登録日:2019/07/03 Wed 23:44:25
更新日:2025/04/15 Tue 15:04:49
所要時間:約 7 分で読めます
原作は萩原天晴、漫画は上原求と新井和也が担当し、原典の作者である福本伸行は協力名義でクレジットされている。
講談社の週刊ヤングマガジンに隔週連載。
目次
概要
地下で働く大槻他数名が、たまの息抜きとして1日外出券(50万
ペリカ)を購入しては地上で遊び歩く、というだけの漫画。
いや、本当にそれだけの話なのである。たまに度肝を抜くようなエピソードもあるけど。
元々は『トネガワ』の
読み切り番外編エピソードとして制作されたが、後に単体のスピンオフ作品として連載開始され現在に至る。
連載初期は露骨に『
孤独のグルメ』っぽい話が多かったが、連載が進むにつれて
グルメ関係なく単にオッサンたちが年甲斐もなくはしゃぎまくるだけの漫画と化しつつあり(食べ歩き系のエピソードも多いが)、『外出録』というタイトルに反して
地下だけで完結する話もそこそこある。
キャッチコピーは「理外のグルメ漫画」だったが、現状は前述の通り。グルメ漫画から外れるにつれて
怪事件に巻き込まれるエピソードや遊びを主軸にしたエピソードが増えつつある。
15巻に至っては、とうとうスイカを抱えて歩く話と
ハンバーグの付け合わせの話以外まともなグルメ回が収録されなかった。
なお、意図してのものかは不明だがグルメ、旅行、スポーツなど一通りのレジャーを楽しんでいる一方で、お色気ネタに関しては触れられたことすらなかったりする(恋バナ回ですらプラトニックな悲恋話であり、直接的な描写は皆無)。
本編のパロディ系の台詞が多いのも特徴だが、「
カメラを止めるな!」や新型コロナなど時事ネタも頻繁に取り込んでくる。
登場人物の木村の設定などから少なくとも時代設定は2015年以降であるようだ。
トネガワ内でアニメ化された際は時系列は一応カイジが地下に落ちてくる前(1990年代半ば)とされていたが、漫画では結局
開き直って現代にされている。
大槻は
ゲームの知識がなかったり、幼少期の背景描写からカイジ本編の時系列に沿った世代設定がされている模様。
なお、『トネガワ』とは作者は別だが、それぞれの作品のキャラクターがもう片方に登場したり、同じ出来事からから派生したり、コラボがあったりと世界観がリンクしている。あちらと同じく福本作画の再現度も非常に高い。というか言われないとカイジやトネガワと別の作者とは気づかないほど。
2018年には
アニメ化もされているが、独立した番組としてではなくアニメ版『トネガワ』をジャックする形でエピソードの数点が厳選されている。
声優が変更された利根川とは異なり、大槻の声はアニメ版『カイジ』同様にチョーが担当している。
地下強制労働施設の設定
本編ではサラッとしか触れられなかった食事などの地下労働者の生活の実態も(ギャグ交じりで)紹介されている。
全体的に薄暗かった本編に比べて照明がだいぶ充実しているのが特徴。あと粉塵により肺がやられる設定はどっかいった。
しかし『破戒録』の描写だけでもかなり「地獄」と呼ぶに相応しい内容だったが、本作ではさらに環境の酷さが掘り下げられ…
- 各班長の物販用仕入れはかなり手間がかかっている(後述)。
- スペシャルディナーのTボーンステーキは思ったより肉質が固めで大槻班長は満足していないらしい
- 読書ができる書庫もあるが、帝愛から支給されるものは10年以上前の古雑誌や古新聞ばかりで、1冊1冊が帝愛によって検閲され、性描写や反乱意識に繋がりそうな活発なキャラクターなど労働者達による地下反逆の決起の切っ掛けになりうる表現や刺激的な表現の記事が排除されている。
その割にC班班長の小田切がプリズンブレイクの上映会を開催できるらしい中途半端な緩さ
- 1日個室権は帝愛チャンネルしか映らないテレビやしょぼいサービスメニューが大半、まともな愉しみはビール3本とカラオケ程度
- 病床にいる医者みたいな爺さんはただの債務者でまともな医療知識がない=ペリカなしではまともな治療は望めないことが確定
- 給食は担当黒服の気分次第で料理のクオリティがカイジ本編の時以上に劣悪になる。
- 些細な意見だけで懲罰房に入れられる。
etc…
ただしこれでも大槻が地下落ちした当初よりはかなりマシになってるらしいが、むしろカイジ本編を知っていればより理不尽さ、救いの無さがさらに強調されているとも言える。
とはいえ、中には木村のように20年以上もの労働を全うして借金を完済する猛者もおり、運に恵まれかつ体調管理をしっかりすれば一応外には出られる様子。
また就労者に対する飴と鞭の一環として1日外出券等の就労オプションとは別に以下の「飴」が描かれている。
- 兵藤会長及び近しい親族の誕生日には例外的にカレーが振る舞われる。
- 個人的な良いことがあって兵藤会長の機嫌が良くなると差し入れ(作中ではミキサー)がある。
但し機嫌が悪くなれば直ぐに没収されるが…
- 大晦日には就寝時間が延長され現場での飲食が許可されたり食事やシャワー時等にサービス(年越し蕎麦に入っているネギの自由追加やシャンプーの量がいつもより多いなど)が行われたりする。
物販について
地下の物品販売は大槻たちが1日外出券を使って地上の店(ドンキなど)から仕入れていることが明確にされている。商品の厳選を行うのも大槻たち自身。
つまり(息抜きも兼ねているとはいえ)仕入れだけで最低50万ペリカがかかる。
『破壊録』では班長が物販の売上を帝愛と折半していることを以て「暴利を貪るタヌキ」呼ばわりしていたが、ぶっちゃけ、これだけ手間かけているならあの値段も全然暴利ではないのでは……?
作中では主に大槻や小田切が様々な物販ビジネスを展開しており、それがキッカケで何かしらブームが起こることもある。
作中でブームを巻き起こした物販は以下の通り。
小田切が考案したホッピーとカレーせんべいのセット商品。
それまで物販事業は大槻らE班の独壇場だったが、この商品は発売されるや否や物凄い売上を叩き出しており、それまで地上で仕入れた商品をただ地下で売っていただけの大槻が新商品開発を始めるきっかけとなった。
- 柿放題、KP Unlimited
上記のホッピーセットの登場を受けて大槻が考案した新サービス。
柿放題は1ヶ月5000ペリカで柿ピーが最大10袋まで食べることができ、KPUnlimitedは大槻と契約すれば六ヶ月間柿ピー無制限で食べ放題となるサービス。
ちなみに柿ピー10袋は通常10000ペリカなので、10袋食べれば半額相当となる。
なおKPUnlimited途中で解約した場合は30000ペリカの違約金し、無料で解約するには契約してからちょうど六ヶ月後のその日のみとなる。
更に解約しないと自動更新されるため、該当日に大槻が一日外出していたら自動更新される。
小田切が新たに始めた事業。
1日外出を利用して無料Wi-Fiスポットでダウンロードした映画をタブレットで放映するもので、入場料は一人10000ペリカだが地下はただでさえ娯楽の少ないためこちらも瞬く間にブームとなった。
作中では「
ローマの休日」「
プリズン・ブレイクシリーズ」「
ロッキー」「
友情戦隊ダチレンジャー」などが公開されており、「ローマの休日」公開時は上映記念スペシャルあんぱんが3000ペリカで販売された他、「ロッキー」公開時には地下に筋トレブームが巻き起こった。
兵藤会長の気まぐれで導入されたミキサーを活かしたE班の商品。
様々なバリエーションがあり、小田切の地下映画館の人気を食う程の人気が出てきた他、地下では不足しがちなビタミンやカリウムが摂取できるので労働者達の健康もかなり改善されていった。
人気高騰に伴い2号店の出店計画が持ち上がったが、その矢先に兵藤の機嫌が悪くなってミキサーが没収された為、現在は非売品。
以前は普通に販売されていたが、人気でトラブルの原因になるため、ダフ屋による転売まで起きた
アルフォートは取引禁止、その他の製品もどの班がどれを扱うか
班長のドラフト会議@代々木公園で決定されることとなっている。
D班班長の瀬戸内が幼い頃からノートに書き溜めていたモンスターを用いたオリジナルの
トレーディングカードゲーム。通称『
グラモン』。
そのクオリティは高く、きちんと印刷所に発注している上、1パック3000ペリカ(=300円、現実のこれ系のTCGの拡張パックの相場とおおむね同額)という良心的な値段であり、瀬戸内のアフターケアも手伝い、カードゲームは一気に地下に普及し、大槻や小田切たちの事業から客を奪うほどとなった。
便乗を企んだ大槻と協力し、第2弾ブースターパックを発売しブームの波を高めるが、ブームになりすぎて就寝時間中の大声でのプレイや物販の支払いをペリカでなくレアカードで済ませようとする者が現れるなど徐々に問題が生じ始め、ついに工事作業中に隠れて対戦をしていた債務者が摘発されたことをきっかけにカードはすべて没収されてしまった。
登場人物
地下労働者
声・
チョー
本作の主人公。カイジ本編では緊迫したシーンなどで開眼する事が多かったが、本作ではほぼ一貫して糸目。初期の頃は原作に忠実な容姿だったが、現在は絵柄の変化に伴いふくよかさと見た目の温和さが増している。
本作では"腹黒いが遊び上手なオッサン"と化している。カイジ本編のような外道な一面を見せるシーンは少ないが、45組の搾取は行っていたりと原作の悪行も見られる。
本編では触れられなかった過去が色々出てくるが、肝心の「何をやって地下に落ちたのか?」については全く触れられない。
地上にいた頃の職業は明言されていないが、回想で外回りをして名刺を配ってる描写があるので、そこから推察すると営業職のサラリーマンだと思われる。社会人時代は、北千住に住んでいたらしい。
まとめると「ミュージシャン志望だった若者が夢破れて一般企業に就職、紆余曲折を経て大きな負債を抱え、タコ部屋に放り込まれる」
……という半生を送っていることになり、中々に悲哀を感じさせる人物である。
非常にグルメかつ遊び方の「コツ」を知っている遊びの達人。
その一方で、「今日を頑張った者にのみ明日は来る」という本編での信条は健在で、労働に関しては基本的に真面目にやっている。
食べ歩きに関しては事前情報をしっかり仕入れた上で狙いの店一軒に絞るパターンが多いが、豊富な経験により初めての街でも大槻アイなどで「美味い店」を見つける能力が非常に高い。
だが、そんな彼でも名古屋について理解することは放棄した。
行く店は個人経営が多いが、チェーン店でもチェーン店なりにしっかり楽しめるタイプ。
ちなみに
コンタクトをしている。
地下で肉体労働してんのにそんなの着けるなよ。
過酷な肉体労働で体が鍛えられているからか、沼川、石和も含めファミレスで朝まで駄弁れたり、(決算会議を兼ねた)カラオケでオールできるタイプ。ユルい大学生のサークルかアンタら。
外出慣れしているおかげか(人差し指ポチポチだが)PCも問題なく使え、小田切のWi-Fi発言に(ワイファイだ馬鹿……!)と内心突っ込んだりしている。
労働者たちを搾取の対象としか見ていないのは本編と同じだが、本編でカイジ達に行ったようなあからさまな嫌がらせ行為をすることはなく、自分と趣味趣向の合う者には一目置くこともある。また、木村や沼川の弟の大生など自分と利害関係のない人物には割と気を遣う面も見せたりする。
また他班の物販との競争などもあり、地下労働者から搾取するためにかなりの苦労をしているようで、地下労働者を飽きさせないため常にアイデアを考えており、ブルボンドラフト会議でも各班で争奪戦になったルマンドなどの主力製品勢揃いの「オリジナルアソート」という大槻らしい指名だったが。
チンチロに勝ちすぎたせいで地下チンチロリンの客が減った際には、工事用ヘルメットなどで作ったTENTAI1号による地下プラネタリウムを催し、BGMを併用した巧みな説得で再び多くの客を引き込み新規45組を昨年比1.3倍に増やした。
「ペリカ使いすぎじゃね?」「その金で借金返して地上に出ろよ」としばしば突っ込まれるが、恐らく地上に出て労働者として一生を送るぐらいなら地下でクズたちを搾取していた方が彼の性分に合っているのだろう。
あと、「ペリカ使いすぎ問題」については休載の告知漫画でセルフツッコミされた(ペリカを使い過ぎたので稼ぐためにしばらく休載、とのこと)。
どう考えてもペリカが足りないように思えるが、本作における45組の具体的な人数は不明とはいえ仮に10人いれば月あたり46万ペリカは安定して巻き上げられるため、これに物販と大槻自身の給料(一般労働者とどの程度違うかは不明)を合わせれば、月一程度のペースで遊び歩くには十分であろうと思われる。沼川と石和の分を考えると怪しいが……。
声・佐藤
拓也
大槻の側近の細い方で35歳。大槻の実質親友その1。
オールバックにマレットの髪型をしており、うっすらと口髭を生やしている。カイジ本編では大槻の参謀役を担う敵として登場するが、本作では常識人・ツッコミの役割。
宮崎県出身で
チキン南蛮が好物。広告代理店に勤務する(後に転職)しっかり者の弟、大生がいる。なお、弟とは現在でも仲が良いようだが実家とは絶縁している。
要領は割といい方だが、海で大遊びした後帰りの車で一人だけ憂鬱になっていたり、グレードの高いレストランで普段は縁のない手の込んだ料理を味わった後「地下に帰りたくない」と涙ぐんだりする一面も。
前述の通り、メンバーの中では、常識人寄りなので大槻の予想外の(そして大抵正しい)行動や、石和の奇想天外な(そして大体ウザい)行動に突っ込むことが多い。
大槻のサポートとしてよく駆り出されるが、発想が月並みで貧弱という弱点があり、結局大槻に助けてもらう場面が多い。ただ、大槻からは見所があると目をかけられてるようで、物販2号店を任せようという話も出たことがある。
また、つまらないことで意地を張る子供っぽいところもある。
持ち歌は大塚愛の「さくらんぼ」。そのことがバレた時はやたら恥ずかしそうだったが、後にみんなでカラオケに行った際は自発的に歌っているので吹っ切ったようだ。次に来た客が履歴を見てドン引きするくらいには4人で連続して歌っていた
特にハマれる趣味を持っていなかったが、地下にあった本によって一時期発酵食品に凝っていた。
声・
松岡禎丞
大槻の側近のデカい方で34歳。大槻の実質親友その2。実は沼川より年下。こちらは角刈り。本編では大槻に代わり実力行使を担当する無個性な敵役だったが、本作では
やたらウザい・空気が読めないという個性を与えられて存在感が増すことに。
名字は「いしわ」ではなく「いさわ」と読む。
大ざっぱかつ能天気で子供っぽい性格をしており、空気を読まない行動で大槻たちを困惑させたり苛立たせたりするのが主な役割。
またかなりの子供舌で揚げ物と肉類が大好物なため、大人な食べ物を楽しみたい大槻や沼川とは別の食べ物を食べているシーンが多い。ちなみに好きなブルボンのお菓子はエブリバーガー。
その一方で海帰りに爆睡している大槻をうちわで扇いだり、物販2号店を任される事になった沼川に対して僻む事なく純粋に祝福の言葉をかけたりと、なんだかんだで気がいい奴という描写もされている。
大槻同様幕末ファンで、特に
坂本龍馬に関しては京都にある墓の前で涙を流す程に入れ込んでいる。また寝入るときに自らが幕末に
タイムスリップする妄想をしている。実家が海の近くにあったこともあってか、釣りが得意。
アニメでは残念ながら彼のメイン回となる京都回に至るまでの尺が足りず、アニメしか見ていない人には「なんか大槻、沼川と一緒にいる奴」止まりで終わってしまっている。
沼川にはあるモノローグが一度も描かれておらず、読者視点からも何考えているのか本気で理解できないところがあるため、たまにサイコパス扱いされることも……
声・
前野智昭
C班班長。本編ではカイジの代わりに大槻のシゴロ賽を改めた人物。その関係からか、本作では大槻の
ライバルキャラとして描かれている。大槻とは、張り合いながらも付き合いの良い悪友のような関係である。ちなみに大槻より先輩なのか、大槻はライバルでありながら小田切のことを「さん」付けかつ敬語で接している。
手堅く物品販売とイカサマチンチロで儲けようとする大槻に対し、「地下での映画上映ビジネス」など突飛な発想で大槻を追い詰める。ただし外出は大槻ほど慣れていない様子。
また「
ローマの休日」にちなんでアンと印字されただけのアンパンを「アン王女のヘップパーン」として売り出して儲ける、カレーセンとホッピーをあわせたホッピーセットを売り出すなど、そこそこの商才はあるが、大槻のスムージーに客を奪われて映画館が閑古鳥になるなど、詰めの甘さが見受けられる。
少なくとも作中で描写されてる範囲内では、大槻のイカサマ賭博のような、あくどい金儲けはしていない様子。映画の鑑賞料は1万ペリカ(日本円では1000円)なので、値段だけ見れば地上(約1800円)よりも割安。ただし、小型のタブレット端末をスクリーンにして畳に寝転んで鑑賞するので、迫力はないと思われる。映画の入手は、外出時にタブレット端末へダウンロードすることで賄っている。
かなりの映画マニアであり、大槻共々「
ネタバレ厳禁派」。そのため地下では互いに相手の知らない作品の
ネタバレを囁き合うのが日課になっている。
『
カメラを止めるな!』を大槻と競い合うように鑑賞に行った際は、上映まで間が空いたせいで地上で飛び交う
ネタバレの弾丸を大槻同様にかわしまくっていた。
彼が『ロッキー』シリーズを上映した際には地下で筋トレブームが巻き起こった。
A班班長。カイジ本編では小田切と同時に登場している。熊本出身でバツ2。
大槻や小田切程に外出はしていないためか現代事情には疎く、フェイスブックの存在や「少年キング」の休刊を知らなかった。
九州間ヒエラルキーでは熊本を福岡の次点だと思っている。
大槻が地下落ちして数年程の頃はかなり荒れており、地下最強を決める殴り合い大会を開催しようとしたり黒服一式をパクって脱走を企てたりもしたらしく、懲罰房にも何回か入れられたらしい。
甘党で、特にモンブランが大好き。
B班班長。カイジ本編での登場経緯は板井と同様。大分出身。
板井と同じく、「少年キング」の休刊を知らなかったようなので、少なくとも同じくらいの期間、地下にいるものと思われる。
地下物販の売り上げでは赤字続きだったが、ブルボンドラフト会議でルマンドを指名した前年は一気に黒字化を成し遂げた。そのため再度狙うも、A班との競合の末に逃した。
九州間ヒエラルキーでは大分を長崎の次点、3番手に位置すると思っている。
カイジ本編には登場しなかったD班班長。
元プロのイラストレーターで、利益を得ることよりも良い物を作ることに重きを置き、人を楽しませることを喜ぶ典型的な創作者型の人間。
人付き合いが苦手らしく、長い間登場しなかったのは利益を得る事に興味が無い事も合わせて、大槻達他班の班長達と接点が余りなかったためだと思われる。そのためか毎年大晦日恒例の班長麻雀にも一人だけ参加していない。
幼い頃からノートに書き溜めていたモンスターを用いてオリジナルの
トレーディングカードゲーム『アングラモンスターズ』通称『グラモン』を創り出したが、ブームになりすぎて徐々に問題が生じ始め、ついに工事作業中に隠れて対戦をしていた債務者が摘発されたことをきっかけにカードはすべて没収されてしまった。
カード没収後は、大槻の編集のもと、マンガの賞を取ることを目指している。
人付き合いが苦手(人から質問されると丁寧に答えられる程度のコミュ力はある)、利益に興味がない、大槻の射幸心を煽るような提案に渋る、人に自分の作品が広まることを心から喜べるといった要素から、下記の木村程ではないが何故地下落ちしたのか気になる人物。
利益に興味が無い点から察するに安い仕事ばかり引き受けてしまい生活苦から借金をし、頼りになる友人もいないため返済できないまま……といった所だろうか。
班長になれた理由も割と謎である。
声・
小野大輔
債務者の一人。とても無口であり、
台詞らしい台詞がほとんどない。
非常に地味な人物で、酒も煙草もギャンブルもやらない「植物の様な男(大槻談)」。ゆえに大槻は彼の事を知らず、また物販もチンチロも利用しないため搾取する事すらできず、当初は全く興味を示さなかった。
しかし
大槻と全く同じグルメ感覚を持っており、それ故に
丸一日大槻と全く同じルートで全く同じ食事をするという、
没個性的な見た目に反してかなり舌の肥えた人物でもある。
それを知って以降は大槻も彼を見直し、グルメ仲間として意識するようになった様子。
その割に沼川や石和と違ってともに外出に行ったことは無いが。
地下ではE班の近くで作業を行っていたようで、大槻も偶然再会に成功した際には思わず
「君の名は……」と呟いた。
その後、筋トレ回で再登場。大槻は自分と同じく筋トレに興味が無いと考えたのか、外出に誘おうとしたが、他の労働者同様筋トレにハマリムキムキの体になっていた。
E班にやってきた債務者で、沼川の高校時代の同級生。趣味はギャンブル、それも競馬という地下に落ちた経緯が
なんとなく想像つきそうな人物。
旧友のよしみということで沼川の懇願により、彼の教育係をするという条件つきで45組に落とされるのは免れる。
しかし山本まさしというもうひとりの共通の友人がいた事により絡んでいたがため、お互いトークのタイプが受け身という事もあって山本の転校後に疎遠になってしまった。
地下で再会した時もどうにも会話が続かずぎこちなく、一時は教育係を代わって貰おうかとも考えたがそうすると45組に落とされる事になるので思いとどまった。
しかし競馬の話になると何時間も語り明かしてしまうほどのめりこんでおり、競馬に興味が無かった沼川もいつしか引き込まれ結果的に山本抜きでもうまくいくようになった。その後沼川と共に、東京観光に繰り出したこともある。
沼川、黒木の旧友。誰とでも仲良くなれる社交的で多趣味な男。転校して以来2人とも全く消息を知らないままになっていた。
ところが沼川が黒木と意気投合して一週間後にまさかの地下落ちを果たしてE班にやってくる。
学生時代の強コミュ能力はどこへやら「ガッキーと喋ったことがある」「まあまあだったよ?可愛さ!」などと微妙な事を喋るような人物になってしまっており、沼川・黒木と逆に気が合わなくなってしまった。
どうやら芸能プロダクションで働いていたらしいが、あの性格から債務者に転落している事といい社会人になってから性格が良くない方に傾いてしまったのかもしれない。(単純に二人が芸能関係に興味がなく合わなくなったという点もあるだろうが)
その後彼が沼川や黒木と交流するシーンは見られず、45組に落とされたのかどうかも謎。
『
中間管理録トネガワ』で初登場し、負債によって地下送りになったお笑い芸人志望の債務者。兵頭会長が苦手とする「危機感が無い本物のバカ」。
基本的に寒いギャグやつまらないネタばかりだが刺さる人には刺さるようで、大槻や沼川はポカンとしていたのに対し利根川と石和はドツボにはまっていた。
地下でも元気にやっているのかちょくちょく(そして大抵脈絡もなく)登場し、その度に周囲から「誰だっけコイツ」と思われている。
地下落ちしてきた俳優。代表作は『友情戦隊ダチレンジャー』のダチレッド/長友仁。
そこまで知名度がある俳優ではないようだが、『友情戦隊ダチレンジャー』のファンからは熱狂的な支持を得ている。
沼川もダチレッドの大ファンで、彼が地下に落ちてきた時は地下労働者の間で『友情戦隊ダチレンジャー』ブームが巻き起こった。
大槻も冷やかしのつもりで1日外出中に全話視聴したところ見事にハマってしまい、「友達という意味の『ダチ』の他に『ピンクがレッドへの恋心を断つ』『ブルーが故郷への未練を断つ』など『断ち』という裏テーマがある」ということまで見抜いた。さらに小田切もハマったためダチレンジャー上映会が無料開催された。
性格は非常に礼儀正しく、C班に配属されたが、わざわざ他班の班長である大槻にも挨拶に来た。他にも、ファンである地下住人から握手や変身ポーズを求められても快く応じるなど、俳優の鏡とも言える好人物。
連帯保証人となった友人の白石准(ダチブルー役の俳優)が借金を返さず逃げたため地下に落ちてきたが、白石が借金を完済したため去っていった。
小田切の側近の一人。C班が地下映画館を始めた初日には、上映後に「オードリーヘップパーン」と称したあんぱんを物販していた。
実は元料理人で、地下落ち前には荻窪のエスニック料理店で働いていた。各班交代で食堂で自炊をする事になった際には、タイ版
チキンライス「カオマンガイ」で皆を唸らせた。…が、大槻が出した無水カレーの想定外の味と評判には敵わず
敗北宣言をし、得意料理のガパオライスでのリベンジを誓った。
腕は確かだが、地上にいた頃の自炊は杜撰、A班の島田の
パスタ(サラダ付)やB班の奥田の
天ぷらを自分の料理の前座呼ばわり、順番が後ゆえ碌な食材が残らないのを知った上で大槻の料理に「期待している」と煽る等
往年の料理漫画の悪役ムーブ性格の悪さが目立ち、その点はいかにも地下の住人らしいと言える。
A班のメンバー。地下に落ちてくる前は、パスタ作りにハマっていた。自炊の際には地下住人にパスタを振る舞った。
B班のメンバー。地下に落ちてくる前はスーパーの惣菜を作っていた。自炊の際には
天ぷらを作り、やや衣が多かったものの喜ばれた。
数少ない判明しているD班メンバー。子供の頃の夢は
料理人で、自炊の際には和風
麻婆豆腐を作った。
服好きが高じて帝愛に借金を作り地下落ちしたファッション系債務者。
その入れ込みっぷりは尋常でなく、地下送りになってもなお大槻による物販やギャンブルといった誘惑に耐え、高級革靴「オールベン」を買うためだけに外出券費含めた200万ペリカもの大金を貯めるほど。
当然それだけのペリカの流出を大槻が黙って見ている筈もなく、沼川と共になんとか止めようと画策するが……。
債務者ドラフトで登場したクズ三連星その1。
大学を中退しそのまま
ニートとなり、実家暮らしでオンラインカジノ三昧。
やがて親の金もろとも全て溶かし帝愛ファイナンスで借金……と、経歴から分かる通りクズ中のクズ。
あまりにドクズすぎて45組に堕とし借金を負わせたとしても返済能力を期待できずカモにしづらいため、大槻も選択を見送ろうとしたが……。
クズ三連星その2。
元暴走族の喧嘩自慢で、暴力事件で学校を退学後パチスロにハマり、450万円の借金を作って地下行きに。得意技は後頭部を掴んでの膝蹴り。
地下の住人とはまた違った輩タイプのクズということで大槻達に冷や汗をかかせた。なお、こういったタイプの債務者は大抵格闘技系の帝愛地下施設送りになるらしい。
何気に下の名前が沼川と同じ。当の本人含め、誰もそのことに触れなかったが。
クズ三連星その3。
元は『
中間管理録トネガワ』の登場人物で、
帝愛グループに面接に来た就活生(CV:
速水奨)。
筆記は満点で面接の受け答えも完璧という凄い人物だったが、あまりに顔が特徴的すぎて会長よりも目立つという理由で落とされた。
その後経緯は定かでないが地下行きとなり、大槻達からも(おそらく顔のせいで)論外と判断されてしまった。
優秀なのに…
地下病棟の担当医として働いている初老の男。カイジ本編でもちらっと出てきた。
実は担当医とは名ばかりな債務者の一人であり、しかも元は医師だったとかでもなく歯科医免許はおろかまともな医療知識すら持たないただの素人。
故に劣悪な環境である病棟に送り込まれた重病人たちにトドメを刺す存在で、まともな治療はおろか検査すらできないので病棟に送り込まれた労働者は8割が帰ってこないという。
大槻によれば虫歯などになれば麻酔も無しにペンチで引っこ抜く荒療治をしかねないとまで言われるほど。
新たにやってきた元医者の債務者。
田沼とは比べ物にならないほど相応の医療知識を持っており、それまで田沼の行っていた治療行為に対して正しい治療方法を指摘し、他の債務者達から信頼されていった。
田沼は当初彼のことを疎ましく思っていたが、虫垂炎になった際に地下で手術を敢行し、見事成功させている。
しかし実際には医師ですらなく、その医療知識もただ医療関連漫画を多く読んで得ただけだった。
声・増田俊樹
外出者の監視及び地下エリアの管轄を担当する黒服。
北海道出身。大槻の実質親友その3。当初はチンチロで荒稼ぎし、頻繁に地上に出る大槻に疑いの目を向けていたが、大槻の巧みな人心掌握術であっさり陥落。その後は大槻と意気投合し、完全な友人関係に。後に沼川、石和とも友人になっている。一時期年下の彼女がいた。
友人になって以降は、監視という名目で大槻及び一味と遊んだり食事したりしている。監視時だけでなく、宮本の非番の時に会っていることも。
年齢は32歳で、大槻とはかなり年齢が離れているが、「黒服と債務者」という互いの立場の差故かあまり年の差を感じさせずに付き合っている。
当初は仕事中の肩の力の抜き方がへたっぴな仕事一筋の堅物だったのだが、アンテナショップ巡りで陥落してからは大槻にすら力を抜きすぎと言われるほどに肩の力が抜けた。
風邪を引きかけた大槻を見舞いに行ったり、
名古屋で一緒に旅行したり、一人で30歳の誕生日を迎えるのが寂しいからと沼川や石和含め、三人分の1日外出券の半額(7万5千円)出したりと非常に仲良くやっている。トネガワにも少しだけ登場し、T-Iくんから「少し遊びすぎ」と指摘された。
更に大槻と酒をたらふく飲んで互いに泥酔した末に本来監視対象である大槻を単独行動させて菅(と酔いが覚めた大槻)が宮本探しに奔走したこともあり、当然ながら監視中に遊んでる噂(事実だけど)が帝愛で流れ、抜き打ちで宮本が他の黒服に二重監視された事も。幸いその時は二重監視を知ったのでなんとかごまかせ、2回目以降は盗聴機を検知する機械を常備するようになった。…いいのかそれ。
その一方で、大槻達の監視を除けば仕事は仕事としてちゃんとやっており、沼川の発酵食品や勤労奨励の一環として与えられた大槻の個室に持ち込むグッズが問題視されたときも「特例として認める」というような形ではなく、キチンと明文化されたルールに則った上で「セーフ」という判断を下すなど頭は回る。
作中のシーンを見る限り(他の黒服達に敬われている、地下のエリアの一つの管轄を任されているなど)、一見そうは見えないようなコミカルな言動が多いが地下担当の黒服の中でも地位が高いようだ。ちなみに過去は債務取り立ての部署に配属されていたらしいが、その際は初期の堅物っぷりからも分かる通り、恐ろしい存在だったらしい。
なお、「帝愛は
ブラック」と『トネガワ』で散々言われているが、腐っても大企業であるためかそれなりに給料は良いらしく、宮本自身は30歳にしてはかなり立派な部屋に暮らしている。車(BMWミニ)を購入し、大槻をドライブに誘った事も。
糖質制限
ダイエットに手を出しつつ、運動不足という事実からは目を逸らしたり、キャンプに興味を持ちながらも普段使いできるキャンプ用品しか買わなかったりと、ブームに流される意識高い系ミーハーなところが若干ある。
○
宮本ダム
宮本の心象風景に存在する、感情が溢れ出さないよう管理しているダム。放水口はサングラスの下。
大槻によって陥落させられると顔部分が割れ崩壊したが、鉄板などで継ぎ合わせられて修復される。
しかし再び陥落されられた際には、顔部分ごと流出するように崩壊してしまった。
地下に降臨した飯屋にして
救世主。
料理が趣味の黒服で、腕前は大槻も絶賛するレベル。
地下作業員たちの食事は帝愛側の社員が数人の持ち回りで担当するのだが、給食長に料理好きの柳内が就任したことで大根の葉っぱや
カボチャの種などを再利用して料理の数を増やすなど食事の質が向上した。
年末の地下では帝愛側の策略「アメとムチ」の「アメ」としてある程度待遇や束縛が緩和されるが、そば粉を100%使用したやたらクオリティの高い
年越し蕎麦に関しては策略抜きで
完全に彼のこだわりである。彼自身もグルメと名高い大槻の美味かったの言葉に小さくガッツポーズをするなど反応を楽しみにしている様子。
しかし残念なことに配置転換で監視の方に転属になってしまう。今までの彼の功績に対してあの大槻たちも感謝の意を捧げていた。
その後、木村がマンションに引っ越した際には手打ち引っ越しそばを打って宮本に運んでもらうというサプライズを行った。その後も大槻の監視役として、ちょくちょく登場している。時には食事を共にすることも。
『円』が使える。
地上に出た地下労働者の監視を担当する黒服。かつては宮本の指導社員を務めていた。
シングルファーザーで、息子2人と共に行っていた国立科学博物館の年間フリーパスを所持する程のヘビーユーザー。
30分たっても同じフロアにいる大槻達に痺れを切らして科博のナビゲーターを買って出る。
その後も監視役で登場するが、世界史専攻だったため大槻や石和の幕末トークにはついていけなかった。一方ゴルフに関しては教え魔おじさんだったりする。宮本同様、仕事中なのに大槻達と飲んでいるシーンも…
結婚には一家言あるようで、木村さんが婚活アプリで出会った女性とのデートに挑む際には酸いも甘いも噛みしめたアドバイスと服飾コーデの協力を自ら申し出、「楽しんで来い」と背中を押した。
息子のうち、長男の俊也は沼川と親しくなり、彼に麻雀を教えられた結果、雀魂で魂天に行くほど麻雀にハマり、次男の弘樹は
ゲーム(ポケモン)に夢中な一方、屋台の
おでんに憧れている。
柳内の後任の地下給食長で元パチプロ。料理の腕に関しては柳内にはるかに及ばないものの、柳内の話では料理の事に関して熱心に聞きに来るなど向上心はあるらしく、労働者の自炊の際には訳あり食材を選ぶことで限られた予算内で大量に食材を仕入れることに成功した。
実は「
鬼滅の刃」のファンであり、彼が
鬼滅ロスに陥った際にはただでさえ粗末な地下の食事が一層ショボくなり、大槻達が頭を抱える羽目になった。
後に直ぐ、まどマギやシュタゲやクラナド等、別のアニメに再熱した。
地上に出た地下労働者の監視を担当する20代の黒服。宮本と牧田の後輩。地下に配属する前は宮本と共に債務者の取り立て部に所属していた。
良くも悪くも生真面目で宮本らと異なり大槻ら債務者には威圧的に接するが、これは「仕事は生きるためにちゃんとやらなければいけないもの」という考えから来るもので、そもそも宮本や牧田が本来監視対象かつ立場が下の債務者と打ち解けすぎているため、ある意味では帝愛の黒服らしい人物と言える。
宮本の作り置きのために外出した大槻を監視しており、大槻の態度に対して睨んだり舌打ちする等の不信感を抱いていたが、大槻の作った宮本の作り置きを味見し、宮本の性格が丸くなった理由を理解した。
それと同時に宮本や帝愛の真の恐ろしさを甘く見ない方がいいと警告したその瞬間にノリ良く帰ってきた宮本によってムードがブチ壊しになってしまった。
またタイパ(タイムパフォーマンス)を重視しており、映画を倍速で視聴するなど、今どきの若者といった感じだが、自分と価値観の違う大槻らを見下しバカにするなど、すでに債務者ではない木村正一には流石に失礼だが、問題児のような一面もあり、単行本16巻のおまけページでは宮本から言葉遣いの荒さを注意された。
実はコスパ(コストパフォーマンス)重視のため実家に住まいで、父と母の初子と姉の4人家族。家では普段と異なり孝行息子であるが、成り行きで大槻と宮本を泊めた際には恥ずかしさから母についキツい態度を取ってしまい、普段の言葉遣いの荒さに加えて家での様子を知らない宮本から叱責されてしまった(母には翌朝謝罪している)。ちなみに姉は推しの配信動画を視聴するために夜間は自室に引きこもっており、同人誌を描くほどのオタクで、菅自身は上記の仕事に対する考え方から姉の生活には不満を抱いている。
ニックネームは「ガースー」。
帝愛グループ会長の兵藤の側近。トップ中のトップの一人である。
なぜかやたらと傍若無人かつ自由気ままな人物になっており、沼川の発酵食品を強奪していった。
しかし沼川にすそを掴まれたときには冷淡な目で見降ろしており、地下の住人を何とも思っていない冷酷さも持っている。
また班長達による地下落ち候補の債務者達の配属希望調査では、実はこれまで一度も労働者側の希望通りになったことがない点を利用した大槻が優秀な人材を確保しようと敢えて最も選びたくない債務者を希望した際には帝愛側の意図に気付いたご褒美として、大槻が調査用紙に記入した通りの債務者をE班に配属させた。
ちなみに本編で初対面だったこととの整合性を取るため、大槻とは顔を合わせていない。
どっちも地下までわざわざ下りてくるような人物ではないため、「その頃地上は……」的に彼らの行動が描かれたり、イメージ映像の中に出て来たりする。
だが、利根川は『トネガワ』側のエピソードで地上に出た大槻と
カツ丼屋で遭遇している。互いに相手の顔は知らないため、それぞれ帝愛の幹部と債務者であることには気づいておらず、大槻は利根川に対して盛大な煽りでカツの海へと引きずり込んだ。
地上の住人
声・きそひろこ
大槻行きつけの居酒屋、「小料理みゆき」の女将。
『
中間管理録トネガワ』の特別篇として掲載された
読み切り版『1日外出録ハンチョウ』で初登場し、その後連載版にも準レギュラーとして登場するようになった。
醤油を弾いてしまうほど脂の乗った旬のブリに隠し包丁を入れる等の細かい一手間と優しさが入った料理は大槻以外にも評判は高く、宮本もちょくちょく訪れるようになっている。
花見キャンプではSPゲストとして参加し、特製稲荷寿司を振舞った。
往年の名作洋画やポケモン等のサブカルにも以外と詳しい。アニメでは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の発音がかなり流暢。
元地下労働者。コツコツと四半世紀働き続けてようやく解放された人物。大槻の実質親友その4。
何気にあの劣悪な環境の地下で25年も元気に過ごし、自力で抜け出した凄い人物でもある。
一応地下では古新聞などで情報を集めていたものの、感覚がバブル期のまま止まっていたため「うどん屋でセルフサービスの
天ぷらを取った大槻に「
万引きは駄目だよ!」と大声で叫ぶ」等の常識外れの行動で大槻を困らせた後に、
「Tカードは行いの良い選ばれた人にだけ与えられる特別なカード」「スカイツリーは一度倒れたことがある」などと地上に関する嘘情報を面白半分で吹き込まれる羽目になる。
その後は自分の住む練馬区のアパートに寒波から避難してきた大槻たちを快く迎え入れるなど、地上における友人として時々登場している。嘘情報に関しても「大槻君ひどいよ~」程度で済ませている。ちなみに大槻より年上であるためか、大槻は敬語で接している。
趣味は洋楽でもっぱら聴くのが専門。レコードも1500枚所持していたが全て借金のカタに取り上げられてしまった。64話にて
運転免許を取り直した。
基本的に救いようのないクズの債務者ばかりなカイジ世界において、地上に出てからは真面目に働きながら生活している事といい、良心的な性格をしている事といい何故地下に落ちたのかが気になる人物。
人の良さゆえに知人の連帯保証人となってしまって裏切られたのか、人が良すぎるのが災いして少し庇いようのない騙され方をしたのか、「バブル崩壊まではイケイケだった」ということからその勢いで事業に手を出して失敗してしまったのか……といったところが考えられるだろうか。
その後88話で正社員に昇格。家賃補助が出ることになったため、埼玉県新座市のマンションに引っ越している。職場の同僚からマグロの頭などが送られてくる事も。
沼川拓也の弟。名前の読みは「たいせい」。髪を染めており、拓也と同じような薄い口髭を生やしている。
顔は兄そっくりだが、全体的に兄よりもしっかりしている。
兄とは6年以上会っていなかったらしい。そのため、沼川の現状(借金を負って地下にいる事)は知らない。ただ、兄に借金があったこと自体は気づいているが、それは完済したものと思っている(借金があるときは、会ってくれなかったため)。
兄がいる環境で育ったためか、年上との付き合い方がうまく、初対面でも大槻や石和ともすぐに馴染んだ。
「
賭博破戒録カイジ」本編ではパチンコ「
沼」を抱える裏カジノの店長であり破戒録の
ラスボスだった青年。
ただし「ハンチョウ」においての彼は「カイジ」の更なるスピンオフ作品
「上京生活録イチジョウ」出典のフリーター時代の一条(19)。
時系列的にハンチョウとほぼ同じであろう『トネガワ』の方で普通に裏カジノの店長として登場していた事はつっこんではいけない。
深夜バイトで働いているファミレスに一日外出した大槻一行が訪れた所から特別読み切り「
ハンチョウ VS. イチジョウ」がスタートする。
なおVSとあるが、あくまでも店員と客という立場で接するにとどまり、大槻一味が話しているのを一条が聞いていたりするだけで、対決要素は無い。
本編の描写に沿えば、後々(班長の権限を失った)大槻のところに落ちてくる運命だが、今のところは両者共に知る由もない。
大槻の心の中の住人
大槻のイマジナリーフレンド(?)。時々出てきては大槻の行動をコントロールする。
「牛の邪神」、「豚の邪神」、「鳥の邪神」などが存在。肉を食えない期間が一定以上経過すると大槻の中で暴れ出す……らしい。
大槻にひたすら肉を食わせようとするが、ブラジル料理のシュラスコで欲望を越えて食いまくった大槻の策略に嵌り爆散……するも、その後やたら禍々しい見た目の
「スイーツの邪神」が現れたため、邪神との戦いは継続することになった。
なおスイーツの邪神はケーキビュッフェが食べられなかったので大槻共々落胆していた
更に上記以外にもう一柱、激辛の欲を司る
「激辛の邪神」も存在。
大槻の心の奥底に封印されていたものを
イギリス大槻が誤って解放してしまい、10年ぶりに暴れ出した……のだが、邪神の癖に食事前に牛乳で胃をコーティングすることを勧めたり、辛さの調節ができるか心配したりと妙に及び腰。その訳は……。
大槻が食事のネタに迷ったときに、唐突に大槻の脳内で開催される(大槻本人は無意識らしい)。
無意識の大槻(本体)が座長として大槻長を名乗り、各国代表の大槻がそれぞれに意見(というか自国料理のアピール)を出し合い、食べるものを決める会議。
世界各国の衣装を着た大槻が会議場にひしめく姿はシュール極まりなく、誠に腹筋に悪い。
採用回数は初登場時のもの。
採用数:228回
安定感抜群・選定回数ナンバーワンを誇る。
採用数:121回
大槻の大好物・
レバニラを擁するナンバー2。
また中国は半年に一度、広東大槻や四川大槻など多数の大槻に分裂する大中華喰台祭が開催されるとのこと。
採用数:18回
ハンバーガーしか提案しない(恐らく大槻自身がアメリカ料理=ハンバーガーとしか認識していないと思われる)が時に冒険心溢れ、自分に自身が持てずにいたりぼん大槻を励ましたりと男気も持ち合わせている。
採用数:
0回
フィッシュアンドチップスしか主張しない。
しかし同じく1品しか主張しないながらも採用実績のあるアメリカ大槻と異なり一度も採用されたことがないため、ブルガリア大槻加入に伴う定員オーバーによりメンバーから外され、その後もコンビニ大槻の大群に真っ先に襲われボコボコにされるなど何かと不遇。
イギリス料理だからしょうがない
採用数:1回
登場当初は国が不明だったためか幼少期の大槻の姿をしており、服装もラフだったが、2度目の登場時からはブルガリアの民族衣装を着ていた。
大槻が衝動的にコンビニでドカ食いしたくなった時に乱入して会議を荒らし尽くし、その際現実世界では大槻が衝動的にコンビニ商品を買い漁る。
ドカ食いを終えると脳内ではコンビニ大槻達は昇天していく。
採用数:1回
幼い頃にいとこの家で少女漫画を読んでいた大槻の女子の心が具現化したOL風の存在。
当初は控えめだったがアメリカ大槻に背中を押され、リコッタパンケーキを提案して……。
上記の他にもイタリア大槻(採用数:56回)、韓国大槻(採用数:14回)、ブラジル大槻(採用数:4回)、フランス大槻、トルコ大槻、ロシア大槻、デンマーク大槻などがいる。
分裂大槻達 |
料理ジャンル・分類 |
広東大槻 |
四本脚の食材系 |
北京大槻 |
シンプルかつ豪快な北京ダック |
四川大槻 |
激辛系 |
上海大槻 |
海鮮系 |
台湾大槻 |
八角(スパイス)を用いた料理 ここと大陸側の地域がごっちゃになっているのは大槻の良くも悪くもガバガバな地理・文化知識の描写でもまずかったのか、最近の単行本及び電子書籍においては薬膳大槻に変更されている |
飲茶大槻 |
色々とつまめる料理 |
江蘇大槻 |
江蘇料理 また江蘇料理は4つに分類できるため、除海・蘇錫・淮陽・南京料理の江蘇大槻4連星に分裂する |
福建大槻 |
素朴な味の料理 |
湖南大槻 |
激辛系 |
浙江大槻 |
東坡肉 |
湖北大槻4人衆 |
襄鄖菜(北西部)・漢沔菜(中央部)・鄂州菜(東南部)・荊南菜(西南部)の4種類 |
江西大槻3兄弟 |
鄱陽湖・南昌・贛南の3種類 |
王将大槻 |
餃子の王将 |
大槻が寝入るときに行っている妄想で、彼の子供という設定。はじめは6歳の無邪気な少年だったが、後に15歳の反抗期となり、その後は第1志望であるA社に内定、大槻を内定祝いに飲みに連れて行った。
なおイマジナリー子育ては子育てにおけるイベント(七五三、卒業式、成人式など)を断片的に行うため、20日程度で自立(=イマジナリー子育て終了)しており、その度に新しい子供を育て直している。その結果大槻のイマジナリーファミリーはかなり多い。
余談
冒頭に述べた通り本作は『カイジ』の外伝であるだけでなく同じく外伝である『トネガワ』の外伝という側面もあり、『トネガワ』が『ハンチョウ』の話をパロディしたエピソードがあったり、単行本の表紙が『トネガワ』とほぼ同じ構図になっていたりする。
その表紙の比較がこちら。
|
トネガワ |
ハンチョウ |
1巻 |
野菜ジュースを片手に決めポーズの利根川 |
焼きイカを片手に決めポーズの大槻 |
2巻 |
ボーリングの球を構えて怪しく笑う利根川と黒服達 |
ステーキを前に怪しく笑う大槻と沼川と石和 |
3巻 |
駆け抜ける利根川と兵藤 |
噴きこぼれる鍋に驚く宮本と駆け抜ける大槻 |
4巻 |
ジェットコースターを楽しむ利根川と兵藤と黒服達 |
同じ構図で映画を鑑賞する大槻たち |
5巻 |
右手で印鑑を構える利根川 |
右手の箸でうどんを取り、左手で器にネギをばらまく大槻 |
6巻 |
冷蔵庫の中の栄養ドリンクに手を伸ばす利根川 |
ファミレス(サイゼリヤ?)で呼び出しベルに手を伸ばす大槻 |
7巻 |
兵藤にビンタされる利根川 |
宮本にスポーツドリンクの缶を押し当てられる大槻 |
8巻 |
choo choo trainする利根川と黒服達 |
一列になって花見をする大槻、宮本、沼川、木村、石和 |
9巻 |
肩に上着を掛け、片手で一日分の野菜のパックを持つ利根川 |
アロハシャツを着て、両手に二つに割ったアイスキャンディーを持つ大槻 |
10巻 |
歯を見せて満面の笑みの利根川 |
同じ構図でレモンの果肉を啜る大槻 |
尚、『トネガワ』が10巻で完結したため、『ハンチョウ』11巻以降の表紙はオリジナルとなっている。
追記・修正はペリカを使い果たさない範囲で1日外出を楽しめる方がお願いします。
- まさかの地下雑誌発行展開あるか…?地下の検閲が心配ではあるが持ち込みは許可されてたし瀬戸内さんの信頼に期待したい -- 名無しさん (2022-04-19 12:30:06)
- コメント欄をログ化仕様にしました -- (名無しさん) 2022-05-14 02:04:22
- チンチロで悪どいことさえしなければ遊びに精通した愉快なおじさんたちなんだけどなあ。チンチロしないと外出できないけど。 -- (名無しさん) 2022-06-19 17:44:42
- カイジ本編とはパラレルだったとしてもいつか利根川のようにこの世界のカイジが来て本編と同じような末路をたどるんだろうな。で、最終回は金も地位も信頼も失った大槻を助けるために木村が自分から地下に降りてくる展開になるんじゃないかと予想してみる。 -- (名無しさん) 2022-07-03 19:08:15
- ↑普通に食べ歩きをした後、カイジのシルエットが…かもしれない。 -- (名無しさん) 2022-07-10 07:43:07
- 高級革靴買うために200万ペリカ(2000万円)貯めた奴が出てきたけど、ペリカって希望すれば差引き分以外も借金返済に充てることってできるのかな。 -- (名無しさん) 2022-07-19 18:59:06
- ↑値段は20万円の間違いでは?それはそうと原作だと借金返済に充てられないはず。仮に充てられたとしても微々たる額だろうし。 -- (名無しさん) 2022-07-19 21:17:35
- ↑1 ↑2 1円=10ペリカだから200万ペリカだと20万円だね。あとあの200万ペリカは靴代の他にも外出券代(50万ペリカ)も含まれてたはず。てかチンチロで一発逆転を狙うわけでもなくカイジですら一度は堕ちた大槻の誘惑に耐えて200万ペリカ貯めるってある意味凄いよな。 -- (名無しさん) 2022-07-20 23:05:03
- ↑単純計算でほぼ2年間貯蓄していたわけですから、すごいですよね。まぁペリカ自体「労働意欲を上げるため」と明言されていますから、“正しい”使い方ではあります。 -- (名無しさん) 2022-10-03 20:45:20
- 1日外出券一億ペリカという単行本のオチ -- (名無しさん) 2022-10-27 14:55:10
- 仕入れに関して、別にドンキで買ってるわけではなくない?アイデア出しのために行っただけで仕入れは普通に業務用のとこだと思うけど -- (名無しさん) 2022-11-04 16:02:16
- ↑おせち回では激安スーパーに直接発注かけてる描写あるから、仕入れまでやってるとは思う。規模的に利用者数十人 -- (名無しさん) 2022-11-04 16:12:29
- ミス、数十人レベルだから問屋使うほどか微妙だし -- (名無しさん) 2022-11-04 16:12:58
- 最終回はトネガワの最終回が山崎視点だった感じに沼川が班長になって大槻は既に地下を出た後とか、木村視点だと大槻がカイジに大敗した事は知らないし大槻が地上に出られなくなっても状況知らないから『最近大槻君達来ないな…』位で済みそうだし -- (名無しさん) 2022-11-18 17:08:04
- 実は時系列的にはカイジが地下に落ちる前じゃなく地上に戻った後だった説を提唱してみる -- (名無しさん) 2022-12-27 11:09:23
- カイジにバレた後で四五六賽を使って荒稼ぎとか尋常じゃねえ度胸だな -- (名無しさん) 2023-02-15 20:13:26
- どっかで「カイジに敗北後」って設定が明かされたの?それとも↑2は「カイジがチンチロ以外の方法で地上に出て借金完済(=イカサマはバレてない。バレた破戒録本編では班長の座を剥奪されているから)」と推測? -- (名無しさん) 2023-02-16 12:43:48
- ハンチョウのエピソード項目は普通にサブタイトルではなくエピソード中のキーワードとするのが恒例なんやろか。書きたいけど特にキーワードらしいものが無い回がいくつかあるのだけど -- (名無しさん) 2023-03-04 13:29:47
- ↑多分キーワードの方が分かりやすいだろうからそうしてるだけで、慣習とかではないかと。普通にサブタイトルで項目立てても問題ないと思う。 -- (名無しさん) 2023-03-05 11:12:26
- ↑3↑5 何か、宮誕とかイチジョウ(こっちちは割と年代明記してる)との絡みとか無理矢理に解釈すると、前とか後とかじゃなくてループしてるんじゃないかって気が……キャラ周り以外は時間進んで、スピンオフごとにカイジリセットまでの周期にズレがあって、時折ThisManみたいな前周の記憶が蘇る、みたいな。(無理やり考えないなら、まあそんなもんだで流す -- (名無しさん) 2023-03-05 11:37:21
- ↑7 周りからの認識がただの部下な山崎や村上と違って、沼川はガチの共犯だからなぁ…… -- (名無しさん) 2023-03-09 10:29:23
- 最新話の特別編で宮本が32歳になってたから 一応じわじわと時系列は進んでるのな -- (名無しさん) 2023-06-14 22:27:07
- 地下の登場人物に高越(関西弁ツッコミ)も追加してほしい。1話限りの登場人物だけど -- (名無しさん) 2023-11-09 19:31:26
- ↑2 正月とクリスマスが2エピソードあるから計算は合う……のかな。季節エピソードはバラバラだし筋肉回みたいにエピ中何ヶ月も経過(絵的に他回と並行できない)してるのもあるけど。 -- (名無しさん) 2024-01-18 05:35:07
- 宮本の年齢と季節イベントの回数(一番多い花見で3回、クリスマスも?)から3年経過は確定、でも5~6年くらいは経ってそうなんだよなぁ。最終回来たらどうなるんだろう? -- (名無しさん) 2024-05-17 01:16:47
- ↑今までのパターンだと宮本の視点で振り返ってだろうけど。ただいつものように日常回が展開されて最後の最後でカイジが登場するパターンもありそう。 -- (名無しさん) 2024-08-02 09:30:37
- 内容が「多重債務者が監視されながら外出する話」じゃなくて「講談社正社員の休日風景」という感想がXにあって草 -- (名無しさん) 2024-08-05 23:12:51
- 外出頻度高すぎるし、完全にサザエさん時空だよね -- (名無しさん) 2024-09-14 17:33:24
- やっぱり大槻の地下落ちの経緯は明かしてほしいよなぁ...どうせ本編で再登場するキャラでもないんだし -- (名無しさん) 2024-10-14 02:28:39
- オールベン佐藤みたいな人間は地下にいた方がよさそう……娯楽のない地下なら革靴の為に節制してコツコツ頑張れるけど、地上に出たら物欲に歯止めが利かずまた借金まみれコースでしょ…… -- (名無しさん) 2024-11-07 19:28:49
最終更新:2025年04月15日 15:04