シックス(魔人探偵脳噛ネウロ)

登録日:2011/11/26(土) 20:26:22
更新日:2021/04/01 Thu 02:47:44
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違うね。全ての人間は私の敵であり私の所有物だ。私だけが壊す権利を持っている




『シックス』とは漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』に登場する最後の敵組織「新しい血族」の頂点に君臨するキャラクターである。
本作ではラスボスを務めた。

●目次

■概要

表向きの名前はゾディア・キューブリック
だが、この名前が本名なのかどうかは不明。その他作中内では「絶対悪」と評されている。

表向きは世界最大の兵器メーカー「ヘキサクス」の会長だが、裏では世界中に武器を売り込んだり、非人道的な人体実験を行っている死の商人。

目的は「新しい血族」以外の全人類を滅ぼすことである。
彼の「シックス」という名前は数字の「6」(Six) を意味すると同時に、
「新しい血族」が「人類にとって病気 (sick) のように有害である」と評されたことにも由来する。
数字の「6」については、「魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類に続いて人類から分岐し、人類の先を行く第六の種族」という願望も込められているらしい。

彼の祖先は武器製造を営んでおり、家系は7千年前まで確認できる。
彼らはその職業柄人殺しの手段のみを考え続け、一族繁栄のためには強大な悪意が必要であるという考えに至る。
そして強い悪意を求めるために子供の悪意を育て、悪意の一番強い子供に家業を継がせていくという行為を代々行っていった。
結果、遂には常人には耐えられない悪意に耐えるために、外見こそ人間なのに、DNAレベルで人間とは別物の異なる生物にまでに至る。

つまり彼は人間ではなく、「悪意」と脳を進化させることで「人」から進化した新しい生物なのである。

性格

その成り立ちゆえに生まれついての「悪」であり、性格は超が付くほどのサディスト。
悪意を持って他者を苦しめる事が半ば本能に等しく、部下に任務失敗の罰と称して腹を鋸で切って自殺することを遊び半分で強要したり、
人質をとった上で無理難題を押し付けて相手が死ぬのを楽しみ、その後人質も言葉巧みに欺いて絶望のどん底に叩き落として殺害するなど、
まさに極悪非道を絵に書いたような性格をしている。


本来なら自我すら構築されていないであろう0歳の時からその悪意は開花しており、
父親が悪意を測る為持たせた剃刀を使い、0歳にも関わらず1人で他の新生児数十人の首を掻き切って殺害している。
また、自分を産み育てた両親ですら殺す対象でしかなかったらしく、2歳の時に母親を自宅のテラスから転落死させ、5歳のときに父親を自宅の書斎で箱詰死体にしたことが示唆されている。



■能力

戦闘能力は極めて高い。
生まれながら持つ強靭な肉体もさることながら、相手の「悪意」を読み取り、その悪意を上回る悪意によって常に相手よりも優勢に立ち回る天才的センスを持つ。
その上で配下である『5本指』が持っていた全ての能力を使用することも可能。

その力は弱体化しているとはいえ魔人であるネウロ「全開の吾輩でも手こずる」とさえ思わせる程。
その戦闘力を見て、ヤコは彼を「何千倍にも強化された元人間」と比喩した。
戦闘能力以外にも周りの人間を威圧する邪悪なプレッシャーを放つことができ、様々な事を一瞬で覚える瞬間記憶能力等も持っている。
おまけに人間から進化した全く異なる生物である故か心臓を抉り取られ、肉体の半分以上を切断されても、脳さえ無事なら平然と生命活動を維持できるもはや脊椎動物としての縛りを超えているどころか既存の生物学の括りや系統を超えた生物と言っても過言ではない怪物的生命力も有する。結局、後述の通り脳を生首諸共粉々にされるまで彼が息絶えることはなかった。

装備

  • 金属細胞
Xの身体から抽出し、数万人を実験台にして完成した強化細胞と、「最も硬く柔らかく強靭な特殊合金」を一族独自の結合技術により融合させて製造した特殊細胞。
シックスの身体に埋め込まれており、強化細胞特有の変幻自在性と金属の強度を併せ持つ。
肉体の一部を自在に金属化させて打撃力を高めたり、細胞を金属化させた上で刃の様に変えて足の裏や指から展開することで刃を楔のように用い、垂直な壁を昇ったり音速で飛ぶステルス戦闘機の上で戦闘も可能。
当然強化細胞の性質も備える為、元々並外れていた自身の身体能力はより飛躍的に向上する。

  • 長剣
最終決戦で使用した身の丈に匹敵するような長さの両刃の西洋剣。
金属細胞により超強化されたシックスの身体能力に耐えうる強度と、弱体化しているとはいえネウロの体を容易く斬り裂く斬れ味を誇る。
武器職人の末裔としてのノウハウが惜しみなくつぎ込まれたであろう、本来なら凄まじい業物に匹敵すると思われる一品。
但し、普通の人間でも扱えるのかは不明。

■作中での行動

初登場時は自らの分身であり、子供である怪盗Xを確保する為に、信用している部下である葛西善二郎をXの元に派遣しつつ、自身はアンドリュー・シクソンに成り済まし、表向きは日本警察に協力していた。
そしてネウロとサイの二度目となる決戦後、本性を現し、Xのパートナーだったアイを銃殺。
Xをボコボコにした後、予め準備していたジェット機に捕まりその場を離脱。
シックスはシクソンに成り済ますために、本物を拷問し、話させたアンドリューに関すること全てを瞬間記憶能力で覚えた後、本物の体から剥ぎ取った頭の皮を被っていた。

その事件の後ネウロを茶会(弥子曰く「ドSサミット」)に誘い味方に引き入れようとするが、彼との対談を通してお互い倒すべき敵と判断。
ネウロと人類の支配権を賭けて組織を通しての死闘を繰り広げる事になる。


人類を効率良く殺す為、血族の人間の一人であるDRにダムを破壊させ、数十万もの人間を人為的な洪水に巻き込み溺死させたり、
その後もネウロの活躍によって未遂で終わるが大規模なテロを次々と企てる。
さらに物語が進む内に前エピソードのボス「電人HAL」が事件を起こすに至った原因である本城刹那の死因が彼の人体実験によるものだったと判明する。
実験自体は、失敗する事は目に見えていたのだが「娘を人体実験に差し出す苦しみに歪む父親の顔をみたかったから」という理由だけでそれを強行した。


また、笹塚の家族を殺害したのもシックスの仕業であり、自分たちが行っている非人道的な人体実験の情報を掴んでしまった笹塚の両親を消す為にした事であった。
その事を知った笹塚に襲撃されるも、シックスの手によって『再教育』され復活した怪盗XであるⅩⅠ(イレブン)とともに返り討ちにし殺害する。

しかしその後ネウロ達の活躍によりアジトを突きとめられ、警察組織である笹塚を殺されて怒りに燃える笛吹達の働きによりテロの首謀者である事を全国的に報道され指名手配されてしまう。
その後乗り込んできたネウロ達と正面対決。
Ⅺと共にネウロとそのパートナーである弥子を追い詰めるが、弥子の説得によりかつての心を取り戻した怪盗Xによって、
自らに埋め込んだ強化細胞と金属の制御を担う心臓を潰される(ただし彼は脳が残っている限り生きられる為致命傷には至らず)。

その後裏切ったXを始末し退却するが最後には追跡してきたネウロとステルスジェット機上で決戦。
終始有利に戦い続け止めをさそうとするが倒し切れず、耐え抜いたネウロが切り札として発動した「二次元の刃(イビルメタル)」で首と右腕以外の全身を切断され、下半身も失い自力で立てなくなったところをネウロに頭を鷲掴みされて宙吊り状態に陥る。
それでも 残った右腕をスタンガンに変化させてしぶとく反撃を試みる が、相手の頭を掴んだネウロが全く無防備な訳もなく、
その直後に脳に直接魔力を流し込まれて 身体を半分切り落とされても平気な彼が堪らず絶叫するほどの激痛 を味わわされ、同時に唯一残された右腕も麻痺させられ反撃手段を完全に失う。
その実質首だけの無力な姿で一度は空中に放り投げられ、追い詰めた自分をネウロがむざむざ手放したことを訝しんだのも束の間、
実際には自分をこのまま逃がす気など勿論ないこと、そして「生殺与奪を握っているにもかかわらず、あえてとどめを刺さずにしばらく放置する」という、
他人の絶望という蜜を散々啜ってきた「絶対悪」にとっては屈辱極まりない舐めプをされていることに速攻で気が付き、
ネウロへの恨み節をベラベラ喋りたてるという悪足掻きも虚しく、ネウロの操作で急降下してきたステルス機に、自慢の脳髄共々粉々に轢き潰されて絶命するという、
正に悪党の末路に相応しい因果応報とも言うべき末路を迎えたのだった。
(ちなみに本人の「全身」だったものはネウロの靴に舐めるかのように纏わり付いた末に、そのまま飛散して消滅していった。)

尚、普通の悪人でも相手に嬲り殺しにされて死ぬなど御免被りたいところであろうが、とりわけ悪意そのものな人格と知識、そして人外レベルの感覚と精神力を兼ね備えた彼が置かれたらどうなるか…

  • 放り出された瞬間にネウロの意図と自分の末路を悟る。思考が「戦闘」に特化しているため、「詰み」を悟るのも早い。
  • 頭だけしかないので「残された右腕を使って逆転」などが不可能でどうあがいても辿る道は自分が今まで味わったことのない「負け」しかない。
  • 悪意の塊なので覚える感情は当然屈辱と怒り。さらに知り尽くしている分、その手の感情には人一倍敏感。
  • 鋼の精神故に発狂するとか、達観するなどは不可能。無駄と分かっていてもただ吠えるのみ。
  • 超感覚が裏目に出て死ぬまでの約30秒間が非常に長い。その間延々と恐怖と屈辱を反芻させられる羽目に。
  • 上記の事柄は全てネウロの画策通り(本人曰く「最高のお仕置き」)。何もかも掌の上で踊らされて屈辱も一入。

...とまあ、自身が代々受け継ぎ開花させ誇ってきた因子が悉く屈辱に変わる、極めて惨めな有様となる。
誰かの悪意の餌食になることを誰よりも恐れていたのは他ならぬ自分自身であったこと、絶対悪を自負しようと「悪役は結局倒されて終わる」というメタな理からは逃れられなかったのは皮肉としか言いようがない。
その末にこのセリフを言われて死ぬのだからなんとも。

ネウロ「靴を舐めろ。その全身で。」

ちなみに、これを言われた直後の彼の表情は正に鬼の形相である。
逆に最期の最期でその程度の抵抗しかできなかった彼の心境は推して測るべし。


ボッ!!!

上記の屈辱まみれの状況の中、何かを口に出そうとしたようだが、それも叶わずネウロに粉砕されてしまった。
彼が生涯の中で発した唯一の悲鳴か、はたまた悪意の赴くままに発したネウロへの悪態か。
その事実を知る者は誰一人としていない。


一切の善意を持ち合わせずその存在自体が「悪」と断言できるキャラクターであり、
必要悪や好感の持てる悪役に対するアンチテーゼのようなキャラクターとも言える。
ある意味「悪」役というものを一番体現したキャラかもしれない。

しかしそんな彼も、ネウロとの最終決戦において「ある人物」の言葉ひいては「存在」を全面的に「肯定」し、受け容れているような場面があり、「絶対」悪を自称していながら他者の存在を是認するという、
本当の意味での「絶対」的な悪になりきれなかったが故に、
つまり、自分の弱さと自己矛盾によって自滅してしまった…とも言えるのではないだろうか。
また、祖先が武器職人だったから悪意に特化した…とは自称していたものの、そもそも人間が人間相手に武器を持つ事情や目的など様々なので、必ずしも悪に傾倒した残虐な性質になるとも限らない。
それこそ自分の身や親しい人間を他人の悪意から守るために武器を持ち戦うこともあり得るのだから、血縁由来の「絶対悪」自体が不完全だったとも考えられる。
そう考えると、案外、ネウロは彼のそんな「内面」という『謎』を喰らう事無く、前述のようにただ「物理?」的に殺した結果となった事、それは本当の意味での勝利ではなかったのかもしれない。(ネウロ自身、強大な悪意を持ちながら謎を作り出そうとしないシックスを『惜しい』と評していた。)

決戦時にはいつまでも倒れないネウロに対し明確な焦りを覚えたり、死に際の仕打ちに対してネウロの筋書き通りに反応した末に死亡するなど、
終盤の彼は悪意の権化として綻びが見られる部分も見られた。もしかすると魔人というイレギュラーの出現に対して、彼の脳が対応し切れなかったのかもしれない。

あるいはシックスの悪意がすべて遺伝的な本能に忠実なだけの結果と考えると、単にすべては新種としての本能に従い自滅しただけとも言える。
道義を排除して単に遺伝的多様性で考えれば、行き過ぎたシックスの状態は生物としての広がりを持てない行き詰った欠陥に従う、極端な遺伝子の操り人形に過ぎないとも呼べるのではないだろうか。
実質子孫も残せないみたいだし。

■余談

  • 仲間を求めていた?
絶対悪を標榜しながらも、自身の「悪意」を見せつけ「新しい血族」という組織を作り出していたこと、
自身のクローンを作り、XI以前の失敗作の胎児の頭蓋骨をネックレスにして身に着けていたこと、
(メタ的な見方をすれば新展開への布石でもあるが)自ら足を運んでまでXiを回収することに拘っていたこと、
裏切られるまでXIに全幅の信頼を置いていたことなどから、一部では「本当は仲間が欲しかったのではないか」という考察もされている。
しかしその仮定が合っていた場合でもシックスが求め飢える仲間とは「別種の生物にまで到達した自分の悪意を共有できる仲間」なので、
そんなロクでもない仲間を求める行為自体が人という種にとっては病気の感染、増殖のような邪悪その物と考えることもできるが。
…また、実は彼と同じジャンプ出身悪役として、彼の登場以前に同質の矛盾を抱えたとある人物がいるのだが、但し、その人物の場合は原作者が後日公の場でそれを否定している。


  • 拷問漫画「ベルモンド Le VisiteuR」
シックスの正体判明・初登場時、同時期の週刊少年ジャンプには新連載の『ベルモンド Le VisiteuR』(2007年32号から51号連載)があった。
この漫画というのが、テーマが『拷問』であり、主人公が特殊能力で悪人を拷問するといった趣の変わった漫画だったが、
少年ジャンプ2007年36・37合併号に掲載されたシックスの初登場回(120話「濁【にごる】」)にて、「シクソンの顔及び生命維持に必要な臓器以外のすべてを文字通り剥いでいき、シクソンのもつあらゆる情報・人生の記憶を吐かせた後、完璧にまねるために、彼に心の底からの笑顔をさせてそれを記憶した上で顔の皮をはいで殺す」という凄惨極まりない拷問の描写が登場。
『ベルモンド』を意識したのか単なる作者の趣味かは不明だが、『ベルモンド』のはるか上をいく凄惨な描写であった…。
ちなみに『ベルモンド』の方は人気が伸び悩み、その後打ち切られた。

  • 女性説
クローンであるXIが「出生時の性別は雌」であったことから、シックスも遺伝子的には女性なのではないかと一時期推測されていた。
こんな凶悪な髭面の女性ラスボスって…
後に、シックス出生時の回想シーンで「息子」と明記されたことで否定されている。


作者によると、「悲しい過去を一切持たない、ただ嫌われるためだけの存在として描いた」とのこと。


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最終更新:2021年04月01日 02:47