beatmaniaIIDX

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beatmaniaIIDX - (2019/12/13 (金) 11:47:46) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/03/28 Mon 14:40:18
更新日:2024/04/21 Sun 18:55:33
所要時間:約 25 分で読めます






7 つのボタンとプラス皿、DP ならばその 2 倍
by L.E.D

◎∴'∴ ∴'∴◎


beatmania IIDX(以下 IIDX)とは、KONAMI の音ゲーブランド「BEMANI」シリーズのひとつ。
beatmania の後継機種であり、1999 年より稼働を開始した。

beatmania と同じように、音楽に合わせて画面上から落ちてくるオブジェクトに対応する鍵盤やターンテーブルを操作して遊ぶ。
beatmania より鍵盤が 2 個増え、7 個の鍵盤とターンテーブルを操作するようになった。
また、1P と 2P では鍵盤とターンテーブルの位置関係が逆になっている*1ため、操作性が大きく異なる。自分にあった方を選ぶとよい。

7 個の鍵盤とターンテーブルを同時に操作するという独特のプレイスタイルから、慣れないうちは相当難しく感じるゲームである。
しかしその分、自分のお気に入りの曲をクリア出来るようになった時の嬉しさはひとしお。
まさに「継続は力なり」という言葉を如実に表したゲームと言える。

通称は「弐寺」や「七鍵」*2
beatmania が終了し、稼働もほとんどなくなった現在では、「ビートマニア」および「ビーマニ」というと IIDX を指す場合も多い。
ただし、「ビーマニ」は beatmania を含む KONAMI 製音楽ゲームブランド「BEMANI」の読みでもあるため、
こちらとも混同される場合があるので注意。

現在稼動中のアーケード最新作は“beatmania IIDX 27 HEROIC VERSE”。
家庭用は PS2 ソフトが“beatmania IIDX 3rd Style”から“beatmania IIDX 16 EMPRESS”まで移植・発売されていた。
中でも“16 EMPRESS”は、本編 EMPRESS ディスクと PREMIUM BEST DISC(ベスト版のようなもの)の 2 枚組、
収録曲数 180 曲以上という豪華仕様であり、これから IIDX を始める方にもオススメできるものであったが、
現在ではソフト・純正コントローラー共に終売している。

2015 年 12 月に Windows 用ソフトとして、新規タイトル“beatmania IIDX INFINITAS”の運営が開始された。
月額 1480 円+税で、支払いは PASELI*3かクレジットカードのどちらか。
月額課金に加え、一部のモードや追加楽曲パックは都度課金となっている。
PS2 版が“16 EMPRESS”までしか発売されていなかったために家庭ではプレイできなかった“17 SIRIUS”以降の楽曲も順次配信されている。

2019年12月にiOS/Android用ソフトとしてbeatmaniaIIDX ULTIMATE MOBILEの運営が開始。
INFINITASと異なり月額さえ払えばACに収録されている曲をほぼ全てプレイできる。(ただしDPには非対応。)
また、SDVXを除く更新終了機種などを含めたBEMANIシリーズのサウンドトラックを再生できる機能も付随している。
タップでもプレイはできるが流石に高難易度をプレイするなら、不定期に受注販売している新純正コントローラーが欲しいところ。

◆難易度などのシステム


◇基本ルール


降ってくるノーツが赤い判定ラインに重なるタイミングで、操作デバイスを操作する。
操作するべきデバイスはノーツの位置によって区別されている。
色も分かれていて、白いノーツは手前の白鍵盤、青いノーツは奥の黒鍵盤、赤いノーツはターンテーブル。
デバイスを操作することで割り当てられた音が鳴り、もって楽曲を演奏する。
ノーツごとの判定(タイミングのよさ)によって画面下部のグルーブゲージが増減する。
グルーブゲージは最初 22% から始まり、楽曲終了時点で 80% 以上となっていればクリアとなる。
クリアしたことのある楽曲は選曲画面で青いランプが付き、
逆にプレイしたことがあるが未クリアの楽曲は赤いランプが点滅する。

判定は 5 段階あり、良い判定から
  • PGREAT*4
  • GREAT
  • GOOD
  • BAD
  • POOR
となる。
POOR にはさらに 2 種類あり、
  • ノーツを完全に無視した(叩けなかった)ことを意味する「見逃し POOR」
  • あまりにも早く叩きすぎたり二重に叩いたりした「空振り POOR」
となる。
空振り POOR は「そのノーツに対する演奏結果とはみなされない」ためコンボは切れず、スコア視点で見ても失点とは言えない。
のでどっかのプロプレイヤーはよく空 POOR 覚悟で遊び皿を回している。

GOOD 以上の判定ではグルーブゲージが増加する。
良い判定であればあるほど増加量が多い。
しかし、BAD 以下の判定ではグルーブゲージが減少する。
見逃し POOR のダメージは非常に大きいので注意。

演奏中 GOOD 以上の判定のみを出してクリアした場合フルコンボとなり、クリアランプは白⇄青⇄黄のチカチカとなる。

グルーブゲージは通常のゲージのほかにもいくつか種類がある。
クリアが簡単になるものには、
見逃し POOR の減少量が少ないEASY(クリアランプの色は緑)、
EASYと同様の減少量でノルマが60%に引き下げられているASSISTED EASY(クリアランプの色は紫)。
クリアが難しくなるものには、
100% からスタートする代わりにゲージの減少量が多くなり、ゲージが無くなると強制終了してクリア失敗になる HARD(クリアランプの色は白)、
HARD 以上にゲージの減少量が多くなる EX HARD(クリアランプの色は赤⇄黄チカチカ)がある。

◇プレイスタイル


片側のスクラッチ+鍵盤 7 個を使う基本的なプレイスタイルのシングルプレイ(SP)と、
両側のスクラッチ+鍵盤 14 個を使う上級者向けなプレイスタイルのダブルプレイ(DP)がある。

どちらも一人用のモードのため、
  • シングルプレイのスクラッチを他の人にやらせる
  • ダブルプレイを二人でプレイする
上記のようなプレイはそれぞれ「スタンド」「和尚」とよばれる不正行為にあたるので絶対にやってはいけない。
ただ、後者に関しては不正のつもりがなくとも知らずに(二人用モードと思って)やってしまいがちなので、
発見したとしてもいきなり叩くのではなくやさしく教えてあげるように。

◇難易度とレベルについて


難易度は基本的には NORMALHYPERANOTHER の3つ。
くわえて初心者用の BEGGINER と特殊難易度の LEGGENDARIA が存在する。
11 IIDX RED”以前だと表記が異なり、HYPER が 7KEYS / 14KEYS, NORMAL が LIGHT7 / LIGHT14 だったりする。

LEGGENDARIA はかつては通常楽曲とは別楽曲として収録されており、
長らくその ANOTHER が(LEGGENDARIA 楽曲には ANOTHER しかなかった)実質的な第 5 難易度と扱われてきたが、
27 HEROIC VERSE”からは正式に難易度に組み込まれた。

また、CS 版には裏譜面として黒 ANOTHER(難易度表示の ANOTHER が黒いため、そう呼ばれている)が存在する。
これらは AC 版においては LEGGENDARIA として移植されることがある。
かつては一度 AC 版から削除された楽曲に関しては、復帰時に元の ANOTHER と差し替えられる場合もあった。

なお、ここまで説明した難易度とは曲ごとに複数種類ある譜面の段階を示すもので、譜面の絶対的難易度を示していない。
たとえば、ある曲の NORMAL が別の曲の HYPER よりも難しいことはよくある。
これらとは別に、譜面自体の難易度を示す「レベル」が存在している。
プレイヤー間では beatmania 時代の表記を踏襲してしばしば ☆n と略記される。

レベルは 1 - 12 の 12 段階だが、長く 12 段階である弊害として同難易度内での格差がかなり酷い。
例えば「A」という曲の ANOTHER 譜面のノーツ数は 1260 で、
「冥」という曲の ANOTHER 譜面のノーツ数は 2000 と、
ノーツ数だけ見てもかなり大きな差があるが、この 2 曲は共に ☆12 である。
一方でこの大雑把さのおかげで、個人差要素やゲージ種による難易度の逆転現象を防げている側面もある。
まあそれでも詐称や逆詐称は散見されるんだけどな!

◆ゲームモード


  • STANDARD
基本的なモード。
基本 3 曲だが、ノルマ達成に失敗するとその時点でゲーム終了となる。
基本的には好きな曲を選択できるが、所持段位およびプレー回数に応じて、
1 曲目および 2 曲目にプレイできる難易度に制限がかかる。

  • STEP UP
練習に主眼をおいたモード。
STANDARD モードのように全曲は選べず、初回はその時点で取得している段位から適正難易度が決定され、
その範囲の曲から抽選された「課題曲」の中から遊ぶ曲を選ぶ形となる。
初回以降は前回プレイした曲のクリア情報やスコアをもとに適正難易度が変化する。
課題曲のほかにもプレイ済みの曲*5が収録された「復習曲」フォルダ、
プレイ済みの段位認定の曲を好きな残量に設定した段位認定用のゲージでプレイできる「模擬試験」フォルダが存在する。
選曲に制限がかかるものの、失敗しても 3 曲遊べるため初心者に優しい。
また、課題曲をクリアするとゲージが進んでいき、クプロ(ひらたく言えばアバター)のパーツが貰えたりする。

  • 段位認定
指定された 4 曲を連続でプレーするモード。
このモードでは、ほかのモードと違い、100% からスタートする「段位ゲージ」が使われる。
段位ゲージはすべての曲で共有され、1 曲終了時点での値が次の曲に引き継がれる。
段位ゲージを 0% にすることなく 4 曲演奏しきればクリアとなり、その段位が貰える。
段位は七級からスタートし、七級~一級→初段~十段→中伝→皆伝となる。
各段位には 4 曲目などに毎回入っている定番曲が存在することがあり、
挑戦するプレイヤーに対する壁としての役割を担っている。

  • FREE
2 曲までしか遊べないが、失敗しようが 2 曲遊べるうえに難易度制限もないモード。
STANDARD や STEP UP では一度のゲーム(お金を入れてゲームが終了するまで)で同じ曲を選択することはできないのだが、
FREE 系のモードでは何度でも同じ曲を選ぶことができる。
ぶっちゃけ空気。

  • PREMIUM FREE
通称 P フリー。
PASELI 限定かつ他のモードより割高だが、設定された時間好きなだけ遊べる、時間貸し切り制のモード。
HARD オプションなど強制終了が発生するオプションで何度もプレイしたい場合や、
RANDOM オプションで自分にちょうどいい配置になるまで厳選したい場合に向いている。

  • HAZARD
必ず 4 曲プレイできるかわりに、一度でもコンボが途切れた時点で強制終了となるハイリスク極まりないモード。
選択するためには「FREE にカーソルを合わせて全部の黒鍵同時押し」という妙に隠しコマンドじみた操作を要求される。
そのわりには公式サイトにもしっかり記載されているのだが。
おそらく初心者による事故の防止なのだろう。
一応これも FREE 系なので同じ曲を複数回選曲できる。


◆代表的な楽曲


◇5.1.1.

初出は初代“beatmania IIDX”。
レベル 1 フォルダの一番上に入っている楽曲。みんなの弐寺道はだいたいここから始まる。
……だったが、ソート基準が変わったため一転してフォルダの下の方に。
AC 段位認定 SP 七級常連曲だったが、現在は引退。
現在でも 5 月 11 日になると記念選曲する人が多いとか。
上述の理由で初心者に選ばれやすい曲なのにいきなりトリルで殴りかかってくる鬼畜でもある。
ちなみに、NORMALHYPER / ANOTHER では演奏時間が違う。

THE SAFARI

(「・ω・)「 がおー
初出は“3rd style”だが、現在の BPM になったのは“6th style”。
段位認定モード SP 七段受験者の宿敵。
段位認定モード実装時より、サファリ難民を多数産み出している。

V

初出は“5th style”。
多数配置されたトリル(交互押し)が特徴。ヴィヴァルディの「四季」より「冬」第一楽章のアレンジであり、EMPRESSで「V2」なる別 Ver も登場した。
項目参照。

◇airflow

初出は“8th style”。
アプリ版 beatmania IIDX の体験版に入っていた曲。
アプリからはじめた人は思い入れがあるのでは?
ムービーの女の子がかわいい。

◇Narcissus At Oasis

初出は“10th style”。
ふつくしい旋律と、ドラムトリルの見事なハーモニー。その旋律を存分に堪能したいなら、NORMAL 譜面がおすすめ。

◇AA

初出は“11 IIDX RED”。
よく良曲良譜面といわれる。
ANOTHER は上級者御用達の練習曲。
かつては AC 段位認定 SP 十段常連曲であった。
AA(A)AAA。

◇gigadelic

初出は“11 IIDX RED”。
THE SAFARI を撃破し、SP 七段合格を果たした喜びもつかの間。
八段の壁たるコイツにやられる人多数。ラス殺しがヤバい。
こちらもギガデリ難民を多数産み出した。
現在は引退。

◇RED ZONE

初出は“11 IIDX RED”。
弐寺曲の中でも、動画サイト等でよく MAD に使われる曲のひとつ。単純にカッコいい。

初出は“12 HAPPY SKY”。
文句無しの最終曲。
IIDX におけるラスボスのようなもの。
段位認定 SP 皆伝ボス曲として、数多のプレイヤーを葬り去った。

◇EDEN

はーねがーすりきれておれるひーまでー
はばたきたい!
そう!( ゚д゚ )彡
初出は“12 HAPPY SKY”。
振り向き厨ネタの起源。

◇Second Heaven

初出は“14 GOLD”。
曲中のボイス「三倍アイスクリーム」こと「Somebody scream!!」で有名な曲。

◇GOLD RUSH

初出は“14 GOLD”。
「IIDX GOOOOOOOOOOLD!!」の掛け声で有名。歌詞も空耳満載。

◇Sense 2007

初出は“14 GOLD”。
当作のボス曲。
お立ち台の女王こと荒木師匠の華麗な舞いが見所。ただし、家庭用にはムービーが存在しないので注意。

◇MENDES

初出は“15 DJ TROOPERS”。
家庭用における最強曲。
通称『麺です』。
家庭用限定で最強な理由は、真の姿こと黒譜面にある。
SP 譜面は 2 分弱に 2626 ノーツものオブジェが降り注ぐ、配置も縦連・逆階段・デニムまみれ。
DP 譜面は 2603 ノーツと一歩及ばないものの、片手に SP ☆12 クラスの譜面が降ってくる。
どちらも並の皆伝レベルではクリアどころかゲージを伸ばすことすら難しい。
にも関わらず、前者はフルコンボ・後者は HARD クリアが存在する。音ゲーマーはどこへ向かっているのか・・・。

She is my wife

初出は“17 SIRIUS”。
汎用ムービーかと思ったかい? 俺だよ!
\スーパースタッ!/

灼熱Beach side Bunny

<('ヮ')> YO!
初出は“18 Resort Anthem”。
一文字で言うなら。四文字で言うならかまぼこ。
詳しくは項目で。

◇perditus†paradisus

初出は“18 Resort Anthem”。
失†楽園。通称 p†p。おそらく中二病ではない。
SP HYPER の時点でかなりの高難度。SP ANOTHER は冥に匹敵する難譜面。
出現までにかなりすったもんだした。

◇DEATH†ZIGOQ〜怒りの高速爆走野郎〜

初出は“25 CANNON BALLERS”。
良くも悪くも本作の象徴となってしまった楽曲。
楽曲自体は賛否両論といった程度だが、一番の問題は BGA のレイヤーで
『筆箱や牛乳パックとも評される簡素なデザインの装甲車が Unity のデフォルト背景にしか見えない殺風景な道を走る。』
という手抜きとすら思えてくる代物で解禁当初はプチ炎上する事態に。
しかし、その不思議な魅力にとりつかれたのか次第にネタとして愛され始めクソコラや AA が量産、各所で定期的にネタにされるように。
極めつけは CANNON BALLERS の終わり際という異様なまでに遅れて公開された楽曲コメント。
それとなくネタにされていることを触れながら無難なコメントを残す作曲の 2 人(L.E.D.と DJ NAGAI)に対し、
ムービー制作担当は装甲車のバックストーリーをポエムっぽい文章で掲載するというさらなるネタを投下した。

  _____
 _|――=――|_
三| | ■ | /// | |三 今日も俺は荒野を爆走する
  |―――――|   わずかな希望を停留させる人々を乗せて、共に戦いながら
 |■   |    ■|  地の果てにはあるだろう、穏やかな生活を取り戻せる場所に辿り着くまで
 |    |  ....::::;;|                                     - DEATH†ZIGOQ
(|     |....::::;;;;;;;|)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆特徴


◇シンプルなルール


オブジェは上からまっすぐ降ってくるし、操作は極論「鍵盤を押す(離す)」と「ターンテーブルを回す」の 2 種類しかない。
昨今の音ゲーはオブジェの現れ方に特徴があったり、オブジェの種類が様々あったりするのに対して、これは音ゲー黎明期からあるゲームゆえの特徴だろう。

◇タイミング第一


判定はかなりシビア。
その上、プレーの出来ばえを表す EX スコアは、最高精度の「PGREAT」が 2 点、次の「GREAT」が 1 点で、その次の「GOOD」以下はすべて 0 点で計算される。
GOOD はゲージはわずかに回復するし、コンボも切れない。それなのに 0 点、つまり何もしていないのと同じなのだ。
コンボ加点もないので「難所を GOOD で繋ぐより、捨てるオブジェを決めてそれ以外を PGREAT 出す方がマシ」ということになる。

この判定・スコア制度は稼働当初から変わっていないが、ほかのゲームシステムも「プレーヤーにタイミングを追求させる」ように変化してきた。
20 tricoro”の時点で、事実上、曲の速さに関わらずオブジェの落ちる速度が一定になった*7
もちろん好みの速さにできる上、調整は段階的でなく連続的にできる。
更に、画面上端・下端の位置も自由に調節できる*8
つまり、背丈や好みに合わせて、見やすい画面が作れる。
極めつけに、判定タイミング自体を好きに、しかもかなり細かい精度で調節できる。
プレーヤーはこれらを駆使して、果てのない精度向上に日夜勤しんでいる。

ちなみに、タイミング追究の集大成「全て PGREAT」は、一般に「理論値」と呼ばれている。
これは ☆1 ですら生半可な腕では達成は難しく、☆12 の譜面での達成は確認されていない。
裾野を広げた「すべて PGREAT または GREAT*9」ならばだいぶ現実味があるが、それでも達成されていない譜面は山ほどある。

◇「不可能」がない


シングルプレーにおいては、ターンテーブルをいったん無視すると、ボタン 7 個を操作すればよい。
人間の指の数は 10 本であるから、操作するには十分で、むしろ余るくらいである。
そしてターンテーブルを含め、これらの操作デバイスは非常に近く配置されている。
そのため、IIDX においては(物理的には)常にすべての操作デバイスに手が届くことになる。
多くの音ゲーでは「これらのデバイスの組み合わせは絶対同時に操作できない」という組み合わせ、通称「無理押し」がある。
特に「全てのデバイスを同時に操作する」いわゆる「全押し」はほとんどのゲームで不可能だが、本作シングルプレーにおいては可能である。
そのため The Dirty of Loudness のように全押しが実際に出現する。

◇「対策」より「地力」


上で述べたとおり、オブジェは上からまっすぐ降ってくるし、速さも自在に調節できるので、
特定の譜面が「見づらい」とか「見切りにくい」ということは(ソフランを除けば)ない。
またシングルプレーでは指が余るので、ボタンと指を 1 対 1 で対応させることができる。これを固定運指という。
これが身につけば、どんな譜面であろうと同じやり方で対応できる。

そのため、難しい譜面をクリアするために「難所用に特別な対策をする」ということはあまりなく、
「指を速く正確に動かせるようにする」という、どんな譜面にも通じる能力……「地力」を上げることが第一とされる。
これは「安定してクリアできるレベルの譜面なら初見でも大丈夫」ということにつながる。ランカーは ☆12 を初見でフルコンしたりする。
反面、難しい譜面をクリアするための「近道」や「コツ」があまりないということにもなる。
上級者にアドバイスを求めると「降ってきた通りに押せ」とか「地力上げろ」という無慈悲な返事が返ってくることが多い。
常に初見譜面になるランダム愛好者が多いのも、対策よりも配置を崩して地力勝負にしたほうがやりやすいからである(後述)。

実際、段位認定七段の壁として多くのプレーヤーがつまずく THE SAFARI も、
固定運指で問題なく捌ける譜面なので、特有の攻略は必要ないということになる。
汎用性のない小手先の対策を練るより、地力を上げて殴れという発想である。

ただ、昔は固定運指や手首皿というテクニックがなかったゆえ、特定譜面向けの対策押しは結構あった。
古くはIIDXではなくbeatmaniaのあんみつから始まり、R5(H)1連+αのの357捨てやらera(nostalmix)(A)低速地帯用の右手白鍵左手黒鍵等。
現在でもサファリの段位専用テクニックである246捨てはどこかで聞いたことがあるはず。
昔の譜面になればなるほど「物量譜面」ではなく「癖譜面」が多かったというのもあるだろうか。


◇RANDOM 常用


音ゲーにおける「ランダム」オプションとは、大雑把に言うと「ノーツの降ってくる配置(レーン)がプレイするたびに変わる」というもの。
配置をナイーブにシャッフルすると、先述の「無理押し」が容易に発生してしまうなどの理由により、
実装されている音ゲーでは使用すると大抵難易度上昇にしかならないので、あまり利用されない。

しかし本作、とりわけシングルプレイでは、プレイヤーはなかば当然のように使用する。
理由はだいたい以下のようなもの。
  • 無理押しがないので極端な難易度上昇になることはあまりないから
  • 同じ譜面をやり続けると悪い動きが身体に染み付く(「癖がつく」という)ことがあり、それを避けるため
  • 色々なパターンの配置を捌くことで地力を上げるため
  • 飽きないため
  • 調子が悪くても気が滅入らないため
  • RANDOM をかけない譜面(通称正規譜面)よりやりやすいことがあるため

特に最後の点が重要。
本作はランダムを利用しても自己ベストを更新すれば記録が残る。
このため RANDOM を使って何度もやれば、そのうちやりやすい譜面が来てスコアが伸びたり、クリアできたりする可能性がある。
これを狙って RANDOM を使って何度もプレイすることを「当たり待ち」という。
先述の PREMIUM FREE モードとは非常に相性が良く、
PREMIUM FREE で同じ譜面を RANDOM + HARD で粘着しているプレーヤーはよく見られる。

一方このような、半ば運ゲーが受け容れられない場合もある。
段位認定モードでは実力を測るため、RANDOM を使用することはできない。
また自分ルールとして「RANDOM 使用禁止」を遵守しているプレーヤーも一定数いる。

◆余談


◇クリア力(クリアラー)とスコア力(スコアラー)


一般的に、ゲームにおける「クリア」と「ハイスコア」では、後者のほうがより高度でやり込んでいるものとみなされる。
しかし、音楽ゲーム……とりわけ IIDX においてはこれらは上位下位ではなく並列するものと認識されることが多い*10
これには大きく二つの要因が重なり合っている。

一つは「クリア」に段階の概念があること。
先述したとおり IIDX のゲージには複数の種類があり、それらの中でもより難しいゲージでクリアすることで、
クリアランプの色が更新される仕様になっている。
その種類は
  • (NO PLAY)
  • (FAILED)
  • A-CLEAR
  • E-CLEAR
  • CLEAR
  • H-CLEAR
  • EXH-CLEAR
  • FULL-COMBO
と実に 6 段階。
これは音楽ゲームの中でも最多クラスである。
これがハイスコアを伸ばしていくのに似たやりこみ要素として働いているため、
「クリアしてハイ終わり」とはなりにくい。

もう一つは「クリア」を求めるプレイングと「スコア」を求めるプレイングがまるで異なること。
以下に判定に対する「クリア」「スコア」の両側面で見た表を示す*11

判定 クリア
ゲージ増減
スコア
獲得 EX スコア
PGREAT +0.16 +2
GREAT +0.16 +1
GOOD +0.00 +0
BAD -5.00 +0
見逃しPOOR -9.60 +0
空振りPOOR -5.00 --

見比べてみるとわかるように、スコアの観点から言えば GOOD 以下はすべて等しく無価値なのに対して、
クリアの観点から見れば GOOD はまだ許容でき、見逃し POOR はなんとしても避けたい判定である。
一方でスコアの観点から見れば倍も価値が違う PGREAT と GREAT にクリアの観点では差がない。

そのため、「クリア」を求めるプレイングでは「落とさない」、すなわち精度に多少目をつぶってでもすべてのノーツを叩くプレイング、
「スコア」を求めるプレイングでは「黄ばませない」、すなわち無理なら多少のノーツを捨ててでも叩くノーツを正確に叩くプレイングとなる。
例えば難しい配置の微妙ズレが3つ降ってくるとして、これを同時押しすればPGreat1個、Good2個、ゲージ消耗0で2点となるが、1個捨てて叩きやすい2個を叩けばPGreat2個、見逃しPoor1個、ゲージ消耗9.6だが4点取れるのである。
特に指の数に対して鍵盤の数が多いダブルプレイでは顕著に現れ、絶対に全てPGでは取れない譜面が多く、KACの場面でも全員Failedという自体が起こった事がある。


このようなベクトルの違いのために「クリア力」と「スコア力」という並立する概念が発生している。

◇家庭用コントローラについて


家庭用ソフトをプレイする際は、専用のコントローラがあるといい。

PS2 用ソフトが出版されていたころに、KONAMI から専用コントローラが発売されていた。
また、よりアーケードの仕様に近いアーケードスタイルコントローラも発売されていた。
ただしいずれもすでに終売している。

海外の有志によって、アーケードの仕様を忠実に再現した高品質のコントローラも制作されている。
ただしこちらは非常に高価。
自分の好みと財布に応じて購入しよう。

Windows 用ソフトである INFINITAS を専用コントローラで遊ぶ場合、上記 PS2 用コントローラは不向き*12
KONAMI から発売されている専用コントローラを買う必要がある。
逆に INFINITAS 専用コントローラは PS2 では使えない。
ただ、INFINITAS 稼働から時間が経過した現在では、海外コントローラにも USB 端子とともに INFINITAS 向けのオプションが搭載されたモデルが増えてきている。
自分の好みと財布に応じて購入しよう。

◇STORYモード


SIRIUS の PARTY モード、Resort Anthemの STORY モードは曲をクリアしながら話を進めていくモードなのだが、
DJ キャラクター達が前面に出てきている。
ぶっちゃけ、曲をプレイする以外は一本道のギャルゲーである。
通称デラプラス
こんなものをゲーセンでやらせるとかコンマイェ…

その後このモードは前述の STEP UP モードになった。
STEP UP モードでも軽いストーリーはあるが DJ キャラクターは出現せず、クプロが主人公の寸劇というレベル。
一方稼働中の特定期間で実施される新楽曲解禁イベントでは、新曲に対応するキャラクターがイベントシーンや楽曲のムービーに登場する。
イベントシーンの主人公はクプロであり、やはり DJ キャラクターは出現しない。会話もほぼない。

◇これまでの稼働バージョン


以下今までのAC稼動Verを紹介していく。
  • beatmania IIDX
  • beatmania IIDX substream*13
  • beatmania IIDX 2nd style
  • beatmania IIDX 3rd style
  • beatmania IIDX 4th style
  • beatmania IIDX 5th style
  • beatmania IIDX 6th style
  • beatmania IIDX 7th style
  • beatmania IIDX 8th style
  • beatmania IIDX 9th style
  • beatmania IIDX 10th style
  • beatmania IIDX 11 IIDX RED
  • beatmania IIDX 12 HAPPY SKY
  • beatmania IIDX 13 DistorteD
  • beatmania IIDX 14 GOLD
  • beatmania IIDX 15 DJ TROOPERS
  • beatmania IIDX 16 EMPRESS
  • beatmania IIDX 17 SIRIUS
  • beatmania IIDX 18 Resort Anthem
  • beatmania IIDX 19 Lincle
  • beatmania IIDX 20 tricoro
  • beatmania IIDX 21 SPADA
  • beatmania IIDX 22 PENDUAL
  • beatmania IIDX 23 copula
  • beatmania IIDX 24 SINOBUZ
  • beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS
  • beatmania IIDX 26 Rootage
  • beatmania IIDX 27 HEROIC VERSE←Now Playing!



追記修正は英雄(ヒーロー)になってからお願いします。

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