LX-00 レイファルクス

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LX-00 レイファルクス - (2020/02/07 (金) 21:43:07) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/06/02 Fri 21:11:12
更新日:2023/07/27 Thu 11:38:19
所要時間:約 19 分で読めます




概要

LX-00 レイファルクス」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。
当項目では派生機体も解説する。

月面プラント攻略戦の終局において確認されたFAとされるが、設定上FA…どころか単純な機動兵器として扱うべきかどうか怪しいナニカと化している。















ストーリーおよび設定についての深刻なネタバレを含むため閲覧はご注意を。












目次





LX-00 レイファルクス


CC214年1月に行われた月面プラント攻防戦における最終局面となった第三次プラント攻略作戦において突如出現したFA。
多数の月面側FAを撃破したとされるのだが…


機体の単純なスペックについてもはっきりとした描写が無く、戦闘の様子もはっきりしていない。

ちなみに命名は戦後本機を調査した技術復興連盟によるもの。




◇武装
  • TCラミネートシェル
「ベリルアーマー」とも呼ばれる、TCSオシレーターに類似の物質。LX-00の全身を覆っている。
TCSオシレーターと同様の防御機能を持つが、通常と異なりそれ自体が装甲化しているらしい。
だがこのユニットが持つ最も特殊な機能は、「TCラミネートシェルが発する干渉波によるフィールド内の全てのT結晶の活動に干渉する(少なくとも活動を抑制または停止することが可能)」というもの。
あらゆるものがUEユニット(=T結晶)で稼働しているクラウド・センチュリーにおいては兵器を含むほぼ全ての機器に干渉できると言ってよい能力であり、本機の出現当時敵味方を問わず周囲の全FAが制御不能に陥り、戦闘らしい戦闘をしたという描写がない。
発生原理は不明で、後の調査で建造されたレプリカでもこの機能を再現することはできていないが、それでも高水準のTCSとして機能している。
また戦後のプラント調査でT結晶の隠された性質が判明した事で、その存在価値が大きく跳ね上がる事になった。

  • マルチプルシフター ×2
背部に接続された翼状の推進器兼武装懸架装置。
通常のハードポイントと異なりTCSを用いて武装類を固定するため、理論上対象の形状を問わず積載可能という万能性を持つ。
下記のアーセナルアームズを接続することで、レイファルクスは巨大な翼を思わせるシルエットを形成する。

  • アーセナルアームズ
防衛機構が開発した最新鋭のベリルウェポンで、非常に多数のユニットからなる複合武装。
ルフスの鹵獲によりTCS系のデッドコピーに成功し、バルチャーの接収で精度を上げたその技術が惜しみなく注ぎ込まれている。開発部はウィルバーに感謝するように
バルチャー接収の数週間後には基礎部分完成という驚異的なスピードで開発され、翌年には制式装備となった。
それ自体が自律型のOSを内蔵しており、装備した機体をアーセナルアームズ側が判別して動作を補助し、内蔵された推進器で自力での姿勢制御も可能という「生きた武器」とでも呼べる代物。

これが具体的に何を意味するかという点については、
  1. FAが予め想定した以外の武装を使う場合はFCSに武器をインストールするための時間を必要とする*4が、この武器の場合はそれすら必要なく、極端な話戦場で咄嗟に投げ渡された機体でも即座に使える
  2. ストーリー中では出撃時に装備しているためFCSインストールは必要と見られるが、ただ装備するだけで単純な火力の増強のみならず運動性能や機動性能までをも強化することができる
等々、ユーザーサイドでも複数の解釈がある。

各ユニットを組み合わせ、あるいは戦闘中に組み替えることで幅広い戦況に対応し、単純な性能でも極めて高いレベルにあるとされる。反面その高い性能に加えて希少なベリルユニットを多用した故にコストが高く、生産数は極めて少ないとのこと。

RF-Ex10/S ワイバーンが初陣で使用した「フォトンランチャー」をはじめ、そこから中央ユニットを排除し二分割した「ベオイーター」等々、多彩な運用形態を持つ。
特筆するべきはベリルユニットを集約した近接武器形態であろう。なんとNSG-Z0/Kのベルングルストをも超える威力とリーチを有する「フォートスラッシャー」、そこからリーチを犠牲に更に破壊力を向上させた「フォートデトネイター」というビックリドッキリメカを実装しているのである。
お前ら一体何と戦っているんだ…といえばあのインチキスーパーロボットこと崩天なのだが、前述のとおり基礎設計は早期に終了しているため対策として盛り込まれた機能ではない様子。先見の明があるといえばそうなのだが、そこはかとなく設計者の浪漫を感じずにはいられない。
一方で防衛機構では希少なはずのベリルユニットを投擲する(ブン投げる)というキワモノ過ぎる形態までも設計されている。地球の良心であるはずの防衛機構技術陣も長期戦にくたびれているのか相当にキていたようだ…


LX-00 レイファルクスがマルチプルシフターに装備した際にはこれ自体もTCラミネートシェルとして働いた上、干渉波の有効範囲を大幅に拡大する役割をも果たしたとされるが、当該機体が装備していたアーセナルアームズが本体(ナイトエッジ)と共に変質していたのか否かは不明。




◇キット
2017年5月発売。定価6800円。レイファルクス本体に加えアーセナルアームズやフライングベースR、そして拡張ベースが同梱されているのもあってやや高価なキットとなっている。デザイナーはZ0シリーズも手掛けたToMo氏。
アーセナルアームズは「エクステンドアームズ06〈アーセナルアームズ〉」(2017年5月発売。定価2800円。)として単体販売もされている。

箱が非常にでかいので店頭購入の場合は持ち帰るのに苦労すること請け合い。また新規金型のフレームアームズの中で初めて、従来の窓付きの物ではなく一枚絵のパッケージアートが採用されている*5。そちらのイラストもやはりToMo氏が担当。

成型色は白+ゴールド+クリアパープル。アイセンサーはクリアグリーン。ハンドパーツはバーゼラルド系列以来となる専用造形である。
巨大な背負い物を持つ関係でトップヘビーかつその重心が背面に寄っている為、従来のFAのように股下にベース類を挿すと安定しない事が多い。それを解消するべく、背中に三ミリ穴を増設しベースと接続するためのアタッチメントパーツが付属してくる。

色分けは良好で、腰関節を除けば可動域も広い。デザイン上、部品が細かく鋭いものが多いため紛失や破損には注意が必要。
特にバイザーの細さは半ばギャグの域で、クリア成型であることも相まって開封した時点で破損していたという報告が少なからずあったほど。
またマルチプルシフターの可動軸の一部はデザインと強度を両立する為、金属製の軸が用いられている。
クリアパーツはABS樹脂で比較的丈夫だが、一部の溶剤に弱いので塗装には気を遣う必要がある。

コトブキヤショップ限定の初回特典で無色透明のクリアパーツランナーが添付されていた。
ただしレイファルクス本体部のみが対象であり、アーセナルアームズ部分は対象外。
アーセナルアームズの無色クリアパーツは単体販売のエクステンドアームズ06に同梱されている。

単体の商品としてシリーズ最多の初回出荷数を記録したとのことだが、それですら各店舗の在庫はほぼ瞬殺状態だった。初回から再販までのスパンは4ヶ月であり、フレームアームズの中では異例の速さである。




LX-R01J ヤクトファルクス


地球と月間の戦争を終息させた後ガフに接収されたLX-00 レイファルクスは、TCラミネートシェル(ベリルアーマー)が有する特性の解明及び再現の為に研究される事となるが、その過程で何体かのレプリカ機が建造された。
ただしLX-00の項で説明した通り完全再現には至っておらず、いずれも形状を模倣したのみ。結局のところこれらの機体群は「見た目が同じなだけのLX-00の劣化コピー」に過ぎない。

しかしながら(少なくとも1号機に限れば)TCラミネートシェルを除く部分については建造当時としても極めて高水準の性能を誇るFAであり*6、後に反ガフ組織「R.V.L.T」討伐の際にはその旗頭として武装し、駆り出されることとなった。その時点で「LX-R01J ヤクトファルクス」という型番と機体名が与えられている。

リベルタが組織された背景には、世間に事の詳細を伏せたまま本機を建造し始めたガフに対する不信感があり、そもそもの火種となった本機がその鎮圧に当たるという皮肉な構図となっている。

影虎」のインストによれば最低でも8機が建造されたらしく、その8機はガフの制御を離れ各地を彷徨っているとのこと。このうち1機は影虎の手で破壊されたことが判明している。
また南米本部で目撃された1号機と、レッドファルクスへと改修された2号機がこの8機の中にカウントされているかどうかは不明。



◇武装
  • TCSオシレーターⅢ型
LX-00のTCラミネートシェルと同形状のベリルユニット。
TCSバリアを形成する機能はあるものの、T結晶に干渉する機能は持っていない。名称が異なるのもそのため。
バリアの強度はZ0シリーズにやや劣る程度とされ、改めてZ0系の完成度が分かる。

  • マルチプルシフター ×2
TCラミネートシェルと異なり、こちらは再現に成功している様子。
ただし後に実戦投入された際には機体バランスを重視し武装は肩と腰に懸架されることになったため、可動式の推進器としてのみ機能している。

  • BS-R/L40 ×2
射撃型のベリルウェポン。アーセナルアームズの製作時に検討されていたものをベースに実用化された。
RF-Ex10/S ワイバーンの技術を転用した偏向装置が組み込まれており、展開することで推進器(セイルスラスター)にもなるため、不使用時でもデッドウェイトにはならない。
また後述の14式戦術駆逐刀との組み合わせ時にはハサミ状の武器にもなり、その意味で複合型とも言える。

  • 十四式戦術駆逐刀 ×2
大振りの近接型ベリルウェポン。名称からNSG-Z0/Kの「ベルングルスト」を髣髴とさせる。連結することで威力を強化できるとされる点も同じ。
ただしベルングルストとは異なり、反りの内側にベリルユニットの刃がついた鎌状の武器となっている。
これもアーセナルアームズの段階で検討されたものの一つで、その名残か二振りを連結した双刃型や先述のBS-R/L40と組み合わせた形態など多彩な運用形態を持つ。

  • シザー・ランチャー
厳密には別個の武装ではなく、BS-R/L40に十四式戦術駆逐刀を二振り組み合わせた形態。
ハサミ型の破砕機とされるが、名称から見て射撃もできる可能性がある。
BS-R/L40の偏向装置を外しているため、戦闘中に組み替えられるかは疑問が残るところ。


◇キット
2017年11月発売。定価5600円。追加武器のデザインは本体に引き続きToMo氏。レイファルクスに付属したフライングベースRは本キットには付属しない。
成型色は装甲が紺、ベリルユニットがクリアブルー。アイセンサーはクリアピンク。武器のクリアパーツはクリアオレンジ。
武器のクリアパーツについては無色透明のものも付属しており、レイファルクスの特典パーツと合わせれば全身を揃えられる。
本体はレイファルクスと同じだが、追加で武器を斜めに持てるハンドパーツがついている。ただし武器がどれも大きいので関節が負けがち。

注意点として、本体のクリアパーツはABS樹脂だが、武器のクリアパーツはPS樹脂と素材が異なるので塗装時には留意のこと。
前述のバイザーパーツの周辺ランナーには仕切りが追加され、破損のリスクが下がっている。後に再販されたレイファルクスも同様の構造になっている。

コトブキヤ店舗での購入特典は追加武装基部一式×2。前述の通り武装のクリアパーツは無色の物が付属しているので、あわせて4本/4挺用意する事が出来る。

初版生産品はアーキテクトの肘関節部に組み間違いがあったため、希望者及びコトブキヤオンラインショップでの購入者は正しく組まれた「詫び関節」を受け取る事が出来た。自前で対応することが容易なのが救いか。ぶっちゃけよく見ないと違いに気づかないし




LX-R01HJ レッドファルクス


リベルタとの衝突が拡散・長期化したことに懸念を抱いたガフは、南米本部に配備したヤクトファルクス1号機に続く新たなレプリカ機の建造を決定した。そうやって完成した2号機を更に改修したのが本機である。

レプリカ建造の際に発生した余剰パーツを利用する事で機体の構築自体は可能だったが、高純度のベリルユニットは既に1号機を建造した際に尽きていた為、本機におけるTCSオシレーターⅢ型の出力は大幅に低いものとなってしまった。
それをカバーするべく四肢と頭部、胸部には、TCSを収束させて斬撃兵装として用いる”EFトランスミッター”と呼ばれる兵装が新たに積載されている。
結果として本機は「ヤクトファルクスの攻撃特化機」とでもいうべきピーキーな仕上がりとなったが、その攻撃的なシルエット故、一般には「ヤクトファルクスの強化改修機」と認識されている様子である。

作中においてはトルース・ロックヘッドの記憶情報及び戦闘技能をインストールされた自律型インターフェースが操作してジャン・B・ウィルバーと接触、リベルタに「一生命体として」亡命することを要求した。
この自立AIはヤクトファルクス1号機、欧州でリベルタに鹵獲されたバルチャー、そしてレッドファルクスと搭載機を転々としており、いずれもウィルバーと接触している。それゆえ機械でありながらウィルバーに対し何かしら親しみを覚えたと思しき描写がある。
またいつトルースのデータが移植されたかは不明だが、少なくともヤクトファルクス搭載時は未実装だった可能性が高い*7



◇武装
  • TCSオシレーターⅢ型
TCラミネートシェルと同型のTCS発生装置。本機に搭載された物は1号機よりもさらに出力が劣っている。
それでも短時間ならJX-25E数機による集中砲火を耐え凌げるだけの防御力はある模様。

  • マルチプルシフター ×2
通常ヤクトファルクスでは機体バランスを重視して可動式の推進器としてのみ用いられたが、防御面で不安のある2号機においては、状況に応じて補助兵装を追加する事があった様子。

  • EFトランスミッター(シフターエッジ)α/β
レッドファルクスの各部位に搭載されたTCS増幅器。専用設計の固定型αと、汎用性重視の外付け型βが存在する。
指向性のある電磁フィールドによって防御のために展開したTCSの形状を変化させ斬撃攻撃手段へと転化する、「外部に出力元を持つベリルウェポン」とでも言うべき代物。TCSオシレーターの周辺機器、という点でセイルスラスターと類似の技術と思われる。
もともとは防御機能に不安のあるレッドファルクスのTCSを強化するために開発された物だったがその目的は叶わず、攻撃力の強化という別の形で花開くこととなった。
相応のセンスがある者が扱えば、最大出力の十四式戦術駆逐刀に更にこれの出力を上乗せしてリーチを拡大する、という芸当も可能となる。


◇キット
2019年3月発売。定価7800円。ホビージャパン&コトブキヤ受注販売アイテム。
ホビージャパンが作成した紅いヤクトファルクスの作例が元であり、それをコトブキヤに進言した所、開口一番に「これ限定キットにしたい」と返されたことで商品化が決定した。FAガールのエピソード群といいこの会社こんなんばっかか

成型色はその名の通り赤、白。クリアーパーツはオレンジで、アイセンサーは無色透明。
ヤクトファルクスのパーツが全て入っている為、赤いヤクトファルクスとしても組める。
シフターエッジのデザイン及び原型製作はホビージャパンで著名なモデラーセイラマスオ氏によるもの。成型色はレイファルクスと同じ少し青がかった白になっている。

特製ブックレット「フレームアームズ モデリングマスターズ レッドファルクススペシャル」が付属。
開発秘話やセイラマスオ氏による作例解説、レイファルクスの作例である「LX-00 type-M リヴェルタファルクス」「LX-00VXS ヴィクスファルクス」が掲載されている。

直接通販限定の特典は特性デザインのクリアファイル。

型番のHJはちょうど「Hobby JAPAN」の頭文字だが、これは意図したものではなく偶然なんだとか。




余談
  • フレームアームズの設定(キット取説等に書かれているもの)は基本的に「後世の資料」の体裁をとっているが、それですら最終的に「詳細不明」となっておりオリジナル・レイファルクス誕生の詳細は後世に至っても謎のままということになる。

  • 発売前の情報でレイファルクスは「月で製造された機体が何らかの経緯で地球に奪取され運用されていると思われる」とされていた。しかし月製(と思われる)にもかかわらず型番が月製機体のそれ*8でない事、命名規則が地球製の空戦機のものである事、専用武器と思われるアーセナルアームズが地球製の兵装である事から、真っ当な月製機体であることを疑う声もあった。
    また、実は手甲のデザインがバーゼラルドと同一だったりする*9。それ以外にも、全身の意匠がそれとなくバーゼラルドと似通っているため、デザインが公開された時点で「両機は何かしら関連性があるのではないか」と推測するユーザーも少なからず存在した。実際は真っ当だの関連性があるだのを遥か彼方までブッ飛ばす機体設定だったわけだが

  • スティレットからの命名規則と同じく、当機系列の「ファルクス」もまた刀剣に由来している。古代ローマ時代に使用された両手剣で、鎌のように湾曲した刀身は手足を切り落とすのに適していたとされる。


追記・修正、お願いします。

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