SCP-251-JP

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SCP-251-JP - (2021/08/27 (金) 12:53:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/11/28 Tue 23:02:24
更新日:2024/01/01 Mon 23:01:03
所要時間:約 10 分で読めます





通話を切ったところで、いずれ来る寿命から逃れられることはない。
何故なら相手も自身も同じ「人類」である限り、その寿命から逃れることはできないのだから。


SCP-251-JPとは、SCP財団日本支部に存在するオブジェクトである。

特別収容プロトコル

SCP-251-JPのオブジェクトクラスEuclidKeterSafe Euclid。
SCP-251-JPは、サイト-81██の標準人型収容室5m四方の鋼鉄製対爆破施設低危険度収容ロッカーセクター81██の核爆弾設置施設
もとい、アイテム番号の再利用が禁止されている。
さらに251-JPの報告書のファイルに何らかの追記修正があった際には、データベース監視ソフトにより研究主任に直ちに報告される事となっている。
…なんか取り消しだらけで読みにくい?読みにくいよね?意味不明だよね?
その理由は後述。

説明

SCP-251-JPは20代と見られる日本人女性温度36Kを保つ鉄パイプ水に浮かぶアヒルのオモチャ赤い大型のカラス人間を[データ削除]にするウイルス …じゃなくて、「SCP-251-JPの報告書のファイルそのもの」だ。
え、どういうことかわからない?
実は今までの取り消しだらけの文字が謎を解く鍵となっている。

…この「SCP-251-JPの報告書のファイル」は、あろうことか異世界のSCP財団の報告書とも「共有」されている、
次元を超えた"共有ファイル"なのだ。


SCP-251-JP - 「共有ファイル」


どこかの世界において「SCP-251-JPの報告書」に追記修正がなされると、それは即座に他の世界の「SCP-251-JPの報告書」にも反映される。
この性質を逆に利用し、異世界との通信手段としても使える。

SCP-251-JPの特異性は飽くまで「財団データベースに登録された報告書」にのみ発現し、添付資料や補足のファイルなどには発現しない。
また、報告書を印刷したものやスクリーンショットなどには発現しない。
その理由は未だに謎だが。尤も、そんな謎で理不尽なことはSCPの業界じゃあ常識だけどね。

元々251-JPの「報告書」は、この世界-即ち「我々が第四の壁の向こうから覗き見している世界」のSCP財団においては、Eucildクラスの人型SCPオブジェクトに関する報告書であった。
だが、1997年の某日に、いつの間にかドキュメントが無許可で改定されていることが前原研究員により発見される。…だが(この世界の)財団の職員は誰も「は?そんなもんいじってねーぞ?」の一点張り。その上データベースへの不正侵入の形跡すら無かった。
数度に渡る"謎の改定"が繰り返された後、とある世界の財団職員が「…まさかとは思うが、SCP-251-JPの報告書って異世界につながっているんじゃないか?」と気づいた。
それ以降、各世界の財団職員の間でSCP-251-JPを"補遺の追記"という形で「異世界間の通信手段」として使うことを決定。
各世界の財団の代表者により、使用方法すらまとめられた本格的なものとなった。

SCP-251-JPにアクセス可能、つまりSCP-251-JPが"共有"されている世界は、現在までに26個が確認されている。
多くはこの世界と似通っているが、幾つかの世界は色んな意味で個性的な世界のようだ。

例えば、次元09は宗教的国家が世界の大部分を統治しており、財団はその国家の下部組織という立ち位置になっている。宗教的な国家だけあり、この世界からの追記には「不敬な」とか「冒涜的」とかのワードが出て来る。

また、次元15ではSCPオブジェクトは人類のすぐそばに存在する当たり前のものになっている。Explainedとかいうレベルじゃねえ。この世界においてはSCPとは「特別収容プロトコル」の略ではなく、「Smart Conversation Protocol/賢い会話手順」の略称とされている。
…時たま大規模収容違反による大災害が起きるが、それでも次元15では「いつものことだ」くらいにしか認識されてない。日本で言う台風みたいな扱いなのかもしれない。

あのホースメン「大災害と聞いて」
…アンタはさっさとオークニー諸島に帰れ。

異世界間交流のその結末とは…

多数の異世界の存在が確認されたこと、そして251-JPという「通信手段」の存在により、異世界間での交流が行われた結果、「複数のSCPオブジェクトの安全で恒久的な特別収容プロトコル」「オブジェクトの実験記録」「未発見のオブジェクトの場所と収容方法」「要注意団体の未確認の活動情報」「次元間の時間的な差から得られた未来の災害情報」などが得られている。
あれ、これってThaumielクラスワンチャンあるんじゃね?と言いたいところ、だったが…。

1999年7月某日。
次元03で収容違反によるXKクラスシナリオが発生(したことが251-JPへの追記で判明)。
それ以降、散発的に各世界でK-クラスシナリオが発生している模様。
各世界で短期間に連続してK-クラスが発生している原因は不明だが、一つだけ推測できることがある。

各世界はなんだかんだ言っても似たような構造をしているため、
発生するイベント…もちろん、K-クラスシナリオも含めて似たようなものになるということが。
それは、今我々が覗き見している財団世界すら例外ではないということが。

2009年8月に、反応がある世界はわずか3つまでに減少。
2011年3月には、遂に「更新」が止まった。
251-JPが異常性を失っただけなのか、或いは他の世界の財団もこの世界と同じようにいじるのを禁止しただけなのか、
もしくは他の世界の財団が壊滅したか、或いは他の世界の文明そのものが、もしくは世界そのものが…。

補遺

さて、ここからは補遺という名の「各世界からの更新の記録」だ。
全ての始まりたる1997年某日の補遺。
補遺 1997/██/██: ドキュメントが無許可に改ざんされています。改訂をした職員またはその証拠を得た職員は、サイト管理者に報告してください。-前原研究主任
これ以降、「(その世界では)251-JP研究チームに存在しない名前のメンバー」や、或いは「そもそも(その世界に)存在しない文字が名前に使われている研究員」の名が飛び交うなど、不可解な書き込みが続く。

補遺 1998/██/██: このドキュメントが指すオブジェクトは結局何なのか? 結論をはっきりさせてドキュメントを改訂しておくように。-O5-█
追記:私はこのような補遺の追記をしていない。アカウントの不正アクセスを調査すること。-O5-█
追記:私はこのような補遺の追記の追記をしていない。アカウントの不正アクセスを調査すること。-O5-█
追記:崇高なる代行者より賜りし御名を騙る不心得者を早急に発見し断罪すること。-O5-█
それどころかO5職員まで巻き込まれたようだ。

そして、ようやくとある世界の研究員がSCP-251-JPの実体に薄々気づく…。
補遺 1998/██/██: 改訂履歴に異常がないということは、つまり正常な手順を踏んだ改訂ではないのでしょうか。突飛ではありますが、例えば平行宇宙の財団職員による改訂が原因として挙げられます。それならば、存在しない職員や、存在しない文字を名前に含む職員の記載も説明がつきます。-横山研究員

これ以降、各世界の財団の代表者により特別収容プロトコル、もとい「特別"通信"プロトコル」が制定され、251-JPという「報告書のデータ」を使い異世界間の交流が始まった、のだが…。

補遺 1999/7/██: このドキュメントが他の次元の財団に通じていることが真実ならば、誰か助けてくれ。現在こちらの次元では、SCP-081-JPの収容違反が発生している。このままでは世界終焉シナリオが発生してしまう。再収容手順の案を乞う。(追記:今まで黙って見ているだけで悪かった。我々の次元の管理者は、このような異常オブジェクトへのアクセスを許さないのだ。おそらくこの改訂をしたことにより、俺は軍法会議にかけられるだろう。世界が存続すればの話だが。)- 田山研究助手
ある世界で(その世界における)SCP-081-JPの収容違反によるK-クラスシナリオの危機が発生。

補遺 1999/7/██: こちらの次元のSCP-081-JPはSafeクラスである。オブジェクトの詳細を述べよ。-茂木博士
我々が覗き見している世界に置ける081-JPなど、常に-2度を保つ謎の水着(通称「永久ひんやり水着」)であり、K-クラスどころか冷蔵庫の冷却装置としても使われている(扱いさえ間違えなければ)そこそこ安全な代物なのだが…。

補遺 2002/██/██: 世界終焉シナリオとか言ってた田山ってやつは、その後出てきてないのか? ちょっと詳細を聞きたかったんだが。こちらの次元でも少しまずい事態になりかけている。自己増殖するウニについて、再収容の情報求む。- エージェント三村
こちらの世界に於けるあのファッキンケーキ相当の存在は、どうやらウニのようだ。

補遺 2003/██/██: ウニが世界に溢れている。助けてくれ。- エージェント三村

補遺 2003/██/██: 俺は存在した。この世界に文明は残らないだろうが、他の世界に、俺が生きた証拠を残しておきたい。このログを消さないでくれ。- 三村太一

補遺 2007/12/25: 神聖なる第三帝国へ、ついに天使が降臨した。諸君らの世界にも間もなく訪れるであろう。我らは一足先に、ぱらいぞへ参る。汝光なり。- 第7指輪の継承者 アマラ司教

補遺 2009/8/██: 「古の者」の個体数の増加と対話の失敗により、この惑星の支配種族は人間から 「古の者」へ再シフトしました。彼らがいつまで我々を「友人」と扱ってくれるかはわかりませんが、彼らは「許す」と言ってくれています。我々はその言葉を信じるしかありません。財団は解体が予定されており、この通信もこれが最後になるでしょう。みなさん、どうかお元気で。 - 沢辺管理官
こちらの世界では恐らくあのビッグフットに似たような存在による、支配シフトシナリオが起こっているようだ。

補遺 2011/3/██: SCP-███収容違反発生、文明は末期的状況。このドキュメントと、各次元で連続発生している世界終焉シナリオの関連性は不明。おそらく、直接の関係はない。このドキュメントは、単なる通信装置、交換日記、警報機でしかないのだ。原因は根本的な、宇宙規模で根本的なところにある。このドキュメントを眺めている暇があったら、手遅れにならないうちにすべてのSCP-███を殺害し、全地上から日光を遮断せよ。この世界はもうだめだ。おそらくこの通信が最[データ破損]



[警告:ドキュメントが更新されました]
[最終更新日:2024-05-06 (Mon)(1 second前)]

補遺: 助けてください。世界が終わってしまう。ついにこの世界も、他の次元と同じ運命から逃れることができませんでした。我々も他のいくつかの次元と同様に、このドキュメントを放棄することで次元の連続崩壊を食い止めることができるという仮説を立てていました。しかし、ああ、やはりこのドキュメントは、ただのドキュメントだった。財団は「再起動」を行い文明を存続させるでしょうが、私は私という存在を失ってしまう。誰でもいい、これを見てくれた人、あなただけが頼りです。返信をください。そして私がこの世界に存在したことを忘れないでください。
通信可能な最後の「異世界」にも、遂にK-クラスシナリオの魔の手が伸びたようだ。
これに対し、この世界の財団はあの不調続きの最終兵器と似たようなブツを使い、世界を"再起動"させることで対処するかも、とのことだが…。

世界のからくりが似通っている以上、「動作」も「起こりうる不具合」も、そして「壊れ方」や「寿命」も似通ったものとなる。それは機構としてごく当たり前のことなのかもしれない。
単なる「通信回線」を切ったところで、それが機構故の何かを食い止めるなんの"延命策"になるのか。
終末は回線を伝ってやってくるものではない。何故ならそれは、世界という巨大な「からくり」そのものの寿命、自らが原因となり起こりうるものなのだ。

最後に、ディスカッションに書き込まれた台詞を元にした、この一文で締めくくろう。

財団世界は、昨日も今日も明日も破滅はすぐそこだ。


追記・修正は異世界からも大歓迎です。
↑あれ?誰だこんなことを書き込んだ奴は?


SCP-251-JP - 共有ファイル
by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-251-jp
この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

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