NSG-Z0シリーズ(フレームアームズ)

登録日:2016/12/31 Sat 17:05:55
更新日:2019/03/03 Sun 22:17:24
所要時間:約 14 分で読めます




概要

NSG-Z0シリーズは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のラインナップの一部。

鎧武者や中世の騎士のような外観が特徴的な月側(敵側)のFA群。
各々何らかの目的に特化した性能を持つが型番から分かる通りバリエーション機であり、本質的には汎用型FAと呼ぶべきものとなる。


目次





NSG-Z0/D マガツキ


月側の拠点防衛用FAで、月面プラント奪還作戦において確認された"鬼神"。
敏捷性と防御力を高めた機体で、敵の攻撃を受け止め、粘り、時間を稼ぐことに特化している。

フレズヴェルクに引き続きTCS展開能力を持ちながら欠点であったエネルギー消費の問題を解消しており、武装もシンプルなものを揃えたことで長大な稼働時間を実現。
またTCSを抜きにしても全身に重装甲を纏った非常にタフなFAであり、撃破は困難を極める。
さらに肩に設置された噴射角を自在に変更できるメインブースターにより重装甲にもかかわらず極めて高い運動性を発揮し、特に近接戦闘を得意とする。

一方で突進力に欠け射撃武器も持たないことから遠方の敵に対しては打つ手がないが、これは拠点防衛用であることと後述のドゥルガーⅠとの連携が前提であることを考えれば然したる欠点とはなり得ない。

またZ0系の明確な弱点として上腕部フレームがむき出しとなっていることが挙げられるが、かなり小さな部位であるため戦闘中に狙うのは難しいかもしれない。

月面プラント奪還作戦では月面に投下された防衛機構FA部隊の出鼻を挫き、プラント突入を断念させた。

手持ち武器の形状に加えて、頭部の「前立」や「面」のような装飾など明らかに鎧武者をイメージした外観を与えられており、月面で初めて発見した部隊には動揺が走ったとされている。


◇武装
  • TCSオシレーターⅡ型 ×14
全身に配された改良型TCSオシレーター。
フレズヴェルクのものと異なりそれ自体に動力源となるUEユニットが鋳込まれており、機体の稼働時間に影響することなく積極的にTCSを展開することが可能となった。
ただしTCSに干渉するタイプの攻撃(光波や干渉弾)は防げず、TCS展開中は内部からの攻撃もできなくなるという欠点はそのままとなっている。
NSG-Z0系のものはTCSの強度そのものも向上しているらしく*1防衛機構側のFAが用いる通常兵器をほぼ全て無効にしてしまう。
そのうえ干渉兵器対策として物理装甲も充実しており、光波射出機などでも容易には破壊できない。


  • 戦術迫撃刀「テンカイ」 ×2
長大な片刃剣。反りがあり、防衛機構のスラッシュエッジよりも日本刀っぽい。
特別な機能は無いらしく、Xシリーズのベリルウェポンと比べても突出した性能を持たないとされる。
しかしその質量とリーチは近接武器として侮れるものではなく、攻撃に際してのエネルギー消費が少ないことも防御型のマガツキには都合がよいものと思われる。

  • 戦術要撃刀「サツガ」 ×2
小振りの片刃剣。取り回しが良い以外に特筆すべきことはない。
テンカイ、サツガともに背部にある4基の鞘に収納できるため、柔軟な運用が可能である。


◇キット
定価は初回限定仕様/4,700円、:RE版/4,500円。デザイナーはToMo氏。
初回限定版のキャッチコピーは「鬼神降臨。」(コトブキヤ公式サイト商品紹介ページより)
多少干渉する場所はあるものの、可動性は良好。
まず基体を作ってからさらに増加装甲などを組み付けていくためパーツ数は多めで、組み立てには手間がかかる。
赤紫と銀で成型され、クリアパーツは青色。
色分けは概ね良好だが、顔の黒や前立ての青、装甲各部の銀の縁取りなど足りない部分が結構ある。
特にクリアパーツの下は基本的に赤紫のため、そのまま組むと光り方が物足りないため塗装が推奨される。
モールドはクリアパーツ側にあるため、クリアパーツを裏側からシルバーで塗装する、またはアルミホイルや銀紙を挟むなどの方法がある。
塗装に配慮してか「テンカイ」と「サツガ」は柄と刃が分割されているが、サツガのほうは差し込み部が浅めのため接着したほうがいいかもしれない。

初回限定仕様として青いクリアパーツ部と近接武器刀身の無色のクリアパーツが付属、自分色に染め上げることが出来る。ただし現在では:REとして再販されており、初回仕様の入手はやや困難である。
それとは別にコトブキヤ店舗での購入特典として、テンカイとサツガの刀身にメッキ加工が施されたメッキブレードセットが配布された。




NSG-Z0/E ドゥルガーⅠ


マガツキと同時に出現したもうひとつの新型。ドゥルガーⅠの「Ⅰ」は「アイン」と読む。
鎧武者に例えられたマガツキに対し、こちらは甲冑騎士のような姿をした"護神"。

防御に特化したD型と比較して、E型は機動力を高め積極的に攻撃を加える役割に特化している。
推進器を背部にマウントし、推力を一方向に指向することで強力な加速力を得た。

機動力を高めたとは言うものの、D型と同数のTCSオシレータと増加装甲を備えた重装甲のFAである。
ブースター配置の関係で小回りが利かず武器も格闘戦用のもののみだが、圧倒的な加速力によって瞬時に間合いを詰めることができ、おまけに機体重量と速度をTCSに包んだ突進を止めることは不可能に近い。

戦法そのものは槍を構えて突撃あるのみというシンプルさだが、殊に集団戦になるとD型との連携も相俟って途端に厄介なものとなる。その戦いぶりは「生きた砲弾」と表現され、マガツキを相手に攻めあぐねた防衛機構部隊をさんざんに打ち破った。

それでもD型、E型ともにあまりに極端な武装であり、敵の進攻を止め各個撃破する防衛・迎撃戦闘には適するものの攻撃任務に用いるには決め手に欠けるものとなっている。


◇武装
  • 戦術駆逐槍「ヘイルラング」
突撃槍の形状をした近接武器。D型の「テンカイ」や「サツガ」と異なりTCSオシレータを搭載しており、見た目より間合いが広く威力も高い。
状況に応じて先端と柄の部分に分離でき、分離状態では柄の部分が戦鎚状の武器になりリーチを犠牲にして威力を増大させることができる。


◇キット
定価は初回限定仕様/4,300円、:RE版/4,200円。デザイナーはマガツキと同じくToMo氏。
初回限定版のキャッチコピーは「護神招来。」(コトブキヤ公式サイト商品紹介ページより)
基本的にマガツキと同じだが、頭部やつま先をはじめ細部の形状が異なる。
干渉する部分が少なくなったため若干可動域が広がっている。
成型色は青紫と金、クリアレッド。色分けもほぼそのまま。
ヘイルラングは差し替えで分離できるが、持ち手は普通のものしかないため槍を前に構えるのが難しい。
マガツキと同じく初回限定仕様には無色クリアパーツが付属していた。こちらもやはり現在では見かけることは少ない。




NSG-Z0/G マガツキ・崩天


マガツキをベースにした攻撃特化仕様。
マガツキおよびドゥルガーⅠで顕著だった攻撃力の不足を補うため高威力・長射程の射撃武器を複数搭載し、重攻撃機へ変貌。
さらに重量増への対策として推進器も増設されており機動性も高く、防衛機構側の最大火力を受け止めて尚も健在という硬さも備える攻防の隙の無さで、月面攻略の最重要攻略対象に指定された。

何より驚愕すべきはTCSオシレーターや増加装甲の数から察するにD型も同等の防御力を持っている可能性が高いということ。

YSX-24〈3/7〉などの精鋭を投入した第二次プラント突入作戦時に初めて確認され、ミサイルてんこ盛り+ブラストシールド搭載のカトラスで出撃したトルースとも交戦したが、圧倒的な戦闘力で退けている。

不幸中の幸いと言うべきか、G型はZ0系の中でもハイエンド機の部類であるらしく確認された限りではその配備数は極めて少ないと見られている(確定ではないが…)。


◇武装
  • 連装式ベリルショット・ランチャー「キョウテン」
G型の主兵装。多対一での戦闘を想定したものと見られており、長射程・高威力の砲撃を繰り出せる。砲身を展開することで拡散モードになり、広範囲攻撃にも使用可能。
大型のため取り回しが悪く、収納もできないという欠点がある。

  • ベリルショットカノン「オオトリ」
キョウテンに比べて小型のベリルウェポン。取り回しに難のあるキョウテンの補助として装備されていると推測される…
が、解説には「ベリルショット・ライフルの強化タイプ。サイズアップとともに出力が強化されており、射程と威力が向上している。」とある。
少なくともルフスの時点でかなりの高火力兵器として描かれていたベリルショット・ライフルの強化版を「副砲」扱いしている時点で本機の火力が桁違いであることが読み取れる。
背部のマウントに収納できることから、これを装備した他の派生型が存在すると考えられている。

  • 戦術迫撃刀「テンカイ」/戦術要撃刀「サツガ」
砲撃機へと運用形態を変えたG型においても搭載が確認されたが、その性質故使われることは稀だった模様。


◇キット
定価5,600円。宮沢模型の流通限定モデル。
成型色が赤紫から明るい赤になり、各部のブースターに加えてキョウテンとオオトリが追加されている。
全体的な印象としては鎧武者が陣羽織を纏って将軍になった感じ。武器のサイズもあってボリュームがありラスボス感すら漂わせている。
基体状態の肩パーツが変わっており、着膨れした分もあって若干可動域が狭まった。
成型色はバーゼラルドやウィルバーナインを超える8色。本体のほうの色分けは元と変わらず、追加パーツはブースターや肩パーツの縁取りなど足りない部分はやはり多め。
オオトリは背中にマウントでき、マウント用パーツも左右分ある。先端にサツガの刃を銃剣のように固定できるが、抜けやすいとの報告有り。

ゼルフィカール/NEと同様宮沢模型限定品なので、再販の望みは薄いと考えられている。




NSG-Z0/K ドゥルガーⅡ


E型をベースにしたと見られる攻撃型派生。ドゥルガーⅠと同じく、「Ⅱ」は「ツヴァイ」と読む。
ジャミング能力を追加し、長大な大剣と盾型ユニットに持ち替えた対艦攻撃仕様。
単独もしくは少数による強襲からの拠点破壊に特化し、ジャミングと装甲に任せて敵防衛網をすり抜け敵の母艦を直接攻撃するという運用を行う。運用思想としてはF90Aタイプが近いか。

武器・防具・補助装備を盛ったためかドゥルガーⅠに比べて速度・運動性が低下しており、相変わらず射撃装備の類は持たないためFAなどの小型目標の相手は苦手とする。またその運用形態故、TCSオシレーターによるバリア展開はほとんど行わない(行えない)。

なら簡単に迎撃できるかというとそうではなく、TCSを張らずともほとんどの攻撃はジャミングで回避し、当たってもインテグレートライフルがカス当たりした程度では有効打にもならない重装甲。
落ちているはずの機動性も(防衛機構FAの中では高機動な部類の)カトラスですら振り切れないレベルを維持し、突き抜けた攻撃力は艦艇をも一撃轟沈させる域に達している。

月面プラントから撤退した防衛機構艦隊の追撃に現れた一機が確認されている。
単機で難なく防衛線を突破し艦艇一隻を撃沈した後、トルース・ロックヘッドの存在を見止めると防御も回避も投げ出して執拗に狙いはじめる。
その後トルースの駆るカトラスと組み合った際の僅かな隙を突き、 機体を乗り捨て二機諸共に味方の砲撃で吹き飛ばす捨て身の策でカトラスともども宇宙の藻屑と消えた。

そしてもちろん本機がこの一機しかいないという保証はどこにもなく…


◇武装
  • エイミングジャマー
頭部のトサカ状のECM装置。使用時はトサカが上を向く。
攻撃が主任務である故にTCSを展開しにくいドゥルガーⅡの防御面をカバーする装備。
持続時間は短く、あくまで接近するまでの時間稼ぎのための措置と考えられている。

  • 戦術駆逐刀「ベルングルスト」
柄まで含めるとドゥルガーの身の丈を超える全長となる、巨大なベリルユニットで構成された対艦兵器。両刃の大剣状の武器で、ドゥルガーⅠのヘイルラングと同じく突進するようにして用いる。例に漏れず本体側のTCSオシレーターとの同時使用は不可能だが、TCS展開時の巨大な刀身はある程度の防御効果をももたらしている。
ベリルウェポンとしても段違いの出力を誇り、試作形光波射出機の光波を一方的に掻き消す*2ほどの圧倒的な攻撃力を持つ。
それも当然と言うべきか、下記の「ハジット」の基部に「リハルー」を二本合体させた形態であり、分割状態でも大柄なベリルウェポンのTCSオシレータ3基分を集約し高出力を実現している。
巨大さに比例して取り回しが悪く対FA戦には向いていないが、もちろん当たればただでは済まない。艦船すら一瞬で轟沈させるあたり、ベリルスマッシャーで両断できない輝鎚すら危ういのではなかろうか…
ドゥルガーⅡはこれを片手で振るう。

  • 戦術要撃刀「リハルー」 ×2
片刃の大剣。「ベルングルスト」の刃を分割した形態であり、ベルングルスト装備状態から即時分離して使うこともできる。
合体状態に比べて取り回しが良くなるが、それでもまだ巨大である。

  • 戦術迫撃刀「ハジット」
「ベルングルスト」のベリルユニットを小型化した両刃の大剣。小型化されたといってもFAの携行兵器の中では大型の部類。
ベルングルストと選択式。

  • 攻性防盾システム「ヘルライネ」
ゼルフィカール/NEの攻性防盾システムを模倣したとみられる格闘戦装備。
クワガタ状のクローで敵を掴む。盾であるためかTCSオシレーターⅡ型も搭載している。
オリジナルと異なり盾としても使えるほか、クローの威力も向上しているがその分重量が増している。
ただし盾で攻撃を防いでいる描写はなく、防御用の装備なのか、攻撃兵器として採用したのかは不明。


◇キット
定価5,400円。
成型色が銀+グレーにクリアイエローになっており、ベルングルスト、リハルー、ハジットは刀身がクリアレッド成型。他にエイミングジャマーやヘルライネなどが追加された。細かい追加パーツとして手持ち武器を斜めに持てるハンドパーツが追加されており、剣や槍を構えやすくなったのはうれしい改良点。
もちろんドゥルガーⅠのパーツは全部入っているので、ヘイルラングもついてくる。
武器がでかいのでどうしても干渉しやすいが、本体の可動域自体は変わらない。
色分けはドゥルガーⅠ準拠だが、全身銀色なのでクリアパーツの裏側については塗らなくてもよく光る。
難点を挙げるとすればシルバー成型部分のウェルドラインが出ることぐらい。成型色がメタリックなので仕方ない部分ではあるが、気になる場合はほぼ全塗装となる。
もちろんそれを差し引いても銀色の「まさに騎士!」といった姿と大型武器の威容が目を引く一品であることに変わりはない。

コトブキヤ直販限定での先着特典として近接武器刀身、トサカ・盾のTCSオシレータの無色クリアパーツが付属していた。商品でなく特典としてのリリースであったため、これもやはり現在入手困難である。
ドゥルガーI初回版と組み合わせれば着色クリア部を全て無色クリアに置き換えられる。

:RE版では上腕パーツと肘関節の破損に注意が必要との報告あり。




余談
  • 「ドゥルガー」とは「近づき難い者」を意味するヒンドゥー教の女神。

  • Z0系は共通の素体である「基体」と呼ばれる状態が存在する。その状態で既に高い汎用性を持つ一個のFAとなっており、この基体にユニット化した増加装甲や推進器などを用意し、組み合わせと配置を変更することで異なる特性の機体に派生させているのがZ0系の特徴である。「共通の素体に各種装備を追加して特性の異なる機体を構築する」というコンセプトはFAという兵器の特徴そのものと共通しており、Z0系はFA本来の特性に先祖帰りしているとも言える。

  • また、アーキテクトに追加ユニットを被せたFAに、さらに増加装甲などを「重ね着」させるという構造はYSX-24RD ゼルフィカールに類似したもので、月面陣営がパクった発想を模倣・発展させたものと思われる。ファンの間では、アーキテクトの基本性能がFAの性能要求に追い付かなくなってきたのではないかという意見もある。これが新骨格登場のフラグかも?という声も。

  • D型とE型については機体の完成度の高さに反して武器が非常にシンプルなものとなっているが、これについてはキットの取説にて「プラント奪還作戦時に確認されたのがD型とE型だけで、時間を経るにつれG型やK型が出現していることから防衛機構が月面プラント奪還作戦を実行に移すまでの間に武器を揃えられなかったためと推測されている」とのこと。

  • 一応だが、防衛機構のSX-25(JX-25)の総合性能なら守りに徹する限りマガツキ・崩天(G型)とも十分渡り合える、とされている(タイマンで勝てるとは言っていない)。

  • 搭乗員について、マガツキおよびドゥルガーⅠは「乗員数:不明(1名と推測)」だったがマガツキ・崩天は「乗員:なし(制御インターフェース CI-S3型 XXB)」、ドゥルガーⅡは「乗員:なし(制御インターフェース CI-S3型 XDH)」と、明確に無人機であると判明している。

  • とんでもない強さを誇るZ0シリーズだが、ただひとつ製造コストについて全く言及されていない。おそらく相応にコストがかかっていると思われるが、真に恐ろしいのはこれを量産化する月面プラントの開発・製造能力であろう。

  • 機能を絞った素体にオプション装備を盛る運用法から換装機に分類でき、これとかこれとかを思い出す人もいるかもしれない。A~Zまでありそう


追記・修正、お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/