ダース・ヴェイダー

登録日:2012/05/17 Thu 02:58:16
更新日:2020/02/16 Sun 00:23:05
所要時間:約 35 分で読めます


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CMキャラクター STAR_WARS docomo アナキン アナキン・スカイウォーカー ガスマスク サイボーグ シス シスの暗黒卿 ジェイク・ロイド ジェダイ ジェームズ・アール・ジョーンズ スター・ウォーズ セバスチャン・ショウ ソウルキャリバー4参戦 ソウルキャリバー4参戦←超強い ダークサイド ダース・ベイダー ダース・ヴェイダー ディズニーヴィランズ デヴィッド・プラウズ フォース フォースにバランスをもたらす者 ヘイデン・クリステンセン マント ライバル ラスボス 中ボス 予言の子 人気者 伊達政宗 元奴隷 名悪役 哀しき悪役 大平透 大幹部 天才 帝国のマーチ 弟子 弱体化 悪のカリスマ 悪の美学 悪堕ち 悪役 悪役の鑑 憎めない悪役 改心 改造人間 暗黒卿 楠大典 浪川大輔 涙腺崩壊 父親 真の主人公 矢島晶子 義肢 裏主人公 解せぬ 銀河帝国 闇堕ち



「所詮は人間が作った物だ。過大評価せん方がいい。
惑星を跡形もなく破壊し得るがあろうとフォースに比べれば物の数では無い」

「馬鹿げた魔法で我々を脅そうと言うのかヴェイダー卿?
お尋ねしたいが、君のご自慢のフォースとやらで盗まれた設計図を取り戻す事が出来たのかね?
同盟軍の秘密基地がどこにあるのかぐらい探り当てられた、の、か……? ぁ………………」

「………………」

「ァ……が…………ぅ…………!!!」

「フォースを侮辱する者は許せん!!!」



ダース・ヴェイダー(Darth Vader)は、映画『STAR WARS』シリーズの登場人物。
シリーズの顔と言ってもいい存在であり、米国内外問わずにCM等への出演も多く、言わずと知れたSF界の悪役の代表格である。

日本語表記では、以前は「ダース・ベイダー」の方が一般的であり、現在でもそうなっている場合も多い。
「ダース・ベーダー」という表記も一部で見られる。



概要

鎧兜のようなマスクに全身黒ずくめの衣装を身に着け黒いマントを羽織っているのが特徴。*1

銀河帝国皇帝シーヴ・パルパティーンに師事したシスの暗黒卿であり、帝国内でも強い実力と発言力を持つ。
但し帝国の最高幹部・グランドモフ(大総督)より立場は下であり、大幹部のモフ(総督)或いは帝国軍将官との上下関係もお互いにタメ口同士であるため微妙な所。
これについては皇帝の思惑もあるらしく、暗黒卿特有の師弟関係の行く末として、自身に向けられたヴェイダーの野心を皇帝が見抜いている故、といった面もある模様。
また、初代グランドモフであったウィルハフ・ターキンについては本心から尊敬していた、とのことで役割も違えば立場上は下でいることに不満は持っていなかったと思われる。

ただ、ヤヴィンの戦いにてターキンを初めとした高官達が第一デス・スターと共に戦死すると、以前よりも強い“あらゆる法や規制に縛られない”特権と、旗艦である全長19kmのスーパースターデストロイヤー“エグゼクター”と、これに付き従う5隻のインペリアル級スターデストロイヤーで構成された死の小艦隊(デス・スコードロン)を与えられ、ヴェイダー自ら司令官を務める。

一方、失態を理由に無能で有名だったカシオ・タッグ大将軍の配下に付けられていた時期もある。

個人としての武力も帝国全体でも抜きん出たもので、先述のフォースによる念動力、ブラスターの雨を悉く弾き返す正確無比な赤いライトセーバーによる剣術、更には専用機TIEアドバンストX1の操縦桿を握らせれば単機で平然と敵艦隊を戦闘機諸共全滅に追いやることすら可能な操縦技術を備える。


その体は過去の負傷により半分が機械化し、自力では呼吸をする事もままならない。
常に着けている漆黒のマスクは呼吸補助装置の役割をしており、ヴェイダーの代名詞とも言える不気味な呼吸音はこのマスクから発せられている。


性格は極めて冷酷非情。
彼に異を唱えたり任務で失態を犯した部下は、帝国軍の将官であろうと容赦なくフォース・グリップで絞殺される。
これを止められるのは主君にして師匠であるパルパティーン皇帝か、上官の中で唯一尊敬するターキン大総督のみ。

EP4当時から、かつてはジェダイの騎士であり、ベン・ケノービことオビ=ワン・ケノービの弟子だったことが語られていた。


シリーズ全体でもその特徴的かつ威圧的なビジュアルと冷酷な言動は悪役として非常に人気が高く、人気投票でも度々1位に輝いており、本編未視聴の人からも高い知名度を誇る。
登場時などに使われる「帝国のマーチ」はあまりに有名。


以下ネタバレ













「I'm your father」
(お前の父親はワシだ!!)

「Nooooo――!!」
(嘘だぁーーっ!!)


その正体は「EPⅠ」~「EPⅢ」の主人公、アナキン・スカイウォーカー(Anakin Skywalker)
ただし「EPⅣ」~「EPⅥ」の《特別篇》の際に録音された吹き替え版では「アナーキン・スカイウォーカー」と呼ばれている。
「EPⅣ」~「EPⅥ」の主人公ルーク・スカイウォーカーの父親である。


【経歴】

EPⅠ

アナキンは辺境の惑星タトゥイーンで、ジャンク屋を営む商人ワトーの下で母と共に働く奴隷の少年だった。
好奇心旺盛で活発な子供だが、ワトーに店番を任されたりと歳の割にはしっかり者。
機械いじりが得意で、自前でポッドレースというスポーツレース用のマシンをこっそり作成していたり、C-3POをくみ上げたりしていた。
ワトーも口うるさくはありながらもアナキンの技能を信用しており、母子共に奴隷としてはかなり良い待遇の下で働かせていた。
一方でアナキン自身は唯一の肉親である母への深い愛情を抱いており、いつか自分を含む奴隷たちが解放され自由の身となれる日を夢見ていた。

そしてある時、通商連合に追われた惑星ナブーの女王パドメ・アミダラ一行が、故障した宇宙船の修理のためにタトゥイーンに立ち寄った際に、ワトーのジャンク屋で一行と出会う。

人間の身でポッドレースに参加する反射神経や、ヨーダをも超えるミディ=クロリアン(生命の源とされる細胞で、この数値が高いほどフォースの潜在能力が高いとされる)の数値を見たジェダイの騎士クワイ=ガン・ジンは、アナキンこそがジェダイの予言にあるフォースにバランスをもたらす者であると確信。(尚、アナキンは母であるシミ一人から生まれており父親が居ない。これは、フォースの意思による誕生。と説明しているが……?(後述)
そして彼にジェダイの訓練を受けさせようと決意、レースの勝敗を巡りワトーと賭けをする。

スタートこそ優勝候補選手のセブルバに妨害され遅れたものの、ジェダイの素質を伺わせる驚異的な反応速度と操縦技術により、アナキンは見事優勝。
奴隷の身分から解放されたアナキンは、クワイ=ガンと共にジェダイの訓練を受けるため故郷を離れる事になったが、
それは唯一の肉親である母シミとの別れを意味していた。
この時アナキンは、立派なジェダイの騎士となっていつか母を迎えに行く決意をした。

タトゥーインを発ったアナキンは、コルサントのジェダイ聖堂でジェダイのトップメンバーである評議会の面々と対面し、驚異的なフォースの才能を認められる。
しかし、アナキンの未来が不透明である事、そして年齢を理由にジェダイの訓練を受ける事は許されなかった。
(ジェダイ候補生は通常、生後半年以内にジェダイに引き取られる)

その後、ナブー軍と通商連合との戦いが勃発。
クワイ=ガンに「戦闘機のコックピットの中にいろ」と言いつけられたアナキンは、言われた通りコックピットの中から出ずに出撃し
通商連合のドロイド・コントロールシップを破壊してナブー軍を勝利に導く。

この功績が認められ、シスとの戦いで戦死したクワイ=ガンに代わり、
彼の弟子であり師の仇を討ったオビ=ワン・ケノービの弟子としてジェダイの騎士を目指して訓練を受ける事になる。


EPⅡ

ナブーの戦いから10年後、やんちゃな少年だったアナキンは師とともに幾多の冒険を乗り越え、立派なジェダイの青年として成長していた。

アナキンはオビ=ワンと共に、かつての惑星ナブーの女王で、現在は銀河共和国元老院の議員となっていたパドメ・アミダラの護衛として招かれる。
その頃銀河共和国は、元ジェダイであるドゥークー伯爵が先導する分離主義運動によって揺れており、その関係でパドメは命を狙われていた。

オビ=ワンがパドメの命を狙う黒幕を探す間、アナキンはパドメと共に彼女の故郷であるナブーへ向かう。
ナブーでイチャイチャ蜜月の日々を過ごす内に、アナキンとパドメの間には深い愛情が芽生えていた。しかし、ジェダイにとって心を惑わしかねない恋愛はご法度であった。

ジェダイの掟とパドメへの愛で板挟みになる中で、アナキンは母が死ぬという悪夢を見る。
アナキンはパドメ護衛の少し前からこの夢に悩まされていたが、ジェダイとしての責務と半人前のパダワンの身分を弁えて必死で忘れようと努力してきた。
しかし、とうとういても立ってもいられなくなった彼はパドメの「自分がタトゥイーンへ向かい、その護衛という形でついていけばよい」という提案に乗って、彼女とともに故郷タトゥイーンへ向かう。
そこで母が奴隷の身分から解放されて嫁いだ事と、砂漠の強盗と呼ばれるタスケン・レイダーに連れ去られた事を知る。
アナキンはタスケン・レイダーのキャンプへ向かうもそこで母の最期を看取り、
怒りと悲しみに駆られた彼はその場でタスケン・レイダーを女子供もろとも皆殺しにしてしまった。

この出来事は彼に暗い影を落とし、
  • 「オビ=ワンがもっと自由に修行できる許可をくれれば、母親を助けられるだけの力を備える事もできたのではないか」
  • 「オビ=ワン、ひいてはジェダイ・オーダーが、悪夢を見始めた段階で一時的にでも帰郷する許可を与えてくれれば、母親が危機に陥ることすら恐らくなかった」
という、兄か父のように慕うオビ=ワンへの心の奥底にこびりついた小さな不信は、後に大きな影響を及ぼす事になる。

母を弔ったアナキンは、立て続けにオビ=ワンが分離主義派に捕えられた事を知る。
アナキンは母を喪ったばかりで、さらに師であり父であり親友であるオビ=ワンを見捨てる事ができず、オビ=ワンが捕えられている惑星ジオノーシスにパドメと共に潜入。
が、結局捕えられてしまう。

オビ=ワン、パドメと共に処刑されそうになるが、寸でのところでジェダイ率いるクローン軍団が到着し、大乱戦となる。
アナキンはオビ=ワンとともに、分離主義運動の指導者ドゥークー伯爵と対峙し戦いを挑むが、一人で突っ走ってしまい敵わず敗北。
この時片腕を失い、義手となる。
どうにか生き延びたアナキンは、ナブーでパドメと密かに禁断の結婚式を挙げる。


EPⅢ~EPⅣ以前

ジオノーシスの戦いから2年後、クローン戦争を戦い抜き、幾多の戦功を挙げて成長したアナキンは恐れを知らない英雄としてその名を轟かせていた。

半年に渡るアウターリムでの遠征ののち、分離主義勢力あらため独立星系連合による共和国の首都コルサントの強襲と、パルパティーン最高議長の拉致という一大時に駆けつけたアナキンとオビ=ワン。
オビ=ワンが敗れる傍ら、アナキンは暗黒面のフォースを引き出してついにドゥークー伯爵を討ち取り、独立星系連合に誘拐されたパルパティーンを救ったものの、
タスケンのときのように「感情に任せて我を忘れてしまい殺した」のではなく「両腕を失い無力化したドゥークーを、自らの意思で冷徹に殺した」事で、
「無力化すれば敵でさえ無闇に殺してはならない」
というジェダイの根本たる教義に真っ向から背いてしまう。
この際、パルパティーンの「kill him(ドゥークーを殺せ)」に対し「I shouldn't殺すべきでない)」と答えており、「したくない」というニュアンスは一切含まれていない。

苦悩するアナキンだったが、
「両手を失っただけでドゥークーが無抵抗だったとする根拠は乏しく、『ジェダイの道は常に正しいと限らない』」というパルパティーンがもたらした尤もらしい助言に傾くようになる。

その後、さらなる吉報として「子供ができた」とパドメに告げられる。
幸せの絶頂にあったアナキンだったが、そのころから今度はパドメが死ぬ悪夢を見るようになる。
母を喪ったときのことを思い出して心乱れるアナキンは、母親のときのような悲劇だけは絶対に繰り返さないと固く誓い、アナキンなりに救済の方法を模索し始めた。

ちょうどそのころになって、パルパティーンは
「ジェダイもまた権力に固執するようになってしまった。シスとの違いなどあるのだろうか」
「シスは己の欲望、願望に正直だから悪とされるが、そもそもそれの何が悪いのか。人を愛することすら悪なのか。愛することを否定するジェダイは正義なのか」
などとアナキンのジェダイとしての価値観の根幹を揺るがす問いかけを、アナキンに対して投げかける機会を増やしていき、
「シスにはあらゆる生命を救う秘術がある」禁忌の術の存在を示唆してアナキンを魅了し、さらに自らの私的代理人として重用するようになる。
こうしてジェダイ評議会に名を連ねたアナキンだったが、ジェダイ側にもアナキンを議長へのスパイとして利用する意図があった。
また、
  • 評議員に名を連ねるのは認めるが、ジェダイ・マスターの称号は与えない
  • ドゥークー伯爵亡き後、独立星系連合の指導者となったグリーヴァス将軍の討伐をアナキンではなくオビ=ワンに任せる
などといった冷遇に、アナキンの中で、
「ジェダイ・オーダーは自分を認めないだけでなく、自分の権力の固持を最優先する下劣な集団に過ぎないのではないか?」
「自分が慕うオビ=ワンですら、そんなジェダイたちだけの秩序を優先している。結局は同じ穴の貉なのか?」
といったジェダイに対する不信感が増大していく。

映画では省かれていたが、アナキンはこのとき、
「ジェダイ・マスターになれれば、マスターのみが閲覧できるホロクロンにアクセスして、パドメを救える古代の情報を探れるかもしれない」と一抹の希望も抱いていたので、
評議会の処遇は「パドメを救う事を全力で邪魔しつつ、叔父のように慕う恩人を裏切ることを強要する外道の群れ」としてジェダイを見限る致命的なきっかけとなった。


また、これと並行して、パルパティーンは
「ジェダイがクーデターを企む際に、2000人の元老院議員を協力者として抱き込んだ。その中にパドメも入っている。残念ながら『今後の態度次第』で、パドメも投獄ないし処刑せざるを得ないかもしれない」
「オビ=ワンはジェダイであるにも関わらず、パドメと不貞な関係を結び、その関係に付け込んでクーデターの協力者に仕立て上げたらしい」
という疑惑を吹き込んだ。

実際には、この2000人は、議長の暴走を危惧して連名の嘆願書を出した、共和国の最後の良心に等しい議員たちだった。
オビ=ワンとパドメの関係も、薄々アナキンとパドメの夫婦関係を察していたオビ=ワンが、アナキンが心配だからパドメに一層の気配りを懇願しに行き、
アナキンとパドメの夫婦関係が露呈して愛弟子が不利益を被らないようにと、オビ=ワンとパドメの二人だけの秘密した、という経緯に過ぎなかった。
しかし、オビ=ワンがパドメ宅を訪れたのは、フォースを通して気配の名残を探ったアナキンには既に分かっていることなのに、それでもオビ=ワンとの密会を誤魔化すパドメに対して不信を募らせていく。
それでも
「パドメと我が子を濡れ衣から救うためには、自分がより一層、議長に対して誠意を見せて、パドメの免罪を嘆願しなければならない」
と考えて、救いたい妻すら信じられなくなっていく中で、精神的に更に追い詰められていった。


また、ジェダイ評議会・騎士団に所属するうち、
オビ=ワン暗殺偽装事件の内情を最後までアナキンに隠そうとする*2、アナキンのパダワンであったアソーカ・タノの冤罪事件を雑に処理した結果、彼女のジェダイ脱退を招く、といった、
ジェダイ側のさまざまな硬直性、事なかれ主義、迷走ぶりを目の当たりにし、ジェダイへの憧れや忠誠心が揺らぐ事態にもなっている。


そして、パルパティーンは自身こそがシスの暗黒卿であると明かした。
しかし、絶対正義と信じていたジェダイに不信感を募らせていた上、「ジェダイに限らず正しい道はありえる」と信じ始めていたアナキンは、
自分に対して善良な親友であり続けた目の前のシス卿が、ジェダイの都合で悪人と定義されただけで、人道的に見れば善良な人間であるという可能性を否定できなくなっていた。
さらにパルパティーンは、「現状でパドメを救えるのは暗黒面の力しかない」と誘惑する。
長らく迷いはしたものの、最終的にアナキンはパルパティーンの誘惑に屈し、
武力でもってパルパティーンを排除しようとしたジェダイ評議員メイス・ウィンドゥを手にかけ、パルパティーンを救った。

アナキンが2人の決戦の場に辿り着いた時には、いかにもマスター・ウィンドウが暴走して無力化され力尽きた老人を暗殺しようとしているように見えたが、
実際には無力な老人を装ったパルパティーンに同胞殺しを仕向けられた、とアナキンが気付いた時にはもう遅かった。
このとき彼の弟子として生きるしかないと諦観し、同時に暗黒面への魅力も捨てられず、転向を決意。ダース・ヴェイダーという名を、シス卿から授かる事となった。

なおこの際、唯一ストッパーとして機能できたであろうオビ=ワンはグリーヴァス将軍討伐のために出払っていた。
オビ=ワンではなくキット・フィストーあたりを派遣しておけば結果は変わっていたかもしれないが、
この時点で最も多くグリーヴァスと戦ってきたのはオビ=ワンであったことや、あらゆる型を混ぜ込んで使用する攻撃的なグリーヴァスの相手は防御とカウンターに長けた型を扱うオビ=ワンが一番安定するであろうことから、
全てがパルパティーンの掌の上であることを知りえなかったゆえにグリーヴァス打倒が最優先であった評議会にとってはオビ=ワンの派遣が最も妥当な判断だった。
(アナキンにだけはその素振りを見せない)パルパティーンにも、このことは確実視されており、この師弟が銀河の命運を分ける瞬間に分断されることも、それに起因する後の顛末も、やはり運命だったと言えるだろう。


その後、部隊を率いてジェダイ聖堂を襲撃。
多くのジェダイはおろか、まだ幼く無力に近いジェダイ候補生の子供たちまで皆殺しにした。
この時には、オビ=ワンら評議会のメンバーにも並び称されるシン・ドローリグなど、強力なジェダイを片手間で切り捨てるほどの力を持ち、
単なる戦闘力だけを見ればヨーダやパルパティーンすら凌ぎ全盛期にあったという

次なる指令として、火山の惑星ムスタファーでパルパティーンにとって用済みとなったヌート・ガンレイら独立星系連合幹部を抹殺する。
不平不満をぶつける対象であるジェダイと、忌むべき戦争を巻き起こした首謀者たる分離主義派の抹殺は必要不可欠な義務であり、それさえ成せばもはやなにも危惧するものはない、
と自分に言い聞かせてきたアナキンだったが、実際にはそれが暗黒面に堕ちた自分への欺瞞であることを心の底で自覚していた。

独り涙を流す彼の心は、自分の犯した過ちから目を剃らすために更なる現実逃避の道へ突き進む。

その後、ムスタファーに駆けつけたパドメと再会したアナキンは、議長を倒して2人で銀河に君臨しようと告げる。
が、罪の意識からの逃避と万能感による傲慢さに支配されたアナキンを目にしたパドメは彼を拒絶。
それと同時にオビ=ワンが現れた事で、アナキンは、パドメがオビ=ワンと結託して自分を売ったと勘違いした。

「まさかオビ=ワンとの不倫関係は本当だったのか。弟子の妻を寝取り、不誠実な行為を強要するような外道を不倫相手に選んで、そいつのために夫を売ったのか」
「自分はひたすらパドメを救う為に方々手を尽くしてきた。これだけ愛しているのに、何故パドメはそれが理解できない」
と、誤解から生じた猜疑心を燃やし、一方的な激情に駆られ、彼女を手にかけてしまう。
さらに、オビ=ワンがパドメに裏切りを唆したと誤解したアナキンは、そのままオビ=ワンと対決。

ドゥークー戦や聖堂襲撃の時と違って、愛するパドメへの誤解やオビ=ワンへの複雑な未練で精神状態がいつになく不安定だったため、実力を出し切れず、
互いの癖を知り尽くした相手同士だった事もあり、戦況は拮抗。泥沼の長期戦にもつれ込む。
アナキンは圧しつつも攻めきれず、延々と続いた死闘の果て、最後には自信過剰から来る慢心で墓穴を掘って、四肢を失い、マグマの炎に全身を焼かれた。
……しかし、それでもなお憎悪を糧に生き延びていたアナキンは、パルパティーンに命を救われ、半身機械の黒きサイボーグ、ダース・ヴェイダーとして生まれ変わったのだった。

アナキンがヴェイダーとして目覚めた時、まず考えたのはパドメの安否だった。
一時の激情に駆られて過ちを犯しても、それでもアナキンにとって何より大切だったのは、愛妻と自分の赤ん坊だったのだ。
が、パルパティーンに「パドメはアナキン自身が殺した」と告げられた事で、パルパティーンの罠に気付き絶望。
フォースの力を解放して何もかも壊そうとしたものの、フォースとの親和性が極めて低い機械に肉体のほとんどが変わってしまった事で、
本来のそれに遥かに及ばない程度しか力を行使できず、パルパティーンにはとうてい逆らえないところまで堕ちてしまった。

生身のままフォースを究めていけば、ヨーダやパルパティーンをも越えて、宇宙全体のフォースを制御しバランスを保つわけの分からない超常の一族「ザ・ワンズ」の後継者*3にもなれた素質も、
肉体の損壊によるミディ=クロリアンへの影響や、
フォースとの親和性が最悪な機械*4に生命維持の大半を委ねたことで失われてしまった。
何しろ、四肢欠損に留まらず、眼球や呼吸器官、消化器官等、脳を除くほぼ全ての臓器まで炭化するか灼けて機能不全に陥っていたのだから如何ともし難い。

具体的に言えば、EPⅢ直前のアナキンは、ドロイド数十~百体程度が戦闘出来る規模の広大なドームを、
*5気分がノってる時に少々の怒りとともにフォースの怒号を解放すれば、そのドームをあっけなく崩落させ、そのさまにドゥークーも戦慄する、という程だった。
が、機械化直後に至っては、周囲の手術用ドロイドを破壊する程度の規模でしかフォースを操れなくなってしまった。

この時点で、パルパティーンからもシスの正統後継者としては実質見限られ、シスの権威を誇示する芸術品、置物の類とみなされるようになる。

そうしていつの日か皇帝に成り代わるために、暗黒面の力を少しでも磨く修行をしながら、ヴェイダーはパルパティーンの手足として働くようになる。
銀河帝国建国後は、銀河中に散らばったジェダイ残党を始末して回った。


パルパティーンが意図的に粗悪な改造を施したせいで*6、当初ははるか格下のジェダイにすら苦戦する始末だった。
パルパティーンもまた、憤り焦るヴェイダーに対して、
「ムスタファーに現れたのがヨーダだったら、結果は違うものになっていた。
あの敗北はヴェイダー自身の心に問題があり、その問題さえ克服出来ればシス卿として一皮剥ける」
と辛抱強くなだめる羽目になった。
とは言え、自ら粗悪な改造を施したパルパティーンのこの方便も嘘偽りではなかった。
確かに、フォースとの親和性が少ない機械の身体の所為でフォースの加護は受け難くなり、潜在的な出力も大きく落ちた。
しかし、不快な生命維持装置の呼吸音や不自由か関節等、ヴェイダーを苛む欠陥を敢えて多く残したことで、ヴェイダーの怒りや憎悪は常日頃刺激されて増幅し、暗黒面のフォースの習熟を大いに助けた。
そして、親和性が低くフォースによる身体能力の増幅のような柔軟性は望めずとも、機械をフォースで補助すること自体は不可能ではない。何より、機械そのものの馬力は人間のそれを大きく凌駕するものでもある。
これらの機械の特性を加味した戦い方に適応することで、フォースの欠落をある程度は埋めることが出来た*7
それらを駆使することで、機械の身体なりの戦い方や暗黒面のフォースの練りなどの細かい技術はむしろ向上していき、全盛期ほどではないにしろ、ドゥークー伯爵を始めとするかつてのシス卿に勝るとも劣らないレベルにまで力を戻すことに成功する。*8
この辺りの力を取り戻していき、名実共に帝国の恐怖の象徴となったヴェイダーの姿は、ディズニーのコンテンツとなった後の作品にて描かれており、TVアニメ『反乱者たち』では、ケイランとエズラの師弟コンビを圧倒して退け、同作シーズン2では戦闘能力を評価されていたダース・モールでさえ、一人ではヴェイダーには到底敵わないと吐露している。
『ローグ・ワン』ではヴェイダーによる多数の反乱軍兵士の虐殺シーンが密度の濃い短い殺陣の中で描かれ、大きな話題を呼んだ。

近年では、こうした八面六臂の活躍を鑑みて“機械の身体はフォースと親和性が低い”……という考え方は必ずしも正しくはないとの意見もあるが、それは間違いである。
実例として、下半身が機械となった後のダース・モールは下半身のフォースの加護が薄いのを見抜かれて、脚を集中的にブラスターで狙撃され始めた途端に、まともに防げずに脚に被弾して窮地に陥ったことがあった。
ヴェイダーの容態でフォースを扱う困難さは、耳が聞こえない人間が楽器を弾き作曲する芸当にも例えられるが、それを実践出来た彼が稀有で非凡な存在だったというだけの話である。


実際、冷酷で過去に必要とあらば直ぐに弟子を優秀な人物に乗り換えてきたパルパティーン=ダース・シディアスが、力を失いあまつさえ粗悪な改造を施した後のヴェイダーを長年に渡り弟子として置いていたのも“それに替われる存在”が居なかった程に力を取り戻していたからであり、
このことはオーダー66を生き延びたヨーダやオビ=ワンすらも帝国に挑むことを躊躇わせ、新たな希望たるルークが成長するまで隠遁を余儀なくさせる結果となった、と解説されている。

そして、愛する人と肉体の大部分を失い絶望の縁に追いやられ、一人の人間としては死んだも同然となったことが皮肉にもアナキン時代の野心や自尊心を忘れさせ、オビ=ワンとの再戦での勝利にも繋がった(オビ=ワンは斬られる前提だったが)。
また、その反動で部隊を率いる指揮能力も向上し、 ダークサイドを学んでからは冷酷な判断を下せるようになったので戦術能力も過去の大戦時に務めた将軍の時よりも格段に向上している。
ヴェイダーが人間らしい感情を取り戻し、パルパティーンへの反抗を決意したのは実に息子の存在を認めてからであった。

かつてのアナキンに匹敵する力を秘めたルークの存在は、ヴェイダー、皇帝にとっても待ち望んでいたものであった。

なお、パイロットとしても相変わらず化物だった模様で、自らの専用機で反乱軍のパイロットの大半をたった1人で撃墜し、壊滅寸前までに追い込んでいる。

実は娘レイアがいる惑星オルデランにも一度任務で立ち寄り、彼女とニアミスした事があるのだが、
オルデランの環境がナブーに非常に似ていたために自らが手にかけたパドメの事を嫌でも思い出し、凄まじい葛藤に苛まれたために二度と近寄らなくなった。
この辺りはヨーダの狙い通りである。
また、娘と認識していない内から捕らえられたレイアを利用価値がある、として処刑されないようにターキンに進言しており、自身でも気付いていない内にフォースに動かされていた、とも言われる。

正確な時期は不明だが、かつて自分を倒したオビ=ワンが死亡したという情報を入手し、それを信じることになっていた。この情報の精査確認をしなかったのは
先述のレイア同様オビ=ワンが隠遁潜伏していたタトゥーインは葛藤やトラウマを刺激する為、意図せず忌避していた可能性が高い。

反乱者たち

EPⅢとEPⅣの間を描く本作でもしっかり登場。
圧倒的なカリスマと実力で存在感は抜群。帝国軍を指揮しつつジェダイの残党狩りに精を出しており、その情報を求めて反乱者たちを追う。
この時点で暗黒面の力は研ぎ澄まされており、崩落してきた巨大なウォーカー2機をフォースで軽々と持ち上げた。
ライトセーバー戦においても主人公のエズラとケイナンの二人掛かりでも全く歯が立たず、配下である尋問官たちとは次元の異なる敵として描かれている。
シーズン2ではかつての弟子であるアソーカ・タノとの予期せぬ邂逅を果たし、終盤には彼女と死闘を繰り広げた。
なお流石にジェダイ時代の直弟子だったアソーカには一太刀入れられているがその際に目の付近のマスク部を破壊され晒された生身の顔はまだ老化の進んでない当時のアナキンの物だった。

ローグ・ワン A STAR WARS STORY

EP4開始直前までを描く本作でも僅かながら登場。デス・スター開発担当のクレニックに喝を入れたり、ターキン総督の要請を受けて反乱軍狩りに赴いている。
「SW屈指のラスト10分」と評される一連のシーンでは大立ち回りを演じる。


EPⅣ

それから時は流れ、銀河帝国の究極兵器デス・スターの設計図を盗んだ銀河帝国元老議員のレイア・オーガナを拘束。
彼女が逃がしたドロイドを通じ、レイアを助けに来たかつての師、オビ=ワンとデス・スター内部で対峙。年老いたオビ=ワンを終始圧倒して殺害する。
一方のレイアはオビ=ワンの死と引き換えに反乱軍の基地がある衛星、ヤヴィン4へと帰還。
まあウィルハフ・ターキンが基地を見つけるためにわざと逃がしたんだが。
彼女が持ち帰った設計図を基にデス・スター破壊作戦を実行する反乱軍部隊から、強いフォースを感じたヴェイダーは、
TIEファイターのカスタマイズ機TIEアドバンストx1を狩り、反乱軍部隊の迎撃に参加する。
(一機だけ左右のパネルが内側に折れ曲がったTIEファイターがそれ。このときヴェイダーはやたらと操縦桿のスイッチをキリキリ回している)
しかしあと一歩のところまで反乱軍を追い詰めはしたものの、ハン・ソロのミレニアム・ファルコンの乱入もあって迎撃は失敗。
ミレニアム・ファルコンの攻撃で宇宙に吹き飛ばされたヴェイダーのTIEアドバンストx1は単機どこかへと飛び去って行った……


EPⅤ

前作の後、無事友軍と合流できたらしく映画序盤のホスの戦いから登場。「帝国のマーチ」をひっさげて登場するようになったのは意外にも今作から。
帝国のナンバー2、ウィルハフ・ターキンが前作で死亡したことと、反乱軍が帝国の脅威足り得る存在となったことでより鎮圧する為の力が求められ、ヴェイダーの権力基盤は拡大し、彼が実質ナンバー2の地位に就いている。
もっとも、デス・スター防衛失敗の責任の一端は間違いなく彼にもあり、一度は失脚しかけたらしい。

前作ではスター・デストロイヤー「デヴァステーター」一隻を有する程度だったが、
今作からスーパー・スター・デストロイヤー「エグゼキューター」を旗艦とする「死の小艦隊」を率いている。

反乱軍を舐めてかかったあげく、無駄な損害を出した艦隊司令のオゼル提督をモニター越しにフォース・グリップで処刑したりする一方、
皇帝と面会するシーンでは皇帝を恐れていることを伺わせる様子も。

それまでの反乱軍との戦いを通して、自身の息子であり反乱軍の英雄ルーク・スカイウォーカーの存在を知っており、
ホスではあと一歩のところで取り逃したミレニアム・ファルコンを「ルークがいる」と踏んで執拗に追い回す。
しかしそのルークはXウイングでヨーダのいる惑星ダゴバへ向かっており、ヴェイダーの読みは大外れであった。
紆余曲折の末、惑星ベスピンのクラウド・シティでルークと相対し、ヴェイダーはルークに自分が父親であると告白。
フォースの暗黒面に誘惑し、親子で力を合わせて皇帝を倒して銀河を支配しようと持ちかける。(某破壊大帝宜しく、圧政による戦乱の根絶を目指していたとも)
しかしルークはヴェイダーを拒絶、反乱軍の戦士として戦うことを選択する。だが、にも関わらずヴェイダーはとうとうルークを手にかけなかった。
ルークの予想外の抵抗を受け片手を切り落としてしまったが、これはヴェイダーとしても予想外の事故に近い。
そして、それを見てルークは「ジェダイの騎士としてのアナキンの心はまだ生きている」と直感する。


EPⅥ

エンドアの戦いと前後してルークは敢えて帝国軍に投降し、ヴェイダーに会ってジェダイの心を取り戻すよう呼びかけるも、ルークの言葉はヴェイダーには届かなかった。

そして2人は皇帝と謁見する。
皇帝の前で親子はライトセイバーの刃を交え、戦いのなかで反乱軍の指導者として命を狙っていたレイアが、ルークの双子の妹で自分の娘であることを知る。
戦う前は、極力ルークを傷付けないように手加減しようと考えていたが、すでに大きく成長していたルークの腕前はヴェイダーの想像を大きく超えて成長しており*9、殺さずに勝利して味方に引き込むなどということはもはや不可能であった。

そこで「ルークが暗黒面を拒むなら、レイアを引き込む」と宣言。
挑発してルークの自分への憎悪を煽り、暗黒面へと誘うつもりだったが、
ルークは想像を遥かに上回る力を発揮し、気圧されたヴェイダーの方がルークに殺される寸前まで追い込まれる。
その心の隙を突いて皇帝はルークを暗黒面に引き込もうとするが、ルークは拒絶した。

暗黒面に引き込めない以上ルークは障害にしかならないと皇帝は判断し、ルークをフォース・ライトニングで殺そうとする。
しかし、父に助けを求める息子の叫びはヴェイダーの心に届いた。
ヴェイダーのフォースをもってしても皇帝のフォース・ライトニングは防ぎ切れないので、
彼の電撃を間近で浴びることは、生命維持装置の機能を破壊され確実に死ぬ事を意味する。
が、それでも父として相打ち覚悟で突撃し、ついに皇帝を裏切り打倒。
予言通り、フォースにバランスをもたらした。
これについては、伝統と規則で硬直化して人間性を失い、多数化した故にライトサイドの力を薄める結果となっていたジェダイと、個人の欲望の為にフォースを利用し、師弟だけの形態で憎悪を磨きダークサイドの力を強めたシスの暗黒卿の双方に問題があった、と纏められている。

しかし、その余波でヴェイダーは生命維持装置を破壊され、最期はマスクを通さない自分自身の目で息子の顔を見る事を望んで息を引き取った。
長年マスクを外せず生命維持装置無しでは生きる事もままならない状態の為、当然生身の部分は疲弊消耗して実際の年齢より老化が進み、真っ白な肌の醜い老翁となっていたが、それでもヴェイダー、否アナキンはようやく鋼鉄の怪物から人の父親に戻る事ができたのである。

その後、エンドアでの最後の宴にて、フォースと一体になって登場。
本来あったであろう健康かつ健全な父親のジェダイ、アナキン・スカイウォーカーの姿で、オビ=ワンやヨーダと共に息子達の未来を見守っていた。



死んでもなお強い影響力を残しており、EPⅦではベイダーを信奉する「ある人物」が登場している。
その人物はドロドロに溶けたマスクを眺めていたが、果たして本物なのだろうか。


ライトセーバー

ライトセーバーは基本的に青色と赤色を使用している。

1本目
アナキンにとって最初のライトセーバー。刃の色は青。
ジオノーシスの工場で機械に巻き込まれた際に壊れてしまい、刃が出なくなってしまう。

ジオノーシスの戦いでは援軍によって届けられたライトセーバーを使用していた。刃の色は緑。これはドゥークー戦で破壊された。

2本目
ジオノーシス脱出後に製作。作中では一番長く使用され続けているライトセーバー。刃の色は青。
ダース・ヴェイダーと化してからも使用していたが、ムスタファーでの敗北後はオビ=ワンによって持ち去られ保管されていた。
EPⅣでルークに受け継がれるが、クラウド・シティの一騎打ちではヴェイダー自らの手によって失わせている。
その後、経緯は不明だが回収されてマズ・カナタの城で保管されており、EPⅦでフィン、そしてレイの手に渡る。
数十年間ものブランクを挟もうとも普通に起動するあたり流石である。

3本目以降
ダース・ヴェイダーとして機械化手術を受けてからは赤い光刃のライトセーバーを使用している。
詳細な設定が明かされていないものの、EPⅣ、Ⅴ、Ⅵではそれぞれグリップのデザインが異なっている。


【戦闘法】

ヴェイダーが使用するフォームは攻撃力と制圧力に優れ、動作の一つ一つが攻撃に繋がるセーバーフォーム5のシエン。
アナキン時代はその発展型のドジェム=ソを使用。
ドジェム=ソはその特性故に足場を固定しなければならないので足元が疎かになる、機動力低下という弱点があるが、シエンよりも攻撃力に優れ、生物の間接を最大に利用した動作の為にシエンよりもスピードがあり、高い威力と手数を誇り、変則的な斬擊により相手を圧倒する事が可能。機動力の低さは相手に切り込む初太刀の部分をアタールの技法を盛り込む事で対処していた。
機械化後は機械部分の間接の硬さや可動角度の制限からドジェム=ソは不可能になり、本来のシエンに戻し、スピード重視の剣技から機械のパワーを活かした一撃の威力を重視した剣技に変えている。
総合力で言えばアナキンの頃より劣るが、一撃の威力、重さだけならアナキンの頃より上回っている。
またアナキン時代の傲慢さ、迷いなどは現在は全く無いので、昔の様な状況によって「実力が発揮できなくなる」という事がなく、常に完全な実力を出し切れるのでアナキン時代と比べると安定した戦闘力を身につけたと言える。
フォースもアナキンの頃よりも生身由来の潜在的な力は圧倒的に低下したがダークサイドを学び、機械化の状態でもフォースを最大限に活かせる様に修練を重ねた結果、フォースの多様性、精密な技術などはアナキンの時より向上している。


【血縁】

母親はシミ・スカイウォーカー。幼い頃から母の愛情を受けて育ったものの、その愛情が逆にアナキンを暗黒面へと誘ってしまう。
父親は存在しない。
妻はパドメ・アミダラ。彼女への愛もまた、暗黒面へと堕ちるきっかけになってしまう。

息子/娘は言わずと知れたルークとレイア。
しかし、2人が生まれた頃には既にダース・ヴェイダーとなってしまっており、出会うのは20年以上のちのこと、それも敵同士として出会うことになる。


【余談】

  • 新三部作前後での描写の変化
EPⅥ完全版ではラストシーンの霊体として出てくる際の顔が、ヴェイダー化後の老いた姿ではなくEPⅢ頃の姿(演:ヘイデン・クリステンセン)に差し替えられている。
これは「ジェダイの姿になるべきだから」という監督の意向であるが、
「人の父親として息子を救い、怪物からの『ジェダイの帰還』を果たしたのになんで若造の姿で出るんだよアホか」
「というか差し替えたヘイデンが全然笑ってないから、ケノービと笑いながら息子を見守る感動シーンが台無し」
と手厳しい評価が多い。
一方で、(差し替え前の)霊体として現れたアナキンの姿が死の直前に見せたヴェイダーを連想しにくかったために、
最後に出てきたおっさん誰だよ
となった観客も少なくないため、ヘイデンへの差し替えを妥当とする意見もある。
さらに言えば、EPⅥ当時に想定していたアナキンの年齢と、実際に新三部作で登場したアナキンの年齢が離れすぎていたと言うのも理由の一つだそうだ。
(これはオビ=ワンも同様。というかむしろ顕著。最終的に、オビ=ワンがEPⅣで57歳になってしまったのである。あの顔で57……)


  • 出生について
アナキンは母シミが処女受胎で生んだ子であり、父親というものが存在しない。
これについては「生命を操る術」を持っていたダース・プレイガスがミディ=クロリアンを操作して生み出した存在であることが示唆されている。
この真偽のほどは不明だが、結果としてアナキンはヨーダをも超える、他に類を見ないほど強い潜在的なフォースを持って生まれることとなった。
だが、生まれ持ったあまりに大きな力は成長するに従って彼にある種の全能感と過信を抱かせる要因となった。
更に寄る辺となるべき父親という肉親の不在、幼少期に経験した奴隷としての日々とそれに抗うため抱いた仄かな力への渇望……様々な要因が暗黒面への土壌となり、彼の人格形成と人生に大きな影響を及ぼしたことは事実であろう。
一方、ルークには実の父親ではないものの、愛情を注いでくれた叔父夫婦*10に育てられ、ハン・ソロやレイア・オーガナといった固い絆で結ばれた仲間に加え、
オビ=ワン・ケノービとヨーダという強力な師のバックアップもあったおかげで暗黒面を拒絶できた。


  • EPⅤのクライマックスシーンについて
ジョージ・ルーカスはヴェイダーがルークの父親であることが公開前に関係者から漏らされるのを防ぐために、
最初は「お前の父は私だ!」という台詞を「オビ=ワンがお前の父を殺したのだ!」として収録し、公開直前に台詞を本来のものに差し替えた。
ヴェイダー自身はスーツアクターが演じて、台詞が後撮りであることを利用した妙手はさすがである。
しかもタチの悪いことに、「アナキンという人間」にとどめを刺したのはオビ=ワンであることには違いないため、この台詞も全くの嘘ではないのである。
このことを知っていたのはルーカス以外ではルークの演者マーク・ハミル、ヴェイダーの声優ジェームズ・アール・ジョーンズ、監督のアービン・カーシュナーだけであり、
ヴェイダーのスーツアクター、デヴィッド・プラウズですら試写会で初めて知って「最初から知っていればもっと違う演技をしたのに」とコメントしている。
なお、ヴェイダーとルークの衝撃の真実を巡るやりとりは、パロディーとして多くの作品で用いられている。


  • 現実での活動
スターツアーズがあるせいで、各地のディズニーランドにも着ぐるみ?が出没している。
時々トゥモローランドでお供のストームトルーパーを引き連れてグリーティングをしている。
運が良ければスターツアーズ内に乗り込んで視察する姿も見られるかもしれない。


  • デザインについて
衣装モチーフは伊達政宗(戦国武将)の黒漆五枚胴具足であることが関係者の証言で明かされている。
しかし、公式に触れられたことはないが、ラフスケッチには胸のマークなど『変身忍者 嵐』の血車魔神斎によく似たものがある。
(アメリカで放映されたことがない作品なので、日本の資料として『全怪獣怪人百科』みたいなの見せられたのではないかという説も)



【演者】

  • 原語版の俳優
ジェイク・ロイド(EP1)
ヘイデン・クリステンセン(EP2、EP3、完全版EP6ラストシーン)
デヴィッド・プラウズ(EP4~EP6 ※スーツアクター)
ボブ・アンダーソン(EP5、EP6 ※剣戟スタント)
ジェームズ・アール・ジョーンズ(EP3~EP6 ※機械音声)
セバスチャン・ショウ(EP6 ※素顔)
マット・ランター(反乱者たち シーズン2 ※一部シーン)

シリーズを通して様々な姿で描かれているためそれに応じて複数の俳優がいる。
特にサイボーグ化後の動きづらいスーツでのアクションも必要だった中、メインアクターだったプラウズは剣戟アクションが苦手でセーバーのプロップを何度も叩き折ってしまい、EP5からアンダーソンと二人一役で演じることになったのは有名な話。


  • 日本語吹き替え
矢島晶子(EP1)
浪川大輔(EP2、EP3、クローン大戦、クローンウォーズ、反乱者たち シーズン2)
大平透(EP4~EP6、EP3 ※サイボーグ化後、反乱者たち シーズン1、その他多くのメディア)
楠大典(反乱者たち ※シーズン2以降、ローグワン)※大平からの引継いだ専属

吹き替え版ではサイボーグ時を大平、楠、青年時を浪川が演じている。
ただし『反乱者たち』では仮面の一部が壊れた際、一時的に青年時の声を担当した浪川が声をあてた。




追記・修正は体をサイボーグにしてからお願いします。
スーコー

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*1 元々は世界のミフネこと三船敏郎を配役にイメージしていたが、実現しなかったので顔が見えない、且つ鎧武者をイメージした甲冑姿が生まれた、という。

*2 「アナキンにオビ=ワンが死んだと本当に思わせることで、暗殺者たちにも信じ込ませる」という意図はあったが、それならそれで、ほどほどのところでこっそり教えればよかったのである。最後まで隠そうとして、しかも途中でバレたために「評議会からもオビ=ワンからも信用されておらず、見限られていた」「オビ=ワンとの友情を道具にされた」と猛烈な不信を招いた。

*3 どころか、更にその上の領域として、その「ザ・ワンズ」すらも従えられる存在になっていたという。

*4 いわば分厚い手袋をして繊細な刺繍でもする作業に近い

*5 そのドロイドのブラスターで多少なり損壊していただろうとはいえ

*6 関節の可動域が極端に狭い、生命維持装置が露出しているせいでそこを狙われると即死しかねないなど

*7 機械化に使われた技術そのものや機械の素材などはグリーヴァス将軍の物を発展、強化した物が採用、使われている。だが前述通りの改造の為に性能自体は彼に劣っている

*8 ルーカス監督によれば、EPⅣ以降の時点でパルパティーンの8割程の実力になっており、並のジェダイが対抗し得る存在ではなくなっていった

*9 旧レジェンズやその他資料毎に、ヴェイダーが殺す気になればルークに勝利出来たとするものや、ルークが既に同等以上の力量になっていたとするもので解説が異なる。

*10 オーウェン叔父さんはルークの帝国アカデミー進学を許可しなかったが、これはルークがアナキンと同じ運命を辿るのを恐れたからである