登録日:2018/10/16 (火曜日) 19:00:00
更新日:2023/01/29 Sun 18:31:42
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ムシは出来ない。甘くはない。収容の手間も「チョコっと面倒」どころじゃない。
概要
SCP-743は項目名の通り、ステンレス製のチョコレートファウンテンである。高さは約1m、結構でかい。
土台には「Sephra(実在する会社名。チョコレートファウンテンを専門に制作している。)」という文字がエッチングされているが、この会社との関連性は不明。
常に新品のようにピカピカで、傷一つ付いていない。
バイキングとかに行ったことがある人ならチョコレートファウンテンを知ってるだろうが、念のため説明すると、
溶けたチョコレートを噴水みたいに流す装置である。流れるチョコに果物とかを付けてチョコレートフォンデュにして食べる。美味い。
まあこいつはオブジェクトだし、普通に使うなんて当然無理。まさか食べたら死ぬなんて甘い理由でKeterになってる訳がないだろう。
チョコだけn□≡
こいつは完全に組み立てられたとき、以下のような異常性を段階的に示す。「じゃあ組み立てなきゃ良いんだからSafeじゃん」というツッコミはちょっと待って。
なお、本記事では段階ごとに数字が割り振られているが、常にその順番で進行するとは限らないのでここでは書かない。
普段はこの状態。見かけには異常は見られない。
こいつの頂上部から茶色のチョコレートみたいな液体が流れ出す。この液体は高品質のダークチョコレートにそっくりで、化学組成もほとんど同じ。
特に香りがものすごく良いらしく、たくさん食べた人は幸福感を感じる。ちなみに液体がどこから来ているのかは不明。
743の近くに何らかの有機物がある場合、この状態に移行する。ここからがこいつの本領発揮である。
こいつの上部から茶色いアリみたいな節足動物がおびただしい勢いで流れ出てくる。食品衛生法もクソもあったもんじゃねぇ。
アリたちは周囲の有機物に片っ端から群がり、普通のアリと同様にそれらを噛み取って743の中に戻っていく。
獲物は動物、植物、菌類、綿、紙や布製品など非常に多岐に渡るが、なかでも生きた人間を最も好む。やっぱりな。
更には、さっきのチョコレートみたいな液体を食べた奴を優先的に狙うというおまけ付き。
「つってもたかがアリだろ?大して運べないんじゃないの?」と思うかもしれないが、こいつらは毎回数百万単位で現れる上、実に100km以上もの距離を往復するため、
放っとけば辺り一帯ぺんぺん草も生えない荒れ地と化す。こんな禍々しいアリの行列はおそらく他にないだろう。
たぶん一番危険度の高い状態。有機物をすぐに手に入れられない時に発現する。
さっきのアリとは異なるいろんな種類の節足動物が湧き出してくる。出てくる虫どもの一部は既知の種類と似ているが、それ以外は見たこともない謎の姿をしている。
虫どもは種類ごとに異なる役割を持っており、大体下記の三つに分けることができる。
- 羽を持ち空を飛ぶハエみたいな虫。直接攻撃してくることはないが、周囲の観察と調査、斥候としての役割を持っている。いわば743の目である。
- ほとんどの物質に穴を開けられるカミキリムシみたいな虫。集団で押し寄せることで厚い壁でも容易にぶち抜く。
- 獲物を狩ることに特化した昆虫と蜘蛛の集団。一番厄介なのがこいつ。逃げようとする動物を追い詰め、一斉に襲いかかることでぶち殺す。
743がKeterなのはだいたいこの状態のせいである。特に二番目と三番目の虫が収容の大きな障害となっている。
「こんなのどうやって収容すんだよ。ていうかもう破壊した方が良くない?」とGOC的な考えを持ってる人もいるかもしれない。実際743には破壊計画が存在する。
所詮ただのステンレスだし、破壊する方法なんていくらでも・・・とはいかない。こいつにはもう一つ、面倒極まりない状態があるからだ。
743を傷つけたり、分解したりすると発現する状態。
分解されているにも関わらず743は液体を出し始め、上記の連中とも更に異なる、新たな節足動物を放出する。
こいつらは743のへこみや傷、欠けを修復したり、分解されたときはそれを組み立て直すことまでできる。
おまけに743を守るために戦うため、こいつらが出てきた時点で743に近づくことすら難しくなる。
加えて743は、自身の位置を自由に変えることができる。
まとめるとSCP-743は「チョコレートファウンテンの見た目をした移動性のアリ塚」である。ここまでくるとむしろ移動要塞と言って良いかもしれない。
一応、虫どもの耐久性は普通の虫に毛が生えた程度であり、単体なら割と簡単に殺すことができる。
まあ743はこれらの虫を数十億単位で生み出せる上、こいつらと単独で遭遇することなんてまずあり得ないが。
ちなみにそれぞれの状態が重複するのかは不明である。まあKeterだし多分重複するだろうけど。
ある博士の提案
さて、ではこのクソ面倒なオブジェクトをどうやって収容するかだが、もちろん普通に封じ込めるのは不可能である。
それならこいつが狩猟状態にならないよう、定期的に餌を与えておとなしくさせるのが一番適切だろう。
ところがこいつは報告書には書かれていないが、どうやら動物とか植物とかを与えても満足しないらしい。
じゃあ何を与えようか・・・・・・ん?
その性質のため、SCP-743の能力の源を探る調査はまるで芳しくない。誰も食べられること無くそれに近づくことはできず、我々の装置は現れる虫ケラによって2、3分かそこらでみじん切りにされるし、中身を見たとしても褐色しか見えないからだ。加えて、我々の知る限り最速の気相分析装置よりも素早く、液体は蒸発してしまう。我々が知っている唯一の事と言ったら、743がとても危険ということだけだ。我々は743の虫どもの流れが際限なく押し寄せることを知っている。本気を出したなら、我々の収容方法を破ることが可能だと、私は思っている。743は見たところ生きた人間を食わせることでおとなしくなるようだ。どうせ解雇されるD-クラスの一部を与えるべきだと、私は提案する。一石二鳥だ - ランバート博士
提案「チョコレートによる死刑」O5-■■承認
そんなわけで現在の収容プロトコルがこちら。
- 150cm×75cm×75cmの容器に収容するよ。
- センサを使って容器内部を監視してね。何かあったらすぐ報告してね。
- 24人のDクラス専用の住居を収容区域に建てるよ。
- いつも住居に24人ぴったりいるようにしてね。減ったら補充してね。
- 2日おきにDクラスを743の収容室に入れるよ。容器は遠隔操作で開けてね。
- もし収容違反が起きたら24人全員を743と接触させてね。
この甘ったるい幸福感が自らの労働に対する褒美ではないと気付くまで、そう時間は要らなかった。
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ちなみに |
皆大好きクソトカゲこと、 SCP-682「不死身の爬虫類」の終了実験記録にもこいつは登場している。詳細はSCP-682の該当記事に任せるが、中々シュールな記録なのでぜひ見て頂きたい。
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追記、修正はチョコレートフォンデュを食べながらお願いします。
- 結局、何故組み立てないでおく事ができんの? 「維持状態」のせいでもはや分解不可能という事? -- 名無しさん (2018-10-16 19:05:40)
- ↑分解しようとすると例の虫が出てくるからってことでしょ -- 名無しさん (2018-10-16 19:07:05)