので、アングラー・クラスターなどが涙を流すこととなった。

漫画版でも、「負けるハイリスクをどうするか?」といった試練として登場。
あの切札勝舞が劣勢の状況で召喚して殴りかかるも返り討ちに遭い、あっけなく出番は終わる。ただし、エクストラターンの効果は消えないので、うまく利用して勝利はしている。
当時、主人公が使う切り札という存在が、なかなか殿堂入りに踏み込めなかったと思われる。

現在ではこの事を反省してか、構築済みデッキ等には強力カードの再録や、新規でも優秀かつバランスを壊しにくいカードの収録が増えている。

また、メタゲームを荒らし回る恐れがあると判断されたら、即プレミアム殿堂入り等の対策が取られるようになった。

このカードゲーム史上に轟然とそびえ立つ超強力カードを教訓に、全てのカードデザイナーが二度とこのような過ちを繰り返さないことを願うばかりである。
まぁ、実際にはその願いもむなしくデュエルマスターズ含む色々なトレーディングカードゲームでアレなカードが作られたのだが。



また、プレミアム殿堂からおよそ2年後、調整版が登場した。

ボルバルザーク・紫電・ドラゴン SR 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/サムライ 7000
侍流ジェネレート
各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、アンタップする。
W・ブレイカー

さらに、亜種的な《蒼神龍ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》も存在する。

蒼神龍ボルバルザーク・紫電・ドラゴン P(VR) 水文明 (7)
クリーチャー:ポセイディア・ドラゴン/サムライ 6000
ブロッカー
各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、アンタップする。
このクリーチャーはブロックされない。

初代ボルバルの「追加ターンで実質2回攻撃」という性能を意識したのか、
2回攻撃できるようになっている。
どちらも強くはあるが壊れてはおらず、良き浪漫カードとしてみんなに愛された。
良かったねボルバル!





…ところがさらに3年後、彼は限りなく本家に近い姿と効果で突如帰ってきた。





ボルバルザークの名は永遠なり!





ボルバルザーク・エクス
SR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター 6000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードを全てアンタップする。
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー



……何かが明らかにおかしい。

わからない人に簡単に言うと、

0マナで召喚酔いの無いW・ブレイカーが出る。

と言えばおわかりになるだろう。

ちなみに、この能力にターン1制限などはないので、複数体を同一ターンに展開できる。

ボルバルエクスを手札から4体召喚しても最終的に0マナ。

スピードアタッカー持ちなのですぐに攻撃できるので、ワンショットキルの打点が簡単に揃ってしまう。
そして本家と違い、居座れるので実質ノーコストで進化元にもなる。

手札によっては《爆竜 GENJI・XX》《ガイアール・カイザー》などのスピードアタッカーで追撃したり、《ロスト・ソウル》で反撃手段を断ったりできる。



《サイバー・N・ワールド》を組み込んだ「エンペラー・キリコ」や「GENJIビート」「ラムダビート」、果ては即死コンボの「紅蓮ゾルゲ」等の様々なデッキに投入がされ、猛威を振るった。

5枚ものカードを引ける「N・ワールド」との相性は格別であり、6→7と綺麗にエクスに繋げることができた。



ただし、あくまでもエクスは転生版。元祖ボルバルのような「出せば勝ち」というベクトルの強さではない。

特に、手札の確保は重要な課題であり、せっかくマナをアンタップしても、続けてプレイできるカードがなければ意味がない。

そのため、一見相性のいい連ドラでの採用率は思ったように伸びなかった。

また、Nで引けるとは言っても、元の手札は墓地と一緒にすべて山札に入れてシャッフルされるので、うまく引いてこられるかは運次第。

さらに、Nは相手にもドローされるのでミラーマッチでは扱いが難しい。

Nエクスは当時盛んに使用されたグッドスタッフだったが、その豪快さと裏腹に繊細なプレイングが要求された。



……しかし、研究が進むにつれ、マナ召喚を可能にする「ゴエモンキー」が注目される。

「セブンス・タワー」で大量にマナブーストした後にゴエモンキーを召喚することで、

マナゾーンからエクスが出るという地獄絵図を展開。



そしてまた殿堂入りしてしまった。

登場から1年以内という速さだったが、誰もが納得の殿堂入りであった。

Nエクスのコンボをデッキに主軸にすることは難しくなったが、
強力なことには変わりないため、相変わらず多くのビートダウンで使われている。



他には、マナのアンタップに目を付けられ、無限ループのエンジンという予想斜め上の利用法も開発された。

具体的には、大量のマナを用意した状態でエクス→GILL→ファタル・スパイラル……

と繰り返せばみるみる内に相手のシールドが消し飛んでゲームセットなる。

ラララオプティマスでも獰猛なる大地で出し入れすることで、マナをアンタップする重要なパーツとなっている。



殿堂入り以前はボルバルの再来として恐れられた彼だが、今では何だかんだ愛される存在になっている……はず。



そしてさらにさらに5年後。彼はまたしても帰ってくる。
今度は大勢のデュエリストから望まれるという形で。





ドラゴンの真の王を名乗るのに、我ほど相応しい者はおるまい?





キング・ボルバルザーク
SR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ 6000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーの攻撃の終わりに、バトルゾーンに自分の他のドラゴンがあれば、自分のクリーチャーをすべて山札の一番下に置いてもよい。そうしたら、このターンの後、自分のターンをもう一度行う。

2月に行われた投票で見事ぶっちぎりの1位に輝いた事で得た、ボルバルザークの新たな姿である。

エクストラターンを得るには他のドラゴンが必要な上に、自分のクリーチャーを全てデッキボトムに送る必要がある……と上2つに比べるとかなり性能は控えめとなっている。

だがEXターン獲得に必要なドラゴンは現状ならあまりにも簡単に用意できる。超次元やドラグハートを使ったり、何なら上のエクスを使ってダブルボルバルをしても良い。
革命ファイナルで軽量コストのドラゴンが大量に追加されたのも追い風と言えるだろう。

ボトム送りで自分の場がガラ空きになるのが痛い所ではあるが、キングの性質上モルトNEXTやドギラゴン剣などのスピードアタッカーを用意しやすいので後続に困る事はないだろう。
どうしてもガラ空きになるのが嫌だという人はインフィニティ・ドラゴンを利用するのがいいだろう。キングとインフィニティが存在する限り無限にターンが続いていく。



多くのデュエリストからの支持を受け、見事1位の座に輝き、新生して舞い戻ってきたボルバルザーク。
無双竜機やエクスのように悪夢のような猛威を振るうのか、はたまた良カードの立ち位置に落ち着くのか。
デュエマの未来は果たして。





ちなみに以前CMに登場し、その後スクリーンショットそのままのイラストで再録された時は温泉でのんびりと隠居していた彼だが、なんと《キング》として復活すると同時に《クイーン・アマテラス》即ち同じくプレミアム殿堂の《蒼狼の始祖アマテラス》と温泉で出会いそのまま結婚していたことが判明。何万年も世界崩壊の危機を乗り越えて生き続け既に末裔までいるというのに、元気なおじいちゃんである。
無双と竜機の伝説(エターナル・ボルバルエッジ)》などという呪文も登場しているあたり、完全な隠居はまだ遠そうである。





聖剣炎獣バーレスク》「追記・修正は追加された自分のターンで」

相手プレイヤー「追記・修正はこいつのエクストラターンを耐えきった人がお願いします」

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