宇宙化猫タマ・ミケ・クロ

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宇宙化猫タマ・ミケ・クロ - (2018/06/30 (土) 02:26:50) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/11/01(火) 15:27:49
更新日:2024/05/02 Thu 09:20:59
所要時間:約 7 分で読めます




マックスなんだから、限界に挑んでみた。前回同様、怪獣のデザインも脚本家のNAKA雅MURAが担当した。
期待通り、更に過激になった。「・・・やりすぎだよ」そんな非難を受けることなど恐れず、スタッフと一緒に真剣に遊んだ。キャストと共に思いっきり弾けた。ベテランも若手もウルトラマンに燃えた。
そう、若き戦うプロデューサー・八木毅の情熱に撮影所が踊ったのだ。最高に楽しかった。その喜びが、出来上がった作品に生きていると思う。
これが、今の私にできるマックスです。
大きなものを守りながらも、冒険を忘れない円谷プロダクションに敬意を表します。(三池監督・寄稿)



円谷プロの特撮作品『ウルトラマンマックス』16話「わたしはだぁれ?」に登場する怪獣で宇宙化猫。


【概要】

三匹とも全長45M・体重2万3千t。
外観の特徴としてはトゲトゲした球体状のボディと単眼、節足動物のような細い足。
動くと鈴の音が鳴る尻尾と眼球以外猫らしいパーツは無い。
辛うじてタマには猫の脚が、クロには猫耳がある程度。
また、口から破壊光線を放つことが出来る。

この怪獣の固有能力は「一定範囲内の有機生命体の記憶を奪うエネルギーの放出」
エネルギーの影響を受ければ受けるほどそれだけあらゆる記憶が失われてしまい、
最終的にはまともな思考能力すら奪われ「何をどうしてどうすればいいのか全く解らない状態」に陥る。
中には幼児の育児や家族の名前すら忘れた人すら居た。
言語能力や最低限のコミュニケーション能力以外の記憶は問答無用で奪われるため、化猫達の能力の支配下に置かれるとまともに戦うことは愚かまともな行動すら不可能。
おまけに『有機生命体』である限り化猫達の能力からは逃れられず防ぐこともできない。
この特性がウルトラマンマックス最大の危機を招くことになる。

なお化猫3匹は悪意を以てこの能力をばら撒いている様子はなかったため、
この記憶抹消効果のあるエネルギーの散布は、人間の呼吸のような宇宙化猫という種族固有の生態だと思われる。


【ストーリーでの活躍】

16話の一ヶ月前に隕石に扮して地球に飛来。
DASHの調査では、その時点で生体反応は見られず、また着地跡も非常に小さかった為、調査は打ち切られた。
ショーン曰く「隕石だとしたら米粒サイズ」とのこと。
エリーの推察ではその後地中に潜り、一ヶ月間成長を続けたのではとのこと。

その後DASHの本拠地・ベースタイタンの目の前にてミケが出現。
DASHと交戦する筈だった。

話を少し戻すが、隕石(化け猫三匹)飛来後の一ヶ月間、
人間や動物に至るまであらゆる生物の記憶が徐々に失われるという事件が頻発していた。
研究班からは「住民からも何らかのエネルギーや電磁波が記憶を奪っているのでは?」と推察されていた。

そんな考察を聞いた後ダッシュマザー・ダッシュバード1・2に乗り込み、全て出撃体制の整ったDASHの面々は、


ヒジカタ隊長「……で?」
ミズキ「どうやって操縦するんだっけ?」
コバ「ちょっ、マジどうやって操縦するんだっけコレ!?」


彼らは戦い方やメカの操縦方法まで忘れてた。
さらにカイトに至っては「……どうやって変身するんだっけ?」とウルトラマンマックスへの変身方法を忘れる始末。

コバはダッシュバード2が待機状態のままスイッチを適当に押し、ミサイル発射。出撃ハッチを破壊した。


/こーわしたーこーわしたー\

コバ「(必死の表情で)……いいや、壊してないよ?」

\どう見たって壊したわよ!!/

なお、オペレーターのエリーはアンドロイドである為唯一影響を受けていない。
この為ミズキの要請でダッシュバード1をダッシュマザーに格納し、エリーの指示を受けつつようやく出撃体制が整ったと思いきや

全 力 で 大 回 転 し だ す ダ ッ シ ュ マ ザ ー

外観のシーンでもグルグル回ってるダッシュマザーはとてもシュールである。
この後隊長・ショーン・ミズキは司令室に眼を回しながら戻ってくるのだが、
ショーンは隊長の所為で再び恐怖のアトラクション(ダッシュマザー)送りになる。

カイトはカイトで本来左腕に身に付ければ良いだけのマックススパーク(変身アイテム)を

「はーい!はい!はい!はいー!」

足の裏に付けたり、額に付けたりする有様。

その間ダッシュバード2に乗り込んでいたコバはまた適当に押したスイッチでようやく出撃できたが、
いきなりアフターバーナー点火のオーバードブースト状態。
急激なG負荷でエリーの呼び掛けにコバが応じる余裕も無く、急ストップ&急ブーストの繰り返しのある意味変態機動の連続。
ようやくミケを捉えるも、「ミサイル発射!」と息巻いて引いたレバーが緊急脱出用のもの。
当然、そのままコバはシートごと空中に投げ出され、海に落ちた。

この時コバはカメラに接近して「ドゥゥゥゥゥゥン!ダァッシュ!!」の迷台詞と共に何故かピースしていた。
ダッシュツー?

搭乗者の居なくなったダッシュバード2は物凄い効果音と共にミケに突き刺さるが、大したダメージにもならず、
ダッシュバード2も放り投げられた上にも光線で破壊され、ただ怒りを煽っただけになった。

この時の衝撃でカイトはすっ転び、偶然マックススパークが左腕に付いたことでやっとウルトラマンマックスに変身できた。
が、変身プロセスがアレ過ぎた所為か、寝込んだ状態だった。(変身BGMまでスローがかかっていた)

ミズキ「何でくつろいでんの?」

どう見ても寝ボケてるようにしか見えないマックスは事態に気付き、ミケとの戦闘態勢へ移行。
マクシウムカノンを発射しようとするが、ポーズを間違えて不発。(何か変な煙は出た)
そもそもマックスも宇宙人、即ち種族こそ違え度有機生命体である為、化猫の能力の対象範囲内となり完全に記憶がボロボロにされていた。
その後も何度も発射しようと変なポーズを取り続けた挙句、ゴルゴ松本の「命」にしか見えないポーズまで披露。(明らかに「イノッ!!」と叫んでいる)
このシーンは中の人の熱延がすごいので是非DVDを借りてみてほしい。

終いには頭を擦ったら頭部に格納されてるマクシウムソードが落っこちてまさかの池ポチャ。
マクシウムソードの水を切り、なんとか再び頭部に収めようとするが、諦めてそのへんに放り投げた。*1

この一連の行動にはミケも(自分の能力に自覚が無いのかもしれないが)呆れていた。

ダッシュマザーから適当に放たれた砲撃が原因で、ベースタイタン及びダッシュマザーがミケについに直接攻撃されることになり、
ベースタイタンも非常用電源で稼動するほどの事態に陥った。

この事態に憤慨したヒジカタ隊長は元エースパイロットの(カレー食ってる最中の)トミオカ長官と
何故かヨシナガ博士(生物学者)を連れ出し、ダッシュマザーで再度出撃。
その際トミオカ長官(演:黒部進)はマックスを見て呑気に「このでっかい人……どっかで見たことあるなぁ」と呟いていた。昔のあんたの仲間です。
今度こそダッシュマザーはまともな出撃が出来るかと思ったら更に激しいアトラクションと化した。
エリーもついに呆れて「もうそこでずっと回っててください」と切り捨ててしまった。

この後エリーの指示を受けながらマックスが戦うことになるのだが、状況が状況なのでまともに戦えず、
ご飯を食べるジェスチャーをやった後に破壊光線を受けてダウン。光の国にもお椀を左手で持つ風習があったらしい。
これには本来無感情なはずのエリーが明らかに口元をヒクヒクさせて苛立っていた。

アトラクションから帰還して壊れてしまったトミオカ長官と惚けるヨシナガ博士。
もうこの時点で混沌とした展開に遂にエリーが…、

やかましい!!

ええかげんにせんかい!!!

頭から水蒸気を出しながら何故か広島弁でキレた

マックスのパワータイマーが鳴り出したと同時にタマ・クロも出現。
三匹とも完全に威嚇状態(猫の尻尾が膨らむアレ)に移行し、同時に破壊光線でマックスを直接攻撃。
更にベースタイタンも巻き添えを食らい、完全に自身喪失状態のDASHの面々。絵的にもカオス。

しかし、マックスに残った最後の記憶「光の国」とエリーの激励で戦意を呼び戻し、
「高速回転して勢いで出した光線(半公式名称)」をノリで発射。
三匹同時撃破に成功し、記憶喪失事件も収まった。

撃破後、DASHのメンバーはマックスを見習い、一丸となって戦うことを改めて決意する。





が、エリーにまですっかり忘れられてた上に昆布やら蛸やらが付着したコバがようやくこの時帰還。
「俺は仲間じゃないんですねっ!!」とオチが付いてしまった。


なお、マックスの活動時間は例によって3分だが、この回では明らかに3分以上居た(が、誰も突っ込んでいない)


【おまけ】

先週があの完全生命体イフが登場した「第三番惑星の奇跡」の後だっただけに、「何だったんだコレ」的なギャグ回である。
そもそもあの回の感動を次回予告の時点で台無しにしてた。
ちなみにイフの回と脚本家は同じ。

サブタイトル「わたしはだぁれ?」はウルトラセブン47話「あなたはだぁれ?」のサブタイトルのパロディだと思われる。
というか、マックスのサブタイトルは旧作のパロディが多い。(この前のイフ回のサブタイトルもパロディである)

トミオカ長官(役:黒部進=初代マン)が「アチョー!!」と、何故か右手のスプーンを掲げると見せかけて、
左手のカレーを掲げるシーンがあるがこのシーンはスカイドン回のオマージュ。

「ただその場にいるだけで記憶を奪って敵を勝手に無力化ないし自滅させてしまう」という反則としか言えない能力から、
「ウルトラ怪獣・宇宙人で最強は誰?」という話題になると平成シリーズの中ではイフ、ダークバルタンと並んで必ず名前が挙がる。というか今やこの3体以外まず出ない*2
……全部マックスに登場したというのがなんともはや。敵が最強最速
ただ記憶を消すのは機械には全く効かないとハッキリ描写されており、本体自体の戦闘力はそれほどでもないことから3体の中では一歩劣ると思われる。
しかしそれでもやらかしたことは
  • 都市機能を麻痺させる
  • 防衛隊を勝手に自滅させ壊滅状態に追い込む
  • ウルトラマンの行動を終始完封
  • ウルトラマンに変身方法は愚かカラータイマーの存在、必殺技の出し方、武器の使い方や名称、左右の手がどっちなのか、「自分がウルトラマンであること」さえも完全に忘却させる
というギャグにしか見えないが地球存亡の危機とも言うべき状況を齎している。

そもそもこの3匹が作中でやったことは隕石に紛れて地球に降りて、特に街を破壊することもなく成長しながら姿を隠して移動し、ベースタイタンの目の前まで近づいただけである。
本格的な攻撃に移ったのは記憶を失ったDASHから偶然攻撃を受けてからなので彼らに地球を侵略・攻撃するなどの敵意があったことすら定かではない。


そして時は流れて2015年。
『ウルトラマンX』において、この宇宙化猫達と同じ種族の化猫「ムー」が登場した。




……追記・修正って、どうやればいいんだっけ?

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