登録日:2012/09/01(土) 14:55:38
更新日:2024/02/05 Mon 13:18:05
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「いじめないで! ぼく わるいスライムじゃないよ!」
◆概要
スライムというモンスターは、海外のファンタジー作品では既にお馴染みであり、従来のイメージは、ベトベトした不定形のクリーチャーというものであった。
ドラクエのモンスターデザインは、
堀井雄二がイメージスケッチを描き、
鳥山明がそれを元に原画を描くという工程を経ており、当初堀井が提出したスケッチも、従来のイメージ通り、ドロドロにおぼろな目と口がついたものだった。
しかし、鳥山明から返ってきたデザインは、そんなスケッチを無視した、まん丸な目に笑った口がついた玉ねぎボディというものであった。
余人の及ばぬ鳥山のセンスに脱帽した堀井であったが、その愛らしいデザインから人気を得て、現在はドラクエを象徴するモンスターとなっている。
その人気たるや、実際に肉まん化されたこともある程。
「スライム」と聞くと、ドラクエシリーズのスライムを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
というかドラクエのスライムの影響で、本来滅茶苦茶厄介でかなり強いイメージのあったスライムという存在が、雑魚モンスターの代表格にもなるという珍しい事態に陥っている。
スライムを雑魚と認識している人はほぼ間違いなくドラクエかそれにインスパイアされたスライムを意識しているはずである。
また、外伝としてスライムが主人公の
スラもりシリーズや、携帯機のあるくんです等が存在する。
わりと単純な見た目をしているが、慣れていない人が描こうとすると、バランスよく描くのが意外と難しい。
戦闘能力としては基本的にザコofザコで、能力的にスライムより弱いぶちスライムがいる『VI』を除き、ゲーム序盤から登場する。
特殊な能力は持たず各能力値も低い為、一人旅でLvが低い時に集団で襲われたりしない限りはまず勝てる。
やっつけると貰える経験値やゴールド(お金)は最低クラスで、少しLvが上がったら町からちょっと離れた所でもっと強い敵と戦いたくなる。
そして、うっかり全滅して再度スライムのお世話になったりならなかったり。
ゲーム内の人物からも雑魚と認識されており、『III』のへんげのつえで他のモンスターに変身した時に剣士に話しかけると、勇猛果敢な台詞を返されるのに対して、スライムだと「スライムか、見逃してやる」的な台詞になる。
また、ゲーム内ではプレイヤーと戦う意志のない友好的なスライムがしばしば登場しており、話しかけると役に立つ情報を教えてくれることがある。
仲間になるモンスターの代表格でもある。
『VII』の「メモリアリーフ」に登場するスライムベスの「ビッキー」によると、世界にはよいスライムもかなり多いらしい。
ドラクエの顔、マスコットキャラクターとも言える存在で、派生種がかなり多い。
モンスター達を戦わせる
モンスターズシリーズではスライム系として一つの系統にまとまっており、新作のモンスターズが発売される度に派生種がドッと増える。
ファンアイテム『ドラゴンクエスト モンスター物語』でもスライムがいろいろな種類に派生したエピソードが掲載されており、初期のころから適応力の高いキャラづけをされていたことがうかがえる。
◆主な種類
・スライム型
いわゆるふつうの型のスライム。
スライム、スライムベス、メタルスライムの御三家は初代から登場。
その他スライムダーク、スライムスノー、羽根が生えたダークスライム等色々な派生種がいる。
また、ゲーム内には登場しないが各種グッズで様々な色のスライムがいる。
・ホイミスライム型
『II』から登場。
最初の仲間モンスターとしても有名。
スライム特有の頭のトンガリがなく、代わりに下から触手が生えている。
「
ホイミスライム」、「
ベホイミスライム」、「
ベホイムスライム」、「
ベホマスライム」といった回復呪文の使い手が多い。
他に海洋生物の「
しびれくらげ」(『VII』では「しびれスライム」)や、頭に帽子をかぶり杖を持っている「
まどうスライム」、メタル系の「
メタルホイミン」等が存在する。
ホイミ系の回復呪文を使える性質上、他のモンスター(主に「さまようよろい」)に呼ばれやすい。
・バブルスライム型
『II』から登場。
毒を体内に持った事により身体の形が維持出来ずに溶けたスライム。もとのスライムに一番近いイメージなのはこれ。
「バブルスライム」と中盤~後半の経験値稼ぎ代表「はぐれメタル」が属する。
派生種のマッシュスライム属を除けば長らくこの二種類しかいなかったが、『XI』にて新種の「スライムタール」がようやく登場している。
・スライムつむり型
『III』から登場。
スライムがヤドカリのように殻を背負っている。殻を取ると普通のスライムと同じ体形。
海洋生物の「マリンスライム」と陸上版の「スライムつむり」。後者は出会えるようになった頃に会うと非常に固い。
また、後作ではつららのようになった「つららスライム」や、石炭を背負った「石炭つむり」、
転生モンスターとして出てくる「つむりんママ」などが登場している。
・キングスライム型
『IV』から登場。
かなり肥え太った体を持ち、王冠を被ったスライム。
スライムの中には8体集まる事により「キングスライム」になるスライムも存在する。
「キングスライム」と経験値稼ぎの王道「メタルキング」が知名度が高い。
他には影が薄いが「スライムベホマズン」や「ダークキング」、耳が垂れた「ぶちキング」やらがいる。
また、バブルスライム型にもキングがおり、「バブルキング」や「はぐれメタルキング」が存在する。
近年では「クイーンスライム」も登場した。
ちなみに、キングスライムが被っている王冠は「スライムのかんむり」と呼ばれ、一部作品ではアイテムとして入手できる。
装備ができるほか、錬金素材としての価値が高い。
・スライムナイト型
『V』から登場。
普通のスライムの上に剣を持った鎧が乗っかっている。
この鎧はスライムの玩具という説(スライムもりもりドラゴンクエスト)やスライムの一部(小説版ドラクエ5)という説、様々な噂がある。
「スライムナイト」と「メタルライダー」、「ダークナイト」の他、
上位種に「スライムジェネラル」、「ゴッドライダー」、「デンガー」等がいる。
・ぶちスライム型
『VI』から登場。
普通のスライムより一回り大きく、ぶち紋様があるドぎつい色合いのスライム。モンスターズでは獣系の血を引くとされる。
最弱種のぶちスライムは、なんと普通のスライムよりも弱いVI最弱のモンスターである。
「ぶちスライム」「ぶちスライムベス」「ぶちベホマラー」の三種がいる。
なお、VIのスライムは現実世界、ぶちスライムは夢の世界にしか出てこない事から、
一部ではスライムが「自分達より弱いモンスターがいればいいのに」と夢見た結果、具現化したのではとも考察されているが、特に公式から言われている訳ではない。
一方でぶちスライムと違って上位種のぶちスライムベス、ぶちベホマラーは現実世界にも出現するが、
現実世界のぶちスライムベスの出現地域であるロンガデセオ周辺には、何故か場違いに弱い普通のスライムも出現するため、
「この辺りでぶちスライムベスに虐められていたスライムが、その姿をモデルにして夢世界の弱いぶちスライムを夢見た」のではないかとする考察もある。
いずれにしろ、VIの「普通とはちょっと違う世界観・構造」を演出する種族である。
・ゴールデンスライム型
『VII』から登場(初出は『DQM』)。
他のスライムとは違い角ばっている。形状としては宝石のブリリアントカットのてっぺんに顔がついた感じ。
「ゴールデンスライム」はゴールド、「プラチナキング」は経験値が他のモンスターの比ではない量が得られる。
またゴールデンスライムは『モンスターズ』ではトップクラスの耐性を持つモンスターである事が多い。ナンバリングでもこの性質を持つことがあり、その場合は倒すのに一苦労させられる。
他には「スライムエンペラー」や「スライムマデュラ」がいる。
・ドラゴスライム型
『VII』から登場(初出は『DQM』)。
スライムに羽根や尻尾が生えている。
「ドラゴスライム」、「ドラゴメタル」、「スライムブレス」と、カラーリングは同じ『VII』で登場したゴールデン系統と同一。
・スライムタワー型
『IX』から登場。
スライムが縦に三匹重なった合体モンスター。三人寄らば何とやら…ではないが通常のスライムよりはるかに強い。
三匹ピッタリでないと合体しなかったり、合体すると色が変わったりと謎が多い。
割とどうでもいいが、仲良し三匹兄弟だったり、呉越同舟状態でしょっちゅうグラグラしてたりと合体している理由は様々。
「スライムタワー」「メタルブラザーズ」「ゴールデントーテム」の三種がいる。
・マッシュスライム型
『X』から登場。
ジメジメした環境に居ついた結果、キノコの苗床になってしまったスライム。
自分の体に生えたキノコを食べて自給自足しているらしい。
状態異常をもたらす特技や呪文を使いこなす上に、ドロップアイテムはシケた物しか落とさないという、ドラクエらしからぬ厄介極まる強敵。
「マッシュスライム」、「ぬかどこスライム」、「じめじめバブル」の他、「メタルトリュフ」がいる。
上記以外にもスライム属最強のグランスライムやら、クレーンゲームの景品のぬいぐるみにしてはちょっと難易度が高い形状のボックススライム、獣みたいな脚が生えるどころかリメイク版で巨大化して衝撃を与えたスラッピーやら、派生種はかなり多い。
また、リーファやスノーム、ワンダーエッグといった一見スライム系に見えないスライムも存在する他、『DQMJ』においてトロデはスライム系。
『キャラバンハート』ではアルーやイイロといった、スライムに近いがスライムではない存在も登場した。
経験値が大量に得られる
メタル系が全て属していたり、仲間としても『IV』でホイミスライムの「ホイミン」、『V』でスライムナイトの「ピエール」が人気だったりと、作り手からもユーザーからも愛されている存在。
『モンスターズ』シリーズでも最初のモンスターがスライムという作品がいくつかある。
また、『IV』主人公はスライムのピアスをつけていたり、『VII』ではスライムを模した服や鎧の装備品も登場している。
スライムの生態
- 『モンスター物語』によると発祥はアレフガルドの湖らしい。分裂を繰り返していった結果、湖に住めなくなるほど密度が高くなり陸上に住むようになったという。雌雄を獲得したのも陸に上がってからであり、その後スライムベスが生まれたという。
- ビッグソフビモンスターズの等身大サイズから、大きさは30cm。もちろん個体差はある。
- 他の生き物をを捕食するといった話は聞かないので草食と思われる。が、魔物として人間は襲う。
- 体の大半は水分。暑さと乾燥に弱いが適応は可能で、マグマで出来たスライムもいる。
- 水分補給の為に他のモンスターに狙われているらしく、マリンスライムやスライムブレスも犠牲になっているらしい。特にスライムブレスはDQMJ3では昇天してエンゼルスライムになることがあり、系統全体が食物連鎖の下位にいるようだ。
- DQ9以降はスライムゼリー、ビルダーズでは青い油や赤い油(ベスのもの)、干からびた皮らしいスライムゴムといったアイテムがスライムから入手可能。油分が体の色を決めていることや、ゼリー状の身体であること、ゴム状の表皮があることがわかる。
- モンスターパークのスライムによれば、喋れない個体の方が珍しいらしい。
元からコミュニケーション能力は高いようで、その気になれば人間とも共存出来るのかもしれない。
- こう見えて寿命は長く、シリーズで確認できる最も長生きなスライムは300歳以上。
- 双葉社版ゲームブック『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII』ではタマネギの怪物とされており、『I』ではスライムベスを真っ二つにすると主人公の目から涙が出る。また『II』下巻では真っ二つにされる挿絵が存在するが、何故か中にスイカのような種が入っている。
本編でも、外伝でも新たな作品と共に新たな種類が登場するスライム。現実世界でのグッズ化にも恵まれている。
これからも、その可愛さやバリエーションでファンを楽しませてくれるだろう。
「プルプル。追記・修正していってね。」
- スライダーヒーローとかスラ忍とかメタルスターとかもうスライムじゃねえだろ…… -- 名無しさん (2013-12-22 14:35:36)
- ↑スライム族は軟体のため身体の形状を自由に変えられるという設定があってだな…… -- 名無しさん (2014-03-06 15:41:18)
- モンスター物語では他のモンスターに改造されて新種が出来たりもしたな。 -- 名無しさん (2014-03-06 17:42:59)
- 高い知性を持ち合わせているのが一番の特徴だと思う。 -- 名無しさん (2015-10-26 15:37:35)
- 可愛い(こなみ) -- 名無しさん (2015-10-26 17:14:55)
- 俺が知らないだけかもしれんが、砂のスライムって今まで出てきたっけ? マグマや雪はいるの知ってるんだけど… -- 名無しさん (2015-11-20 14:55:18)
- 仲閒としてのスラリンは使えないと見せかけて、初出のVでは低レベルのうちに封印の洞窟の攻略する場合の切り札だったりする(素早さ+二フラム) -- 名無しさん (2016-07-17 04:23:22)
- 思うに主人公達と遭遇するモンスターたちも全員が全員襲い掛かってくるんではなく無視したり挨拶するのもいるんだろうな。(WIZの友好的な○○チックに) -- 名無しさん (2017-11-07 07:34:36)
- CupHeadのボス(プルプ・ル・グラン)の元ネタでもあるとか -- 名無しさん (2020-04-04 13:50:35)