アセルス

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アセルス - (2021/10/15 (金) 15:34:24) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/07/11 (土) 19:45:19
更新日:2023/12/27 Wed 22:49:56
所要時間:約 6 分で読めます









「私は人間… それとも妖魔?





アセルスはスクウェアが発売したサガシリーズの新系統サガフロンティアに登場する
七人の主人公のうちのひとりであり、同作を代表するヒロインである。
2019年のファミ通によるサガシリーズ人気投票では1位にランクインするなど現在でも高い人気を誇っている。*1


種族:半妖
性別:女性
年齢:17歳
出身地:シュライク
CV:加隈亜衣(LoVA、LoV3)


■経歴

ゲーム開始時は青っぽいパーカーのような普通の服を着ている。
もとはシュライクに住むヒューマンの少女で書店経営者の姪っ子だったがある日、用事で出かけた際にファシナトゥールの支配者である
妖魔の君「オルロワージュ」の乗る巨大な黒王号を彷彿とさせるようなリージョン馬車にひかれる事故に遭う。
即死するほどの事故で、本来であればアセルスの命はここで尽きるはずであった。
しかし、オルロワージュの気まぐれにより彼の血を一方的に受けさせられることで
半人半妖の存在として蘇生、彼の多数の寵姫(愛人)の一人という立場に置かれる。

オルロワージュはファシナトゥールの中心にそびえる禍々しくも美しき「針の城」に君臨している。
開始後、アセルスはまずこの針の城で基本的な知識や戦闘技術を得たあとこの城およびファシナトゥールから
命がけの脱出を試みることとなる。

彼女の血の色はヒューマンのと妖魔のが混ざった紫色
セアトに剣で貫かれるが、その程度では死なない身体になっていた。
また、元々髪色は赤だったのだが半妖化の影響なのか髪色が緑に変わっている。*2

刺された際に着ていた衣服が汚れたため着替えるよう指示され、ファシナトゥールに住む仕立て屋から
新しい衣服を受け取るが、それは男性用であり城の王子などが本来は着用するようなものであった。
このことから、以後アセルスはこの「男装の麗人」のような姿で行動することになる。
ゲーム中では赤いドレスに黒いスパッツを着ているが
小林智美によるイラストでは青の燕尾服に黄土色っぽいズボン、胸に赤いバラの花飾りといういで立ちで非常に目を引く。
『ロードオブヴァーミリオン』や『インペリアルサガ』『ロマンシングサガ リユニバース』などの客演では小林版の衣装とゲーム準拠の赤基調の衣装両方で登場する。
ファシナトゥールのお針子ジーナに慕われており、服を仕立ててもらった際に仲良くなる。

オルロワージュの寵姫の一人、白薔薇姫がアセルスの教育係になり、従者のイルドゥンからは剣を教わった。
しかし境遇に納得できないアセルスは白薔薇姫とともにファシナトゥールを脱走する。
その際にオウミの街に到着し、そこの領主の館でメサルティムという水妖と仲良しになる。

その後、色々なリージョンを回ることになるが、故郷シュライクにあるアセルスの自宅に赴いた際には
育ての叔母に対面するも、失踪から12年もの月日が経過しているにも関わらず
当時と変わらない姿で現れたアセルスは化け物扱いされてしまう。

この上ないショックを受けるアセルスであったが、その心の傷の癒える間もなく
白薔薇ともどもの脱走を知り激怒したオルロワージュが差し向けた刺客「炎の従騎士」の襲撃を受け、もはや以前には戻れないことを覚悟する。
そしてアセルスは、前述の目立つ姿もあいまって次々と刺客の襲撃を各地で受けることになるも、
自身の存在意義を、運命を掴み取るために戦うことを決意する。


■戦闘において

ゲーム中唯一の「半妖」区分。
妖魔の血を受けているので、戦闘ではヒューマンの性質と妖魔の性質を使い分けることが可能になっている。

剣技(特に突き系と二刀系)を閃きやすい傾向にある他、妖魔武具(妖魔の剣・小手・具足)を使用する事で『妖魔化』し、
妖魔武具に吸収しているモンスターの能力やパラメーターを上昇させて戦う事ができる。
他の妖魔と異なり、アセルスの場合は妖魔武具を封印する事も可能。これにより達人化の恩恵である「ひらめき率UP」「消費WP/JP減少」の恩恵を受けることもできる。
ネックなのは妖魔化に1ターン浪費するのと、戦闘後にアップする能力が限定される所か。
術法面でも優遇されており、妖魔の血も持っている為、妖術に素質がある上、元々人間なので妖魔は修得出来ない心術も修得可能。
魔術と妖術の相反する二つの術を同時に覚えさせると言う裏技も可能。

妖魔化した際は髪の色が緑から青っぽく変わり、髪の毛がやや逆立ったような姿になるが、
特に凶暴になるというわけではない。

ちなみに、素の成長率自体は集中力・霊感・魅力が伸びやすく術や銃向けになっている。
ただしアセルス編では序盤から剣を振るう機会が多いため、バランス型の成長に落ち着きやすい。

■シナリオの進め方など

アセルス編はイベントの進み方が特殊で、『1回以上戦闘後、イベント進行ポイントを2つ通過する』という条件がある。
スタート画面のアセルスの姿についつい魅了され、初回プレイで彼女のシナリオを選択すると、途中で進み方がわからなくなったり、適当に散策しているうちに知らずにポイントを通過して突然ボス戦になったりと、案外大変。
ただし、自宅に帰るまでは絶対に襲撃イベントが起こらない
極論を言えば、サブイベントを全てこなしてから自宅に帰れば以後終盤イベントまで楽に進める。

シナリオの性質上、妖魔が多く仲間になるのが特徴で、妖魔パーティーを結成することも可能。
零姫とイルドゥンが仲間になるのは彼女のみ。その反面、メカが一体も仲間にならない*3

序盤から『幻魔』のような強力な武器を入手可能で、ラスダンでは『金獅子の剣』や『ブリューナク』等の最強武器が簡単に手に入る。
その代わり、幻魔を買うとLPが3減ってしまう。
その上でさらに時の君を仲間にする場合は砂の器購入でLPが1減るため、残りLPが4になってしまうため、そこは注意しておこう。
欲張ってトウテツパターンと木陰のローブまで買うとなんと最大LP1になってしまうため一度気絶するだけでゲームオーバーに。
終盤辺りでパーティーの主力になっているであろう白薔薇姫が離脱してしまうのは戦力的にも精神的にも辛い所。

アセルス編のシナリオの設定原案は生田美和氏が担当しており、裏解体新書で何ページにも渡った膨大な初期設定資料を見ることができる。
ただし実際にゲームシナリオとしてそれをきちんとまとめて構成したのはディレクターの河津秋敏氏であり、
ゲーム内では上記の膨大な資料から取捨選択したために一部しか取り入れられていない。
(なお、サガフロの各シナリオはそれぞれ原案アイデアを出してもらって、最終的に河津氏がシナリオを構築するという形式だった)
開発中に相当イベントを削られたらしく、生命科学研究所・フルドの工房など元々はシナリオに組み込まれるはずだったが製品版では特にイベントの無いダンジョンも所々に残っている。
リマスター移植版ではこれら没になったイベントが復活・新イベントと共に実装された。





以下ネタバレあり




















■エンディング分岐

アセルス編のエンディングは人間・半妖・妖魔ENDの3パターン。

分岐条件は
〇アセルスの妖魔の具足にモンスターを憑依させているか否か
〇アセルスの妖魔の剣にモンスターを憑依させているか否か
〇仕立屋でジーナがさらわれた話を聞いた上で、ジーナを救出したか否か(※イベント成功するにはどちらも満たす必要がある)

(※裏解体新書では妖魔の剣の条件が抜けている。妖魔の小手は無関係)

具体的には
〇最後のラスタバンと会話した時点で、妖魔の具足にモンスターを憑依していて、ジーナ救出イベント未達成で【妖魔END】
〇最後のラスタバンと会話した時点で、妖魔の小手以外に何も憑依させておらず、ジーナ救出イベント成功で【人間END】
 〇ただし、上記の条件を満たした後に「妖魔の剣へ追加憑依」してしまうとバグで強制的に【妖魔END】
〇上に当てはまらないパターン(憑依+ジーナ成功、無憑依+ジーナ失敗など)は全て【半妖END】

なお、開発中は没になったイベントがこれらのエンディングの分岐に関する予定だったとのこと。


【半妖END】
条件の関係上、予備知識が無くプレイしたらこのエンディングになる確率が高い。
年老いて死期が近づいているジーナの元へ、以前と変わらない姿のアセルス達が訪れる。
人間としての生を全うしようとするジーナの姿を見て辛くなるが、妖魔の仲間に囲まれて幸せな日々を送る。

【人間END】
人間として再び生きる事になったアセルスは天寿を全うし、ジーナよりも早く逝去してしまう。
彼女の墓標にはかつての仲間達が訪れており、限りある時の中で幸せに満ちた生涯を送っていた事が伺い知れる。

【妖魔END】
妖魔の君オルロワージュに代わり、ファシナトゥールの支配者となるアセルス。
アセルスが完全に闇化し、百合化するエンディング(そして高笑いのボイス付き)。
一度は見ておけ。
尚、妖魔エンドだと開発2部に行っても、当たり判定が消失するバグが起こってしまい探索出来ないため意味がない。



どのエンディングを見てもわかる事は、アセルスとジーナは永遠の恋人ということ。
ということは言わずもがなアセルスには百合属性が備わっており、シナリオ中でも言及されている。*4
最も人間ENDの一枚絵にてウェディングドレス姿を披露し子供にも恵まれたため、レズではなくバイといえる。*5
尚、シュライクの本屋でグラビア雑誌を見ると胸がドキドキするらしい。


■その他のシナリオでは

アセルスが正式に仲間になるのはエミリア編のみ。
白薔薇姫と共にヤルート執政官のハーレムに捕まっていた所をエミリアと脱出する。
途中でゾズマを仲間にする事も出来る。
リマスター版では最初の脱出時の分岐が追加され、ルートによってはこのイベントをアセルス視点で体験する事も可能になった。


レッド編にも登場し、一時的ではあるが仲間になる。
レッドよりも歳上だったはずのアセルスが昔と全く変わらない姿で現れた事に困惑されてしまうものの、
レッドの方も身体に秘密を持った身である為か、深く追及はしなかった。
一応二人は年の離れた幼なじみという設定(本来は10歳離れているが、現在の肉体年齢はレッドが2歳上)。
アセルスは小此木さんの家(レッドの実家)にお使いに行った帰りに事故に遭っている。


裏解体真書に掲載されたギャグ小説、ヒューズの捜査日誌では、ラスタバンの策略でオルロワージュが未成年者(=零姫)略取などの罪によりIRPOに逮捕される。
その後、針の城の主になりオルロワージュのハーレムそっくりそのままいただいて喜んでいる旨を述べると白薔薇に咎められたり*6、ブチ切れてグレートモンドに幻魔相破を放ったりしていた。
ちなみにこちらではメサルティムもハーレム入りした模様。
この小説を原案としたリマスター版ヒューズ編アセルスルートでは流石にこのようなぶっ飛んだ描写は無く、終始シリアス展開で進行する。置いてかれた妖魔は触れてやるな


リマスター版で追加されたヒューズ編のシナリオ「シュライクの少女失踪事件」では彼女の足取りを追う形になり、
生命科学研究所でアセルスを救出して一旦共闘した後、しばらく別行動となりラストバトル直前で合流する。
また、ヒューズが捜査官を志した理由もアセルス失踪事件が切欠であった事が語られている。
それ以外のシナリオではオウミから行けるネルソンの酒場に白薔薇姫と待機しており、選択肢で突っぱねないようにすれば仲間にできる。
ほかの編では見れない変わったPT編成も可能に。これにより、イベントがあまりにも無さ過ぎたネルソンに金転がし目的以外の重要性が加わった。

「シュライクの少女失踪事件」では仲間になるキャラが全シナリオの中で最も多く、妖魔とモンスターに関しては全員を仲間にする事が可能である。
仲間にならないのはハミルトン艦長、レオナルド、pzkwV、ナカジマ零式、それとブルーorルージュの二択だけなので、仲間にならないキャラを数えるほうが早い。
特筆すべき点は序盤からゾズマと零姫が早期加入して自由に連れ回せる点だろう。
なお、このシナリオ限定だが、上級妖魔であるゾズマがPTにいる状態でオウミに行くと、ヌサカーンか時の君を仲間にいない状態でもメサルティムを仲間にする事が可能となる。
一方、メインキャラのアセルスに加えてサイレンス、赤カブ、白薔薇姫、イルドゥンの5人は針の城にてラストバトル手前の加入となるため育成が一切出来ず、
赤カブに至っては宝物庫をスルーするか「ラストバトルまでパッと行く」を選んでしまうと加入イベントがスキップされてしまう。
また、麒麟の空間に行けるのは零姫加入前限定なので、できるだけパーティメンバーを集めたい場合は生命科学研究所クリア前に資質集めをしておく必要がある。



■ボツ要素関連

アセルス編の序盤の舞台であるファシナトゥールには焼却炉があり、
立ち寄るとそこの番人「紅」の挨拶を聞くことが出来、
いかにも何かイベントが起こりそうだが実はそれ以降何も起こらない。
アイデア企画はあったものの本編でボツになってしまったイベントの名残である。
……が、上記の通り、2021年発売のリマスター版にて焼却炉から飛び込んで脱出するというイベントが復活した。

同じく裏解体新書にはなんとこのボツイベントで使用予定だったと思わしき、
焼却炉で服が燃え尽きて全裸になったアセルスと白薔薇のグラフィックが掲載されている。最も、SD体型だが。
見る限りは白薔薇の方が大きい。何が大きいかって?聞かなくても解るくせにー
ちなみにリマスター版では肝心な部分だけまるで水着のように燃え残って隠れるようになった。元が全裸のため残当ではあるが、こっちの方がエロいという声も。
他、小林智美によるイラストでもヌードを披露している。
こういった仄かな色気も人気のあるところ…かもしれない。






「私はアセルス!道を開けよ!!」

「私は私。妖魔の血が混ざってもそれは変わらない。
妖魔からは半人と馬鹿にされ、人間からは半妖とさげすまれても、私は自分が好き。それでいいんだって分かったわ。
苦しんだり、悩んだりすることも私の一部。だから、これからも運命と共に生きていくわ。」




追記・修正はアセルスを中心に…お願いします。

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