司波達也(魔法科高校の劣等生)

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司波達也(魔法科高校の劣等生) - (2019/10/06 (日) 22:06:23) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/1/7 (水) 00:24:39
更新日:2024/03/21 Thu 18:50:07
所要時間:約 17 分で読めます




『司波達也』とは『魔法科高校の劣等生』の主人公。
もう一人の主人公である司波深雪の兄。
国立魔法大学付属第一高等学校所属。

身長175cm
体重70kg
1年E組(二科生)→2年E組(魔工科生)。


第一高校に二科(補欠)合格した劣等生で魔法を使う際の発動速度、規模、干渉力全てが標準以下。
強いて言えばサイオン量(バッテリーの容量的なモノ)が常人の数倍以上であるが、
効率化された現代魔法の現場では評価対象ではないため、劣等生と言う評価を覆すことはできない。


しかし後述するように実はメッチャ強い。劣等生とはなんだったのか状態である。
というか、作者も自分で「劣等生とはなんだったのか」とか「『魔法科高校の革命児』というタイトルにすればよかった」とか言っているので、その自覚はある模様。
ただ、達也に限らず二科生には割とそういう生徒が多い。
一応補足しておくと、劣等生扱いされたのは、作中の魔法科高校や魔法師業界ではいわゆる「万能選手タイプ」が尊ばれ、
達也のような「一点集中タイプ」が軽んじられているためである。

もっとも、12巻で二科生から魔工科生に昇格したので名実ともに「劣等生」ではなくなってしまったのだが。
というか、21巻のあとがきにて、実はシリーズタイトルの「劣等生」はそもそも達也を指す言葉ではないはずだったということが明かされた。


また、「魔法科高校の劣等生」という作品は、主人公・司波達也が時代劇よろしく、
悪党どもをバッタバッタと倒していくある種の爽快感が売りであり人気の一つである作品なので、そこに文句を入れるのは野暮というもの。
ほのぼの日常が売りの作品に「何も起きない!」って文句言うくらい筋違いである。

作者曰く「ずるがしこく立ち回る敵を力の差で押し切る主人公」「偶然の積み重ねやご都合主義を必要としない主人公」らしい。
どこのラスボスだよ。





日本最強の魔法師の一族・十師族の一、四葉家直系の司波深夜の息子として生まれたが、
先天的な魔法演算領域*1を「分解」と「再成」に占有されていたため、通常の魔法を使うことができなかった。
6歳のとき「人造魔法師実験」の被験者にされ、通常の魔法も使うことができるようになったが、
演算領域のスペースを確保するために意識領域内の「強い情動を司る部分」が、「兄妹愛」という衝動を除いて塗りつぶされてしまった。
実は情動が塗りつぶされたのも「兄妹愛」が残され強められたのも達也の暴走を防ぐために四葉家が施した意図的なものである。

そうまでして通常の魔法が使えるようになったのだが、
人工魔法演算領域の性能が一般的な魔法師が生来持つ演算領域と比べて著しく劣るので、結局通常の魔法はかなり苦手。
魔法科高校における実技の成績が悪いのもそのためである。

もっとも現代魔法としては最高難度とされる「分解」と「再成」は後述するように、
それを補って余りある非常に強力な能力なので、さほど困っている姿は見られない。

通常の魔法がほとんど使えないので四葉家の人間として認められず、
次期当主候補である妹の深雪のボディガードに任じられ、軽んじられている。
しかし本人は重度のシスコンなのでそのことについては特に文句はない様子。

前述の手術を施した実母である深夜(入学前の時点で故人)に対しては、(もはやそこまで感情が振り切れないとはいえ)恨んではおらず
性能が悪くても通常の魔法を扱えることで深雪を守れる手段が増えた点と、避けて通れなったプロセスとはいえ、深雪にまつわる事象でない限り
一度気にしないと割り切れば、途端に気にならなくなって冷静になれる精神構造にしてくれた事には内心感謝していたりはする。
ただし、自分と深雪を縛る四葉家そのものは内心苦々しく思っている。


精神改造の副作用で抜群の記憶力を持つこともあり、魔法関係の知識は豊富で特に魔法工学が得意、というか実は生粋の魔法工学オタクでCADの手入れとかも自らやりたがる。
実はCADの第一線級のプロのエンジニア「トーラス・シルバー」の正体であり片割れで、ソフトウェアを担当している。
反面ハードウェアは(好きだが)やや苦手。
そのため高校の入学試験では、実技の成績は悪く、ペーパーテストではトップというアンバランスな結果を残した。


しかしこのペーパーテストの結果から生徒会長である七草真由美に目をつけられ、結果、風紀委員に入ることになった。
後にあずさが生徒会長になった際は妹の深雪と共に生徒会副会長に就任する。
2年生となり深雪が生徒会長となった際に生徒会書記となる(しかし、深雪のわがままから存在しない書記長と言う肩書きになってしまう。)。


古式魔法「忍術」使い・九重八雲に師事し、長いこと門下で学んできたため体術も得意。
また、ある事情から国防陸軍(その際は大黒竜也という偽名になる。)に所属しているため、非常時や実戦における咄嗟の対応力にもかなり優れている。
というか達也に限らずこの作品の高校生はみんな非常時の対応に優れすぎである。

裏の世界では摩醯首羅(まけいしゅらorマヘーシュヴァラ、いわゆるシヴァ神のこと)という異名で恐れられている。






16巻ネタバレ
16巻にて「出来損ない」などではなく、「四葉の罪の象徴」と呼ばれるある種の魔法に特化した怪物であることが発覚する。
生まれてまもなく当時の当主で解析能力に優れていた「四葉英作」から「この子は、世界を破壊する力を秘めている」と宣告される。
そんな能力を秘めているため、感情の暴走により起こりえる被害を恐れた当時の分家の人間達からは「殺す」ように具申されたが、
当時の当主「英作」は申し入れを断り、達也を生かしたのだった。

その後、「英作」の手で魔法が特化しているがゆえに魔法を使わない戦闘技術や喜怒哀楽を徹底的に抑えこむ術を教えこまれた。
「英作」の死後、感情の暴走を更に抑えこむために母親達により人造魔法師実験の被験体にされて成功例という形になる。
その真実が語られる際に妹の深雪が完全調整体であり、守る対象などでもなく、自身が暴走しないようにするための抑止力であることが明かされる。

更に深雪が次期当主になったことで、達也に与えられたのは彼女の婚約者であった。
四葉真夜の思惑により四葉深夜が代理出産したことで生まれた彼女の息子にされ、実の兄妹でありながら、正式に愛し合える仲となる。
しかし、その事実が達也にもたらしたものは当惑と混乱以外の何物でもなかった。
そして、それは波乱の始まりでもあった……



◆性格

情動が塗りつぶされているのでかなり度を超えた朴念仁で感情を荒立てることない。
ただし、失ったのはあくまで「強い情動」の部分で、感情を全て喪失したわけではない。
モノローグでは結構戸惑ったりツッコミを入れたりしており、好奇心も旺盛で抑えるのに度々苦労している。
また、けっこう負けず嫌いなところもあり、深雪のことが絡まなくても勝負事には熱くなるタチ。
情動が塗りつぶされていなかったら案外熱血系の性格だったのかもしれない。

深雪曰く根の性格は「何にでも首を突っ込みたがる破滅型の無鉄砲」らしい。ボディーガードとして致命的である。

更に上記の通り凄まじい能力を持っているため、
精神操作されていなければ精神の未熟な子供の時に誇張なく世界もろとも自他を破滅させていた可能性は極めて高かったと思われる。
実際に感情を希薄にされて更に青年程度にまで成長している作中ですら、内心呆れたり若干毒づいているなどの場面は結構ある。
しかし理解力は優れていて精神操作のおかげであっさり冷静にもなれるため、暴走している人物や自身を馬鹿にしてきた相手でも長所と短所両方見れるなど客観視出来ている。
作中設定でもタブーな行為だったが、成果はばっちりだったと言える。


実は結構面倒見の良い性格。時に厳しく接することもあるが、何だかんだで根はやさしいようである。
案外押しにも弱いようで、気が付いたらいいように使われていた、なんてこともしばしば。

ただし、達也が激情を感じ得る衝動が「深雪への兄妹愛」のみであることもあるために
妹の深雪はいわば達也の心の支えであり、深雪が傷つけられたり、危険にさらされたりすると普段の態度からは考えられないほど激高し、
それが刺客ならば即座に命を消し去るのもデフォとなる(※世界観と刺客の脅威度を考えるとおかしな行動ではない)。

また、戦争や戦闘の道具扱いされる魔法師に対して、それ以外の生き方とより幅広い人生の選択肢を与えることも人生の目標に掲げている。
とはいっても、暴力による社会改革や魔法師・非魔法師の差別・逆差別などは当然望んでおらず、非魔法師も含めた視野で考えている。
そのため、例え深雪が絡まなくても、人や魔法師を使い捨ての道具扱いするような相手には嫌悪感と敵意をむき出しにすることが多い。
19巻では死後に使い捨ての傀儡にされたある魔法師と対峙した際に珍しく取り乱し、それに関連して普段しないようなミスを多くしたほか、
動揺を引きずっていたのか、深雪を危険に巻き込みかねない行動をとりかけ、しかもそれを九重八雲に指摘されるまで気がつかない、という失態も犯した。

このことからも、作中設定と作風の関係でやたらバイオレンスな準備をしていたり、実際に行動している場面も多いとはいえ、
そういった問題状況が多いだけで、平時ならば(平気で魔法を他者にぶっぱなす輩も多い世界なので)むしろ善良な部類の学生であることが伺える。

一方で、深雪はともかく達也の深雪への感情はあくまでも純粋な「兄妹愛」で恋愛感情は持っていない。
なので、仮に深雪に彼氏ができたらむしろ喜んで応援する可能性が高い。
ちなみに達也曰く、「将来深雪が自分以外の誰かと結ばれた後は人里離れた山奥か絶海の孤島にでも引きこもって、遠くから妹の幸せを見守っていられればそれで良いと思っている」らしい。
それはそれでどうかという気もするが……。




◆主な魔法能力

達也の持つ魔法能力の強さは核兵器とまで例えられたこともある。。
もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな状態であるが、マジレスするといくらお兄様でも影分身の術までは今のところ会得していないので、
同時多発的に問題が起きれば対応できず、また達也単体にも案外弱点が多いので全部一人でいいという訳にはいかない。

現に出来ないことは各種スペシャリストにお願いする場面は多く、更には達也一人では太刀打ちできない敵が出てきたり(パラサイトとか)と、
巻を追うごとにどんどん一人じゃどうにもならなくなってきており、仲間に協力を頼むことも案外多い。
協力して戦う場合は、分解と持久力を活かした盾役に徹する。

基本的には彼の能力は生まれ持った「分解」と「再成」の魔法、およびその副産物や応用で成り立つ。
中には本人が望まずに得た「副作用」的なものもあるが、それが得てして便利すぎるのもさすおに。

ちなみに達也と同じく超広範囲に及ぶ大規模破壊魔法を可能とする戦略級魔法師は公になっているだけで13人、非公式の人間も含めれば50人くらい存在するらしい。
なにそれこわい。だが大体はそれ(戦略級魔法)に特化しているだけでそれ以外は肉体、戦闘能力等に欠陥を抱えている事が多く
彼のように実戦でも高いスペックで立ち回れるような戦略級魔法師はかなり珍しいとか。
そして達也は横浜騒乱編のラストで放ったマテリアル・バースト(後述)によって、そのうちの一人を消滅させている。
なにそれこわ(ry


《分解魔法》
達也の要になっている魔法。
収束、発散、吸収、放出の複合魔法で、最高難易度に数え上げられる、構造情報への直接干渉の魔法。
物体であれば、その構造情報を物体が構成要素(部品、元素等)へ分解された状態に書き換え、情報体であれば、その構造それ自体を分解する。
ようは、物体や電子データ、魔法式を分解できる。
敵の肉体や武器を直接分解する攻撃としてはもちろん、物理攻撃や魔法攻撃を近づく前に分解して無力化することもでき、攻防ともに極めて強力な魔法。

その気になれば人間を分子とイオンにまで分解することも可能。なにそれこわい。
人体に対する分解は俗に「ナイナイ」と呼ぶ(半公式。雨宮天がwebラジオで発言)


非常に強大な能力であるが、多重バリア系の魔法とは相性が悪く、分解速度が間に合わなくてジリ貧になってしまう。
またバリアと違い常に発動しているわけではないので、達也の超人じみた反応を更に超える速度や不意打ちの高速攻撃をされると防ぎようがなく、これ単体では絶対無敵の能力というわけではない。
そのため作中ではスナイパーライフルによる狙撃で一回致命傷を負ったことがある。ちょろいもんだぜ。

ちなみに人体内部の病巣のみ消し去ることも可能らしいが、止血出来ないのでやったら出血多量で死ぬ。なので医療には応用できない。

戦場では、右手を向けた物が瞬時に消滅することから「悪魔の右手(デーモン・ライト)」と呼ばれる。


《再成魔法》
達也のもう一つの要。
人体も含むあらゆる物体の情報を最大24時間前まで遡って行き、損傷前の状態を上書きすることで
外的な要因による損傷を受けずに現在まで経過した状態にしてしまい、結果あらゆる損傷を直すことができる。
達也は戦闘行動に支障を来たすダメージを受けた場合、これを応用した「自己修復術式」が自動的に発動し、大した時間もかからず自分の肉体を修復することができる。
他者も治すことが可能。

これまた強力な能力だが、再成の際には対象が受けたダメージによる痛みを、遡る間(約0.2秒)に凝縮して体感しなければならないというお兄様でもなければキツい(お兄様ですらキツいと言った方が正しいかもしれない)リスクがある。
また、致命傷を負っていても生きてさえいれば再成で治すことができるが、完全に死んでしまった死者を蘇らせることはできない。
死体に再成をかけても傷の無い死体が出来上がるだけで、死者が生き返ったりはしない。

また発動から修復までの間は反撃できないので、その間に追撃を食らうとジリ貧に陥り、最悪押し切られて負けてしまう。

戦場では、左手を向けた戦死者を瞬時に生き返らせている(ように見える)ことから「神の左手(ディバイン・レフト)」と呼ばれる。


《精霊の眼(エレメンタル・サイト)》
「分解」「再成」の副産物で、物質世界に存在する事象(物質、物理法則等)に付随しているサイオン情報体「エイドス」を
全て記録、更新する情報世界「イデア*2」へ意識的にアクセスし
周囲の情報を全て見通すことが出来る。プログラムのバイナリ直読みしてるようなもの。
物質世界に存在するもの、起動式や魔法式*3は必ずエイドス、ひいてはイデアに記録されるので、気配を消したりしようが
この能力による探知から逃れることは極一部の例外を除くと不可能で、完全に潜んでいても達也の前では無意味となる。
なお表層意識的には常駐的なものではないらしく度々不意打ちをもらう*4
達也の術式開発効率が異常に高いのはこの能力のおかげ。
アニメの演出では、空間そのものをスキャンしたかのような三次元のイメージとして捉えていた。


《フラッシュ・キャスト》
四葉家秘匿の技術。
洗脳技術の応用で、記憶領域から起動式を読み出し、起動式の展開、読み込み時間を省略することができる。
HDDではなくRAMから読み出してるようなもの。
ただし記憶領域の容量は小さい上に通常の魔法を扱う後付け演算領域の性能が悪いので、
三工程ぐらいの単純な魔法でないと時間がかかって省略した意味がなくなる。なので実技試験は苦手なまま(&これが実技試験で役に立った場合、悪目立ちすることは間違いない)。
要は詠唱破棄みたいなもん。
更なる応用としていわゆる直感像記憶(一度見た物を画像として記憶する)の真似事ができる。
ペーパーテストで無双できるのはその辺に由来するもよう。
あくまで秘匿技術であるので、便利使いしているのはオフレコで頼む。


◆技

《術式解体(グラム・デモリッション)》
魔法の記録(マギグラム)を粉砕(デモリッシュ)する技。
サイオンの塊を直接ぶっぱして、文字通り相手の魔法式を押し流し、破壊することで敵の魔法を発動前に潰す。
単なるサイオン塊であるため対抗呪文を組んでも防ぎようが無い。
ただし射程が短い上、常人を遥かに上回るサイオン容量がないと使えない=加速系魔法で方向を変えられる程度の量と圧力では
術式解体として成立しないため、世界的にも使い手はごく僅かである。
そして達也はパラサイト等の物質世界に存在しない相手に有効打を与える為により強い圧縮を加えた「撤甲想子弾」や
更なる発展形として耐久性を高めた小さなサイオンの弾丸を相手に打ち込むことで、数日間残る自身のサイオンを目印に
精霊の眼でいつでも探知できる「サイオン・マーカー(仮称)」等の応用法も編み出している


《雲散霧消》(うんさんむしょう/ミスト・ディスパージョン)
物体を分子(元素)レベルに分解する。3段階で分けられる殺傷性ランクはダントツのAランクに相当し
軍事機密指定されている魔法でもある。バレなきゃ使いまくっても機密のままなんですよ。
メインの攻撃手段はこれである。というか対人用の攻撃魔法は事前準備していないとこれしか実戦レベルで使えないので生徒同士の試合などで多少苦労している。
分解魔法はその性質上、寸分の狂いもない形で等しく分解する方が楽なので、
部品単位では難しかった精密な電子機器や生物(主に人体)相手も関係なくバラバラにできる。
どんな物質も元素で構成されている以上、この魔法に掛かれば抵抗する間もなく砂になったり人魂のような発火現象を伴って静かに消え去る。
指先でなぞった薄い領域に対して発動すれば容易に切断し、人体に対しては四肢に細い穴を穿つ形でエリア指定すれば
皮膚、筋肉、骨、神経を直接破壊して激痛を与え、殺さず無力化するスマートながら相当エグい応用法もある。
ナイナイもこれ。

《術式解散》(グラム・ディスパージョン)
魔法式を無意味なサイオン粒子に分解する。術式解体と違って発動中の魔法にも干渉できる。
達也が実戦でこれを咄嗟に使えるのは、相手の魔法式を瞬時に視認できる精霊の眼が合ってこそできる技。
術式解体と比べて遠くの敵(ぶっちゃけ精霊の眼で捉えているならどれだけ離れていても関係ない)にも発動可能。
サイオンのノイズによって魔法式がエイドスを書き換える効果を阻害し、魔法の発動を阻害する「キャスト・ジャミング」を出せる貴重な軍事物資を持つ相手や
「情報強化*5」、あるいはその広域版とも言える「領域干渉」等の対抗手段を持つ魔法師には、そのまま魔法を繰り出しても効果は薄いのだが
これらの対抗魔法は全て魔法式やノイズという意味のある形を持っているので術式解散を使えば無力化することが可能。

《マテリアル・バースト》
達也の持つ戦略級魔法。
達也最大の必殺技にして分解魔法の究極形態。
質量をエネルギーに分解して文字通り「消し」飛ばす。
本来理論でしかない「E = mc2」を現実のものとしており、放射能すら発生させず全てを分子レベルで崩壊させる。
達也が核兵器とまで例えられる所以で、単純な物理的威力においては他の追随を許さない。
成分が均質で構造が単純な物質ほど有効で、作者によると単純で均質な組成の物質であれば、
ディープインパクトやアルマゲドンのような巨大隕石でも迎撃可能らしい。
というかもともと隕石迎撃用に開発した呪文のようである。

一方で複雑な構造を持つ物は対象として不向きで、うまく発動できない。そのため機械や電子回路、生物などが弱点。
「サード・アイ」を利用して偽装艦船を沈める時には、船そのものではなく表面に付いた水滴一粒(50mg)や
軍港に集結しつつあった敵艦隊の旗艦が揚げていた戦闘旗の布一枚(1kg)にロックオンして爆破している。
二発目に至っては目視すらせず室内から一方的にドーンである。
万が一船そのものに適用したら即刻地球がヤバイとのこと。

《バリオン・ランス》
従来の分解では対応できない敵を想定して開発された即死級の対人魔法。
開発中は放射線対策が施され、肩まで浸かるほどの水で満たされた特殊な部屋の中で使用したものの、
失敗して右腕が焼け爛れる大怪我を負っては、自己修復術式で回復→再びチャレンジを行う事を繰り返していた。
後に完成し、正月に招かれた実家(四葉家)で用意された罪なき哀れなイノシシがこの魔法の初の餌食となった。


◆装備

《トライデント》
メインウエポン。銃型の特化型CAD。
謎のCAD技師「トーラス・シルバー」(要するに達也本人)の制作したハイエンド機種《シルバー・ホーン》のチューンアップモデル。
記憶できる魔法式の数で汎用CADに劣るが発動速度のサポートに長けた特化型CADの特徴を持ちながらカートリッジの付け替えにより様々な効果を発揮する。
だがカートリッジタイプは余り普及してないらしい。
このカートリッジ交換と早撃ちに適した形状が通常の魔法が下手な達也の弱点を補っており、基本的にはこれの二丁拳銃で戦う。
生徒同士での戦いなど手加減するための手段として丁度良いのだが、
実は術式解散(領域干渉)→術式解散(情報強化)→雲散霧消(肉体)と三つの分解魔法を1つの工程としてまとめて繰り出し
魔法の直接干渉が難しい魔法師相手でも容易くナイナイを実現させる三連分解魔法「トライデント」に最適化されたCADでもある。

《サード・アイ》
切り札。《マテリアル・バースト》専用のCAD。
見た目的にはゴツいスナイパーライフルだが、実際に弾が出るわけではなく衛星を通じて目標をロックオンするためのスコープである。
だが達也が持つことで、マテリアル・バーストの射程距離が事実上無限大になり、その上どこからでも精密射撃が可能となる。
当然危ないので普段はカードキー・声紋・パスワードで厳重にロックされた上で独立魔装大隊*6に保管されており、「大黒竜也」として命令を受けた場合のみ使用できる。
……だが実はこっそり自分用(機能劣化版)を隠し持っている。さすおに。

《射程伸張術式付き武装デバイス》
追憶編で使用したサード・アイの前身的CAD。
こっちは本物のスナイパーライフルにCADをくっつけたモノで、魔法で加速させた実弾を発射する。
分解→再成*7を施しておいた弾丸が目標地点に届いたら、《精霊の眼》で弾丸をロックオンして爆殺する。

《ムーバル・スーツ》
横浜騒乱編で使用した着衣型CAD。設計思想はトーラス・シルバー=達也だが、開発に携わった真田繁留*8が注文以上の性能に仕上げたとっておきの代物。
ベルト部に自身が開発した飛行型CADを組み込み、防弾、耐熱、緩衝、対BC兵器防御を兼ね備え、しかもパワーアシストもできる。
見た目のダサさに反して高性能である。なお、お兄様に美的センスはない。





余談だが実は精神に直接干渉してくるタイプの魔法には分解も再成も通用しない。通常の魔法で防御できない達也には致命傷にもなりうる。


追記・修正は深雪を傷つけてブチ切れたお兄様を倒してからお願いします。


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