「魔人探偵脳噛ネウロ」に登場する犯人

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「魔人探偵脳噛ネウロ」に登場する犯人 - (2017/06/02 (金) 10:35:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/05/31 (水) 22:46:00
更新日:2024/04/05 Fri 22:28:40
所要時間:約 19 分で読めます






※この項目にはネタバレが多分に含まれています。原作未読の方は閲覧にご注意ください。※







弥子「犯人は……お前だ!」



【概要】

漫画「魔人探偵脳噛ネウロ」はそのタイトルの通り金田一やコナンの探偵物の少年漫画である。
それ故に殺人事件も起こるし、犯人も当然ながら登場する。
(本作はあくまでも『探偵物』であり『推理物』ではない。ここ重要。)

そんな探偵物の漫画の犯人といえば「悲しい過去」やら「復讐心」などから犯行に及ぶ面子が定番であった。

……が、ネウロの場合登場する犯人の殆どがエキセントリックな言動や動機の元殺人を行い、あまつさえ殆どの犯人の顔が人外みたいな姿に変貌する。
これこそがネウロ最大の醍醐味の一つといえよう。

弥子はこのような奇怪な動機を持った犯人を「理解不能な「芯」を持った犯罪者」と捉えている。

過去の漫画に例えるとサイコメトラーEijiに出てきた犯人達をイメージすると比較的分かりやすい。

ただしエキセントリックな言動をするとは言え、
彼らの言動の根幹にあるのは多くの人間が持つコンプレックスが異常に誇大化したようなもの。
動機を改めて考えてみると何処か納得できそうな主義主張を持った犯人もいることはいる。(当然理解不能な狂人もいるけど…)


【犯人一覧】

以下、個別項目がある者はそちらも参照。

■主要犯人

大学教授の春川英輔が自身の脳をコンピュータに複製して誕生した人工知能。
性格は春川と同一だが、物事の考え方は若干春川と異なり、目的達成の為には手段を選ばない。
春川と自分を別人格であると考え、学生達を操り現実世界の春川を殺害。
改めて自らを「電人HAL」と名乗って電子ドラッグをばら撒き暗躍を開始する。
それまで魔人として圧倒的な力を見せていたネウロを電脳世界で3度も退け、現実世界においても体力切れで1度ダウンさせる。
加えて性格上ネウロには解けない謎が最後の仕掛けとなっており、頭脳面でもネウロを翻弄した相手。

通称「怪盗X(サイ)
特殊な癌細胞で全身が構成されており、老若男女ありとあらゆる人間に『変身』できる特異体質者。
人知を超えた怪力や再生能力さえも合わせ持つ。
価値あるモノと人間1人を強奪し、後日その人間をグズグズに解体・粉砕し、
犠牲者をガラスの箱に詰めた「赤い箱」にして被害者の元に送りつけることで恐れられている。

本作のラスボス。
テロ集団「新しい血族」の首領にして「絶対悪」と呼ばれる男。

シックスの腹心にして「新しい血族」最高幹部「五本指」の一人。
Xの仲間としても関わっており、中盤から終盤にかけての狂言回し的ポジションで暗躍する。


■その他犯人


  • 毒殺女(どくさつおんな)

豹変:なし
犯行動機:愛人に裏切られた恨み

記念すべき第1話の犯人だが本名は不明。
愛人の下呂光(げろ ひかる)に裏切られた恨みから、ファミレスで白昼堂々下呂を毒殺する。
本人の話によれば、しばらく幸せな日々を過ごしていたが、一枚の写真から全てが壊れ始めたらしい。
連載初の犯人であるが連載中に出てきた犯人の中では一番まともな部類である。
……とはいっても、飛び散った下呂の血飛沫が顔にかかると笑みを浮かべて頬に塗るなど真っ当な感性とは言いにくい。


  • 竹田敬太郎(たけだ けいたろう)
「親子で楽しく食事をしている君を見て一瞬で私は心を奪われた!!
 そして思ったよ。この輝く笑顔が私の大好きな表情に変わるのを見てみたいと!」

豹変:異様に長く伸びる舌
犯行動機:遺族の表情が恐怖や悲しみに「加工」されたのを見て快感を得るため

捜査一課の刑事で笹塚の上司。
人の良さそうな老刑事だが、舌には密かにピアスを付けている。
長く殺人事件を調査するうちに人間が恐怖や悲しみに「加工」された表情を見ることに快感を覚えるようになったサイコパス。
なお殺害時はDIOよろしく大量のナイフを片手の指で掴んで襲い掛かる悍ましい犯行の様子が描かれた。
ファミレスで偶然見かけた弥子一家を見たことで欲望が昂ぶり、衝動的に彼女の父・誠一を殺害した。
犯行をネウロに暴かれ『謎』を喰われると、異様に長く伸びた舌を剥き出しにした異様な相貌を露わとし、
悲しむ弥子の表情を嬉々として眺めようとするが、ネウロに実験的に脳内を弄られ廃人化した。
以後は物語に出ることはなかったが、中盤にてXIの変装時の顔の一つとして衝撃の再登場を果たした。


「俺の究極の料理の味見をしてもらおうか」

豹変:薬物接種により異常に上半身の筋肉のみが膨れ上がる
犯行動機:『究極の料理』製作の邪魔をしたから

「成功を呼ぶ店」と呼ばれるフレンチレストラン『シュプリームS(シロタ)』のオーナーシェフ。
ややプライドが高そうな細身の体の持ち主で、自分自身の料理に軒並みならない自信と誇りを抱いている。
…が彼が誇る料理の実態は隠し味に違法な薬物や筋肉増強剤が多量に含まれており、
それらを「成功を呼ぶ料理」として振舞うことで客を薬物中毒に陥れリピーターに仕立て上げていた。
薬物入り料理を用いて「食の千年帝国」を作ろうと画策しており、それに反対するシェフの海野浩二を撲殺した。
ある意味ネウロという作品の方向性を決定づけ、更にネット上で一躍有名になった起爆剤ともいうべき犯人。
漫画は知らずともコイツのインパクトの塊みたいなビジュアルは知っている人もいるのではないだろうか。


  • 鷲尾 正勝(わしお まさかつ)
「一番になりたいんじゃない。ただ巣の中心にいたいだけなんだ。人望があろうが恩義があろうが 俺にとっては社長はただの…不当な占拠者だ」

豹変:鼻や口が鳥みたいな形状に文字通り変形する
犯行動機:自分以外の者が自分が居る『巣(集団)』の中心に誰かがいることが我慢できなかった

早乙女金融の社長代理を務める中年男性でありヤクザ。
小学生の頃から立場に異様な拘りを持ち、自らが自分のいる「巣(集団)」の中心にいないと気がすまない自己中心的極まりない性格。
幼少期には友人とクラス委員の座を争い、その争いに自分が負けると顔を隠して友人を半殺しにして全治1年の重症を負わせ、無理矢理クラス代表に成り代わっている。
ただし一番になりたいわけではなく「自分が属する集団のリーダーになりたい」という欲望の現れ。
そのため今いる『巣』より更に上に昇りたいとは考えず、巣の中心に立つと満足してしまう。
劇中では当時『巣』の中心にいた社長・早乙女國春を殺害して副社長から社長に成り上がるも、
ネウロに犯行を暴かれ『謎』を喰われ、更に心をへし折られて巣から逃げ出した。


  • 糸田(いとだ)
アヤ・エイジアに執着し、動物の死体を送り付けるなど過激なストーカー行為を繰り返していた変態。
背中に担いだリュックに大量の拘束具を詰め込んおり、何かを締め付けたり、自分が締めつけられることに異様な快感を得る変態。
特に豹変などもなく、速攻で笹塚達に叩きのめされた上にネウロの魔界777ツ能力『拷問楽器「妖謡・魔」』によって、痛覚神経を直に弾かれて悶絶。心をへし折られた。


  • アヤ・エイジア
「2人の死体を確認した瞬間に光が消えていくのを感じた 戻れるのだ――完璧に閉じた世界へ 心地好い「ひとりきり」の暗闇へ」

豹変:全身の肌が鉄のような質感に変化する
犯行動機:大好きな親友を殺して独りきりになりたい。

本名「逢沢 綾(あいざわ あや)」
探偵事務所開設後の最初の依頼人であり、世界的な知名度と不動の地位を築いた実力派女性歌手。
歌声によって「世界で自分はひとりきり」だと思っている人間の脳をダイレクトに揺らし、時には感動のあまり失神させることも可能な特異な歌唱技術を持つ。
その力はあのネウロすらも素直に関心するほどであり、ネウロが初めて『人間』という種に興味を抱かせた切っ掛けとなった犯人。
プロデューサー「台島拓郎」とマネージャー「大泉ひばり」を立て続けに失い、警察の自殺の断定に疑問を抱いて事務所に足を運ぶが、実際は彼女自身が犯人。
犯行動機は『ひとりきりになりたい』
殺害した2人が己を真に理解し合える親友となってしまったことで自分自身が「独りきり」でなくなっていく事に気が付くと、
歌の精度と出来が落ちていくというジレンマとスランプに陥り苦悩。
結果「大好きだから消えてほしい」という理由で自分を再び『独り』とするべく2人の殺害に踏み切った。
殺人に対して罪の意識こそあれど「歌への愛とアイデアが湧き出している」と語って後悔自体はしておらず、死刑になったとしても死ぬ直前まで歌い続けると宣言するなど精神性は歪。
しかし罪の意識も本物であり、弥子の元を訪ねたのはある種の贖罪の一環であった。
弥子曰く「出会ってきた犯人の中で多分一番残酷で そして一番悲しい人」

犯行を自白した後は、己の真意を自分の力だけで見抜いて自分を理解してくれた弥子と交流を深め、
度々アドバイスを送ったりと良好な関係を築くまでに至った。
なお刑務所内でも歌手活動は継続中であり、歌の精度は更に向上。独りきりではない人間の脳さえも揺さぶれるようになり、
歌いながら刑務所の出口に歩くだけで容易に脱獄できる怪物的な能力を得た。
なお物語が進むごとに歌はパワーアップしており、歌の力で洗脳、植物の成長促進、虫のコントロールなどが可能になった。


  • 篠原紀夫(しのはら のりお)
「…殴られた…取材の場が…神聖なジャーナリズムが…暴力で…汚された…
 殺してやる!!取材拒否のガキに暴力を行使するチンピラ…どいつもこいつも撮り殺してやる!!」

常にハンディーカメラを右目に付けて情報を集めるフリーライター。
「有名人はマスコミに『有名税』を払う義務がある」「情報は真実である必要すらない」をモットーに、
自身に非協力的な取材相手を過剰なヤラセや中傷的なデマ、悪質な捏造に満ちた過剰報道で多くの芸能人・文化人を失脚させ、時には自殺に追い込んできた最低最悪のマスゴミ。
ジャーナリストである自分達を「有名税を徴収する代官」と嘯き、激高すると「撮り殺してやる!」という言葉と共にカメラを外し、異常に肥大化した右目を剥き出しにする。
なおこの右目はカメラに直接接続されている。
弥子に笑顔で強引な取材を試みたが、たまたま現場にいた吾代に殴られ本性を現し、弥子たちを撮り殺そうとしたが失敗した上にネウロの制裁を受け発狂。
その挙句、偶然通りかかった怪盗Xに殺され、「赤い箱」に加工された。


  • 堀口 明(ほりぐち あきら)
「今日は急ぎ過ぎてドジふんだけど…まーいーや 未成年だし大した刑期になんないでしょ?」

豹変:全身の肌に鳥肌がでる
犯行動機:Xの模倣をしたい

怪盗Xに憧れ、殺した動物を“箱”に詰めていた引きこもりの少年。
動物だけでは飽き足らず、実の祖母・みなみを殺害して「箱」に詰めようとした。
怪盗Xのことを考えるだけで鳥肌が立つようだがその点を除けば上述の毒殺女と同じ「普通」の犯人で、ネウロには全く相手にされなかった。
「未成年だから大した罪にならない」という浅はかな理由で祖母殺害を含めた自分の犯行を全く反省していなかったが、
殺害したはずの祖母がXの変装だったことを知り感動。熱心に仲間になろうと詰め寄るが、
最期は憧れていた怪盗Xの手で形だけ「箱」っぽくまとめられて絶命した。
なお彼が模倣した赤い箱は、Xからボロクソに酷評された。


  • 爆弾魔ヒステリア/賀久安由美(かく あゆみ)
「取りすました理性なんて捨てればいい 本能をさらけだせ 怒りくるうもよし 恐怖で逃げまどうもよし
 ワン!! 
 犬のように…本能に従順になるんだよ」

豹変:顔が犬に変化する
犯行動機:爆破テロを介して人間の本能を曝け出させたい

2人の子供を持つ専業主婦の顔と、ある一定の法則で無差別爆弾テロを起こす「爆弾魔ヒステリア」としての顔、2つの側面を持った凶悪犯。
自分の中に、あらゆる破壊衝動を掻き集めて組み立てた本能(カレ)というもう一つの人格を持ち、
「本能」の言葉に忠実に従う理性(イヌ)=ヒステリア」として犯行を重ねていた。
「人間は本能に従う忠実な犬である」という持論を掲げ、本能を表にさらけ出すことを「ブッちゃける」と呼ぶ。
数多くの死者を生み、警察を幾度も翻弄する高度な頭脳を備えた紛れもない凶悪犯であるが、主婦として家庭や子供を愛する心も本物。
自分の「本能」の顔は「家族の前では良き妻、優しい母親でいないとダメ」「子供に見せたら悪影響が出る」という理由で見せたがらず、
家族の見ていない裏で欲望を満たすため犯行を重ねていた。
……が、本性を暴かれた後は境界線が曖昧になったのか、
うっかり赤ちゃんに「本能」の顔を何度も見せるようになったことに指摘されるまで気が付かないなど、コミカルな一面も持つ。
爆破予告を看破したネウロに、仕掛けた爆弾を発見された上で正体まで見破られ、予備の爆弾も笹塚の精密射撃により爆破を阻止されたことで進退窮まり、
その後も必死に反抗するが、ネウロの圧倒的な気迫に屈服し『謎』を食われてしまった。

なお彼女の犯行が分かった理由は「爆弾をセッティングする場面を見ていたから」というとんでもない理由である。
原作最終回では刑務所に面談に来た夫に下の子が歩いたことを伝えられ、涙を流しながら喜ぶ場面を見せている。


「旅先には資源がある!オマエらの美点(しげん)は…その見事な追従の心デース!!
 自分が下であることに喜びを感じるその姿勢!!実にボクを満足させてくれマース!!」

豹変:鼻が天狗のように異様に長く伸びる
犯行動機:フラれてプライドを傷つけられたから

異文化交流を研究していた私立大学に通う留学生。
一見温厚で気さくな青年だが、その本性は自国の負の側面すら手放しで全肯定する狂信的なまでの愛国主義者。
プライドの塊ともいうべき性格で、好きと語っていた日本も実は露骨に見下し毛嫌いしている。


  • 望月建雄(もちづき たてお)
「情報とは私のような人間に使われて初めて…輝く銀色の光を放つのです」

豹変:顔が異様なまでに銀色に光り輝く
犯行動機:自社の利益を上げる

警視庁OBにして望月総合信用調査会社取締役社長。
いつも顔がテカっている、笑顔を絶やさない恰幅のいい初老の男性。顔からコラーゲンが大量に分泌されている。
退職後に警視庁時代の人脈を生かして調査会社を設立し、警察からも高い信頼を得る程の大会社に育て上げた。
しかし会社の実態は裏で麻薬取引などの犯罪行為で巨利を得ており、自分達の犯罪行為を弥子に押し付け、その事実を広告代わりにすることで会社を一躍メジャーにする計略を企んでいた。
…が、ネウロ達に真相を見抜かれただけでなく腹心の早坂兄弟の裏切りに合い計画は頓挫。
命からがら生き延びるも結果的にネウロに弱みを握られ、パトロンという名の実質的な奴隷と化した。
本人の能力はそこまでないが、実は人の才能を見出し才能を発揮させる才能の持ち主。
普段はぐうたらで子供じみた我儘や無茶ぶりを吾大に降るダメダメなおっさんだが、19歳の美人妻・楓の前では如何にも有能そうで厳格な姿に変貌する。
ちなみに夫婦仲は良好。
ネウロ世界における「光属性」の1人。ちなみに漢検1級持ち。
会社経営自体は早坂兄弟が屋台骨を支えていたようで、2人が抜けた後は指揮系統などがぐちゃぐちゃになっており、
副社長に就任した吾大はその事実に唖然としていた。


  • 早坂兄弟
「この会社をここまで大きくしたのは…あなたが笑顔を教えたこの私だ。これからはこの会社の舵は私が取る。
 記念すべき1つめの議題は…あなたとその探偵さん達の処理についてだ」

「アニキは俺が生まれた時からずっと俺の上司だ!!生きる場所はアニキが与えてくれる!!
 あの人についていけば…俺は一生寒い思いをしなくて済むんだよ!!」

豹変:なし

望月に才能を見出され、彼の腹心を務めていた双子の兄弟。
望月総合信用調査外車総務部長である兄・「久宜(ひさゆき)」と、トラブル処理班所属の弟「幸宜(ひさのり。通称ユキ)」の2人。
久宜は黒いスーツ姿に貼り付いたような胡散臭い笑顔を絶えず浮かべる男性。冷静沈着にして優れた頭脳の持ち主。
幸宜は常に厚手のロングコートを着込んだイケメンで暗器使い。一見冷徹でダウナーな雰囲気だが、内心では兄への深い信頼を抱いている。
望月の元で働き兄は知能面で抜群の才覚を発揮し、社の屋台骨を支えるようになると、
兄主導の元、望月の計略に乗じて武器取引によって武力を得た後、望月をも始末して会社を乗っ取ろうと画策する。
しかしネウロの人知を超えた身体能力に阻まれ、更に弟の幸宜も吾大に敗北したことで計画は瓦解。

兄は望月から教わった「笑顔の鎧」を捨て去り弟と2人で姿を晦まし、
以後は会社時代に得た人脈を使い。兄弟で有権会社「笑顔」を設立。何でもござれの密輸業を展開し裏社会で活動するようになる。
「笑顔」設立後は、久宜はややラフな服装で目元を黒いサングラスで覆い、口元だけ笑みを浮かべた姿に
幸宜は薄手のカジュアルな服装を着込んだ今どきの若者チックなビジュアルになった。
会社時代は冷え切っていた兄弟関係だったが、ネウロに惨敗した後は憑き物が取れたかのように良好な兄弟関係を構築。
兄が猫などの可愛いもの好きだったことを初めて知って驚愕するなどコミカルな一面を見せるようになった。
ネウロのことは「化物」と呼んで敵意を見せているが関係自体はビジネスライク。
HAL編でネウロと取引を交わしたり、弥子の金策問題の相談に乗るなど持ちつ持たれつな関係を作ることになる。


  • 噛み切り美容師/百舌貴泰(もず たかやす)
「善き髪を選び正しくケアして!!そして愚かな土台と切り放せば…もう何人もその善き髪に手出しはできない!!
 展示されたその髪の美しさに見惚れる以外にはな!!」

豹変:眼と眉が顔から分離し、鋏の形に再配置される。
犯行動機:綺麗な髪が自分以外の美容師に手入れされて髪が痛むのが許せない

美容院「ファング」を経営するカリスマ美容師の青年。
その正体は「美しい髪の持ち主の首を切断して殺害した後、血液を整髪剤に使って髪をセットし街に展示する」
という犯行を3件繰り返してきた猟奇殺人鬼『噛み切り美容師』
普段は温厚に取り繕っているが、本性は人間の魅力の全てを髪の毛の質だけで判断する程の病的な髪フェチ。
無名の頃は女性に暴行を働いた上で無理やりセットするという事件を起こすなど気性が荒く、
手入れのされていないボロボロな髪を見ると裏で暴行じみた行為を働くことさえあった。
自らを「髪の神」と呼称し、

「人間の頂点にあるのは髪」
 ↓
「髪は人間のすべてを見下ろしているから、髪は人間にとっての神」
 ↓
「その髪を切る資格を持つ者は人間の頂点のさらに上、すなわち俺こそが髪の神」
 ↓
「俺は神だから馬鹿な人間に綺麗な髪をダメにされる前に人間を殺してもいい」

という理解不能の持論を並べ立てて犯行を重ね、「人間の血こそが良い髪に最も馴染む整髪料」と考えるまごうことなき狂人。
反面髪に対する眼力は非常に優れており、ネウロの髪を見ただけで瞬時に人外だと見抜いている。
職業経験上人の警戒心を見抜くことにも長けており、相手の隙をついて気付かれることなく手錠をかけることもできる。
なお豹変後の鋏の形に変形した目や眉は鋏のように物理的に動き、眉は髪の毛を物理的にカットできる。


  • 真栗 一茂(まぐり かずしげ)
「誰がどっから生まれたかなんて本来どーでもいい事なのさッ!だが…おまえらはミョーにそこにこだわりたがる!!
 「できちゃったから結婚しなきゃ」とか「まさか実の兄が財産欲しさに自分を殺すまい」とか
 くだらん血縁に縛られた考えで人生の選択を誤るのよ!!」

豹変:飲んでいたウイスキーをがぶ飲みしたり頭に浴びせ、髪の毛で枝を形成する。
犯行動機:自分が受け取る遺産の取り分を増やすため

見た目は髪の毛の薄い中年男性。
芸術家・「絵石家 塔湖(えしや とうご)」の画商としてのマネージャーを務めていた。
その実態は塔湖とその妻であり自身の実妹・妙を殺害した犯人。
家族(えだ)を切れば切るほど残った家族(えだ)に栄養が集中し、残った枝はより太く長く育つ」という持論を掲げ、
家族の絆などどうでもいいと吐き捨てて、家族を殺して自分達の遺産の取り分(栄養)が増えることを「家族愛」と嘯く強欲で俗物極まりない男。
しかし最終的にはネウロが手をチェーンソーの様に変化させて髪の毛の枝を刈り取ったことで心をへし折られるが、
その直後怪盗Xがネウロを殺そうと放ったショットガンの流れ弾が額に当たって死亡した。


  • 穂村徹行(ほむら てつゆき)
「燃え燃えしてええ!!炎に囲まれてハアハアしてえよおおお!! ああ…人たん…燃え~~…」

豹変:全身の服装をアキバ系ファッションに仕立て上げる
犯行動機:炎を間近で見て興奮したい

塗装工を勤めるガテン系のイケメン。
消化器型火炎放射器を使って連続放火事件を起こし、遂に白昼堂々ネットカフェで放火を行った
放火する際は「急に」アキバ系オタクのような格好に姿を変えたくなるらしい。
放火をすると「燃える(=萌える)」と述べていたが、弥子の質問を受けた時に自分でもなぜ燃えると萌えるのか理解できず錯乱。
最後はネウロにより自分自身が「燃えキャラ」にされてしまう。
実際は電人HALがばら撒いた電子ドラッグの犠牲者で、謂わば「作られた犯罪者」であった。
しかし電子ドラッグの影響から抜け出した後もオタク趣味は残ってしまったようで、HAL事件終了後もオタクライフをエンジョイしていた。


  • 篚口 結也(ひぐち ゆうや 「ひ」の漢字表記は匪に竹冠)
「なあ桂木、俺のやったことはそんなに重罪かな?」
「現実では自殺で片付いても…両親を殺したのは間違いなくこの俺さ。そんな俺は殺人罪かな?」
「かまってほしくてさあ!!天気とか成績とか、どんなにくだらなくてもいい…現実の話がしたくてさあ!!」
「それが悪いことかよ!!そう思うことが犯罪かよ!! だったら!!だったら人間全員犯罪者じゃねーかッ!!」

豹変:顔や頭を衝動的に掻き毟る。
犯行動機:ネットゲーム中毒となった実の両親にかまってほしかったため

19歳で警視庁の情報犯罪課に所属する凄腕のハッカー。
天才教授との対決に意気込んでHALの対策にあたるが、電子ドラッグにかかってしまいHALの手先となる。
人を殺せば後戻りできなくなると言う弥子に対し、彼は「もう殺してるよ」と返答。続けてその過去が語られる。
彼の両親はネットゲームに嵌ってしまい、小学生の結也は両親の手伝いとしてゲーム上でモンスター狩りをするか、食事を買い出しにコンビニに行くかの2択の日々が続いていた*1
そんな日々が嫌になった結也は学校のコンピュータ授業の時間に両親がやっているネットゲームのサーバーに侵入。自作のコンピュータウイルスを使ってデータを破壊した。
これで仮想世界から解放されて家族としての生活ができると喜ぶ結也少年であったが、家に帰ると両親はなんと自殺していた。
しかもそこに残されていた遺書の内容は「世界が壊れてしまったので死にます さようなら」という、現実に生きる者から見ればなんとも言えないものであった。
ましてや、実の子である結也の困惑と失望はいかばかりであろうか。
その後、彼は19歳になるまでにいくつもハッキングの疑惑をかけられるが、証拠不十分で立件には至っていない。
洗脳したHAL曰く、篚口結也の犯罪願望は「混沌願望」であり、無秩序な犯罪者の世界を望んでいるという。

実は電子ドラッグに染まりきっていたわけではなく、HAL対策の一環でかけていた偏光グラスによって一定の自我は保っていた。
しかしまだ試作段階のものだったために行動を抑えるほどの効果はなかったようである。
上述の告白は電子ドラッグによって理性が緩んでいるからこそ聞けた面もあり、弥子は本音が聞けたことに感謝していた。
ここで弥子が見た「大切な人を手に入れるためなら人は躊躇なく犯罪を犯せる」という人の一面はHAL事件解決の一つのヒントになる。

事件解決後は警視庁を辞めようとするが、弥子のとりなしと笛吹の判断によって却下され警察組織の一員として働き続ける。
またこの際、電子ドラッグの治療を受けていないことを笛吹に見抜かれ、ワクチンプログラムの仕込まれた「正しい礼儀作法」DVD全10巻12時間を見る羽目になった。
だが記憶の奥底に残っていたようで、 新しく着任した高圧的な上司とその一家に向けて電子ドラッグを仕掛けパンクメタルに洗脳。
当然無事で済むわけもなく、お目付け役の笛吹から大目玉を食らい、礼儀作法のDVDを前回の倍の24時間見せられた。今度こそ電子ドラッグの記憶は完全に消えたようである。
終盤ではシックスとの対決後に海に落下したネウロを救助。捜索に使ったシステムは春川英輔が作ったものであることを明かし、めぐり合わせの不思議さを語った。



  • 大塚 輝希(おおつか てるき)
「持ち主と一体化させるために心血注いだ家具を!!お前ら揃いも揃って軽く見すぎだーーーー!!」
「人類の発展と安心は完成された家具があってこそ成りたつんだ!!
 だから家具を軽く見る奴等に…発展と安心はありえない!!この俺が家具の力で破滅を与える!!」

豹変:全身に家具をパワードスーツのように装着する
犯行動機:家具を蔑ろに扱う客への憎悪と師である池谷への嫉妬

大きな事務所兼店舗を構える売れっ子家具デザイナー。
一見爽やかな笑顔の好青年であるが、本性は「家具と人が完全に一体化することで初めて家具が完成する」と考える狂信的な家具信奉者。
自身の考えが合わなかった師である池谷通への嫉妬と、家具を適当に扱う客への憎悪から、
彼が制作した机「トロイ」を利用し、購入者2名を毒薬で殺害した挙句、池谷に全ての殺人の罪を着せた張本人。
豹変後は仕事場のデスクや椅子を丸ごとアーマーのように装着し、髪の毛をソファーみたいなカットに整えた奇怪なビジュアルとなる。
本人曰くこれこそが「完成された家具の姿」らしい。
家具デザイナーの道をあっさり捨てた池谷を心底憎み、彼に嫉妬を向けていた大塚だったが、一方で池谷が引退した理由は、
皮肉にもその大塚がデザイナーとして成長していくのを見て「自分がいなくてもいい家具は生まれていく」と感じたためだった。


  • 宮迫 醍醐(みやさこ だいご)
「業務内容は他の社員と同じ!!その上七光もないザコ共に…「若」でも「ぼっちゃん」でもなく下の名前で呼ばれる屈辱!!
 そんな光が…そんな光が七光と呼べるかあ!!」

豹変:頭部そのものがチョウチンアンコウのように変貌する
犯行動機:社長の息子にも関わらず扱いが悪いため

玩具会社「狸屋」の社長の宮迫達夫の息子にして取締役。
一見父親思いの誠実そうな男性であるが、本性は「親の七光りは何でも許される最高の特権」を持論として掲げ、
強い七光りがあれば努力せずに名誉や地位を得られると幼少期から考えており、「七光さえあれば人ひとり殺したっていい」とまで豪語する最低のドラ息子。
幼少期からその性格から人望に難のあった父に失望し、更に大人になってからも特別待遇されない自分の地位に納得できず達夫をビルから突き落とし殺害。
幼少の頃から演じてきた高所恐怖症によって罪を逃れようとした。
更に狸屋を内部工作で混乱させた隙に密かに自社株を国内有数の企業に乗っ取らせ、そこの社長令嬢と結婚してより強い七光りを得ようとしていた小物としか言いようのない俗物。
その理解不可能な思考回路は弥子すらも「イカれてる!!」と戦慄するほど。
ちなみにネウロにおける「光属性」の持ち主の1人。


  • 溶解仮面/大菅 依(おおすが より)
「欠点だらけの同じ人間である事に安心し…
 そして同じ人間があれだけの力を持てる事にあこがれを持つ。「ああなりたい」ってね」

長野県の農村出身の純朴な雰囲気の温厚な青年だが、正体はとある学校の高校生を狙った連続殺人機『溶解仮面』
進学した都会の名門高校で嫉妬と差別によるリンチを受けたことが切っ掛けで、
その後、復讐のため自分をいじめた被害者を押さえつけ、その顔に狐を模した仮面から消化液(酸?)を垂らし顔をドロドロに溶かして殺害する手口で犯行を重ねていた。
今までに犯した殺人と同じ数のコウガイビルの刺青を体中に彫っている。
『溶解仮面』として犯行していた際に被害者に偶然化けていた怪盗Xと遭遇。
Xの魅力に魅せられ以後Xの配下として行動するようになる。
HALⅡの能力をコピーした怪盗Xによって、電子ドラッグの中毒者(怪盗Xの刺客)となり、ネウロを殺すために故郷の村で地主を殺害。
ネウロをおびき寄せるための『謎』を作り上げて戦いを挑むも、能力を使わせることもできず瞬殺された。

故郷のことはそれなりに好きだが、本人曰く「心の故郷はスタンド・バイ・ミーの沼」。


  • 庵治川 拓(あじがわ ひらく)
「夢を見るって…いいよね ここは夢を見る者の安住の地だ!!夢も見てない奴は…うちの店に長居することは許されない!!」

豹変:ウトウト眠った後、頭部そのものが獏のように変貌する
犯行動機:夢を持たなくてもいい定職についてる癖に暇つぶしで店に長居したから

大衆食堂「キッチンあたり」店長。
気のいい温厚そうな中年男性であるが、本性は「どんなダメ人間だろうと夢のために生きてるなら全部OK」という極端な考えの持ち主。
食後、自分の食堂で過ごしている常連客達の持つ夢を応援する一方、特に夢を持たずヒマつぶしに時間を使う者を許さず、
新規客の「勝又 屯平」を物盗りの犯行に見せかけて絞殺した。
豹変後は自身と夢を侮辱した等々力へ研ぎ澄ませた冷凍ピザを武器に襲い掛かるも、ネウロの『拷問楽器「妖謡・魔」』によって、痛覚神経を直に弾かれて悶絶し敗北した。
元々は小説家志望だったが夢が破れ家業の店を継いだ経緯を抱えており、
温厚な人柄も相まって夢のために生きている人に親身になって接していたため客からの人望は厚く、
客達は被害者に客が侮辱されたのではないかと事件解決後語っていた。
尚石垣が取った彼の調書は「原作:庵治川、作画:石垣」の60ページにも及ぶ長編漫画となった。
ちなみに判決は「懲役刑と次回作執筆」。裁判官も漫画読んだのかよ。


  • 加納 則馬(かのう のりま)
「残り目標(ノルマ)の数だけ毎日パンチを入れてたら…3ヵ月もう2つも資格(ノルマ)を取れたよ」

豹変:眉毛と髭が変形し、棒グラフのような形になる。(髭はグラフのように伸縮する)
犯行動機:?

「東西京スポーツクラブ」のチーフインストラクター。
爽やかな笑顔とがっちりとした体格の男性だが、本性は目標(ノルマ)は高ければ高いほど良い」という持論の下、
スポーツクラブに訪れて自分の思想に賛同した人間を地下の隠し部屋に連れ込み、
身勝手かつ無茶苦茶な目標を勝手に「運命(さだめ)て」ノルマを達成するまで被害者を監禁・拷問していた。
スポーツクラブに訪れた弥子にも資質を見出し監禁しようとするが、
隠し扉を見破り駆け付けたネウロによって脳を弄られ、「右と左を同時に向く」という達成不可能な目標に苦しむこととなった。
動機こそ身勝手極まりない押しつけであったが、目標に向かって必死に努力すること自体はネウロも重要と認めていた。


  • 亀田夫妻(かめだふさい)
海の中には極楽浄土が広がっている 美しい竜宮城を守るのがわしらの役目
そう、海を畏れず 海を汚す者には わしらが海のぬしとなって…海の罰を加えるのじゃあああ

豹変:顔が鳥や魚の化物のように変貌
犯行動機:15年前に強奪してきた金と自分たちの正体を守るため

海の入り江に「海のぬしに注意」なる看板を設置し、魚捕りのために潜った弥子に襲いかかった夫婦の正体。
その正体は15年前に豪華客船カジノから金を強奪し指名手配されていた時効まであと僅かの犯罪者であった。(犯行当時は夫45歳、妻41歳)
時効まで逃げ切るつもりで金を入り江に沈めて隠れ住んでいたが、潜った弥子ごとネウロに釣り上げられて時効の一年前に御用となった。
元々老け顔ではあったが逮捕のショックと緊張の糸が切れたためかさらに老け込み、すっかりじいさんばあさんの顔に。
ネウロはその顔を竜宮城から帰ってきたようだと例えた。


「私は、看病が好きなの!いつまでも看病してたい。いつまでも慈しんでたい。だから治っちゃダメなの!!」

ドラマCD第一弾に登場した犯人。
肩くらいまでの長さの髪を持つ内気な雰囲気の女性。
依頼人・天知英生宅で働く3人のメイドの一人で、担当は食事作りと天地氏の身辺の世話、看護を担当していた。
その本性は「看病をしたい」という思いが異常に強く、
それ故に「相手がずっと治らないで病気でいればいつまでも看病していられる」という結論に至り、
あえて主人である天知を病気にして看護し続けていた自己中心的な性格。




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