225系近郊形直流電車

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225系近郊形直流電車 - (2014/06/09 (月) 14:43:27) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/07/18(日) 05:20:11
更新日:2023/05/17 Wed 18:25:30
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JR西日本が保有する鉄道車両。2010年から投入が開始された、JR西日本の最新鋭近郊形電車である。

1993年から2008年の足掛け15年もの間に計926両が製造された223系の後継車であり、125系や321系といった自社の新型車両や他社の新型車両で培われた新技術が多数投入されている。

2012年10月現在、以下の編成が近畿車輛・川崎重工で製造・投入された。

◆0番代
  • I編成(8両編成)7本
  • L編成(6両編成)5本→現在は全車ML編成
  • Y編成(4両編成)6本→現在はうち3編成がMY編成

◆6000番代(網干総合車両所宮原支所)
  • ML編成(6両編成)5本
  • MY編成(4両編成)3本

◆5000番代(吹田総合車両所日根野支所)
  • HF500編成(4両編成)29本

また、現在きのくに線(紀勢本線)105系老朽取替用、広島地区老朽取替用として本形式の投入予定がある。

特徴は以下の通り。

■番代による差異
◆最高速度
0番代は新快速で使用する為223系1000・2000番代と同じ130km/h、6000番代は「221系性能」のため120km/h、5000番代は223系0・2500番代に合わせ120km/hとなっている。

◆座席配置、シートモケット
接客設備の項で後述。なお、両者とも運転席のシートモケットはブラウンで統一されている。

◆車体
225系のコンセプトの1つである「安全性の向上」を実現するため、車体には様々な改良が加えられた。

先頭部は運転台周りを強化したことで相対的に屋根部分が弱くなり、衝突時にその部分が先に潰れて衝突の威力を減衰する衝撃吸収構造を、JR西日本の車両として初めて採用した。
衝撃吸収構造はJR東日本の車両などで既に採用実績があるが、JR東日本方式では先頭車と中間車でドア位置がズレるという問題があった為、JR西日本は将来的にホームドアを設置することを考慮し前述の方式を新たに開発。この方式は「巴投げ方式」と名付けられた。 
窓は車体強度確保の為、大きな開口部を必要とする連窓をやめ、2枚の小型窓と1枚の大型窓によって構成する方式とした。なお、大型窓はカーテンレール用の柱を取り付けて連窓風としている。また、縦方向の寸法は223系と同じ950mmとしている。

その他では外板厚を2mmと223系よりも厚くした他、接合部分の各所に補強が追加されている。これらにより、225系は223系を上回る車体強度を有する。

◆接客設備
225系のコンセプトの1つである「交通弱者への対応」を実現するため、また「安全性の向上」のために、従来の車両とは大きく変化した。
221系や223系では吊り革が白、手摺りが緑または銀で塗装されていたが、これを咄嗟の時に目につきやすくするために全てオレンジ色で塗装し、吊り革については数が大幅に増やされた。また、直径やサイズも大型化されたほか、手摺りは端部を曲線的にして力が一箇所に集中しないように配慮された。

座席配置は0番代・6000番代は223系1000・2000番代を踏襲し、横2列+2列、扉間5列でドア脇の座席背面に補助席を設けた配置となった。シートモケットの色も223系1000・2000番代同様ブラウンだが、色調等が変更された。
対する5000番代は223系2500番代を踏襲し、横2列+1列、扉間5列で補助席なしという配置となった。シートモケットの色は223系0・2500番代のライトブルー系から濃紺に変更。

内装の色は先に登場した321系を踏襲しつつ、端部の壁面の色は223系を踏襲して暖かみと明るさを共存させた色調としている。

情報案内装置は321系と同様のLCDを全16面通路上に配置し、映像による旅客案内を可能とした。字幕は日英二ヵ国語表示となっている。

その他ではドア化粧板の端部を黄色で塗装し、挟まれ、巻き込まれに対する注意喚起を実施しているほか、乗降口床部に黄色の塗装を施して転落防止や段差に対する注意喚起の実施、ドア開閉表示灯を設置してドアの開閉動作に対する注意喚起を実施している。また、更なるホームと車両間の段差低減のため、床面高さを223系2000番代の1,130mmから1,120mmと10mm低くしている。

◆走行機器
これまでJR西日本の車両はM車とT車で構成されていたが、225系では125系で構築され、2両以上で運用する321系を製造するに当たって更に進化した0.5Mシステムを踏襲、全ての車両を電動車として車種構成を統一し、コストの削減や保守管理が容易となるように配慮されたばかりではなく、故障時の冗長性も高められている。

制御装置は223系と同じIGBT-VVVFインバータだが、制御群は1C1Mから1C2Mに変更されている。これは0.5Mとなったことや、全電動車となったことで冗長性が高まった為である。

モーターは運転性能の向上や寿命の延長を図るために出力が強化され、223系の220kWから270kWとなっている。このモーターは今後の標準と位置付けられており、他形式には制御ソフトやギア比の変更で対応するようになっている。

台車は321系のものを改良した軽量ボルスタレス台車で、軸箱支持方式はJR西日本の電車では標準の軸梁式となっている。先頭車用の付随台車には駐車ブレーキが取り付けられている。

パンタグラフは時代の変化に合わせ、従来の下枠交差式パンタグラフからシングルアーム式パンタグラフとなった。近年のJR西日本の車両では521系や683系4000番代といった交直流電車で採用実績があるが、京阪神間を走るJR西日本の通勤・近郊形としては初採用。

223系との併結運用が主体となるため、223系との併結が可能となっている。伝送システムが223系と225系とでは全く違うため、225系側が読替装置搭載で対応する。


◆エピソード
一部の鉄道雑誌によると、2011年3月頃から営業運転を開始する…と言われていたが、キハ189系同様に営業運転開始が前倒しされ、0番代・5000番代ともに2010年12月1日から営業運転を開始された。

また、225系投入に合わせて新快速の全列車12両編成化、阪和線のダイヤの大幅な見直しを実施するとされていたが、225系の営業運転開始の前倒しによって若干遅れての実施となる。




よくE257系に似ているとか言われる。



また、落成間もない頃の試運転で屋根からヒューズボックスのカバーをポロリするという珍事件を起こす。


数年後に一部の編成が広島支社に行くという噂があるらしい


追記・修正よろしくお願いします。

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