死銃(SAO)

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死銃(SAO) - (2023/09/07 (木) 23:35:12) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/09/11 (木) 22:49:56
更新日:2024/04/11 Thu 04:15:09
所要時間:約 10 分で読めます






< CAUTION!! >
この項目はソードアート・オンラインのネタバレ要素を多分に含みます。



俺とこの銃の名は《死銃》………《デス・ガン》だ!!



死銃(デス・ガン)』とは、電撃文庫から刊行中のライトノベル『ソードアート・オンライン』の3部≪ファントム・バレット≫に登場するキャラクター、及び彼が使用するハンドガンの名称である。Web版時代は第3部のサブタイトルでもあった。
CV.保志総一朗


◆概要

作中に登場するVRゲーム《ガンゲイル・オンライン(GGO)》の世界に登場した謎の男。
正確なアバター名は不明であり、全身を覆うボロボロのマントに顔を完全に覆い隠すフェイスマスクという異様な風貌をしている。
ゲーム内で彼に撃たれたプレイヤーが次々に変死体で発見されるという謎の現象が発生したところから第3部≪ファントム・バレット≫の物語が始まる。

その正体はかつてSAO内にて大量殺人を行ったギルド《ラフィン・コフィン》の幹部クラスのメンバーで、腕にラフコフのエンブレムのタトゥーが彫られている。


◆戦闘能力

はっきり言って強い。かなり強い。大雑把に言うと、純粋なプレイヤースキルでは歴代ラスボス中でもガブリエルに次いで二番目と言っても過言じゃないぐらい強い。

ゲームマスター権限を悪用してHPが0にならないようにしていた茅場*1や、同じくゲームマスター権限を濫用してステータスを好き放題上げていた須郷、システムの裏をかいたスペックの底上げをしていたエイジ、パラメータを操作して滅茶苦茶なステータスになっていたアドミニストレータ等とは違い、
そういった『特権を用いた不正』ができない一介のプレイヤーでありながら、単純戦闘力に関しては明らかに彼らを超えている。その強さはシノンが彼を見ただけで戦慄を覚えるほど。

この殺人鬼の何が恐ろしいかというと、これだけの強さを誇りながらリアルもその道のプロフェッショナルであるガブリエル&PoHとは違って正真正銘の一般的な民間人であること。


シノンと同等以上の狙撃技術に加え、キリトが披露したようにSAO時代に培われた様々なスキルを使いこなせる。

武器は《沈黙の暗殺者(サイレント・アサシン)》の異名を持つサイレンサー付き対人スナイパーライフルの《L115A3》*2、撃たれたものが本当に死亡する≪死銃≫ハンドガンの《黒星・五十四式》*3、さらに《銃剣作成》スキルによりGGOで得られる最高硬度の金属を加工して手に入れた《刺剣(エストック)》。
ちなみに死銃が使用するサイレント・アサシンは現実そのままの形状ではなく改造が加えられており、バレル下部にエストックを収納している。

銃弾は相手を麻痺させる電磁スタン弾と実弾を使い分け、加えて透明化できる《メタマテリアル光歪曲迷彩》のマントを着込んでおり、常に身を隠しつつ暗躍していた。
一見チート装備のオンパレードのようにも思えるが、《沈黙の暗殺者》はスナイパーライフルということもあって非常に高いプレイヤースキルが問われる武器であり、
エストックは言わずもがななため、これらを使いこなせる死銃のスキルの高さがうかがえる。一切の制限なしで透明化できる迷彩は流石にチートだが、これもゲーム中で手に入る物の範囲。勿論所得にはかなりの苦労orリアルマネーがいるが…

処刑対象に対しては電磁スタン弾で相手を麻痺させ、中継カメラの前で十字を切るジェスチャーを示した後で黒星で撃って処刑し、それ以外のプレイヤーは狙撃によって多くのプレイヤーを撃破した。
おそらく第3回《バレット・オブ・バレッツ(BoB)》のマックス・キル賞を取ったのは彼。

狙撃の腕前はGGO最高峰のスナイパーであるシノンと肩を並べるほどで、かなりの長距離狙撃をあっさり成功させている。

さらに騎乗スキルも高く、本来なら非常に扱いにくいはずのロボットホースを乗りこなしている。これはおそらく《圏内事件》の際にキリトが馬に乗って現れたことに対する意趣返し。

しかし真に恐れるべきは、エストックを用いた近接格闘技術である。
SAO内で一度キリトに敗れ牢獄に送られた後も牢獄内で修練を続けてきた彼のスキルはかつてキリトと戦った時のそれとは比べ物にならないほど磨かれており、
その強さはキリトをして「スピード、タイミング、バランスすべてが完成されている」「攻略組にもここまでの剣士はそうはいなかった」「全く隙がない。このままでは勝てない」そう言わしめるほど。
実際キリトも敗北寸前まで追い込まれた上、結果的に勝てたのはアミュスフィアの欠陥によるアスナの祈りが届いたこと、かつシノンの助力も大きいためまず一対一では勝てなかっただろう。
作中では不意を衝いて倒したペイルライダーに真正面からぶつかってもおそらく勝てたと思われる。
牢獄内で修練し続けただけでここまでパワーアップしたのだから、おそらくプレイヤーとしての素のポテンシャル自体も優れていたのだろう。

重ねて言うが、彼の恐ろしいところは「ただの一般プレイヤーでありながらこの恐ろしい強さを持っている」「歴代ラスボスで唯一の完全な一般プレイヤー・一般人」であること。
つまり、純粋な「努力」、あるいは「執念」でエイジとPoHをも上回る領域とラスボスの地位にまで達してのけたのだ。


◆本編での活躍

5巻から登場。GGO内のとある酒場で放送されていた番組に出演中の前回《BoB》チャンピオン・ゼクシードの映る画面に発砲した。
直後、ゼクシードは回線が切断され、その後遺体で発見される。
さらに最大級のスコードロンのリーダー・薄塩たらこにゲーム内で発砲。彼も同様に死銃に撃たれた直後に回線が切断され、数日後に遺体で発見される。
しかしGGOプレイヤー間では都市伝説くらいにしか思われておらず、死亡した二人が丸一日以上飲み食いせずにログインしっぱなしであったことから現実世界でも病死としか思われていなかった。

このことに業を煮やし、《真の力》を見せつける為に第3回BoBにて大規模な殺人を企てる。

BoB予選会場・待合室にてキリトと再会し、彼に宣戦を布告する。
この時の呼吸音は原作ではそれほどでもなかったが、アニメではかなりシュコーシュコー言っており結構強調されている。
ダース・ヴェイダーかお前は。

勿論BoB予選を勝ち抜き、本戦に出場。シノンとキリトの見ている前でペイルライダーを電磁スタン弾で狙撃して麻痺させ、《死銃》の弾丸を撃ち込む。直後にペイルライダーは胸元を抑えもがき苦しむような動きを見せた後、回線が切断。現実世界で死亡した。

その後追ってきたキリトとシノンが二手に分かれたところで、同じようにシノンを電磁スタン弾で狙撃して麻痺させ、《死銃》の弾丸を撃ち込もうとするが、キリトが助けに現れたため失敗、手榴弾(実はスモークグレネード)が投げ込まれた事もあって、その場はいったん退く。

その後バイクで逃げる二人を上述したロボットホースで追いかけ、障害物の多いハイウェイをホースの踏破力を利用してみるみる距離を縮める。
この際にも《死銃》を発砲。わずかに外したものの照準が定めにくいはずの馬の上からかなり正確な射撃を行い、その狙撃能力の高さを見せつけた。

しかし、シノンの狙撃によってハイウェイ上の廃車が爆発、炎に包まれホースを失ったものの、自身は脱出に成功し生き残った。
ターミネーターかお前は。

その後しばらくキリトとシノンを追ってこなかったが、おそらくこの間にもう一人の標的であるギャレットを殺害したものと思われる。

その後キリトを狙って荒野に現れるが、シノンに見つかり、シノンとの狙撃対決にもつれ込む。両者の狙撃の腕前がほぼ互角であったこともあって弾丸はほとんど同じ軌道を進み、衝突こそしなかったものの互いの軌道をわずかにずらした。
その結果シノンを倒すことはできなかったが、シノンのヘカートⅡのスコープを破壊し使用不能に追い込んだ。
しかしシノンの弾丸もサイレント・アサシンの機関部に命中し、サイレント・アサシンを使用不能にされてしまった。

そのままエストックを用いてキリトと交戦。熾烈な白兵戦を演じ一進一退の攻防を繰り広げるが、全く隙のないその強さと武器の相性*4から次第に優位に立ちキリトを敗北寸前まで追い詰める。
しかし、シノンの予測線を利用した渾身の精神攻撃《幻影の一弾(ファントム・バレット)》によって大きな隙を作ってしまい、光剣とFN・ファイブセブンを用いた二刀流によるダブルサーキュラーを受け、ついに斃れた。


◆正体

アバター名は《Sterben(ステルベン)》。ドイツ語で〝死〟を意味し、患者が亡くなった際に用いられる医療用語でもある。
そうと知らないキリト達は綴りの似た英語の「スティーブン (steven)」のスペルミスだと思っていた。

その正体は、個人ではなく現実世界組と仮想世界組に役割を分担した複数犯。
GGOにダイブしている共犯者がアバターを銃撃し、それと同時に現実世界にいるそのアバターを操作しているプレイヤーの住居に侵入していた実行犯が、無抵抗状態の身体に猛毒である《サクシニルコリン》を注射して心臓麻痺に至らしめるという方法で犯行を重ねていた。

後述するように犯人は総合病院の息子であったので、その環境を最大限に利用していた。
住居への侵入には盗み出した合鍵や緊急用に救急隊員が用いるロック開けの道具*5を使っており、プレイヤーはアミュスフィアの仕様上基本的に起きることはないので、侵入は容易であったと思われる。

サクシニルコリンは麻酔導入用の筋弛緩剤として用いられているので病院からくすねることは可能であり、また、サクシニルコリンは体内で作用した後、その人物が死亡したとしても、時間経過と共に血液中の化学物質と反応して分解されてしまう性質がある。また被害者は両名一人暮らしだったため、発見までかなり時間が経過し遺体の状態も悪かった。

それにVRゲームプレイ中の心不全と言う一見犯罪性の薄い死亡事故に見えるため解剖自体もあまり精密には行われなかったそうで*6、薬殺であるとはなかなか見抜かれなかった。そのあたりを狙った殺害方法を考えるとは、さすがは腐っても医者の息子といったところ。
しかし、その周到に練られた計画によって、周囲から彼らが期待した反応が返っててこないという皮肉な結果を生んでしまった。

また、十字を切るジェスチャーはタイミングを測るために時計を確認するためのカモフラージュであった。

ターゲットにはGGOのトッププレイヤーの中から、一人暮らし、電子錠が初期型だったりでセキュリティが甘い家に住んでいたり合鍵を玄関付近に隠しているなど防犯意識が低く、移動しやすい都内に住んでいるなどの条件に合致する殺しやすい人間を選び出していた*7


◇死銃のメンバー一覧
  • 新川 昌一 / ザザ (XaXa)
死銃事件の主犯。死銃のアバターを操っていた人物。病弱であるため言葉を短く切りながら話す癖がある。

SAO時代のアバター名はザザ (XaXa) 。ラフィン・コフィン幹部の1人であり、通称《赤眼のザザ》。
現実では総合病院のオーナー院長の長男。しかし体が弱く入退院を繰り返しており、留年をきっかけに両親からは半ば見捨てられていた。このことが彼の人格が歪んでしまった大きな原因の一つだと思われる。

SAOでは後述するジョニーと組んで10人を超えるプレイヤーを殺害。
「圏内事件」でキリトに恨みを持ち、「ラフコフ」討伐戦でキリトと交戦するも敗北、ゲームクリアまで牢獄に拘束されていた。

人を殺すことに狂的なまでに取りつかれ、SAO事件解決後も殺人衝動を燻らせ続けていた。
弟の恭二の薦めでGGOを始め、恭二からキャラクター育成の行き詰まりを相談されたことを機に死銃事件を構想し実行に移した。
犯行の際は現実世界でのプレイヤー殺害を担当し、ゼクシードとうす塩たらこ殺害の実行犯。BoBでは役目を代わり、GGOにてアバターを操った。

BoB後にキリトが彼の名前を思い出したことと、弟の恭二が現行犯逮捕されたことで容疑者に急浮上し、ゼクシードとうす塩たらこの家にて毛髪などが検出されたことから逮捕された。
その後キリトに対して「まだ何も終わっていない」という意味深な伝言を捜査員に言付けた。

  • 金本 敦 / ジョニー・ブラック (Johnny Black)

死銃事件の共犯者で、ペイルライダーとギャレットを殺害した実行犯。

SAO時代のアバター名はジョニー・ブラック (Johnny Black) で《ラフィン・コフィン》トップ3の1人。SAO時代には毒ナイフを愛用しており「圏内事件」ではシュミットを容易く沈めた。おそらくクラディールに毒の仕込みを教えたのは彼。
「ラフコフ」討伐戦で捕らえられ、ゲームクリアまで牢獄に拘束される。

SAO時代にザザと連絡先を交換しており、彼同様殺人衝動を燻らせていたため、ザザに誘われて死銃事件に加担した。新川兄弟が逮捕されたことで捜査線に浮上するが一足遅く、行方をくらませる。
その後、報復と悪足掻きを兼ねてリアルで和人に襲い掛かり一矢報いるが、反撃で致命傷レベルの重傷を食らい自身も倒れる結果となった。
そして皮肉極まりないことにこの行動が無ければキリトがアンダーワールドにリログインする事は無かったので、実はアンダーワールドを救った影の立役者と言える。
なんでや!
プログレッシブにも登場しており、攻略初期から攻略組に潜り込んで度々対立煽りを行いPK…というかプレイヤー同士の殺し合いが起こるように仕向けようとしていた。
SAO時代にキリトが嫌われ役を引っ被る羽目になったのもコイツのせいである。
原作では示唆する程度だったが、劇場版にて本人であることが確定した。

 CV:花江夏樹

詩乃の友人で、彼女をGGOに誘った張本人。総合病院のオーナー院長の次男で昌一の弟。
死銃事件の共犯者。結果的にではあるが3人の中で唯一人を直接手にかけてはいない。

兄との仲は非常によく、SAOから生還した彼のことを尊敬していた。
医者の息子であったことから高校で苛烈ないじめを受け不登校になっており、また家庭でも両親から病院の後継者として必要以上にプレッシャーを受けていたため、まったく居場所がない状況に追い込まれていた。
そのためGGOに非常にのめりこんでいたが、ゼクシードが広めた情報によってステータスを振り間違えてキャラクター育成に行き詰まっており、ゼクシードを憎んでおり、*8そのことを兄に相談したことがきっかけとなって死銃事件の構想が練られた。彼にとって不幸だったのは、それを実行できてしまえる環境が整っていたことと、兄が非常に強い殺人衝動を抱いていたことであり、もしそうでなければせいぜいこき下ろすくらいで終わっていたはずである。

詩乃には憧れと嫉妬、崇拝が入り混じった複雑な感情を抱えており、かなり屈折した愛情を抱いていた。
最初の2件では仮想世界でアバターを操る役目を負っていたが、BoB大会本選では自分自身の手で詩乃を殺害するために現実世界組に回った。
ちなみに《死銃》に黒星が用いられていたのは彼が詩乃の過去に感銘を受けたため。

BoB後に詩乃の前に現れ、自身の負の感情を爆発させながら正体を明かし、彼女と無理心中を図るが、駆け付けたキリト*9に取り押さえられ、キリトが事前に呼んでいた警察に現行犯逮捕された。

大切な友人であった恭二が犯行グループの一人であったことは詩乃に大きなショックを与えた。
詩乃は(動機はともかく)現実世界で優しく接してくれていた恭二に半ば好意とはいかずとも憎からず想っていた節があり、もし彼が犯罪に走らずに現実ときちんと向き合っていれば、あるいは彼が詩乃と恋仲になるような未来もありえたかもしれない。
「ヒロインにVRMMOを紹介する」「ヒロインに好意を持っている」「物語途中で告白するが答えを貰えない」等はALO編のレコンを思わせるが、その後も直葉と良好な関係を続けている(ついでにその漢っぷりを美人のJDシルフ領主に買われる)レコンとは真逆の末路を迎える事になった。

長期間未ログインによるアカウント消滅の期限を迎えた辺りから現実と向き合い始めているという。

◆余談

死銃達に共通して言えることは、皆現実世界に希望を見いだせず、仮想世界に異常にのめりこんでしまっていたということである。
そして現実がますます希薄になり、さらに仮想世界に依存するという悪循環に陥ってしまっていた。
もし彼らが現実と、他人と、あるいは自分自身ともっときちんと向き合っていれば事態は大きく変わっていたはずである。キリトやシノン達も一歩間違えば彼らのようになってしまっていたかもしれない。

キリト達と死銃達の運命を分けてしまったのは、キリトにとってのアスナ達やシノンにとってのキリトのように自分達の抱える闇について理解と共感を持って向き合い、手を差し伸べてくれる人間との出会いに恵まれなかったことによる純粋な不幸によるものであろう。

例えば新川兄弟が事件に走った大きな原因としては、兄のことは切り捨てて見放し、弟に対しては(学校のいじめが原因で不登校になった時点で精神的に病んでいたのが分かるはずなのに)過度なプレッシャーをかけるという両親の偏った教育があげられる。*10
この事件に関する新川兄弟の両親の反応は不明だが、実名報道はされないとはいえこれだけの大事件を息子たちが起こした以上、家の没落を始めとした社会的な身の破滅に見舞われるのは確実であろう。*11

一方のキリトは現実世界で養子という立場を知ってしまったことによる家族とのすれ違いや、止むを得なかったとはいえビーターのレッテルを自分に張らざるを得なかったことによる孤立*12、自分の迷いから生じた過失が招いてしまった《月夜の黒猫団》崩壊の悲劇などでボロボロに傷つき病んでいた心をアスナを筆頭とした彼を受け入れ向き合ってくれた人達が心の傷を癒やしてくれたことで元の明るさや希望を取り戻し、現実と向き合えるようになった。シノンも父の死によって現在の自分以上に心を病んでしまった母を守らねばならなくなり、子供らしく親に甘えることもできず、さらに銀行強盗の魔の手から母を救うためとはいえ結果的に殺人を犯してしまったことによるPTSDと殺人者のレッテルからくる周囲の迫害によって仮想世界以外に居場所が無くなってしまっていたほど追い詰められていた彼女を、同じ苦悩を抱えるキリトが救いの手を差し伸べてくれたおかげでトラウマを克服して、現実世界にも居場所を広げて前に進むことが出来るようになったが、死銃達の周囲にはそういう思いやりのある人間が居なかった。

その意味では、他者への思いやりを欠いていた彼らの周囲の人間が死銃のような殺人鬼を生み育んでしまったと言っても過言ではなく、例えば新川夫妻が地位や名誉といったステータスばかりに囚われず思いやりを持って息子たちと接していれば、二人は現実から背を向けずに道を誤ることはなく、今回の悲劇も起きなかっただろう。
死銃たちもそうした温かい心を持った人間が身近に居てくれれば、あるいはキリト達ともっと違う形で出会えていれば、別の未来を選べていたのかもしれない。


追記・修正は現実と折り合いをつけてからお願いします。

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