LX-00 レイファルクス

「LX-00 レイファルクス」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

LX-00 レイファルクス - (2018/11/09 (金) 18:44:16) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/06/02 (金曜日) 21:11:12
更新日:2023/07/27 Thu 11:38:19
所要時間:約 15 分で読めます




概要
LX-00 レイファルクスとは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。
当項目では派生機体も解説する。

月面プラント攻略戦の終局において確認されたFAとされるが、設定上FA…どころか単純な機動兵器として扱うべきかどうか怪しいナニカと化している。















ストーリーおよび設定についての深刻なネタバレを含むため閲覧はご注意を。












目次





LX-00 レイファルクス


CC214年1月に行われた月面プラント攻防戦における最終局面となった第三次プラント攻略作戦において突如出現したFA。
多数の月面側FAを撃破したとされるのだが…


機体の単純なスペックについてもはっきりとした描写が無く、戦闘の様子もはっきりしていない。

ちなみに命名は戦後本機を調査した技術復興連盟によるもの。




◇武装
  • TCラミネートシェル
「ベリルアーマー」とも呼ばれる、TCSオシレーターに類似の物質。LX-00の全身を覆っている。
TCSオシレーターと同様の防御機能を持つが、通常と異なりそれ自体が装甲化しているらしい。
だがこのユニットが持つ最も特殊な機能は、「TCラミネートシェルが発する干渉波によるフィールド内の全てのT結晶の活動に干渉する(少なくとも活動を抑制または停止することが可能)」というもの。
あらゆるものがUEユニット(=T結晶)で稼働しているクラウド・センチュリーにおいては兵器を含むほぼ全ての機器に干渉できると言ってよい能力であり、本機の出現当時敵味方を問わず周囲の全FAが制御不能に陥り、戦闘らしい戦闘をしたという描写がない。
発生原理は不明で、後の調査で建造されたレプリカでもこの機能を再現することはできていないが、それでも高水準のTCSとして機能している。
また戦後のプラント調査でT結晶の隠された性質が判明した事で、その存在価値が大きく跳ね上がる事になった。

  • マルチプルシフター
背部に接続された翼状の推進器兼武装懸架装置。
通常のハードポイントと異なりTCSを用いて武装類を固定するため、理論上対象の形状を問わず積載可能という万能性を持つ。

  • アーセナルアームズ
防衛機構が開発した最新鋭のベリルウェポンで、非常に多数のユニットからなる複合武装。
ルフスの鹵獲によりTCS系のデッドコピーに成功し、バルチャーの接収で精度を上げたその技術が惜しみなく注ぎ込まれている。
バルチャー接収の数週間後には基礎部分完成という驚異的なスピードで開発され、翌年には制式装備となった。
それ自体が自律型のOSを内蔵しており、装備した機体をアーセナルアームズ側が判別して動作を補助し、内蔵された推進器で自力での姿勢制御も可能という「生きた武器」とでも呼べる代物。

これが具体的に何を意味するかという点については、
  1. FAが予め想定した以外の武装を使う場合はFCSに武器をインストールするための時間を必要とする*4が、この武器の場合はそれすら必要なく、極端な話戦場で咄嗟に投げ渡された機体でも即座に使える
  2. ストーリー中では出撃時に装備しているためFCSインストールは必要と見られるが、ただ装備するだけで単純な火力の増強のみならず運動性能や機動性能までをも強化することができる
等々、ユーザーサイドでも複数の解釈がある。

各ユニットを組み合わせ、あるいは戦闘中に組み替えることで幅広い戦況に対応し、単純な性能でも極めて高いレベルにあるとされる。反面その高い性能に加えて希少なベリルユニットを多用した故にコストが高く、生産数は極めて少ないとのこと。

RF-Ex10/S ワイバーンが初陣で使用した「フォトンランチャー」をはじめ、そこから中央ユニットを排除し二分割した「ベオイーター」等々、多彩な運用形態を持つ。
特筆するべきはベリルユニットを集約した近接武器形態であろう。なんとNSG-Z0/Kのベルングルストをも超える威力とリーチを有する「フォートスラッシャー」、そこからリーチを犠牲に更に破壊力を向上させた「フォートデトネイター」というビックリドッキリメカを実装しているのである。
お前ら一体何と戦っているんだ…といえばあのインチキスーパーロボットこと崩天なのだが、前述のとおり基礎設計は早期に終了しているため対策として盛り込まれた機能ではない様子。先見の明があるといえばそうなのだが、そこはかとなく設計者の浪漫を感じずにはいられない。
一方で希少なはずのベリルユニットを投擲するというキワモノ過ぎる形態までも設計されている。地球の良心であるはずの防衛機構技術陣も長期戦にくたびれているのか相当にキていたようだ…


LX-00 レイファルクスがマルチプルシフターに装備した際にはこれ自体もTCラミネートシェルとして働いた上、干渉波の有効範囲を大幅に拡大する役割をも果たしたとされるが、当該機体が装備していたアーセナルアームズが本体(ナイトエッジ)と共に変質していたのか否かは不明。




◇キット
定価6,800円。レイファルクス本体に加えアーセナルアームズやフライングベースR、そして拡張ベースが同梱されているのもあってやや高価なキットとなっている。デザイナーはZ0シリーズも手掛けたToMo氏。
アーセナルアームズは「エクステンドアームズ06〈アーセナルアームズ〉」(定価2,800円)として単体販売もされている。
箱が非常にでかいので店頭購入の場合は持ち帰るのに苦労すること請け合い。また新規金型のフレームアームズの中で初めて、従来の窓付きの物ではなく一枚絵のパッケージアートが採用されている*5。そちらのイラストもやはりToMo氏が担当。
成型色は白+ゴールド+クリアパープル。アイセンサーはクリアグリーン。ハンドパーツはバーゼラルド系列以来となる専用造形である。
色分けは良好で、腰関節を除けば可動域も広い。デザイン上、部品が細かく鋭いものが多いため紛失や破損には注意が必要。特にバイザーの細さはギャグの域。
またマルチプルシフターの可動軸の一部はデザインと強度を両立する為、金属製の軸が用いられている。
クリアパーツはABS樹脂で比較的丈夫だが、一部の溶剤に弱いので塗装には気を遣う必要がある。

コトブキヤショップ限定の初回特典で無色透明のクリアパーツランナーが添付されていた。
ただしレイファルクス本体部のみが対象であり、アーセナルアームズ部分は対象外。
アーセナルアームズの無色クリアパーツは単体販売のエクステンドアームズ06に同梱されている。

単体の商品としてシリーズ最多の初回出荷数を記録したとのことだが、それですら各店舗の在庫はほぼ瞬殺状態だった。初回から再販までのスパンは4ヶ月であり、フレームアームズの中では異例の速さである。




LX-R01J ヤクトファルクス


戦後発足した技術復興連盟(G.A.F)が建造したLX-00のレプリカ機。
TCラミネートシェル(ベリルアーマー)の研究課程で生み出されたが肝心のベリルアーマーの生成には失敗しており、機体そのものは「LX-00の劣化コピー」に過ぎない。

しかしながらベリルアーマーを除く部分については建造当時としても極めて高水準のものであり*6、後に反G.A.F組織「R.V.L.T」討伐の際にはその旗頭として武装し、駆り出されることとなった。「ヤクトファルクス」という名称も、この段階で命名されている。

R.V.L.Tが組織された背景には、世間に事の詳細を伏せたまま本機を建造し始めたG.A.Fに対する不信感があり、そもそもの火種となった本機がその鎮圧に当たるという皮肉な構図となっている。

「影虎」のキット取説によれば最低でも8機が建造されたらしく、その8機はG.A.Fの制御を離れ各地を彷徨っているとのこと。
このうち1機は影虎の手で破壊されたことが判明している。



◇武装
  • TCSオシレーターⅢ型
LX-00のTCラミネートシェルと同形状のベリルユニット。
TCSバリアを形成する機能はあるものの、T結晶に干渉する機能は持っていない。名称が異なるのもそのため。
バリアの強度はZ0シリーズにやや劣る程度とされ、改めてZ0系の完成度が分かる。

  • マルチプルシフター ×2
TCラミネートシェルと異なり、こちらは再現に成功している。
ただし後に実戦投入された際には機体バランスを重視し武装は肩と腰に懸架されることになったため、可動式の推進器としてのみ機能している。

  • BS-R/L40 ×2
射撃型のベリルウェポン。アーセナルアームズの製作時に検討されていたものをベースに実用化された。
RF-Ex10/S ワイバーンの技術を転用した偏向装置が組み込まれており、展開することで推進器(セイルスラスター)にもなるため、不使用時でもデッドウェイトにはならない。
また後述の14式戦術駆逐刀との組み合わせ時にはハサミ状の武器にもなり、その意味で複合型とも言える。

  • 14式戦術駆逐刀 ×2
大振りの近接型ベリルウェポン。名称からNSG-Z0/Kの「ベルングルスト」を髣髴とさせる。
ただしベルングルストとは異なり、反りの内側にベリルユニットの刃がついた鎌状の武器となっている。
これもアーセナルアームズの段階で検討されたものの一つで、その名残か二振りを連結した双刃型や先述のBS-R/L40と組み合わせた形態など多彩な運用形態を持つ。

  • シザー・ランチャー
厳密には別個の武装ではなく、BS-R/L40に14式戦術駆逐刀を二振り組み合わせた形態。
ハサミ型の破砕機とされるが、名称から見て射撃もできる可能性がある。
BS-R/L40の偏向装置を外しているため、戦闘中に組み替えられるかは疑問が残るところ。


◇キット
定価5,600円。追加武器のデザインは本体に引き続きToMo氏。レイファルクスに付属したフライングベースRは本キットには付属しない。
成型色は装甲が紺、ベリルユニットがクリアブルー。アイセンサーはクリアピンク。武器のクリアパーツはクリアオレンジ。
武器のクリアパーツについては無色透明のものも付属しており、レイファルクスの特典パーツと合わせれば全身を揃えられる。
本体はレイファルクスと同じだが、追加で武器を斜めに持てるハンドパーツがついている。ただし武器がどれも大きいので関節が負けがち。
注意点として、本体のクリアパーツはABS樹脂だが、武器のクリアパーツはPS樹脂と素材が異なるので塗装時には留意のこと。
非常に薄く細い上にクリアパーツなため開封時点で破損していたという報告が少なからずあったバイザーパーツの周辺ランナーには仕切りが追加され、破損のリスクが下がった。後に再販されたレイファルクスも同様の構造になっている。

コトブキヤ店舗での購入特典は追加武装基部一式。前述の通り武装のクリアパーツは無色の物が付属しているので、あわせて4本/4挺用意する事が出来る。




余談
  • フレームアームズの設定(キット取説等に書かれているもの)は基本的に「後世の資料」の体裁をとっているが、それですら最終的に「詳細不明」となっておりオリジナル・レイファルクス誕生の詳細は後世に至っても謎のままということになる。

  • 発売前の情報でレイファルクスは「月で製造された機体が何らかの経緯で地球に奪取され運用されていると思われる」とされていた。しかし月製(と思われる)にもかかわらず型番が月製機体のそれ*7でない事、命名規則が地球製の空戦機のものである事、専用武器と思われるアーセナルアームズが地球製の兵装である事から、真っ当な月製機体であることを疑う声もあった。
    また、実は手甲のデザインがバーゼラルドと同一だったりする*8。それ以外にも、全身の意匠がそれとなくバーゼラルドと似通っているため、デザインが公開された時点で「両機は何かしら関連性があるのではないか」と推測するユーザーも少なからず存在した。実際は真っ当だの関連性があるだのを遥か彼方までブッ飛ばす機体設定だったわけだが

  • スティレットからの命名規則と同じく、当機系列の「ファルクス」もまた刀剣に由来している。古代ローマ時代に使用された両手剣で、鎌のように湾曲した刀身は手足を切り落とすのに適していたとされる。


追記・修正、お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/