かつ澤(中間管理録トネガワ)

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かつ澤(中間管理録トネガワ) - (2019/12/22 (日) 20:42:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/08/25 (土曜日) 13:05:18
更新日:2024/04/23 Tue 22:49:50
所要時間:約 6 分で読めます




かつ澤とは『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』に登場するかつ丼屋である。
同じくスピンオフの「1日外出録ハンチョウ」と共演した読み切りの『トネガワvsハンチョウ』にも再登場している。


遭遇……!

登場は第17話『昼時』。

待ちわびたランチタイム。サラリーマンに束の間訪れる安息、安らぎの時間!

この時の利根川は稀に見るほどの空腹。
普段なら蕎麦などで軽く済ますところをボリュームをウリにしているこの店を訪問。


(出典:中間管理録トネガワ(3) P.32 協力:福本伸行 原作:萩原天原 漫画:橋本智広 三好智樹 出版:講談社)
(確かにボリューミー!だが……!案外月並み……!)
(今のワシには……ちと足りん……!)

と、近くの席の大柄な男が食べている並サイズと思われるカツ丼を見てそう判断した利根川は、

「カツ丼一つ・・・!大盛りで・・・!」

ざわっ……

「えっ!?」
「大丈夫ですか…!?」

明らかに動揺した様子の他の客。
大丈夫なのかと念を押してくる店員。
それを、年寄りだとナメられたと判断した利根川は、一喝。

「舐めるなっ!持ってこい!大盛り……!」

と大見得を切って大盛りを持ってこさせるのであった。
数分後、届いたものがこれである。






(出典:中間管理録トネガワ(3) P.34 協力:福本伸行 原作:萩原天原 漫画:橋本智広 三好智樹 出版:講談社)

(ぐがっ……!な……なんだこの……圧倒的量はっ……!)
顔を歪めながら想定の遥か上をいく物量に苦悶する利根川。
そう、先程のザワつきは決して年寄りだとナメられたわけではなく、この店の大盛りとはすなわち、
利根川が並サイズと判断したカツ丼の3倍…いや、5倍はありそうな超特大サイズのカツ丼だったのだ。

(あれが並盛りで……大盛りがこれ……?)
(バカッ……!刻むだろっ! 普通もっと……! 段階をっ……! )
並盛り→中盛り→大盛り→特盛りといった具合にサイズを刻めよと心の中でツッコミをいれる利根川。
だが自分がメニューを見ていない事に気づいて慌てて確認すると驚愕の事実が判明する。

(いやっ……!違うっ……!刻んではいるんだ……!この店っ……!)
キッズ(プリン付き) 食べ盛りのお子様へ!
レディース カロリーの気になる方へ!他店の並盛りぐらいです
小盛り 今日1食で済ませたいあなたへ
並盛り さながらK2(カツ)!踏破するのは命がけ!
大盛り ようこそ新世界へ…!

(並より下にっ……!)

この店はボリュームかつ丼をウリにしてるだけあって並の時点でどこぞやのマシマシ系ラーメン屋の如く、圧倒的ボリューム。
利根川が大柄な男が食べているのを見て並サイズと思っていたカツ丼は小盛どころかレディースサイズだったのだ。

(バカッ……!頼むなっ!その図体で・・・レディースサイズ・・・!)

虚しく心の中で憤っていると、店員がカメラを持ってやってくる。
なんでも、大盛りの挑戦者には記念撮影を撮らせてもらっている様子。

上を見上げるとそこにあるのは過去、この大盛りに挑んで敗れ去った敗者達の記録の数々。
中には、食べ盛りであろうラグビー部員3人掛かりで挑んでギブアップしている写真も…。

T京ラグビー部敗北…!
かつ澤さんヤバいっす…!!

無謀な戦いであることは明白。
しかし、退路は既に自身のプライドと

「舐めるなっ!持ってこい!大盛り……!」

という大見得によって断たれた状態。
安息のランチタイムは、既に仕事より過酷であろう孤独な戦いへと変貌を遂げていた。
もはや、目の前にあるカツの山。もといカツの海を攻略する以外に道はない。

「ククク……逃すなよ……?新たな伝説の瞬間……刹那のシャッターチャンス……!」

決死のダイブ・・・!カツの海っ・・・!

こうして利根川とカツ丼の死闘が幕を開けた。





一方、黒服たち。
帰りの遅い利根川を心配していると、ただならぬ様子で利根川が戻ってくる。

「どこに行っていたんですか……!?心配したんですよっ……!?」

「近づくなっ……!」
「どうなっても知らんぞ……!今のワシに触ったら……!」
のそっ・・・

「な…何があったんだ……このランチタイムに……!」

ランチタイムの死闘、カツの海からの生還。
安息の筈の時間にそれを制してきたことを知る由もない黒服たちはただただ困惑するのみであった。


アニメ版……!

アニメでは注文に受け答え、カツ丼を運んだ店員が女性に変更。
敗者の写真に新たに力士2人、どこかで聞いたことあるようなフードファイターが食べ切れずに意気消沈したのが追加されている。

カツ丼の中身も多少追加され、ご飯の下に二層、三層とカツがミルフィーユのように隠れていた。

その後、会長からよりによってカツサンドを勧められていた。












再訪……!

『トネガワvsハンチョウ』にも再登場。
利根川は失敗こそしたものの店自体は気に入ったのか上記のアレからも通っていた様子。

(この店のカツ丼は…並より下に……サイズを刻んでいる…!)
(それを知らずに大盛りでも頼もうものなら……地獄……!)

ビギナー時代の失敗を振り返りながらレディースサイズを注文。
今度こそ安息のランチタイムとなる……はずだった。

「カツ丼大盛りで……!」
(あ…?)

と、特大の地雷を踏み抜く(読者にとっては)見覚えのある顔。
そう『1日外出録ハンチョウ』の主人公である大槻班長である。
彼もまた一日外出券を使ってたまたまこの店に来ていたのだ。
かつての利根川と同じように彼もまた、店員の念押しに

「大丈夫大丈夫…!空かせてきたから…!結構…!」
(どこの誰か知らんが…どうもこの様子…)
(知らんようだなここの大盛り……!)

とまさに自分と鏡写しの光景に悪魔的ほほ笑みっ……!。
数分後、何度見ても圧倒的量はっ……!なカツ丼が届き、いつもの柔和な笑顔を崩さないものの露骨に焦る班長。

店員に頼めばもらえる調味料で味を変えるという経験者ならではの攻略法を知っている利根川だったが他人の不幸は蜜の味。
敢えて何も言わずに絶望する班長を安全地帯という愉悦から横目で見物し続ける。

(どれ……ゆっくり味わせてもらうか……!)
(安全であることの愉悦を……!)

が、記念撮影の話を聞いて上を見た後に班長が何故かこちらの方を見ていることに気がつく利根川。
上を見上げるとそこには…

屁でもない・・・!
この程度・・・!

ペロリ完食・・・!
T根川さま・・・!
(そうかこいつ……この写真を見て……)

そう、利根川も写真を撮られていたのだった。
キメ顔で完食を決めた経験のある人間が目の前にいる。班長にとってまさに一筋の光。
これほど頼もしい助っ人は他にいないだろう。

「いやぁ……これをペロリとは……お若いんですねぇ……!」
「そんなに食べられるのでしたら……どうぞどうぞ……!ワシのを……!」

と大盛りの一部を取り分けて食べてもらおうとする班長。
だが今度こそ安息のランチタイムをと来店した利根川にとってはただの迷惑。これを一喝。

「甘えるなっ……!大の男が……!」

元はといえばメニューも店員の念押しも無視して注文した班長の責任。
それを他人に押し付けていいなどという道理はどこにもない。

「あまり舐めるな……!世間(かつ澤)を……!」
「つべこべ言わず…食い切ってみろ…!男なら一人で……大盛りぐらい……!」

大人の威厳を見せつけ涼しい顔の利根川。
反面、反論もできずにカツの海に苦しむ班長。勝負は決した・・・かに思えた。

「レディースサイズになりまーす・・・!」
(うっ)
「ん~~~~?これはまた……ずいぶんと……」
「男らしいレディがいたようで……!」

「男なら大盛りぐらい食い切ってみろ」とカツ喝を入れた直後の最悪のタイミングで届いてしまったレディースサイズ。
気まずい空気が流れる利根川に対し、班長はここぞとばかりに悪魔的挑発っ……!
人を堕とすことに関しては一流な班長。せめて道連れにせんと利根川を煽りまくる。
そして・・・

「おい……キサマ!」
「持ってこんか!注文通り……大盛りを…!」

完食者の再戦に沸き立つ店内。結局・・・

2人でダイブ・・・!カツの海・・・!

今度こそ安息の時間になるはずのランチタイムが今度はスピンオフ主人公二人とカツ丼の死闘へと変貌を遂げたのだった。







結果はというと・・・
初見の班長は残念ながら攻略できず。
「この大盛りノーカンで・・・!」


一度は勝利を遂げた利根川も「稀に見る空腹」ではなく「中々の空腹」程度であったため攻略ならず。
「やれる・・・!ワシはまだ・・・!」



勝者・・・カツ丼・・・!


追記・修正は大盛りを完食してからお願いします。


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