SCP-2207/SCP-063

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SCP-2207/SCP-063 - (2017/11/11 (土) 11:54:26) の編集履歴(バックアップ)


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更新日:2023/07/19 Wed 01:31:11
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SCP-2207およびSCP-063はシェアード・ワールドThe SCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはいずれもSafe。

SCP-2207 - Dimensional Razor(時空切断ナイフ)

SCP-2207は、見た目は一般的な使い捨てプラスチックナイフである。百均のアレを想像していただければいいだろう。
このプラスチックナイフだが、特異性を除けば本来の普通のプラスチックナイフと全く何も変わらないことがわかっている。

しかしこの刃が相対速度6m/sで振られることで、なぜか異世界へのポータルを生成してしまう。
使い捨て次元切り裂きプラスチックナイフ…すごいんだかすごくないんだかこれもうわかんねぇな、お前どう?
普通は5分間しか開かないが、24時間までなら物体を横切らせておけば開けたままにできる。
なお24時間経つと横切っててもすべての物体を切断してしまう。まあナイフやし…
またポータルは基本動かないしそれ以上勝手に拡大しないが、人が引っ張ると広げることも可能。

実験

財団はいろいろな場所にDクラス(The SCP Foundation)を派遣してみた。

10回目の実験では、Dクラスは廊下に着いた。壁には蛍光灯があり、床はタイル張り。
二重ドアがあるのでそっちに歩いて行くが、全然近づく気配がない。
しかも既に用意していた回収用のケーブルとビデオ撮影用のコードがどんどん伸びていることが確認された。
Dクラスに戻って来いと指示するも、今度はポータルに全く近づかないことを報告。
最終的にDクラスは異世界に取り残され、財団はケーブルとコードをある程度回収(流石に切断されたが)したが、
それは本来よりも異常に伸びていることが判明した。なお、伸びている以外は普通のケーブルとコードでしかないようである。
ちなみに観測者からはDクラスがその場で走ってるようにしか見えなかったようだ。

25回目の実験は未知の都市の小さな路地。Dクラスはポータルを超えるときにくらっとする。
そこいらにころがっているゴミを拾っては回収するが、度々目眩を訴える。
またその世界には住民がいて、Dクラスを見ているようだったが、財団は「まあいいや、ゴー」と実験を続行。
しかしDクラスはついに完全に目眩のせいでぼんやりしたらしく、太陽を見つめ始める。
カメラ映像では、「太陽の真ん中からなんか物体が現れて日蝕する」という不思議な光景が見られ、
そのへんの人間とものがその物体に吸われ始める。財団はしょうがないのでDクラスを必死に回収。

38回目の実験ではトウモロコシ畑に到着する…いや、厳密に言うとトウモロコシっぽい植物の畑。
Dクラスはそれを収穫しては戻って研究員に手渡すが…
研究員「あれ萎れてね?」
Dクラス「おっかしいなあ…収穫したときは萎れてなかったんだけど」
Dクラスが再び回収に向かうと、なんとポータル近くの植物が枯れている。
次第に風も強くなってきたので見つけた納屋に入ってみたら、干し草の袋詰があったので回収することに。
そこにオーバーオールと麦わら帽子を被った典型的農家のおっさんがライフルを持ってケーブルを調査し始めたので、
Dクラスを回収に掛かる。おっさんはDクラス相手に不思議な言語で叫びながら発泡するも、生還。
その後おっさんが風に吹かれて死んでしまい、急速にミイラ化する。
研究員「おっさん…拾ってかない?」
Dクラス「ええ…(困惑)」
研究員「頼むよ^〜」
Dクラス「しょうがねえなあ(諦観)」
Dクラスは彼女を撃ち殺そうとしたおっさんのミイラをしぶしぶ回収して戻ってくる。
その後Dクラスも実験終了後に死んでしまい、やっぱりミイラ化する。
しかしあくまで風の効果によるものらしく、関わった研究員は死んだりミイラ化することはなかった。

このあとも3つくらい別世界に行ったレポートがある(42、56、126回目の実験レポート)が、
途中からドローン調査に切り替わったようだ。流石にDクラスが犠牲になりすぎた。

異世界警察登場

担当者様、

複数の最近発生したユグドラシル切断イベントが、貴組織SCP財団による活動と結びついていることを███████は把握しております。これらのイベントの前、第8d57-fE2ξ-D宇宙(貴組織が存在する宇宙)は僅かな多元宇宙移動能力しか示していないため、貴組織により行われたこの行動は悪意がなく、またその影響についての完全な知識を持たないままに行われたものと考えます。

従ってこの通知は████████による合法の停止通告書であるとみなされます。貴組織が関連するユグドラシル切断イベントに寄与するこれ以上の行動は、1つ以上の以下の結果をもたらします:

第8d57-fE2ξ-D宇宙とその住民の公式問責
1つのユグドラシル切断イベントにつき最大でΦ87,000,000.00の罰金
1つのユグドラシル切断イベントにつき最低で3,000星周期の懲役
████████軍による介入
第8d57-fE2ξ-D宇宙に対する強制的なユグドラシル切断イベント
ご参考までに、ユグドラシル切断イベントが検出された日時のリストを添付いたします。必ずこのリストを参照し、この合法指示に従って下さい。

ご協力に感謝いたします。

署名、
Sigma-Xotoxin、多元宇宙事件局
112回めの実験をした日に、このようなメッセージが財団に届く。
どうやら、本当は異世界をガンガン切っては調査することはいろいろな理由でまずいようだ。ユグドラシル…ヘルヘイムの森か何か?

で、「悪気はなかったのわかってるからこれ以上はやめてね」ということらしい。
しょうがないので財団もこれ以上の実験はストップしている。

なお異常な都市のログ(25回目)では、SCP-1165(異常な市街地)に辿り着いたことが後に判明したことがわかっている*1が、
SCP-1165は「住民がいない」はずの市街地であり、なぜDクラスが行った時はいたのかは不明。
ただよくわからん黒い物体に住民が吸われていなくなったとすれば、財団が行ったときは「そのイベントにたまたま遭遇しなかった」ということだろうか。
283回も行ってて一度もイベントに遭遇しないあたり、明らかに偶然ではなく必然な気はしなくはないが。
他にもいくつかの異世界系オブジェクトと関連があるとされている。まあナイフの効果が「適当な異世界に繋いでる」だけとするならば、
既存の異世界オブジェクトに繋がるのも不自然ではないのだろう。

SCP-063 - "The World's Best TothBrush"(“世界最高の歯プラシ”)

…さて、SCP-2207の話は上で終わったのだが、その2207と関係がありそうなオブジェクトが存在している。

それがこちら、”世界最高の歯プラシ”である。

「…ん?歯ブラシじゃないの?」と思ったあなた。
実際このオブジェクトは歯ブラシのオブジェクトである。
外見は明らかにプラスチック製歯ブラシで、調査の結果も普通の歯ブラシの材質と変わらない。
が、何故か刻印は「TothBrush(歯プラシ)」となっているのである。

この歯プラシだが、なんと物をこするとその物質(無機物または死体)が消失するという不思議な性質がある。
更に使用した後の被験者はなぜか歯を磨いてないのに歯が綺麗になる。わけわかんねえよ。
発見された時、この「歯プラシ」を所有していたのはサンクトペテルブルクの金庫破りの男で、
ある日ただそれを見つけたと主張した。

明らかにSCP-2207と似たような能力なので、関係あるんじゃないのかと財団は推察している。

ちなみにこの「歯プラシ」だが、SCP-447(緑のスライム)の実験では研究員がスライムを歯プラシに垂らして自分の歯を磨こうとしていたり*2
SCP-682(不死身の爬虫類)の終了実験では部分的には削れたことが判明したりしている。
つまり例のクソトカゲは、すべてが生体ではない可能性が微粒子レベルで存在している…?*3

…ここを読んで、「あれ?クロスリンクって一時期アウトじゃなかったっけ」って思った人もいるだろう。
最近こそロジェがやばいことになったりしているなどクロスリンクはガンガン行われており、空前のクロスリンクブームが到来する財団だが、
SCP-2207も元々SCP-1165とは関連はなかった。

それなのに歯プラシは…って思うかも知れないが、実は歯プラシが書かれたのは2008年。
2008年はまだクロスリンクが平気で行われる時期であり、それこそクソトカゲや緑のスライムよろしくやたらいろいろとクロステストしていた時期なのである。
だから歯プラシを歯磨きに使おうとする入れ歯野郎がいてもおかしくない(lolFoundation/たのしいざいだんと後に揶揄される時代)し、
クソトカゲに歯プラシを使うのも別におかしくはないのである。

だが、後に「Grand Crosslinking」プロジェクトが推し進められてから、SCP-2207がSCP-1165と絡められるようになり、
その結果SCP-063のクロステスト描写も受け入れられるどころか、後付でSCP-2207とまで関連性を加えられたというわけである。
でもそう考えると、かたや「使用するたびに他の異世界に影響をガンガン与えるナイフ」なわけで、歯プラシも使用するたびにやばいこと起こしてそうな気がしてならない。
そんなものを歯磨きに使おうとした馬鹿っていったい…。まあ、知らなかったんだからしょうがないんだけど。



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