もしもボックス

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もしもボックス - (2018/05/17 (木) 15:00:22) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/04/08 Sun 10:17:28
更新日:2024/04/02 Tue 05:41:53
所要時間:約 4 分で読めます




もしもボックスとは、『ドラえもん』に搭乗するひみつ道具の一つ。
「タケコプター」「どこでもドア」「タイムマシン」の御三家に次ぐぐらいの登場頻度を誇り、知名度は最も高い部類になる。
「ドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら?」というよくある質問にもスペアポケットの次ぐらいによく名前が上がる。

と、同時に非常に誤解されやすいひみつ道具の筆頭ともいえる。

●目次

概要

電話ボックスの形をしたひみつ道具。
昨今は電話ボックスも絶滅しかけているが、このひみつ道具は一貫してレトロな旧式電話ボックスの形を貫いている。

ドラえもん曰く、「一種の実験装置」。

細かなマイナーチェンジが繰り返されているが、現在の公式デザインは「赤いボディにベージュの内装、緑の電話機で頂部は半円形、時計型の飾りが付いている」である模様。
ドラミが持っているものは花柄になっている。

その使い方はいたってシンプル。
中に入って「もしも○○だったなら」と言うだけ。
ジリリリとベルが鳴ると同時に、その○○の願いが実現する万能願望充足型ひみつ道具である。
元に戻す際はその旨をボックスに伝えればいい。
願いを叶えるに当たって特にこれと言ってリスクやコストもかからない、「最強の」ひみつ道具であると言えるだろう。














……というのは、である。

本当は、「使用者の願望に最も近いパラレルワールドに使用者を移動させる」装置。
よく「もしもボックスを使えばどんなトラブルも解決じゃね?」と言われるが、実際の所「単にその問題が存在しないパラレルワールドに行っているだけ」なので実は何も解決していない。
例えば、「もしも世界が滅びたら」と願ったとしても、使用者が地球の存在しないパラレルワールドに放り込まれるだけで、元の世界には何の影響もない。
顕著な例が「魔界大冒険」。単に「世界を思うが儘に作り変える」なら、ドラミが新しいもしもボックスを持ってきた時点で本当に「おわり」だったはずである。
だが、それでは「魔法のある世界」の方の問題が解決しないためにその後の冒険が起きたのだ。
もし世界が滅亡する危機がある時にもしもボックスで解決しようとしても、それは実際には「逃避」でしかないのだ。

また、ひみつ道具にはしばしば見られるが、「言外の意図」までは汲んでくれない。
例えば「お金のいらない世界」に行けば、「お金を持っていれば持っているほど貧乏になる世界」だったり。
そのため、「思った通りの世界に行きたい」と思っても意外と使用難易度は高いと言える。
実際作中でのび太が使っているのも意外と地味な目的のものが多い。
「魔界大冒険」のような無茶苦茶な「もしも」を叶えると、それだけ反動もデカいのかもしれない。

ただし、短編によっては、本当に「ただ願いを叶えるだけ」の道具として描写されることもある。
深く考えはじめると、願い事によっては、パラレルワールドと想定するとそもそも社会や文化が大きく変化していてもおかしくないことも(鏡がない世界だったり音がない世界*2など)。
このあたりの設定は正直あいまいだったりするので、素直に作品ごとに違うと考えても良いだろう。

主な使用例


正月の遊びがつまらない世界

記念すべき初登場回。超地味である。
この世界では、正月にはすごろくもはねつきもコマ回しも凧揚げもないのである。今時の子供にはどれも無縁な話だが
ちなみにのび太の目的は、「正月の遊びがない世界に遊びを持ち込むことで、初心者相手に無双すること」。みみっちい。

鏡のない世界

かがみのない世界参照。
実験としては、「正月の遊びがつまらない世界」よりも面白そうである。

音が存在しない世界

ジャイアンリサイタル対策に実行したが結果は……
なお、この世界に関しては元に戻した描写がない。
というか、前述の使用方法を考えると、音がない場合に元に戻せるかどうかが不明である。*3
最悪、このエピソードののび太たちは一生……

あやとりがスポーツになっている世界

あやとり世界参照。
のび太が「あやとり無双」するために生み出した世界で、実際目立ったリスクもなく最強になれたのだがあやとりを楽しめないキャラの事を忘れていたせいで…。

のび太のパパがアメリカに転勤する世界

ためしにさようなら参照。
この辺はパラレルワールドなのか曖昧である。

物価が遥かに安い世界

物価が10万分の1になっている世界にお小遣いの1万円を持ち込むのび太がテーマ。
これらの世界の中では比較的のび太の望み通りになっているのだが……

眠るほど褒められる世界

あやとり世界と似た様な発想で誕生したのだが、社会的には危険度が上昇し過ぎていた。

科学の代わりに魔法が発達している世界

『魔界大冒険』のメイン舞台である。
科学は迷信とされており、劇中に出るものすべてが魔法の産物である。
宇宙でも普通に呼吸が出来、土星の輪に乗ることが出来、月では兎がお餅をついているという魔法以外でも色々メルヘンな世界。
「魔法が使えたら」という望みなのに、落ちこぼれののび太はこの世界でも魔法を使えなかった
「言外の望みは汲まない」ということが如実に表れている。

わさドラ版『新魔界大冒険』では、公開時のテレビスペシャルの連動短編『合言葉はチンカラホイ! 魔法使いのび太』で、魔法世界ののび太達が登場。
こちらののび太は魔法が上手くなく、算数ばかりやっていてドラえもんに呆れられたり、来年からは錬金術の授業もあるのにと心配されたり、授業の使い魔召喚に失敗したり、ドラえもんの魔法道具を使って箒に乗っても失敗したり、のび太のパパは教習所のじゅうたん実技試験で落ちたりといいことが続かず。
嫌気のさしたのび太は、テレビ番組『科学少女マミ』のような夢溢るる科学のある世界にしたいと考え、ドラえもんの魔法道具『もしも箱』で「科学の世界」にしてもらうことに。
そうしてラストに、魔法世界ののび太達と科学世界ののび太達が入れ替わる演出が行われた。


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